走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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第三回Quick Touring ~横須賀軍港クルーズ1~

ご存知のように横須賀港は戦前から呉と並ぶ日本海軍の軍事拠点として使用され、現在は海上自衛隊と米国海軍の第七艦隊の基地として使用されています。フィリピンのスービック基地が米軍からフィリピンに返還された現在、横須賀基地は極東の安全保障に重要な役割を果たしており、日米安全保障条約の賛否はともかくとして、現在の横須賀港は日米の軍事拠点として重要であることには違いありません。

出航してすぐに、なぜ横須賀港が軍港として使用されてきたのかが良く分かりました。水深が深く大型船舶も入港しやすいことに加えて、地理的にも風の影響を受けにくいために湾内は実に穏やかです。さらに出航するとすぐに太平洋に出ることが可能であることからも、軍港としては理想的な場所であったのでしょう。

QT3020.jpg

この軍港クルーズは案内人によるガイドが有名で、担当する案内人の方によって解説するポイントが異なっていることが魅力なのですが、今回は妙齢の女性のガイドで、一般の方にも分かりやすい解説だったと思います。
しかし、一方で私のようなヲタクには物足りなかったのも確かですので、当日参加された皆さんにも再度楽しんでいただけるよう、視点を変えてヲタクらしい(笑)解説をして見たいと思います。

出航してすぐは第七艦隊の停泊地を通ります。今回はラッキーなことに多種の艦艇が停泊していましたが、定期訓練だけでなく、緊急事態で出動することもありますので、必ずしも常に今回のように多くの艦艇を見ることができるとは限らないのです。
ちなみに第七艦隊はホノルルに司令部のある太平洋艦隊に所属しており、その担当範囲は東経160度線以西の西太平洋・インド洋(中東地域を除く)です。一方で東太平洋地域は同じく太平洋艦隊に所属する第三艦隊の守備範囲で、こちらはサンディエゴを拠点としています。つまりアメリカはハワイを拠点とし、この横須賀とサンディエゴで太平洋の全域とインド洋をカバーしているのです。もちろんその中でも最も重要なのがこの第七艦隊の担当エリアであることは言うまでもなく、東西冷戦が終結した現在、第七艦隊は単独の海軍部隊としては世界最大となります。

QT3021.jpg

この2隻は一般的にはイージス艦と呼ばれており、今回のガイドでもそう説明されていましたが、正しくはミサイル駆逐艦と呼ばれています。この2隻は同型艦でその初号艦の名前を取ってアーレイ・バーグ級と呼ばれています。艦名は写真右はカーティス・ウィルバー、左はラッセンで、どちらも第15駆逐隊に所属しています。アーレイ・バーグ級のミサイル駆逐艦は米海軍の中でも最もポピュラーな艦種で、60隻以上が建造されています。最大の武器はトマホークという巡航ミサイルで、ご存知のように中距離射程で精密な対地攻撃能力を持っています。一方でその通称の由来となったイージスシステムというフェイズドアレイ(位相配列)レーダーと武器管制システムを装備しており、敵からのミサイル攻撃などに対してより早くそれを発見し、搭載するスタンダードと呼ばれる対空ミサイルでそれを撃退し、それでも撃ちもらした場合はさらにバルカンファランクスと呼ばれる機関銃で、1秒間に最高で75発もの弾丸を発射して撃ち落すことができます。

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こちらも同じように見えますが左はタイコンデロガ級と呼ばれるミサイル巡洋艦で艦名はカウペンスです。このタイコンデロガ級は4つのサブタイプに分けられ、このカウペンスはベースライン3というタイプです。装備は基本的にはアーレイ・バーグ級と同じと言えますが、イージスシステムがより高度で処理能力が高いのが特徴です。カウペンスはイラク戦争で初めてトマホークを発射した艦として有名で、37発のトマホークミサイルをイラクに向けて発射しました。この艦の艦長が以前に女性であったとガイドアナウンスされたと思いますが、その女性艦長は実は部下に対してパワハラを行ったことにより解任されたことは説明にはありませんでした(苦笑)。
一方、右側はアーレイ・バーグ級で艦名はマスティンです。

QT3023.jpg

さて、今回の軍港クルーズの最大の目玉がこの航空母艦ジョージ・ワシントンではないでしょうか。ジョージ・ワシントンはニミッツ級の原子力航空母艦の6番目に建造された艦で、姉妹艦が10隻もある現役の航空母艦としては世界最多(当たり前か・・・)の航空母艦です。その大きさはやはり港内に停泊している艦船の中で群を抜いており、遠目からでもその巨大さが良く分かりました。航空母艦ですから甲板は平らになっているのですが、一部斜めに膨らんでいる部分が写真で見ることができると思います。この部分は航空機が発艦するための部分で、カタパルトと呼ばれる航空機を一気に離陸可能速度まで加速させる装置がついている甲板です。

ジョージ・ワシントンには第5空母航空団という航空部隊が搭載されており、最大で85機の航空機を搭載することができます。さらに航空母艦そのものに責任を負う艦長と、航空作戦に責任を負う航空団司令の両方が乗艦して作戦を遂行しています。

QT3024.jpg

現在搭載されている航空機は対空戦闘を担当したF-14 Tomcatの退役に伴い、随分とシンプルとなってしまい、対地、対艦攻撃と対空戦闘の全てを担当するF/A-18 Super Hornetと対電子戦を担当するEA-6B Prowler、空中から警戒哨戒を行うE-2C Hawkeyeに加えて、対潜水艦攻撃と救助を行うためのヘリコプターSH/HH Oceanhawk/Rescue Hawkと、補給連絡などを担当するC-2A Greyhoundです。こうして軍港に停泊している間は航空母艦から航空機は発進できないので、入港前に海上で全機離艦して厚木基地などに分散して休養や訓練を行っています。

実際の作戦行動に際しては、さらに陸上基地などから空中給油機が発進し、航空母艦まで帰艦できないほど燃料を消費した航空機に対して、空中で給油を行うという一般人からすると離れ技を行うのですが、この空中給油に関してはまたの機会にご説明したいと思います。特にF/A-18 Super Hornetは先代のF-14 Tomcatに比べると燃料搭載量が少なく、実際の作戦においては空中給油を前提とした計画となるそうです。
ジョージ・ワシントンを正面から見ることができるのは大変珍しく、停泊している時の海側からしかそのチャンスはないと言えるでしょう。

確かに航空母艦は巨大なのですが、そこに着艦するパイロットにして見れば、ちっとも巨大ではないのが分かるのが以下の写真で、これはまさにこれから着艦するF-14のパイロットから見たジョーシ・ワシントンの甲板です。

QT3027.jpg

ここに降りなければならないのですから、パイロットにして見ればどんなに巨大でも大きすぎることはないでしょう(苦笑)。

それでは続いて海上自衛隊の艦船をご紹介しましょう。こちらは艦種が多いので大変ですが、こんなヲタク解説をお気に召していただけたのであれば引き続きお付き合いください。

(追補)
この記事をアップしてから読者の方からご指摘をいただいたのですが、記事内でタイコンデロガ級とご説明した艦艇はアーレイ・バーグ級のステザムでした。申し訳ありません。おそらくガイドさんも艦番からカウペンスとして説明してしまったのであろうと思います。実はこの両艦は艦番が同じで、カウペンスはCG-63、ステザムはDDG-63なのでした。ちなみにカウペンスも第七艦隊に所属しており、例の女性艦長のエピソードも事実ですので念のために追補させていただきます。


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コメント

F-18は初期型のストレーキが小さい方が好みです。
にしても510さん多趣味というか・・・深すぎでしょ。

  • 2012/01/20(金) 06:48:31 |
  • URL |
  • S氏 #-
  • [ 編集]

凄いですね!!貴重なものが見られてうらやましいです。
空母ジョージワシントンみたかったです。残念ながらご一緒することはかないませんでしたが・・・
米海軍の空母は、艦載機が発進するさいに30ノット以上の速力で向かい風を作り、艦載機に十分な揚力を与えて発進させているとどこかの記事で読んだことがありますが、あんな小島の様な大きさのものが本当にそんな速度に達するとは信じられません本当でしょうか?

大変勉強になりました
190さんはいつの間にどうやってこんなこと調べてるんですか?
まるで「肥えた岡部いさく」みたいです

  • 2012/01/20(金) 12:27:30 |
  • URL |
  • 笹本隆太郎 #-
  • [ 編集]

>Sさん
私自身はHornetがあんまり好きじゃないんですが・・・(苦笑)。今はそんなことないと思いますが、Tomcat RidersはHornet乗りを航続距離が短いことから「すぐに腹を空かせる面倒な子供」扱いしていたんですよ(笑)。

  • 2012/01/20(金) 19:57:26 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

>わんこS木さん
参加できずに残念でした。
さて、お問い合わせの内容ですが、これだけで記事が1本書ける内容ですが・・・(苦笑)、
第二次世界大戦中の日本海軍の正規空母でも最高速度は30ノット(時速55km)出ていました。当時はカタパルトがなかったので、発艦する航空機の離昇速度を稼ぐために、さらに風に向かって高速で航行して甲板上に風を発生させる必要があったんですね。それでも甲板では重量の軽い戦闘機を先頭に並べて最初に発艦(滑走距離が短い)させ、雷撃機が最後に発艦(一番滑走距離が長くなる)していました。
現代の米海軍の航空母艦は原子炉から発生させた蒸気を使ったカタパルトを装備していますので、航空母艦そのものは発艦時にそれほど速く航行する必要はなくなっています。それでもジョージ・ワシントンも最高速度は30ノット以上出すことが可能です。ちなみにカタパルトとは巨大なパチンコのようなもので、重さ3.5トンの機体を距離が僅か100mの間にイッキに時速300kmまで加速させることができます。搭乗するパイロットの感じるその加速GはF-1パイロットの比ではなく、水平に打ち上げられるスペースシャトルに毎日乗っているようなものでしょうね。

  • 2012/01/20(金) 20:16:13 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

>笹本さん
それほど調べてはいないんですよ。皆さんが知らないだろうな・・・というトピックはアタマに入っていますが、その裏づけとなるデータは流石に調べないとムリです。「痩せた」岡部氏はプロですからそういったデータもきっとアタマに入っているのだろうと思います。
このように知っているトピックの中から何をお知らせすると、皆さんがへぇ~と感じていただけるかをチョイスし、データ部分だけを調べて書いていますので、それほど大変ではないんですよね。
次回の海上自衛艦編は艦種が多いので、そういった小ネタを散りばめていますのでお楽しみに。。。

  • 2012/01/20(金) 20:22:34 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

ホントにオタクですね。(^^)
グーグルマップで見てみると、73番とかかれた航空母艦がはっきり写ってますけど、
これがそうなんでしょうか???
でかいですねぇ~!
戦闘機が1機乗っかってますね。

関西にいると軍港なんて縁がないのでとても興味がわきました。
(造船所の潜水艦は神戸港でいつも眺めてますが。。。)

  • 2012/01/20(金) 23:48:19 |
  • URL |
  • てい #-
  • [ 編集]

>ていさん
最近ではヲタクと言われることに抵抗はなくなって来たのですが。自分が知っていることを全力で語るのではなく、皆さんが興味を持っていることや感激することを分かりやすくお伝えしたいと思っています。
ちなみに神戸の港めぐりで見ることのできる川崎造船所の潜水艦ドックは日本で唯一、潜水艦を全体で見ることができる貴重な場所なんですよ。軍港で停泊している潜水艦は船体の1/3しか見えませんから・・・。
ちなみに潜水艦の最も機密事項はスクリューで、ここも日本の潜水艦は世界最高レベルです。当然、乾ドックに入ると真っ先に取り外しますので、川崎造船所で見ることのできる潜水艦はスクリューが外されているはずです。この辺りのハナシも港巡りのガイドさんは説明してくれませんので、薀蓄として同行者にお話してみてはいかがでしょうか?

  • 2012/01/20(金) 23:56:30 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

>ていさん
補記です。なぜ潜水艦のスクリューが最高機密かと言うと、キャピテーションと言って潜水艦が水中を航行するときのスクリューの渦の音で潜水艦の艦種が分かってしまうんですね。潜水艦が発生するキャピテーションの違いを分類することによりその艦種が割り出されてしまうので、キャピテーションをなるべく発生させない、精密な金属加工技術が要求されるのです。以前に東芝機械がその製造に利用できる精密加工機を共産圏に輸出して問題になったことはこの理由からです。

  • 2012/01/21(土) 00:07:18 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

F-18ってあんまりファンがいないですよね.米軍には合理的なんでしょうけど,どうしてもあのカッコいいF-14と比べられてしまう.
同じぐらいの機体規模のF-16や日本のF-2は車で言うと流麗な軽量スポーツ,みたいな人気があるのに.

  • 2012/01/22(日) 23:28:26 |
  • URL |
  • Hiroshi #-
  • [ 編集]

>Hiroshiさん
確かに私自身もF-16かF/A-18か?と言われるとF-16ですね。やっぱりF/A-18の「なんでもやりまっせ~」という万能さが何となくしっくり来ないのかも知れません。確かに合理的なのも理解できますし、航空母艦で運用するのであれば機種は少ないほうが整備も楽なのは分かるんですが・・・(苦笑)。

  • 2012/01/22(日) 23:33:45 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

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