走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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悲劇のDelta ~メカニカルリセット 1~

エンジン本体のリセットに続いて、それ以外のメカニカルパーツも同様にリセットされます。

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ミッションはケースから抜いて、ギアとシンクロを全て分解します。

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洗浄が終わったらギアの磨耗を測定して、酷ければギアを交換します。また、シンクロはほぼ交換となってしまいます。

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フライホイールも洗浄し、磨耗や歪みをチェックの後にブラスト処理を行います。

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クラッチは良い機会ですので交換となります。
そして改めて全ての部品を組みなおし、ミッションケースに収めます。

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リアにあるデファレンシャルギアも同様に分解されチェックされて行きます。

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ケースは殆どのリセット車は腐食しているために、ブラスト処理をして錆を取り除き再塗装されます。

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デファレンシャルギアの問題は、そのオイルシールでこのシールが劣化するとオイル漏れを起こしてしまいます。残念ながら殆どのDeltaは経年劣化のためにこのオイルシールを交換しなければならないのですが、この部品は特殊サイズで純正部品が欠品となっている現在は入手が不可能となっています。クイックトレーディングでは特注でこのオイルシールを製造して部品をキープしているそうですが、当然のことながら純正部品の品質よりも優れており、シール性も耐久性も高くなっているそうです。

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次はDelta Integraleのキモでもあるターボチャージャーのリセットです。ターボチャージャーは高回転で内部のタービンが回転するために、排気煙で内部が汚れて磨耗劣化を起こしてしまうため、リセット作業では見過ごせない箇所です。

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Deltaのターボチャージャーはギャレット製のものですが、専用部品で現在では入手が難しく、仮に新品が手に入ったとしても高価な部品です。
しかもこうした精密部品はそれが新品であったとしても、永年に亘って部品庫に保管されていると内部が劣化しており、そのまま使用できない場合もありますので、クイック・トレーディングでは基本的には完全に分解してオーバーホールしているそうです。ターボチャージャーのオーバーホールにはその交換部品を含めて特殊な技術を必要とするために協力工場で行われるのですが、こうしたネットワークがリセット作業には重要であることは以前の記事でもお伝えしたとおりです。

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ラジエーターはDeltaの弱点の一つで、エンジンルームが狭いことに加えてターボチャージャーを装備したことによりエンジン発熱量の増加から、冷却能力が劣っています。

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その対策としてラジエーターはアルミ製のものに置き換え、ホース類も劣化や膨張により漏れの出にくいシリコンゴム製に交換しています。

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写真は別の車両のものです

水回りのもう一つの問題はヒーターコアで、腐食により破れると冷却水が漏れ出してしまいます。単体で圧力をかけて水を循環させて漏れをチェックします。

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またヒーターバルブは純正品は樹脂製で耐久性に劣り、全閉しないためにエアコンの効きが悪いという問題があります。

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対策品として金属製の全閉するタイプのヒーターバルブに交換することも可能ですが、全閉しない…というのには理由があり、夏場でヒーターを使わない時期であっても多少でも冷却水をヒーターコア内部に循環させることにより腐食を防ぐ効果があるのです。仮に全閉できるようにすると、この冷却水の流れが断たれてしまいますので、夏場でも定期的にヒーターを入れることによりヒーターコアの腐食予防をしなければなりません。

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エアコンユニットについてもコンデンサーからエキスパンションバルブ、エバポレーターまで全て洗浄しチェックします。

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コンプレッサーも必要に応じてオーバーホールを行い、まずはエアコンを完調に稼働するようにします。

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過去にご紹介したNano Coolも標準で充填すると、悪名高い?Deltaのエアコンは夏場でも寒いほど効くようになるそうです。
Deltaに限らずこの時代のイタリア車のエアコンは効かないというのが定説です。それには理由があり、まずは元々の設計の問題です。当時のイタリア車は設計時にエアコンの装着を想定しておらず、限られたスペースにエアコンのユニットを押し込まなければならなかったために、本来のサイズより小さなものしか装着できず、そのために容量が不足しているケースです。
次に車内の吹きだし口の設計の問題です。日本人は冷気が直接カラダに当たるのを好み、ヨーロッパ人はもともと家の中でも局所空調を好まないことから、日本人には風が弱いように感じるのです。

これらの設計の問題はさておき、エアコンのリセットは初期性能を最大限に回復させることに重点を置いて行われます。

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そのためには、さらにブロワーモーターを分解洗浄し、ブロワーボックスを洗浄することにより、匂いの発生源となるカビや汚れを取り除きます。ファンの風量を回復させれば、エアコンの冷気はより強く室内に流れ込むようになるために体感的にも冷える感じがします。

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パワーステアリングはイタリア車全般に共通する弱点です。これも日本人との運転スタイルの違いで、日本人は駐車スペースの狭さから据え切りをしてしまうのですが、イタリア車の設計はパワーアシスト程度としか考えておらず、そのためにステアリングラックを痛めてしまうケースが多いのですが、Deltaの場合も同様で、リセットに際してはまずラックとポンプはリビルトすることになります。

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メカニカルリセットに当たっては関連する部品を全て交換するかオーバーホールを行って、徹底的に初期化を行います。メカニカルパーツは単体で機能しているものだけでなく、相互に関連して機能していますので、一部のみの部品の機能を回復させると、結果として弱っている部分にかえって負荷がかかることになります。
このことは水周りのトラブルで経験された方も多いかと思います。ホースからの冷却水漏れを治すと圧力が回復し、今度はヒーターコアを破ってしまうということは良く聞く話です。

メカニカルリセットはまだまだ続きます。

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テーマ:イタリア車 - ジャンル:車・バイク

コメント

>日本人は冷気が直接カラダに当たるのを好み、ヨーロッパ人はもともと家の中でも局所空調を好まない

そうだったのですか。でもストラトスのアレはありえないと思います。

  • 2012/03/04(日) 08:29:41 |
  • URL |
  • S氏 #-
  • [ 編集]

>Sさん
高温多湿な地域だと汗腺が開いて汗をかくので直接風が当たるのを好むのですが、ヨーロッパは空気が乾燥しているために、部屋全体を暖めたり冷やしたり(冷やすのはあまりないですが)するのを好むそうです。
もちろん、ストラトスはそもそも空調がないですから関係のない話ですね(笑)

  • 2012/03/04(日) 10:42:07 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

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