走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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筆塗りだけでの模型造り ~その参~

続けて機体上面の塗装です。下面色との塗り分け部分はマスキングゾルでカバーしておきます。
最終的に使用するのはMr.カラー124番、暗緑色(三菱系)という色なのですが、後に退色している表現をするためとモールド色である明るいグレーをそのまま下地色としてしまうと色載りが悪いので、まずはMr.カラー54番、カーキグリーンを塗ります。

Zero023.jpg

あくまで下地ですのである程度筆ムラが残っても構いません。むしろ塗膜が厚くなってモールドが埋まってしまう方がボテっとした仕上がりになってしまいますので縦、横の一度塗り程度で終わりにします。
乾燥したら続いて機体上面色である暗緑色を塗装します。すでにベースにカーキグリーンを塗っていますので、シンナーで薄めた塗料で同様に塗装します。

Zero024.jpg

とにかくラッカー系の塗料を使った筆塗りのコツは一度に塗ろうとせずに、薄めた塗料を乾燥を繰り返しながら塗り重ねることです。面倒かも知れませんが、結果として部屋もそれほど汚さず、気楽に短い時間で作業できますので、作業環境に制限があったり製作時間の限られたモデラーには筆塗りを極めるのも楽しい作業ではないかと思います。
機体上面の塗装が終わったら保護のために塗っておいた下面部のマスキングゾルを剥がします。

Zero025.jpg

機体上面と下面の塗り分け部分は波状のようですので、平筆ではなく丸筆でその部分のみを塗り分けます。機体が小さく、主翼も取り付け済みですので胴体部分の塗り分けに際しては機体を固定することが重要で、私の場合はカマボコ板を両面テープで机に貼り付けて固定冶具としています。

Zero027.jpg

塗り分け部分は少しボカシを入れたいと思います。スプレー塗装の場合はこのボカシはマスキングテープを浮かせることにより比較的簡単に再現できるのですが、筆塗りの場合は上面色と下面色を1:1に混ぜた塗料を境目に塗ることにより表現します。

Zero028.jpg

もっと自然にボカシを入れたい場合は、さらに上面色と下面色を2:1と1:2に混ぜた塗料を先ほどの1:1で混ぜたラインの両端に描き込めばより自然な感じに仕上がります。

この筑波航空隊所属の実機も、元々は開戦初期に機体全面を明灰白色で塗られて工場からロールアウトし、後に基地で整備員により機体上面を暗緑色で塗装されたものと思われますので、ちょっと雑くらいで丁度良いのではと思います。

カウリングは艶消しのブラックとブルーを1:1に混ぜた色を塗ります。表面が乾燥したらカウリングの裏側はエナメルのブラックで塗っておきます。
排気管は胴体側にモールドされていますので、レッドブラウンにシルバーを少し混ぜた塗料で焼けた排気管を表現します。

Zero029.jpg

胴体にエンジンを取り付けたらカウリングを接着します。1/72スケールだとエンジンは殆ど見えません(泣)

Zero030.jpg

Zero031.jpg

この段階で機体にデカールを貼り付けます。デカールの貼り付けには以前にご紹介したマークセッターを使って念入りに密着させます。特に機体番号などの余白部分があるデカールは注意が必要で、クルマのモデルと違って塗装表面が荒れているために、透明なデカール部分が密着していないと白くボケて見えるシルバリングという現象が起こってしまいます。
これを避けるためには念入りに透明な部分を切り取ってやればよいのですが、当然のことながら失敗のリスクも高まります。また、このキットのデカールには細かい機体の注意書きまで再現されているのですが、これらは後に貼り付けますので、この段階では日の丸と主翼下と尾翼の機体番号、主翼前縁の味方識別帯のみ貼り付けます。

Zero032.jpg

この味方識別帯についてですが、実は日本の大戦機特有のものです。
空中戦に際して最も重要な点は、敵よりも早く相手を見つけることなのですが、さらに重要なことはそれが敵か味方かを瞬時に識別することです。自機に向かってくる飛行機が一番の脅威ですので、真正面から見えた姿から瞬時にそれが自機を攻撃してくる敵機か、自分を援護してくれる僚機かどうかを判断しなければあっという間に撃墜されてしまいます。しかし飛行中に敵味方を識別するのは容易ではなく、ましてや相手の機種を見分けるのはさらに至難です。

Zero033.jpg

あの撃墜王として有名な坂井三郎氏も、後方機銃を備えたSBDドーントレス爆撃機の編隊を、

SBD.jpg

前方機銃しか持たない敵の戦闘機(F-4F ワイルドキャット)と見誤り、

F4F-4.jpg

不意打ちのために後方から接近した際に敵の編隊から集中砲火を浴びて空中で重傷を負うというミスをしています。
坂井氏はこのときに頭部に銃弾を受けてしまい、意識朦朧状態になりながらも奇跡的に帰還するのですが、右目の視力を失ってしまいます。普通であれば戦闘機はおろかパイロットとしての寿命は尽きてしまうのですが、その実戦経験の豊富さから戦闘機パイロットとしての復帰を果たします。もちろん本人もそれを望んだのでしょうが、次々と戦死するベテラン搭乗員の不足から、上司としても止むを得ない決断であったのでしょう。

そして片目のまま戦闘を続けた坂井氏は、またも敵味方を見誤ってしまいます。硫黄島の防衛戦が激化する最中、坂井氏は敵のF6Fヘルキャットの編隊を味方編隊と見誤り、

F6F-3.jpg

合流するために単機で接近してしまいます。敵のF6Fは15機の編隊で、15対1というとんでもない劣勢で空中戦を行うこととなってしまいました。それでも坂井氏は次々と攻撃してくる敵機を翻弄しながら脱出し、機体には一発の被弾もなかったと言われています。

日本に限らず、こうした空中戦の証言にはどうしても戦果を過大に解釈してしまったり、後に誇大に語られた部分も多く、事実かどうかは後世において様々な検証と敵味方の双方からの確認を必要とするのですが、この15対1の激戦はその戦闘に参加した米海軍パイロットの証言とも一致しており、当時の零戦対F6Fの性能差(圧倒的にF6Fが優位)を加えると、坂井氏が類稀な操縦技術と永年実戦に参加することによって会得した勝負カンを持っていたことが分かるエピソードです。

このように日本の大戦機が主翼の前縁にオレンジ色の帯を書いていたのは、正面から見たときにその色で味方であることをアピールするためで、仮に敵機にもそれでバレてしまったとしても、それ以上に同士討ちの方が問題だったのでしょう。

さて、普通であればこのままどんどん組み立てて完成!ということになるのですが、子供であればともかく、私はオトナですので(笑)、これからの仕上げ段階で幾つかのテクニックを使って実感を増して見ようと思います。

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コメント

青焼き

510さん
実は親戚に中島飛行機の設計かなにかにいた方がいて、零戦の星形何たらというアンモナイトみたいなエンジン図面の青焼きの馬鹿でかい設計図があって、他界した祖母がどうしようかと困っていたのですが、次回にでも帰省した折に”発掘”できましたら、いりますか?以前に青山の”WingClub”の方に頼まれた事もありまして、私がもっていても、意味のないものですので。。。なんなら探してきます。(車の在庫部品を取りに行くついでで(笑))

  • 2012/02/03(金) 00:58:29 |
  • URL |
  • ZAGATOR #jhHw6g8s
  • [ 編集]

>ZAGATORさん
中島飛行機であれば「栄」エンジンか「誉」エンジンでしょうね。零戦に搭載されたのは「栄」、「誉」エンジンであれば海軍機がメインで最も有名なのが紫電改、陸軍であれば疾風でしょうか。
機体もそうですが、エンジンの設計図などは敗戦時に公式には焼却処分されたのですが、おそらく個人的に持っていたコピーでしょうね。歴史的にも価値のある貴重品だと思いますよ。富士重工なら泣いて欲しがるんじゃないですか?是非見て見たいものです。

  • 2012/02/03(金) 21:40:43 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

>ZAGATORさん
消却処分になるのを知った技術者が自分たちの仕事の結晶をなんとかして残そうとした,なんてストーリーを考えてしまいます.
この時の技術の断絶が次期戦闘機選定にまで響いていますからね.たまたま,か意図があってのことか,興味深い話です.

  • 2012/02/03(金) 23:30:10 |
  • URL |
  • Hiroshi #-
  • [ 編集]

図面ってけっこう書き方忘れちゃうんですよね。
一概にメカ図面って言っても製作方法(例えば型を使って作る物と
削りだしで作る物)で違うし、材料(例えば金属とゴム)の違いでも変わってきます。

さすがにこのエンジンの図面はそういうことじゃないと思いますが、
私は図面の書き方忘れないように代表的な部品図のコピーを個人的に持ってたりします。

このエンジン図面は私も見てみたい。

  • 2012/02/04(土) 06:53:23 |
  • URL |
  • S氏 #-
  • [ 編集]

>Hiroshiさん
公図(正式な最終図面)は敗戦の際に焼却命令によりその殆どが焼却されました。また各種の重要な作戦命令書類や報告書も後の東京裁判を予期して焼却されてしまいました。残っていれば逆にもっと正しい裁判が行われたかも知れませんね。図面に関して言えば、設計者は我が身を焼かれる思いだったでしょう。だからこそ危険を冒してまでコピーを手許に隠したのではないかと思います。しかし、戦後にこうした優秀な航空機の設計エンジニアが職を失って自動車産業に移って来たからこそ、現在の日本の自動車産業があるのですから、皮肉なものですね。

  • 2012/02/04(土) 11:03:27 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

>Sさん
確かに、どんなに企業秘密だから・・・とエンジニアに言って聞かせてもデスクトップのPCはおろか自宅のPCにまで図面は散逸してしまいますね(苦笑)。
恐らく、これはエンジニアの方の本質的な性格で、今も昔も変わらなかったのでしょう。
シロートは組図で見る位しか全体像が分かりませんが、もしエンジンの図面が全て揃っていれば、その要求精度などからも当時の日本の工業レベルが分かる貴重な資料になると思いますね。

  • 2012/02/04(土) 11:09:05 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

510さん、Hiroshiさん

次回、実家に赴いた際にでも、収納庫から発掘すべく試みてみます。何故か、乃木将軍の書の掛け軸やら、良く解らない書の類は整理されてあったと記憶しているので、何処かにこの青焼きも潜んでいると思いますので。
また、ご報告しますね。

  • 2012/02/05(日) 06:48:51 |
  • URL |
  • ZAGATOR #jhHw6g8s
  • [ 編集]

>ZAGATORさん
もはや歴史的資料ですので、「古文書」として(笑)、発掘をお願いしますね。

  • 2012/02/05(日) 12:51:33 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

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