走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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イタリア中古車の「今、そこにある危機」と将来

震災の影響から少し脱した感があるとは言え、依然として日本国内の自動車業界は危機的な状況にあると言えるでしょう。
それは国内の景気の影響や少子高齢化による人口の減少によるものだけでなく、多くの人々が自動車という機械そのものに魅力を感じられなくなって来ているのではと思うのですが、実際に自動車メーカーが莫大な広告宣伝費を使って自社の自動車の宣伝をするのではなく、「免許を取ろう」とアピールしていることからも明らかで、警察庁が公表している平成23年度版の運転免許統計によると免許人口(何かしらの運転免許証を保有している人)は頭打ちとなっていることに加えて、30歳未満の免許人口は対前年に比べて軒並みマイナスであることも国内の自動車販売に明るい未来を思い描けなくしています。

スライド3

それでは実際に国内の自動車販売はどのように推移しているのでしょうか。
以下は自動車販売連合会(JADA)日本自動車輸入組合(JAIA)が発表している統計データを基にその推移をグラフにしたものです。

スライド1

昨年度の乗用車(商用車やトラックを除く)の新車と中古車の登録台数は597万台弱と、その前年度の664万台を大きく割り込んでいますが、これは東日本大震災の影響によるものでしょう。しかし、一方でその前年度の664万台は減税や補助金の効果で「カサ上げ」されたものであり、それまでの各年度は前年度割れが続いていたことが見て取れます。
特筆すべきは自動車販売全体に占める中古車の割合で、過去5年間全ての年度で新車販売を上回っています。グラフを良く見れば気がついていただけるかと思うのですが、2010年度において新車購入が増えたのは減税、補助金の効果で、結果として全体に占める中古車の割合は51%になっていますが、それ以外の年度においては安定して53%から54%をキープしており、どちらかと言うと需要の総数の中で、新車販売の落ち込みを中古車販売が支えていると言えます。
つまり、自動車そのものの需要が縮小する中で、さらにその需要が新車から中古車にシフトしていることが見て取れます。

さらにその中で外国車の占める割合を見ると、新車・中古車を合わせた市場全体の中でそれまで外国車の占める割合は10%台で推移していたのが、2012年度はイッキに12%に増加しています。これは震災の影響で国産車が減産を余儀なくされたことによるものだと思うのですが、その内容を見て見ると、中古車全体の中に占める外国車の割合はそれまでの13%台から14%に増加しています。
すなわち、国産新車を購入しようと考えていた購買層は、グレードを下げて同じ価格帯の外国製新車を買うだけでなく、この際だからと、同じ予算で買えるグレードの高い外国製中古車にシフトしたのではないかと思われるのです。

しかしながら、その恩恵を受けたのはドイツ車ばかりで、イタリア車の販売増加には残念ながら寄与してはいませんでした。
以下のグラフは過去10年間に登録された外国車新車(商用車を含む)の内訳です。

外車新車登録推移

昨年度においてはアルファ・ロメオからフェラーリまで全てのイタリア車が束になってもAUDI一社の半分にも達していないのですが、一方で10年前の2002年度はイタリア全メーカーとAUDIはほぼ同数であったのですから、AUDIがいかに日本で販売を伸ばしたかが分かります。と言うか、この10年間はイタリア車の販売は総数において殆ど横ばいで、安定していると言えばそうかも知れませんが、全く成長していないと考えるほうが自然だと思います。
しかし、その新車登録数に中古車の登録数を加えて見てみると興味深い特徴が見えてきます。

2011外国車登録数ブランド別

外国車登録数全体の中で中古車が占める割合は62.9%と国産車よりも高いのは理解できるのですが、イタリア車は中古車が多く、その割合はイタリア車登録数の中で69.6%となっています。

イタリア車の中でもブランド別に見て見ると、かろうじて新車販売が中古車を上回ったのがフィアットだけで、これはFIAT500の新車効果で、アルファ・ロメオに至っては売るタマがなかったことから圧倒的に中古車の登録台数が新車を上回っています。

2011イタリア車登録数ブランド別

イタリア車全体の傾向を見ると、どうやらイタリア車は「新車で買ってはいけないクルマ」となっているようで、良くもこれだけ中古車のタマがあるなと思うほど中古車の販売が堅調であることが分かります。
特筆すべきはアルファ・ロメオの人気で、新車が年間1800台程度しか売れないにも関わらず、中古車は10,000台近くも売れているのです。
アルファ・ロメオに限らずイタリア車全般に言えることだと思うのですが、それは国産中古車とは異なり、そのブランド若しくはモデルを狙って購入することが多く、それはすなわち、アルファ・ロメオのブランド力が新車、中古車を問わず年間で12,000台規模で存在していることを表しています。この12,000台という規模は、アルファ・ロメオが日本で過去最大の新車セールスを記録した2002年の7,426台と比較するとどれほどのものかが分かるでしょう。そしてこの12,000台とはVOLVOの新車販売と同規模の大きさなのです。

現在のFIAT500を見る限り、イタリア車が魅力的なモデルを投入して、適切な購買対象に効果的な広告宣伝を行えば、まだまだシェアを拡大する余地があることが分かります。
狙うべきマーケットはVWやMBなどのドイツ車の牙城ではなく、エコだの燃費だのでクルマ本来の魅力を失いつつある国産車のユーザー層で、クルマを移動の道具として「仕方なく」乗らざるを得ないと考えている購買層ではなく、クルマにプラスαの魅力を求めている購買層をターゲットにして広告宣伝を戦略的に展開して行くことではないかと思います。

一方でイタリア車にこれだけの中古車マーケットがあるということは、イタリア車そのものに魅力はあるものの、その価格に割高感があるということで、以前の記事で書いたように、その価格さえ適正になれば消費者には充分な購買動機があることが分かります。
ところが問題は中古車のタマ数で、中古車とは新車で売れなければ市場には出てこないのです。
現在の10,000台のアルファ・ロメオの中古車市場は過去に好調であった新車のセールスの結果であり、そのタマが尽きたときにこの潜在需要をどうやって維持して行くかが、「今、そこにある危機」としてイタリア中古車販売店が考えなければならないことだと思います。

しかし、私はこれまでの統計分析から、ここにイタリア車を扱う中古車販売店のビジネスチャンスがあるのではと思います。

つまり現在の有利な円高という為替環境を利用して、質の高い中古車を輸入して販売することにより、中古車市場でのタマ数を補うのです。
もちろんこの中古車は国内での仕入れ車のように右から左に売ることはできないでしょう。日本基準でのメンテナンスと日本の道路法規に合わせた改造も必要だと思うのですが、これらのコストは為替差益で充分カバーできるでしょうし、中古車販売業者が合同で中古車の初期化PDIを行うことにより、コストダウンを図ることもできるでしょう。
また、日本仕様にない魅力的な本国モデルを輸入することも、イタリア車を購入しようと考える購買層や、買い替えを考えている現ユーザー層にアピールできるのではと考えます。

これまでは、「中古並行」というどちらかと言うとネガティブなイメージしかなかったと思うのですが、それを逆手にとって、魅力的な本国モデルを日本で丁寧に初期化し、上質な中古車として割安な価格で市場に投入すれば、新車を含めたイタリア車全体の市場も活性化させることができると思うのですがいかがでしょうか。

国内の新車・中古車販売台数全体の僅か0.48%しかないイタリア車ではありますが、それが新車であれ中古車であれ、とにかくシェアを伸ばすことがイタリア車の日本からの撤退や縮小を防ぎ、かつて経験したインポーターがないという冬の時代が再来することを防ぎ、私たちがいつまでも魅力的なイタリア車と暮らすことができるのではないかと思います。

余談になってしまいますが、この記事を書くに当たってWebで発表されていた(記事内のリンク)統計資料に関して警察庁に問い合わせの電話をした際に、受付担当の女性に随分親切に対応していただきました。しかし、残念ながらそれは「最後には」と付け加えなければならない状況でした。

最初に私が、
「警察庁が発表している統計資料について不明の点があるので担当者に取り次いで欲しい」
とお願いしたところ、返ってきた答えは、
「警察庁への問い合わせは各都道府県の警察本部経由で行ってください」
という答えだったのです。
呆れた私は、
「Webで市民に公開している統計資料に関する問い合わせを直接受けられないというのはおかしいと思いませんか」
と尋ねたところ、意外にも、
「そう思います」
という答えが返って来たのです。おそらくこの受付の女性は民間企業によく見られる専門のオペレーターではなく、警察庁の正職員だったのでしょう。そして続けて、
「私に答えられるとは思えませんがどんな質問でしょう」
と聞かれたので、私の統計資料に関する疑問点を伝えました。すると、彼女は自分でもその統計資料を見ながら私の疑問点を確認してくれただけでなく、それを自分自身の疑問として受け止めてくれ、
「確かに変だと思いますが、庁内のルールでは取り次げないので私が聞いてお答えします。」
と内線電話で担当者に確認してくれたのです。

警察庁という組織の性格から、外部からの電話を何でもかんでも取り次ぐことは問題があるとは思いますが、このような理論的な問い合わせに対しても同様な対応をすることはちょっと問題があると思います。しかし、彼女の対応はそのルールを守りながらも柔軟な対応でしたので、私は警察庁に失望することなく本当に感謝をして電話を切ることができました。

以前に国土交通省にも問い合わせの電話をしたのですが、そのときの国土交通省の応対は素晴らしく、受付を含めて3人の人間を経由してやっと答えられる担当者に到達したのですが、ちゃんと質問事項も申し送りされ、何度も同じ話をせずに済んだだけでなく、最後に出た担当者は手許に資料を用意して電話に出てくれました。しかも最後に「他に質問されたい事項はありませんか」とまで聞いてくれたのです。

本当に少しずつではありますが、日本の官公庁も変わりつつあることを実感することができました。

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テーマ:イタリア車 - ジャンル:車・バイク

コメント

中古のイタ車ばかり買っている私です。
そうですね、確かに新車が売れないと中古が市場に流れてこないですよね。
これからは中古車を買う際には、最初のオーナーに心の中で、よくぞ買ってくださいましたと感謝するようにします。
新車の割高感というより、少し待てば激安中古になるのがイタ車の常。
もう少し、値落ちが少なければと相反することを考えてしまいます。

  • 2012/05/12(土) 10:03:08 |
  • URL |
  • なごやまる #-
  • [ 編集]

>なごやまるさん
アルファ・ロメオを例にとれば新車が売れないにも関わらず、中古でアルファ・ロメオを選ぶユーザーが5倍以上いることをインポーターは分析して対策を立てるべきだと思います。もし、アルファ・ロメオが魅力のないクルマであればタダになっても誰も持とうとは思わないはずです。
新車の販売実績だけでは日本にはマーケットがないと本国に判断されてしまいますが、中古車価格のコントロールなのか新車の根付けの問題なのか、需要分析をちゃんとインポーターが行うことにより適切な対策ができると思います。

  • 2012/05/12(土) 15:22:51 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

本文中に誤記がありましたので訂正させていただきます。
2011年のアルファ・ロメオの新車及び中古車の登録台数12,000台はVOLVOの新車登録台数と同規模です。メルセデス・ベンツと書いてしまいましたが、敵?は2.8倍でした(汗)。
謹んでお詫びして本文を訂正させていただきました。

  • 2012/05/12(土) 22:20:35 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

値下げ目的で新車を自社買いして中古車にして売るという,いわゆる新古車はどういう扱いになるんでしょうかね.
自社買いの時点で新車が売れたとしてカウントされているんでしょうか.このへんも新車と中古車の比率に影響するように思います.

  • 2012/05/15(火) 22:41:30 |
  • URL |
  • Hiroshi #-
  • [ 編集]

>Hiroshiさん
統計は「登録車数」ですので、残念ながらそれはカウントされてしまうでしょうね。さらにその新古車が売れた場合も中古車の販売数としてカウントされますので、同じ年度内だと新車販売が1、中古車販売が1とカウントされてしまいます。
どの程度がディーラーにより意図的に登録されたのか不明ですが、それほど大勢には影響しないような気がします。なにせ2011年はMitoくらいしか売るタマがなかったのですから・・・(苦笑)。

  • 2012/05/16(水) 02:11:27 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

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震災の影響から少し脱した感があるとは言え、依然として日本国内の自動車業界は危機的な状況にあると言えるでしょう。それは国内の景気の影響や少子高齢化による人口の減少によるものだけでなく、多くの人々が自動車という機械そのものに魅力を感じられなくなって来ている...

  • 2012/05/12(土) 02:37:19 |
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