走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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テストドライバーの仕事

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永年イタリア車に乗り続けてきたために、どういう訳か友人のクルマ選びに付き合うようになり、結果として多くの物件に接する機会が増えると、何となくクルマを全体のバランスで見ることができるようになり、良いクルマと悪いクルマが分かるようになって来ました。一見すると実に大雑把なクルマの検分の仕方なのですが、それは意外に当たっていることも多く、「佇まい評論家」?としてごく一部の内輪で信用されるようになりました(苦笑)。

さらに、そのクルマを購入した友人の依頼で初期化チェックや部品の手配までを行うようになると、自分自身でも業者か・・・と思うような内容のサポートをするようになってしまったのですが、その中でも重要なのがテストドライブです。もちろんメンテナンス・ガレージのメカニックも行うのですが、それはチョイ乗りであることが多く、イタリア車の中古車の場合は、ある程度乗って見なければ分からないこともあり、私の場合は最低でも半日程度は試乗することによりそのクルマのチェックをするようにしています。このテストドライブは中古車を購入した場合は必要不可欠で、路上で立ち往生してしまうリスクもあるのですが、不用意に乗り出してからそれが襲ってくることを避ける意味でも、その「覚悟と準備」をしてテストドライブするほうが精神衛生上も好ましいことは言うまでもありません。

本来ならばこのテストドライブはオーナーの役割でもあると思うのですが、友人のR君はそういったことを私に「丸投げ」するクセがあり(苦笑)、過去にも115Spiderを丸投げされてこのテストドライブを行ったことがあるのですが、今回彼が手に入れたアルファRZも私がテストドライブをすることになりました。

今回は私のテストドライブの際の手法とそのチェックポイントについてお話したいと思います。

まずは車載工具ですが、必ず自分の工具箱を積み替えるようにしています。私の工具箱には永年の経験からチョイスした様々な路上トラブルの応急修理グッズと工具が入っており、万が一のことがあった場合でも最低限自分自身で何とかできるようにしています。
出先でのトラブルでその原因が分かっており対処することができるのに、その部品や工具がない・・・という状況ほど悔しいことはありませんので、この車載工具箱はテストドライブの際の「お守り」としても絶対必要なものです。

さらに乗り出す際には必ずタイヤゲージ(これも持って行きます)で空気圧を測定します。もし適正空気圧でなければ乗り出し時に適正空気圧に調整してからスタートです。
そしてこれもポイントなのですが、カーステレオなどの動作チェックをした後は音源をカットし、可能な限り窓は開けて走行します。これは異音を聞き分けるための処置なのですが、今回の場合はオープンですのでさらにトップを開けて走行します。

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テストドライブのコースは市街地、高速、ワインディングがミックスされているのが望ましく、今回選んだコースは館山自動車道を南下して、南房総の千倉まで行って戻ってくるというコースで、最近のお気に入りコースです。距離的には都心から南房総というのは伊豆半島と変わらない距離なのですが、方や、伊豆半島にテストドライブに出かけると渋滞にハマり、結果としてたいしたテストにならず一日仕事になってしまいます。
一方で房総方面は休日であってもハイシーズンを外せば殆どストレスなく走行することができますし、近年は随分と道路が整備され、国道から県道まで舗装が整っており実に走りやすくなっています。今回も途中で食事や休憩を挟んでも半日でこのコースを走破することができました。

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写真は館山自動車道ですが、日曜日の昼間でこの状態です(苦笑)。千葉の観光産業にとっては由々しき事態ですが、テストドライブをする方には最上のコンディションです(笑)。

走り出してすぐに必ず行うチェックは走安系のチェックです。
これは街中でもできますが、できれば高速道路の方がその特性が良く分かります。まずは高速の合流路の一定のカーブでステアリングのチェックです。ステアリングの舵角と速度を一定に保ち、ちゃんと車体が一定の円を描いて走行するかや、ステアリングにガタつきがあったり、おかしなテンションがかかっていないかを確認します。例えばパワーステアリングポンプに異常があったりすると、この時にステアリングからの反発が強くなったり弱くなったりしますし、異音がする場合もあります。またサスペンスションストラットの剛性が落ちていると挙動が一定しなかったり変な突き上げを感じる場合もあります。

高速道路に合流したらまずはエンジンのチェックです。タコメーターを見ながら各速度域とギアの組み合わせを変えながら順番にチェックをして行きます。例えばギアを変えずに2000rpmから5000rpmまで1000rpm程度の幅で刻みながらアクセルオンとオフを繰り返し、それを各ギアで行います。エンジンをオーバーホールした場合はその「慣らし」をするためにも有効ですし、今回のRZのように永年動かしていなかったエンジンの場合はその「当たりをつける」ためにも有効ですが、本来の目的はエンジンの回転フィールとドライブシャフトの異常や消耗具合のチェックをすることにあります。

次に一定速度でのレーンチェンジです。私の場合は60km、80km、100km、1○○kmの四段階で左右のレーンチェンジを行い、ステアリングとサスペンスション関係のチェックを行っています。右と左のレーンチェンジで挙動が異なっていたり、特定の速度域で挙動が安定しない場合は、タイヤやホイールアライメントを始めとして何かしら問題がある可能性があります。
前述しましたが、これらのチェックの前提はタイヤの空気圧が適正であることが重要で、これが狂っているとテストになりませんので、出発前の空気圧チェックが重要であることがお分かりいただけるのではないかと思います。

もちろん走行中にはエンジンやボディからの異音には常に注意を払います。RZのようなオープンモデルで重要なのはボディからの異音で、それが「異常な」音なのか「通常の」音(笑)なのかを聞き分けることが必要です。

ワインディングでは同じくクルマの挙動や異音に注意しますが、それまでの高速道路で問題がなければワインディングではあまり神経質にならずに、そのクルマの挙動を素直に楽しんでいます。テストドライブではいきなりワインディングを走ると何かあったときに事態がオオゴトになってしまいますので、先に高速道路を走るルート設定をしてドライブの初期の段階で不具合を見つけておくようにしています。

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今回のテストドライブではこのクルマがやってきたときの問題がそのまま持ち越されていることが確認できましたが、一方で悪化しているポイントもなく、この個体がやはり「上物」であることが確認できました。

初期化の課題としてはやはりタイヤです。トレッドの山は充分あるもののゴムは寿命を迎えており、そのゴツゴツとした乗り心地とワインディングや高速でボディを左右に振ったときの挙動にタイヤが殆ど貢献していないことが分かります。しかし、半日じっくり乗って見て気がついたのですが、クローズド状態では気になるタイヤノイズもオープン時では他にも様々な音がするために(笑)、それほど気にならなくなってしまいました。またグリップに関してはそんなにコーナーを攻めたりしないでしょうし、ましてやウェットグリップに関しては雨の日は乗らないでしょうからこれまた大きな問題ではないとすると、それほど急いで交換する必要もないか・・・と思えて来ました。

タイヤを放置するとすると、火急の問題はベルト類の交換です。
タイミングベルトはまだ大丈夫ですが、それ以外の補器類のベルトが鳴き始めています。特にこれから夏場に向かってエンジンルーム内の温度が高くなると、ゴムが延びるためにスベリも出てくると思われます。できる限り部品を集めて交換しておきたいと思います。
ベルトは北米で手配すれば簡単に入手できますが、北米で販売されているベルトは品質が悪いために、最後の手段にしたいと思っています。一番良いのは日本製のバンドー製なのですが、残念ながら該当するサイズのものがありませんでした。しかし、コンチネンタル製のベルトが入手できるかも知れない・・・とのことですので、その結果を待ちたいと思いますが、最悪でもイタリアのOEMメーカーであるDAYCO製のもので揃えたいと考えています。

オーナーからチェックを・・・とお願いされていたエアコンですが、風向きの方向も風量も切り替わりますが、残念なことに冷風は出てきません。コンプレッサーは動いていますので、原因としてはヒーターコックが閉まらなくなっているものと思われます。
以前にデルタの記事でも書いたのですが、ヒーターコックを全閉してしまうとヒーターコアにラジエーターの温水が廻らず、ヒーターコアの内部が腐食する原因にもなりますので、本来であればエアコンに切り替えた場合でも僅かにヒーターコアにも水が流れるのが理想なのですが、そうするとエアコンの効率が悪くなってしまいます。
もちろん現在の状態は完全に故障ですので修理をしなければならないのですが、一時しのぎではありますが、夏場は手動でコックの開度を調整して固定しておくのも手かも知れません。

前後しますが、オーナーからお願いされていた作業に、フロントスポイラーの柱をブラックアウトするという作業がありました。

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これは以前にZAGATORさんからご指摘いただいたポイントなのですが、RZの場合はこのフロントスポイラーの左右の柱が黒く塗られています。この個体はどうやら事故修理の際に気がつかずにボディと同色の赤で塗られてしまったようなのですが、オリジナル状態ではないと分かると気になるもので、オーナーにブラックのフィルムシートを用意しておくようにお願いしてありました。

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彼が用意したのは建物外装用のシートで対候性も抜群なものなのですが、難点はそのフィルムの厚みで曲面に貼るにはちょっと分厚すぎるのですが、目立たない場所ですのでこのまま使用することにしました。
マスキングテープを現物に貼り付けてマーキングし、シートを切り出すサイズを測ります。

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そのサイズでシートを切り出して貼り付けたら完成です。

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RZのオーナー以外は気がつかないようなポイントですが、確かに「何となく」以前よりもフロントマスクが引き締まって見える・・・気がします(笑)。

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さらにお願いされていたのがスペアキーの作成でした。
実はこの年代のアルファ・ロメオはブランクキーが入手困難で、やっと見つけても5,000円もするのです。さらに、このブランクキーが曲者で、通常の鍵屋さんは基本的にはブランクキー持込で鍵の複製はしてくれないのです。理由は失敗したときの弁償などの問題だそうですが、そうすると純正でなくてもどこかにこの特殊キーを扱っている鍵屋さんがないものか・・・と思ってイロイロ探して見つけたのが、この池袋にあるベストサービスというお店でした。

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ここで取り扱っているアルファ・ロメオ用のブランクキーは本国でも使われていたilcoというメーカーのものなのですが、聞けば輸入代理店が取り扱いを止めてしまったため、日本ではこれまた入手が難しくなっているそうです。

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このお店はその代理店が止めるときに買い占めたとのことで、まだ在庫があるとのことです。

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ご覧の通り右側のオリジナルキーと比較しても外観上は殆ど見分けがつきません。しかも目の前で作成してくれて(当たり前か・・・)お値段も1,800円と破格でした。
さらにイモビライザー付きの鍵の複製について聞いてみたのですが、この店はちゃんとコードコピー機も持っており、1996年以前のクルマであればメイクスを問わず対応可能とのことでした。残念ながらアルファ・ロメオ特有のあのデザインでのキー作成はできないと思いますが、興味がある方は訪ねて見てはいかがでしょうか。

今回のテストドライブで新しく発見された問題はフロントからの異音でした。それは帰りの高速道路上で発生したもので、ハブベアリングかブレーキディスクからの異音だと思われます。念のために翌日もチェックして見たのですが、その音はしませんでしたのでまだ初期の症状なのかも知れません。ハブベアリングだと部品の入手も含めてちょっとオオゴトですが、ブレーキディスクにパッドが当たっているだけであれば調整で治るかも知れません。いすれにせよ主治医にはその旨を伝えてチェックをお願いしておきました。

このように意識して定期的にテストドライブを行ってクルマの状態を把握しておくことはクルマの健康管理には重要なことだと思いますが、日常の運転でもちょっと音楽を止めて五感を研ぎ澄ませて運転することにより、異常や消耗を早く発見することができると思います。

今まで様々なクルマをこうして試乗して来たのですが、基本的にはテストドライブは絶対評価だと思っています。どちらが良いかという乗り比べはオーナーのお仕事で、私が過去に乗ったことのある同型車であればその比較もできますが、テストドライブはどこを初期化するかというポイントの洗い出しですので、あくまで悪いところをチェックするという目的で行っています。

クルマの試乗に関しては人それぞれで様々な考え方があるかと思いますが、売り物の試乗やこうしたテストドライブであればともかく、私自身は余程オーナーとの信頼関係がなければオーナーカーを「ちょい乗り」で試乗することは控えるようにしています。理由はもちろん何か事故があったときの問題だけでなく、自分が試乗中に何かトラブルが起こったときの問題です。テストドライブはそのトラブルも前提として行いますので問題はないのですが、単なる試乗中にそれが起こると、オーナーだけでなく私自身も気まずい思いをすることになります。
自分で部品を手配する際に世界中を探し回ったりして苦労した経験があるからこそ、事故の修復や修理部品の手配には膨大な手間がかかる場合があることを痛感しているからなのですが、何より私自身が試乗をしたい・・・と思うクルマがすでに生産されていない希少車ばかりであることが試乗を躊躇わせる最大の問題なのです(苦笑)。

こうしてアルファRZは主治医に入院することになりました。退院後は無事に気持ちよく夏を乗り切ってくれることを願っています。

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コメント

先日は、ありがとうございます。
さっそくディーラーへ持っていきましたが147はこういうものだとと言われ
挙句の果てには気にしていたらアルファは乗れないという返事でした。
女の私に詳細を話しても仕方ないとの事での「こういうもの」という括りになるのかもしれませんが・・。
テストドライバーのブログを読んでさすが・・と拍手喝采です。
ディーラーももう少し親身になってくれればと思います。

  • 2012/05/20(日) 11:09:02 |
  • URL |
  • yuni #-
  • [ 編集]

スペアキーのくだり、参考になりました!お店は違いますがDELTAのサブキー造れました。なんとお店には欧州各国のブランクキーがそろっていて持込不要でした。まだストツクも十分あるようです。ちなみに自分のはSILCA製です。メーカー名が入っていないだけですので、こだわらない方はいかがでしょう?

  • 2012/05/20(日) 16:58:38 |
  • URL |
  • P-幹事長 #-
  • [ 編集]

>yuniさん
残念ながらオーナーが納得していない状態でのメカニックの「こんなもんです」という発言は、治せない言い訳の常套句です。
プロのメカニックであればその状態が普通であることをちゃんと説明できるはずです。yuniさんが現状で異常を感じるほどの音であれば、そんな新車があの値段で売れるはずもありませんよね。
アルファ・ロメオだから・・・と言い訳をして売ったのは過去の話ですし、また買う方も納得ずくで買ってました(苦笑)。
もし、どうしても気になるのであれば一度見ますので言ってください。(関東の方であれば・・・ですが)

  • 2012/05/20(日) 23:37:15 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

>Pー幹事長さま
お電話ありがとうございました。イタリア車のスペアキ-には苦労しますね。例のブツは是非よろしくお願いします。

  • 2012/05/20(日) 23:39:21 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

こちら関東地区在住ではないので
510さんに見て頂きたいと思いますが遠方で難しいです。
保証期間三年がありますのでその間は、今のディーラーに仕方ないですが、お願いをしてその後はリサーチして考えます。

  • 2012/05/21(月) 10:39:36 |
  • URL |
  • yuni #-
  • [ 編集]

>yuniさん
そうですか。でも最低でもディーラーでテスターでコンピューターでチェックしてもらってください。何か問題があればコンピューター診断でちゃんと履歴が残っているはずです。機会がありましたら遠慮なく言って下さいね。

  • 2012/05/21(月) 12:35:38 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

>yuniさん
あと、すでにお読みいただいているかも知れませんが、私もセレの147に試乗しています。10万キロ近く走行した個体でしたが、変速時のショックも異音も全くありませんでしたよ。参考までにもしまだでしたらお読みいただければと思います。

http://ig510190.blog83.fc2.com/blog-entry-558.html

  • 2012/05/21(月) 12:48:08 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

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永年イタリア車に乗り続けてきたために、どういう訳か友人のクルマ選びに付き合うようになり、結果として多くの物件に接する機会が増えると、何となくクルマを全体のバランスで見ることができるようになり、良いクルマと悪いクルマが分かるようになって来ました。一見する...

  • 2012/05/20(日) 04:52:46 |
  • まとめwoネタ速neo

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