走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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未来へのノスタルジー3 ~Nostargic 2Daysに見るクルマの未来~

私がまだ学生だった大昔(笑)に初めてこれらのクルマを見たときのことは今でも良く覚えています。

それはシルエット・フォーミュラという名前で呼ばれていましたが、どう見ても街中を走っているお馴染みのクルマにハリボテのようにゴテゴテと凸凹した外装パーツを貼り付けただけの安普請の、暴走族の延長のようなレーシングカーにしか見えませんでした。

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しかし、後にそれが国際規格のGr.5というカテゴリーにより定められた「立派な」レーシングカーであることを知ることになりました。
1976年にFIAは、それまで2座席オープントップのプロトタイプレーシングカーで競われていた世界メーカー選手権を、グループ5・シルエットフォーミュラで競うことに変更しました。これは資金力のあるフェラーリやポルシェといった限られたメーカーのみが参加していたプロトタイプによるレースを、より多くのメーカーが参戦できるように改訂したもので、規定生産台数400台以上で市販車のイメージを残すことを条件にした、「シルエットフォーミュラ」という新しいカテゴリーで、要は外見が市販車のイメージを残していればその中味は何でもアリという乱暴な、後のDTMに受け継がれることになるカテゴリーでした。
確かに、外見が市販車を改造したように「見える」ことは多くの自動車メーカーが参戦しやすくなり、それで販売に結び付けようとする企業戦略にも合致したために、当初はポルシェ、BMW、ランチア、フォードといった欧州勢に加えて、ヨーロッパトヨタも参戦するなどと活況を呈していたのですが、いざ蓋を開けて見ると、ポルシェ935の「一人勝ち」となってしまい、各メーカーは次々と撤退して行ったために、結果として6年でこのシルエット・フォーミュラは終焉を迎えることとなりました。

一方の日本では当時スーパーカーブームの真っ盛りで、このシルエット・フォーミュラの「形」は当時のスーパーカー小僧達の心を鷲づかみにしました。何故なら、カタログデータでしかその優劣が分からないスーパーカーと違って、実際のレースが行われ、目の前で勝敗がつくのですからこんなに分かりやすいハナシはなかったのです。
また、モーターライズキットと呼ばれた実際に走らせることのできるこれらのプラモデルもその人気に拍車をかけました。
当時プラモデル化されたシルエット・フォーミュラを思いつくままに挙げて見ますと、ポルシェ935、BMW3.5CSL、BMW M1、BMW320i Turbo、フォード・カプリ、ランチア・ストラトス、トヨタ・セリカLB Turboなどがありました。
そして、会場内の出店にそれらの懐かしいプラモデルを見つけてしまい、もう少しで買ってしまうところでした(苦笑)

そしてついに日本国内でもこのシルエット・フォーミュラレースが開催されることになります。
ヨーロッパに遅れること3年、1979年に富士グランチャンピオンレースの前座に開催された「富士スーパーシルエットシリーズ」がその最初なのですが、当時はマツダ・サバンナRX-3、

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日産・フェアレディZが国内レース仕様のまま参加していたのですが、その後日産からは710型やPA10型のバイオレット・ターボが参戦し、トヨタはトムスがシュニッツァー・チューンのRA20系セリカLBターボを逆輸入して参戦し、どんどんと白熱して行くことになります。

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そして1982年にはスーパーシルエットシリーズとして日本で絶頂期を迎えることになります。

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日産はR30型スカイライン・S110型シルビア・910型ブルーバードを投入し、これら「日産ターボ軍団」とBMW-M1の激突で、富士や筑波サーキットで開催されたスーパーシルエット・レースは大人気となったのです。また参戦したドライバーも星野一義、長谷見昌弘といったトップドライバーが参戦したために、一時は国内のF2選手権などよりもずっと人気があったのです。

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その走る姿はターボチャージャーのアフターファイアをマフラーから吐き出しながら、日常で見かけるクルマに「似た」レーシングカーが走るのですから、その白熱したデッドヒートに子供もそれらのクルマのオーナーであるオトナも同じように熱くなったのです。

実際に会場に展示されていたこのシルエット・フォーミュラを見たときの第一印象は、「そう言えばプラモデルを造ったよなぁ」というものだったのですが、改めてじっくり観察したときに、現代の洗練されたレーシングカーに比べるとあまりに、「安普請」で「野蛮」であることに驚きます。
正直言って、良くこんなレーシングカーで「命をかけて」走っていたものだと思いますが、当時は大真面目だったのですから、レースというものはダイレクトに人間の闘争心にリンクしているのでしょう。

しかし、これまでの展示車である何でもアリのフェアレディZやこのスーパーシルエットを見て考えたのですが、この外見が似ていれば中味は何でもアリという考え方は、これからのクルマのあり方の一つの可能性を示唆しているのではないでしょうか。
つまり、現代のハイブリッドやEVという動力コンポーネントを使って、そのボディを過去の名車のものとすることにより、これらのクルマは立派に現代に蘇ることができるのではないかと思うのです。
もちろんオリジナル派の方にとっては「無礼千万」なことであるのは承知しています。しかし、これらのクルマの現役時代を知らない現代の若者が自然にこれらのクルマを格好良いと思っているのは、それが旧いノスタルジックカーであるからではなく、単純にそのデザインを格好良いと思っているからなのではないかと思うのです。

クルマにとって動力コンポーネントが変わるということは、デザインも含めて全てリセットできるということで、内燃機(エンジン)を搭載することを前提に(制約された)自動車のパッケージングは全く新しい可能性を持つことになると思います。これからさらにこの動力コンポーネントがもっと小さくなれば、クルマのデザインは動力源や駆動系を軸にしたパッケージングを前提にせずとも様々な可能性を生むことになるでしょう
だとしたら、その新しいデザインの一つの可能性として、これらのノスタルジックカーのデザインをそのまま身に纏うこともあり得ると思うのですがいかがでしょうか。
むしろ分かりやすいこれらの新しい動力源の可能性として、こうしたノスタルジックカーへのコンバートはそれが商品として成立しなくとも、デモンストレーションとしてであれば随分と効果があると思います。

個人的には仕方なく形を変えざるを得なかった従来のレプリカモデルなどではなく、当時そのままのデザインと造りでEV化されたブガッティ アトランティックとかロールス・ロイス ファントムⅢなんて、これからの高級車のスタディモデルとしては素敵だなと思いますし、ヨタ8やS54B スカイラインなんかで往年の日本グランプリを再現するなんて面白いと思います。

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テーマ:イベント - ジャンル:車・バイク

コメント

小型化して自由度を高めた現代のコンポーネントを旧車の形に入れる,という方法論に未来があるとは自分には思えません.
新しい技術には新しい形があって然るべきと思います.名車はそうやって生まれてきたのではありませんか.

  • 2012/03/22(木) 01:27:07 |
  • URL |
  • Hiroshi #-
  • [ 編集]

>Hiroshiさん
至極真っ当な考え方ですし、私もそうあって欲しいと思います。
しかし、残念ながら日本国内においては、クルマはカメラや時計のような成熟製品となりつつあると思うのです。つまりそれを電気で動かそうが、ガソリンで動かそうが「機能」と「役割」が成熟し尽くして、オリンパスペンやライカのデジカメのように、売り方の一つとして最新の機能でも旧いデザインを身に纏うことによる商品としての魅力をアピールするようなアプローチがあるのではと思うのです。
もちろんEV旧車が街中に溢れる状況はないだろうと思いますし、より発展的なデザインが主流になることは言うまでもないでしょう。でも、クルマはいらないよな・・・と考える人たちが昔、憧れて買えなかったクルマや、家族との思い出が一杯詰まったクルマにもう一度乗れる・・・ということで少しでもクルマにもう一度魅力を感じてもらえ、業界が活性化するかも知れないと思うのです。
そしてその旧車EVは「名車」とはならないでしょう。おっしゃるとおり名車はつねに新しいデザインから生まれてくるものです。しかし、一方で名車が常に利益を生んできたとは限らないのも事実です。むしろ利益を度外視して、現在の主流に迎合せずにデザイナーやエンジニアが造り上げたクルマの中に後世に名車と呼ばれるものが多いのではないでしょうか。名車を生み出すためにもメーカーだけでなく自動車業界に生き残ってもらう一つの方法として私が考えるアプローチもありだと思うのですが。

  • 2012/03/22(木) 09:27:32 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

現在のうそくさい”環境に配慮した”電気自動車よりは、ありかなと思います。
ただ、外観全く同じで内燃機関と電気モーターが載ったレプリカを比べたら
私は内燃機関を選ぶと思います。(その時代に内燃機関が走れる環境ならですが)

  • 2012/03/22(木) 10:39:50 |
  • URL |
  • S氏 #-
  • [ 編集]

生き延びるひとつの手段ではありますが

レコードもCDも音源が同じだから変わらないと言われても、やっぱりレコードに惹かれる私は、皮だけ被った旧車ならば、EVに復刻した皮をかぶせて新たに作って欲しいと願います。

折角ここまで生き残った個体が、無残にも皮だけ残して変えられるのは辛く見たくありませんが、EV化したトヨタスポーツ800を自慢してる学生ってのを見たことがあります。

彼らは過去の文化を壊す事に何のためらいも無いのでしょう、しかしアンティークで可愛いと皮だけ見て言うのでしょう、本当に自動車はそれで良いのか・・・

  • 2012/03/22(木) 17:47:35 |
  • URL |
  • おかんの頭の頭 #a2H6GHBU
  • [ 編集]

>Sさん
内燃機の持つエネルギー効率の悪さと引き換えに、人間の感性に訴える音や振動と言ったものがあるのかも知れませんね。でもそのうち、「この電気モーターのフィールは最高!」なんて言ってるのかも知れません(笑)

  • 2012/03/22(木) 20:36:16 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

>おかんの頭の頭さん
ご無沙汰です。気持ちは凄く分かりますし、心の底では強く共感している自分がいます。
でも、これからの先進国で自動車が生き残るためには、まずは売れないと仕方がないと思うのです。残酷な極論ですが、もしもうこれ以上ガソリンを使っちゃダメって言われたら究極は皮だけでも生き残って欲しいと思っているんです。

  • 2012/03/22(木) 20:41:34 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

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