走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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「手慣れ」の維持 ~AIRFIX 1/72 Spitfireの製作 4~

こうしてマスキングで塗り分けを行うと、塗り分け部分ははっきりとしており、しかも上に塗った塗料のエッジが立ってしまいます。今回は少しでもそのエッジを均すためと塗り分け部分をボカすために、二色混合塗料はシンナーで薄めて、面相筆で乾燥した塗料を溶かすようにエッジに沿って少しずつ塗ってみましたが、あまり効果はありませんでした。

Spit037.jpg

やはり最終的にはペーパーで均すしかないのでしょうが、そうすると表面のモールドも削ってしまう恐れがありますので、今回は我慢して次回への課題とします。
名人のフリーハンドでの塗り分けはこうしたマスキングテープによるエッジの問題もなく、やはり筆塗りの王道なのだと実感しました。

ここで下面を保護していたマスキングテープとマスキングゾルを剥がします。

Spit038.jpg

さて、以前の記事で米軍が鹵獲接収した日本機をテスト飛行し、評価したハナシを書きましたが、もちろん日本でも同様のテストを行っていました。テストの対象は敵国の鹵獲した飛行機だけでなく、同盟国であったドイツの戦闘機も参考のために輸入し、テストをしていたことは前回のBf109の記事でお知らせしたとおりです。

FW190_G.jpg

さらに日本は同じくドイツの戦闘機であったフォッケウルフFw190A-5も輸入してテストしていました。それは1943年のことで、既に連合軍の反攻作戦は始まっており、危険と隣り合わせの中で海軍の潜水艦で日本まで輸送されました。この機は陸軍航空総監部で技術的な分析ののち飛行テストが行われ、その結果はメーカーの技術者も参照でき、後に五式戦闘機(キ-100)のエンジン排気の空力処理などの参考にされました。

Ki-100.jpg

この五式戦闘機は、以前に記事にした三式戦「飛燕」に搭載されたダイムラーベンツDB-601液冷エンジンの生産が滞ってしまったために、急遽エンジンを空冷エンジンに替えて設計された機体で、言うなれば「やっつけ仕事」でわずか三ヶ月で造られた戦闘機でした。
設計者にして見れば、搭載するエンジンをいきなり液冷から空冷に変えろと命令されるのは、自動車で言えばフロントのエンジンをリアに積めと言われるほどの大きな変更で、主任技師であった川崎航空機(現在の新明和工業)の土井氏は最初は抵抗したそうですが、エンジン生産の遅延から一時は230機もの三式戦がエンジンなしの状態で工場に滞留するという異常事態から、設計変更を承諾せざるを得ませんでした。
しかし、正面面積の小さい液冷エンジン装備を前提に設計されたスマートな胴体に、直径の大きな空冷エンジンを取り付けることには空力上も大きな問題があり、そこでドイツより輸入され、陸軍航空審査部にて試験機として鹵獲した連合軍機と共にテストされていたFw 190A-5の排気まわりの空力処理を参考にして、太くなった機首部分と細い胴体の段差に単排気管を並べ、段差で発生する乱流を排気ガスのジェット効果で吹き飛ばすようにして、ようやく量産に漕ぎ着けることができたのですが、実際の五式戦は急造設計にも関わらず、信頼性の高い空冷エンジンのおかげで稼働率も高く、その性能も意外に優れており、「もっと早く改造していれば・・・」とパイロットは悔しがったと言われています。
実際に上の写真で五式戦とFw190のエンジンカウリング横の排気管の写真を見比べていただければ、五式戦の設計がFw190の影響を受けていることが分かると思います。

このように戦時下に輸入されたFw190により、無理して作ったDB-601エンジンの量産失敗のツケを返してもらった形となったのですが、実際にドイツでもFw190はBf109よりも性能が優れていたにも関わらず、政治的な理由からBf109の量産を優先されたことは皮肉な符合と言えるでしょう。

そして、Fw190のテストで最も有名なものが、鹵獲した米軍のP-51C「マスタング」、

P-51C.jpg

そしてP-40E「ウォーホーク」、

Curtiss_P-40E_Warhawk.jpg

及び陸軍の新鋭戦闘機であった四式戦「疾風」、

Ki-84_20120221152214.jpg

三式戦「飛燕」

Hien.jpg

との全力直線飛行テストで、高度5,000mで行われたこの航空史でも珍しいエアレースでは、加速に優れるFw190はスタートで他機種を引き離すものの、3分後にはP-51Cに追い抜かれ、5分後の時点ではP-51Cの遥か後方に遅れてしまい、Fw190と「疾風」が大体同じ位置に、さらに少し後れて「飛燕」、さらに後方にP-40Eという結果となりました。
エンジン別で見ると、順位はパッカード(ロールス・ロイス)マーリンエンジン、BMW801エンジン、中島航空機(現富士重工)誉エンジン、川崎航空機(現新明和工業)ハ40(ダイムラー・ベンツDB-601)エンジン、アリソンV-0710エンジンとなり、アリソン社以外は全て現在の自動車メーカーでもあるところが実に興味深い順位と言えるでしょう。
後の米軍による四式戦「疾風」のテスト結果とは異なっていますが、燃料や整備状況などで違いが出たのは当然で、自動車以上に飛行機の性能はこうした要因に大きく左右される例だと思います。

機体の塗装が終わったら、まずはデカールの貼り付けです。塗装図を見るとデカールの上にまたデカールを貼らなければならない箇所がありますので、貼る順番に注意しながら貼って行きます。前回の零戦の経験からこのデカールはマークセッターを塗ることにより密着性が高まることが分かりましたので、今回はウォッシングの前に注意書き(ステンシル)も全て貼ってしまいます。

Spit039.jpg

Spit040.jpg

Spit041.jpg

Spit042.jpg

1/72スケールでは限界と思える程、機体に書かれた細かい注意書き(ステンシル)がデカールで再現されています。しかもその文字がちゃんと読めてしまうところが本当に凄いのですが、実際にこれらの小さなデカールを順番に貼るのはそれだけでも根気が要る作業です。
機体下面の国籍マークがないのですが、当時は様々な塗装があったようで、左右を黒と白に塗り分けた機体なんてのもありました。まあ、この翼のシルエットでは間違えようがないでしょうから、国籍マークは不要と判断されたのでしょう。

一方で、機体横の国籍マークと機体記号はオーバーサイズ気味で、塗装図のサイズで貼り付け位置を調整しても合いません(苦笑)。これはおそらくミスだと思われますので、どうしても気になる方は市販の別売りデカールを使うほうが良いでしょう。

デカールが密着したら、さらに機体表面の実感を増すための処理を行います。

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テーマ:模型・プラモデル - ジャンル:趣味・実用

コメント

他とはちょっと違う切り口の模型製作記、興味深く拝見しております。細かいところにはこだわらないで作る(失礼)やり方はこちらの製作意欲をかきたてられます。しかし各国の歴史的背景によって同じ戦闘機でも中身が違ってくるんですね。

  • 2012/02/25(土) 08:52:44 |
  • URL |
  • norizo #-
  • [ 編集]

>norizoさん
ありがとうございます。細かいところに拘らないで造るのは実は、「未完成病」から脱する方法なんです。モデラーは知識ばかりが先行してしまいますので、知っていること、できることを100%やろうとするといつまでたっても完成せずにモチベーションが下がってしまいますので、「まっ。こんなもんだろう」という気持ちが大事だと思います。また毎回、テーマを一つに絞って、そこだけ拘るとか自分自身に課題を課すようにしてます。前回と今回は、「絶対にエアブラシを使わない」を課題にしましたのですが、途中から面白くなって来ました。「エアブラシ」に対して「筆」の表現力って凄いと思いました。

  • 2012/02/25(土) 11:22:59 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

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