走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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筆塗りだけでの模型造り ~その弐~

仮組みによるチェックが終わったら、実際の組み立てを始めます。
まずはコクピットの組み立てです。昔の1/72の飛行機モデルはコクピットなどは「椅子がついていれば良い」という状態で、また実際にキャノピー(風防)をつけてしまえば殆ど見えないので、全然気にならなかったのですが、最近のキットではスゴいことになっています。ちゃんと零戦のコクピットが再現されており、計器板も三種ものデカールを貼り付けてそのメーター類を再現できるようになっています。また零戦が軽量化のためにあちこちに穴を開けていたのもちゃんと再現されています。

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まずは機体内部色を筆で塗り、部分的にフラットブラック、シルバー、レッド、ブルーなどでスイッチ類などを塗ってやります。厳密な考証をしても完成してしまえば殆ど見えませんので、適当に塗ってしまいます(苦笑)。

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さらにエナメルの薄めたフラットブラックを塗ってスミ入れを行い、使い込まれた機体をイメージして、ドライブラシと呼ばれる塗装方法なのですが、筆につけたシルバーを一旦拭き取り、コクピットの床に擦れたように塗ってやれば完成です。

零戦は機首に取り付けられていた7.7mm機銃の後部がコクピットに突き出しているのですが、それもちゃんと別パーツで再現されていますので、フラットブラックで塗っておきます。

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エンジンはちゃんと栄21型複列星型14気筒エンジンが再現されています。出来上がってしまえば殆ど見えませんので、特に追加工作などせずに簡単にバリやパーティングラインを削って、筆塗りでメタリック色を塗って、部分的にシルバーでアクセントをつけて終了です。

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胴体はコクピットを組み込んで左右のパーツを接着するという極一般的な構成となっています。パーツの合わせは良好ですので、特に加工をせずに組み合わせることができます。胴体の接着は、まず接着剤を塗らずに輪ゴムで部品同士を合わせます。そして流し込みタイプの接着剤(サラサラのもの)をパーツの合わせ目に付属の筆で数箇所に置いてやると毛細管現象でパーツの隙間に接着剤が行き渡ります。
充分に乾燥したらパーツの合わせ目を600番~800番のペーパーで磨いて継ぎ目を消します。1/72スケールと小さい飛行機ですので、削りすぎてしまうとそのダメージが大きいので、最初は多少作業性が悪くとも細か目のペーパーの方が安全だと思います。クルマや現用機と違って第二次大戦の飛行機ですので、表面はそれほど神経質にならなくても良いと思いますので、特に表面仕上げのための1200番以上の再ペーパーがけは必要ないと思います。

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同様に主翼も貼り合わせます。

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そして胴体と主翼を合体させるのですが、ここは少し合わせの悪い部分です。最終的にはパテなどで補修しなければならないと思いますが、それでも最小限にしたいのでできる限り接着段階で密着させたいところです。
写真ではQuick Gripというクランプを使っていますが、輪ゴムや大きめの洗濯バサミで充分ですので接着したら部品が浮いてしまわないように固定しておきます。

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こうして接着してもやはり主翼と胴体との合わせ目に気になる箇所がありました。このレベルであれば、気にならない方には補修する必要はないでしょう。

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しかし、私の場合はパテで埋めて補修することにしました。また段差ができている左翼の付け根部分をペーパーで削ってスムーズなラインとなるように整えます。

こうした作業をしているとスジ彫りが消えてしまうのですが、消えてしまったスジ彫りは最後に彫り直しておきます。スジ彫りの工具には最近様々な工具が販売されていますが、今回は一般的なアクリルカッターを使います。
通常のカッターナイフと異なり、一定の角度で手前に引くとプラスチックに線を彫ることができます。一度に深く彫ろうとせずに少しずつ他の線とのバランスを見ながら彫り直すと修復することができます。このスジ彫りの補修についてはいずれ詳しくご説明したいと思っています。
後、一点間違いの説明ですが、仮組みの段階で尾翼を上下逆に組んでしまいましたが、本組み立ての際にはちゃんと正しく接着してありますので、もし気が付かれた方がいらっしゃれば「突っ込み」はご容赦ください(苦笑)。

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まぁスケールも1/72ですので、あまり神経質にならずにある程度で妥協をして、作業を先に進めましょう。
まずは主脚収納部を機体内部色で塗っておきます。機体はジュラルミン製でその腐食防止のため、各国で異なる処理がされていたのですが、日本の場合は青竹色と呼ばれる色で塗られていましたので、まずはその色で塗装します。塗料が乾燥したらこれからの機体の塗装に備えてこの部分をマスキングしておきます。マスキングにはマスキングゾルを使います。

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このマスキングゾルは昔から販売されているのですが、所謂、液体のマスキングテープで、塗って乾燥するとフィルム状となり、水溶性なので剥がすときに塗料を侵さないものです。乾燥したらはみ出した部分をあらかじめデザインナイフで切って取り除いておきます。
ちなみにマスキングゾルにはこうして後からカットできるものと、単にマスキングするだけでカットできないゴム系のマスキングゾルneoの両方がありますので購入する際には注意が必要です。

いよいよ機体の塗装ですが、まずは明るい下面色から塗ります。使用する塗料はMr.カラーの35番、明灰白色1と呼ばれるものです。
実は日本の大戦機の塗色については諸説あって、近年では様々な考証の結果から、三菱航空機(零戦など)で製造された機体と中島飛行機(隼など)では色が違うとか、初戦時の海軍機の機体塗装は明るいグレーではなく、少し黄味がかった飴色だったとか、過去の通説とは異なる事実が分かって来ました。しかし、私自身はあまり厳密に考えてはおらず、前回のストラトスの記事にも書きましたが、遠くから見る大きな物体とそれをスケールダウンして近くで見るのとでは、人間の目が感じる色彩は異なった印象を与えるのではないかと思っています。

例えば、高速道路を走っていて遠くから見る山の緑が、近づくにつれ段々と濃く見えた経験がある方は多いのではないかと思いますが、これが光の反射スペクトルによる影響で、距離があるほど可視光の屈折が大きくなり色が異なって見えるのです。また分光特性によって人間は色を識別しますので、全ての波長の光が乱反射する白と、光が反射しない黒との間にある様々な色は、その色がどう見えるかは単に距離だけでなく、同じ条件で見ていても個々人によっても異なるものです。

つまり、スケールの小さいモデルほど遠くから見ているとも言えるため、実際の色よりも明るめの色を塗ったほうが、人間の見え方に近いと言えるのではないかと思います。例えば同じ車種のカーモデルでも1/12と1/43では、1/43スケールの方に明るめの色を塗ったほうが人間の目の見え方に近いということになります。

また、塗装してすぐの色と紫外線で劣化した色は異なりますし、当時の塗料は現在のものと異なり劣化が早かったため、自分自身のイメージに従えば、正解、不正解はないのではと思います。何せ、私自身は一度も当時の実際の零戦を見たことがないのですから・・・(笑)

缶スプレーやエアブラシによる今までの塗装法とは異なり、筆で塗る場合はどうしても筆ムラが発生します。それが味と言えばそうなのですが、なるべく均等に塗るために塗料を薄めて、一方向に塗ります。そして乾燥したら今度は90度向きを変えて同じ方向に塗り重ねていきます。つまり、縦、横と薄く塗り重ねることにより筆ムラを消してやることができるのです。

最初の1回目の塗装です。まだ色が充分載っていないので下地が見えます。

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縦、横の塗装を2回繰り返した状態です。筆塗りでの塗装はどうしても塗膜が厚くなってしまいますので、表面を均す意味でも、最後はシンナーを大目に混ぜて薄めた塗料で塗ってやります。

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ここまで筆塗りで塗装をしたのですが、ようやく気が付いたことがあります。それは機体表面のスジ彫りの深さです。キットを塗装前に見たときには日本製の最近のキットに比べて少し無骨かな・・・と思っていたのですが、こうして筆で塗装をした後に見ると、そのスジ堀りの深さも丁度良くなっていたのです。
前回のブログでも書きましたが、現在AIRFIX社と塗料メーカーであるHumbrol社とは同グループ内に位置しています。実際に全ての塗装指示はそのHumbrolの色番号で指定されていますし、AIRFIX社のキットの中にはスターターセットと称して、小分けにしたHumbrol塗料がセットされているものもあります。

ここからは想像なのですが、このキットはそのお値段も含めて、子供がまだエアブラシなどという道具を使わず、筆塗りで仕上げることを前提として設計されているのではないかと思います。しかもHumbrolはエナメル系の塗料で隠ぺい力に優れており筆ムラも出にくいものですので、そのエナメル塗料の一回か二回塗りを前提として、このスジ彫りの深さや太さは決定されたのではないかと思えたのです。

プラモデルという産業がこれからも生き続けて行くためには、子供にこうしたアナログ的な組立作業を実際に体験して、「格好良い~」と満足してもらわなければ次はありません。
私たちが子供の頃にはプラモデルで多くの挫折を味わいましたが、それに替わる趣味がそうそうなかったために、「よし、次はもっと・・・」とチャレンジし続けましたが、現代の子供は他の遊びがいくらでもありますから、仮に親がプラモデルを買い与えても、うまく作れなければそれで終わり・・・ということにもなりかねません。最近の日本のスケールモデルが大人に焦点を絞って開発されていることに対して、AIRFIX社はまだこれからの顧客層である子供達の市場をアキラメてはいないのではないかと思います。

ヨーロッパではベルリンの壁の崩壊に伴い、プラモデルのマーケットが旧東欧圏の国々に拡大していると聞きます。それまで西側の素晴らしいキットに触れたことのなかった人々や、入手できたとしても法外な値段で購入していたモデラーがこれらの旧西側のキットを身近に手に入れることができるようになり、モデラーが続々と増えているようです。実際に旧東欧圏の新興プラモデルメーカーはマニアックなモデルを矢継ぎ早に開発し、西欧圏の大人のモデラーにアピールしていることに対して、イギリスのAIRFIX社が子供を対象にマーケットを掘り起こそうとしているのであれば、それは実に対照的な現象ではないかと思います。

いずれにせよ、このキットは普段エアブラシを使っているモデラーの方も、是非筆塗りで仕上げてそのAIRFIX社の意図の真偽を感じていただければと思います。

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テーマ:模型・プラモデル - ジャンル:趣味・実用

コメント

日本機ってコクピットも青竹色だと思ってました。

  • 2012/01/31(火) 09:35:39 |
  • URL |
  • S氏 #-
  • [ 編集]

>Sさん
近年の研究で機体内部色にもイロイロとあったようです。詳しくは
http://www5a.biglobe.ne.jp/~t_miyama/interc2.html
で解説されていますが、青竹色はジュラルミンの腐食防止塗料で、大戦末期は腐食の激しい南方戦線が縮小したこともあり、省略されたことも多かったようです。

  • 2012/01/31(火) 20:06:43 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

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