走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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矛と盾 追補

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私が前回のブログで「最良の結果」と書いた北朝鮮の弾道ミサイル(人工衛星)発射(打ち上げ)実験は見事なまでの失敗に終わり、SM-3もPAC-3も出番はありませんでした。

しかし一方でもう一つ期待すると書いた、これからの日本に必要な安全保障に関する議論は一向に始まる様子はなく、あれだけ準備したJ-ALERTと呼ばれる緊急通報システムが機能しなかったことばかりが問題視されています。
しかし、この問題も恐らくしばらくすると沈静化してしまい、誰も本質論を議論せずにまたもとの日常に戻っていくのだろうと思います。

北朝鮮からもし弾道ミサイルが日本に向けて発射されたらそのミサイルは7分後に日本に着弾します。
仮に北朝鮮が今回のように発射予告をし、それが充分な準備期間の後であったとしても、J-ALERTが完璧に機能し、国民にその発射を知らせてからたった7分しか猶予はないとすると、国民にしてみればどーすれば良いのといった状態でしょうし、今回の通報の遅れもそれを前提とし、「どーせどうしようもないじゃん」という感覚があったために、「間違っていても早い情報」ではなく「正しい情報」を優先した結果ではないかと思います。
事実、政府は米国からもたらされた発射情報を自衛隊止まりの情報とし、その理由を不確実な情報だから確認が必要だったと説明し、通報が遅れないためには日本独自の監視衛星が必要という論理にすり替えているのは、もはや滑稽としか言いようがありません。

私たちが本当に考えなければならないのは、前回の記事で書いたように弾道ミサイルの迎撃システムが完全ではないことを前提に、そのたった7分でミサイルが飛んでくる距離にある近隣国が、どんなに世界が圧力をかけてもせっせと核爆弾とそれを撃つためのミサイルを開発し、その標的の一つがこの日本であるという現実に対して、何をすべきかを真剣に考えることではないかと思います。

私たち日本人は第二次世界大戦以後、戦争というものに現実感を持たずに過ごして来ました。朝鮮戦争もベトナム戦争も当時の日本にとっては経済特需をもたらしたある種の「幸運」で、湾岸戦争以降の中東での紛争も自衛隊の一部隊が派遣された程度で、派遣された自衛隊員の家族はともかく、多くの日本国民はそれを対岸の火事くらいにしか思っていませんでした。
湾岸戦争で初めてCNNが戦場から衛星生中継を行って以降、戦争は世界中の人々にとって一気に「身近なもの」となりました。しかし、その戦争にリアリティを持たない人にとっては、映画やTVゲームの映像と何ら変わることのないパフォーマンスでしかなく、以前には望んでも得ることができなかったこれらの情報を得ることができるようになっても、それを受ける側にこのリアリティがなければ、数あるニューストピックの一つとしてしか受け取られないのが実際ではないかと思います。
すなわち、私たちがリアリティをもってその事実を感じるのは映像でも同情心でもなく、「自分の問題」と感じる想像力であり、この感覚がなければどんな問題も解決するための積極的な行動に結びつかないだろうと思います。

私たちが北朝鮮のミサイル開発の問題をリアリティを持って考えるためには、別のテーマとして置き換えてみるのも一つの方法かも知れません。そこでこんな身近なテーマに置き換えてみました。

あなたの家の二軒隣に変な家族が住んでいる家があります。その家族は隣の家とは親戚関係になるのですが、考え方の違いから仲が悪く、過去には殴り合いの大喧嘩をしたこともあるのですが、今はお互いに口喧嘩をする程度で殴り合いにまでは発展していません。
この家族の親は自分勝手で、子供達を働かせてその稼ぎで親だけは美味しいものを食べて、趣味のパチンコや競馬にお金を使うだけでなく、その最大の趣味は武器収集で、最近ハマっているのが「火炎瓶」造りです。

その家の子供たちはいつもお腹を空かせており、見かねて近所が惣菜をおすそ分けしたり、お菓子を分けてあげるのですが、それすら親がみんな食べてしまい、子供の口にはなかなか入らないようです。
近所と何か話すときにはいつも脅迫口調で、夜中に大音量で音楽を流すのでそれを注意すると、「止めてやるから飯をくれ」といった調子で、それで止めてくれるなら・・・とお米をあげても今度は太鼓を叩き、約束が違うじゃないかと文句を言っても、「止めると言ったのは音楽で、太鼓じゃない」と放言し、「太鼓も止めて欲しいのなら今度はもっと美味しいオカズをくれ」と要求する有様でした。
町内会でもその家族を問題視していますが、「放っておけ」とか「まあ穏便に」とか意見が分かれているのが現状です。

ある日、その親が作った火炎瓶を投げる練習をすると言い出しました。さすがに近所の手前もあり火炎瓶にはガソリンを入れずに投げる練習をするだけだと言い、危なくないように大通りに向かって投げるから安心しろと、練習をする日などは教えてくれたのですが、そもそもなぜ火炎瓶を造るのかが良く分からないことに加えて、あまり手先が器用とは思えないためにその火炎瓶の出来栄えも相当怪しく、また運動神経もあるとは思えないのでちゃんと大通りまで投げられるのかも疑わしいので、町内会でも止めてくれと申し入れたのですが、「オレが自分の家で何をしようとオレの勝手だ」と言うことを聞いてくれません。

仕方ないので余計な出費でしたが、万全ではないものの塀を高くする工事を行って、さらに消火器も購入し、万が一火炎瓶が飛んできても火事にならないようにしました。さらにその家から火炎瓶が投げられたら分かるように、物干し台に家族を登らせて見張るように言いつけておきました。
近所には高層マンションがあり、その最上階に住む日頃から仲の良いそのお金持ちは、高価な望遠鏡を持っており、その家を見渡すことができるので、当日はベランダから見張って火炎瓶が投げられそうになったら電話で教えてくれることになっていました。

いよいよ練習をする日がやって来ました。戦々恐々として待ち構えていたのですが、やはりあまりに運動神経が悪かったために投げた火炎瓶は大通りまでは届かず、その家の前の路地に落ちただけだったのですが、問題は見張っているように言いつけた家族で、火炎瓶が投げられたことを言わなかったのです。
その見張り役の家族は、せっかく高層マンションの友人から電話を受けたにも関わらず、自分の目では見えなかったので言わなかったと説明し、これから自分の目で見るためには物干し台をもっと高くするべきだと言っています。

今回の火炎瓶投げの練習はどうやら失敗したようで、それまでは失敗を認めないその家も、さすがに投げ方に問題があったと失敗を認めていますが、それでアキラメるとはとても思えず、親の沽券にも関わるでしょうから子供達への手前もあり、これからもっと火炎瓶造りに精を出すでしょうし、また投げる練習をすると言い出すのではないかと思っています。さらにこれまでの経緯から、止めてくれと言っても何か交換条件を言ってくるでしょうし、それで約束を守ってくれるとはとても思えません。


もし、こんな現実があなたの近所に起こっていたらどうでしょう。毎日家族でこの問題を話し合い、町内会にも日参して他のご近所とともに何とか解決すべく行動しないでしょうか。

私たちは日々正解のない問題に直面しています。それは日本人が大好きなクイズ番組のように、「ピンポン!」と「ブー!」で瞬時に正誤が分かるような問題ではなく、マイケル・サンデル教授の行う授業のように、一人一人が自分の考えを持たなければ解決できる方向すら分からない問題だと思います。
そのためには私たちは自分の問題として考える想像力と現実を直視するリアリズムを持つ必要があります。

この北朝鮮の問題も、原発問題も、年金問題も・・・、私たちが「我が家の問題」として、専門家任せにせずに本気で真剣に考えるに値する問題だと思います。

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テーマ:軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル:政治・経済

コメント

このたとえ話は面白いですね.今回の政権交代は幾多の問題を起こしている真っ最中ですが,
いままで国民が目を塞いでいた根本的な問題が見えるようになったというメリットはあったと思います.

  • 2012/04/17(火) 00:37:28 |
  • URL |
  • Hiroshi #-
  • [ 編集]

>Hiroshiさん
確かに北朝鮮の世襲による政権交代は様々な問題を提起していますが、あまり安心材料はありませんね。
新しい元首の無知と経験不足に焦りが加わった独裁国家の危険性はさらに増したように思います。
私たちが自国の安全保障を考えるときに「何をするか分からない」隣国があることほど問題なことはないことは、このたとえの通り、自分の隣人で考えて見れば分かりやすいと思います。たとえばゴミ屋敷や野良猫のコレクターは少なくともやりそうなことは分かりますから迷惑でも対策の立てようがありますが、この隣人は本当に危険だと思います。FBでも先行してこのたとえ話を披露したのですが、様々な意見が出ました。このブログでも皆さんの意見を聞いてみたいですね。

  • 2012/04/17(火) 06:14:56 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

これも仰る様に公の事件報道からすぐ消えていくのでしょう。
ネットですらこういった事件の解決を最後まで追いかけるのは困難です

例えば、韓国船と自衛隊艦船(護衛艦でしたっけ)の衝突事故
あるいは中国漁船と海保の事件、シーシェパードの船長
最後の顛末まで追いかけるのは相当に困難で結局どうなったのか・・・
本来マスコミが最後まで報道するべきと思うんですがね

  • 2012/04/17(火) 10:00:32 |
  • URL |
  • S氏 #-
  • [ 編集]

>510190さん
政権交代と書いたのは日本のことです.
誤解させてすいません.

  • 2012/04/17(火) 10:25:05 |
  • URL |
  • 名無しのアルフ #-
  • [ 編集]

上の記事はHiroshiが書きました.重ね重ねすいません.

  • 2012/04/17(火) 10:26:36 |
  • URL |
  • Hiroshi #-
  • [ 編集]

>Sさん
確かに日本に限らずマスコミの報道はニュース性の高いその初期段階での報道がメインで、その後の状況はあまり語られることがありませんね。
最近は「ニュースのその後」といった形で特集が組まれたりしていますが、そのタイトルが示すとおり、その結末は「その後」であって、もはや「ニュース」ではないのでしょう。
私たちはニュースで知ることができた事象を「問題」として捉えて、それを解決まで関心を持ち続ける必要があると思います。そうすればその解決も「ニュース」として報道するに値する事象となり、もっと広くメディアが取り上げるのではないでしょうか。
是非、Sさんのこのご近所への対応についてのご意見もお聞かせください。このスレッドが多少でも「熱血教室」になればよいなと思います。

  • 2012/04/17(火) 12:08:09 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

>Hiroshiさん
そういう意味だったのですか、自民も民主も出自は同じですから、内包している問題は同じでしょう。表面的な政策の違い?で二大政党と言っているだけで、その違いはイデオロギーをベースにしてはいませんから当たり前と言えば当たり前でしょうね。
自民が追求する民主の問題は、自らを写す鏡でしかなく、いざ政権を取ってみれば民主とて結局は自民と同じであることは自分たちでも良く分かっていたことだと思いますよ。
厳しい言い方をすれば、もともと民主は自民の二軍で、このままでは一生レギュラーになれないからと出て行った連中ですからその二軍選手が試合に出ると拙速プレーの連続なのは仕方ないことかも知れません。
是非、Hiroshiさんもこのご近所問題の解決アイディアをお寄せください。そしてこのご近所問題を皆さんがどう解決しようと考えているかを知ることにより、結果として北朝鮮問題へのアプローチが明確になっていくと思います。

  • 2012/04/17(火) 12:15:53 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

隣人であれば最終的には日本の法律に従うことを強制できるわけですが,国際問題ではそれに相当するものがありません.
国家間の紛争の最も基本的な原因が「正しいかどうかの唯一絶対の基準が無い」ことだと思うので,このたとえ話には限界があると自分は考えます.

  • 2012/04/17(火) 22:16:10 |
  • URL |
  • Hiroshi #-
  • [ 編集]

>Hiroshiさん
確かにそうですね。国際法があってもその法律には実効力がどこまであるのか疑問ですし、国連も町内会以下かも知れませんね。
しかし、この例えでも同様で、実際に火炎瓶を投げられて火災が起こってから放火犯として逮捕されても燃えた家は帰ってきません。
だからこそ、北朝鮮の問題もこの隣人の問題も同様に、「正解なき問題」なのではと思います。
ある人はやられる前に隣人の家に踏み込んで火炎瓶なんか全部捨てて、その親をボコボコにしろ!と言いますし、ある人は町内会で結束して団体でその家に行き、そんなことをしたら追い出すぞ!と脅迫すべきだと言います。またある人は隣の家は親戚なんだから、そのバカ親を追い出して子供たちの面倒はその親戚が見るべきだと言います。どれも尤もな意見ですし、どれもリスクがあるでしょう。しかし、大切なのは「自分ならどうするか」を考えることだと思います。その「自分ならこうする」という各々の意見の最大公約数がコンセンサスで、結果として町内会の行動する方向を決めるのだと思うのです。

  • 2012/04/17(火) 22:42:28 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

うちは(話しましたっけ)マンションなんですが、
一時期理事長を務めたことがあります。
当時色々な厄介ごとが起きて(これも膨大ですのでここでは割愛します)
その対応に一々理事長が担ぎ出される始末でした。
当時思ったのは、住民に対して「こいつら全然協力的じゃない。もう辞めたい。」でした。
でも一軒一軒直接話して回ると、そうでもないんですよね。
紙切れで説明するのと、直接会談するのは違うんだなと思いました。
個人的な事では、すぐ上の住民の生活音が酷くて、苦情を言いに行ったことがあります。
話を聞くと
・集団住宅生活が初めてだった
・幼い子供がどうしてもドタドタ走ってしまう
ということで、後日菓子折り持って謝罪に来ました。(子供のドタドタは5年経った今でも続いてますが・・・)

  • 2012/04/18(水) 07:59:49 |
  • URL |
  • S氏 #-
  • [ 編集]

>Sさん
確かに対話は大事だと思います。近所を一軒一軒廻って、私たちはこう思う・・・という我が家の考え方を説明することによって、解決することに本気であることが相手にも伝わりますし、その上で直接対話することによって突破口が開けるかも知れません。町内会決議も回覧板も大切ですが、最後は「顔を見て話す」ことが重要なのはご近所付き合いも外交も同じでしょうね。

  • 2012/04/18(水) 12:21:22 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

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