走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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ストラトスの苦難5 ~部品探しの苦悩~

ストラトスの破損したリアカウルは新たに製作することにより修復できることになりましたが、一方でそう簡単には行かないのがテールランプなどのパーツ類でした。当然のことながらこういったパーツをワンオフで製作するなどはナンセンスで、とにかく世界中で部品を探すしかありません。必要だったのは円形のテールランプ、四角のリバースランプ、ナンバー照明灯の三種で、ナンバー照明灯はともかく、最も難航したのは円形のテールレンズでした。

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実はストラトスのテールランプはオリジナルパーツではありません。これはFIAT 850のものを流用し加工をして造られたもので、このランプを入手するにはストラトスの専用部品を探すよりFIAT 850のパーツを探したほうが簡単なのですが、そのFIAT 850用とて早々簡単に手に入る部品ではありませんでした。

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写真では分かりにくいかも知れませんが、ストラトスのテールランプはFIAT 850そのままの流用品ではなく外周部に黒いリング状の枠がついています。最悪このリングは補修して再利用するにしても中心のランプは入手しなければ先に進めません。またC.A.Eストラトスの場合はオリジナルのストラトスと異なり、四角い右側のリバースランプはリアフォグ(赤レンズ)とされており(上の写真を参照してください)、ランプ形状自体もオリジナルとは少し違う物だったのです。
どうしても原形に修復ということであれば、オリジナルのストラトスの部品ではなく、C.A.Eストラトスの部品を探さなければなりません。流石にそうなると入手は難しいだろうということになり、リバースランプは別のものを装着することも視野に入れて部品を探すことになりました。

問題はこの部品のサイズが決まらなければリアカウルを成型できないことで、部品そのものはともかくサイズを決定することが全体の工期に大きな影響を与えていたのです。
これも実際にこうした部品を探した経験がある方はご存知だと思いますが、この種の部品は「ある時はあるが、ない時はない」といった状態で、不思議なことにオークションも含めて市場から全く姿を消している時期もあれば、ざくざく出てくる時もあるのです。旧車を維持している方が部品のコレクターか?と思えるほど様々な部品を手許に持っているのはこのためで、試しにe-bayで調べて見ると現在のところ数点出品されていました(苦笑)。

確かにこの修理をしている時にこの部品探しに関しては私のネットワークも使って海外にも問い合わせてみたのですが、先月まであった・・・とか、また手に入るから気長に待て・・・などという返答が返ってくるばかりでした。
こうなるとクイック・トレーディングだけでなく、S氏も独自で部品を探すことになったのですが、S氏が最初に考えたのはC.A.Eと同様にストラトスのレプリカモデルを製造していたアタカエンジニアリングでした。しかしアタカエンジニアリングはAERと社名を変更し埼玉から石川に移転しており、当時のメカニックの方々も殆ど在籍していないという状態でした。それでもS氏はアタカエンジニアリングを退職し、独立してメンテナンスガレージを営んでいる方を探し当ててコンタクトすることができ、C.A.Eと同様にストラトスのレプリカを製造していたイギリスのホークカーズに部品を発注できるというハナシを聞くことができました。これで問題は解決!と思いきや、ホークカーズからの返答は遅れに遅れ、最終的に送られてきたパーツリストはその殆どが値段がPOAというものだったのです。POAとはPrice on Applicationの略で、所謂受注生産と同義で「注文があれば造って値段を出します」という意味です。すなわち私が問い合わせた海外の部品業者と同様で、要は「何とかするから気長に待て」と同じことだったのです。
これでは問題は何も解決しないと落胆していたところ、S氏のもとに耳寄りな情報が飛び込んできました。それは同じくストラトスレプリカのオーナーが破損したリアカウルを持っているというものだったのです。
そして現物を確認し、中古品ではあるもののようやくテールランプ一式とリバースランプも手に入れることができました。しかもリバースランプはC.A.E製とは異なりオリジナルのストラトスと同タイプのもので、事故前のものと比較しても進歩?と言える部品だったのです。

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一方でクイック・トレーディングではあまりに入手難のこの部品を何とかすべく、懇意にしている日本でも有数のABARTHコレクターである某氏を通じてイタリアからようやく部品を手に入れることに成功していました。しかし、こちらはFIAT 850用で周囲の黒いリングがないタイプのものであったため、こちらを予備部品とすることにし、S氏が入手した中古品を使うという方針で滞っていたカウルの最終成型も再始動となりました。

またリアカウルの成型と並行してフレームの修正は綿引自動車で行うこととなりました。
そして同時にクラッチ交換などの整備も行うこととなり、クイックトレーディングでエンジンを下ろして、車体を綿引自動車に運ぶこととなりました。

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フレームの修正は綿引自動車で行ったのですが、かねてから疑問に思っていたのが旧車の事故修復歴についてです。
中古車で問題となる事故修復歴ですが、こと旧車に限ってはそれが必ずしもマイナス要因とはならないと思うのです。
現在のフレーム修正技術は格段に進歩しており、その測定は最新の設備であればミリ以下の単位で行われ、実際のフレーム修正は通常の修正機であってもミリ単位で行われます。

一方でそれらのクルマが新車で製造されていた時代の製造公差はセンチ単位であったのです。伊藤忠モータースで新車でアルファ・ロメオを販売していた方から以前に伺ったハナシですが、ジュリアが製造されていた当時、アルファ・ロメオはフレームの製造公差は最大で1.5cmであるとメンテナンスマニュアルに書いていたそうです。それはすなわち左右のホイールベースの差にも影響するはずで、まっすぐ走らせるためにはホイールアラインメントで調整を必要としたでしょう。このアライメント調整はメーカーの仕事ではなくディーラーの仕事でした。なぜなら輸送中に狂う可能性もあるために、メーカー出荷時には厳密なアライメント調整は行わず、こうしたデーターをメンテナンスマニュアルで各地のディーラーに提供し、納車前に調整してメカニックが試運転を行った上でオーナーに引き渡すのが通常だったのです。
もちろん当時のボール&ナット式のステアリングでは中立での遊びが大きいために、これらの誤差は吸収されてしまうのでしょうが、それが当時の製造公差のレベルであったことも事実だと思います。
正規のインポーター経由ではなく新車並行で購入された方や中古車を購入された方は、まずはホイールアライメントを測定し、規定値で整備することをオススメします。タイヤの片減りの原因となったり、真っ直ぐ走らないために「事故車では?」とあらぬ疑いを持ってしまうことにも繋がりかねません。

ハナシを元に戻しましょう。そのように製造された旧車を事故で修復する際には現在のフレーム修正機を使って修復するのですから、もしいい加減な修理ではなく、綿引自動車のような整備技術をもった工場で修理されたのであれば、その事故車は新車以上の精度を持つこととなります。
クルマ選びの際に事故修復歴のないクルマ…と言われるのは事実ですが、こと旧車に限っては前述のフレーム修正だけでなく、現代の最新技術で板金や溶接をされた事故修復車は新車以上・・・と言えるかも知れません。もちろんこれはあくまで技術論であり、オリジナルに拘る方や劣悪な修理技術の問題とは別であることは言うまでもありませんが、もし私自身が旧車を購入するとすれば事故歴は問題とせずに、むしろどこで修理したかを問題にするでしょう。そしてその「どこで修理したか」を問題にしなければどれだけ悲惨な目に逢うか・・・というハナシは別の機会にご紹介したいと思います。

綿引自動車で行われたフレームの修正は素晴らしいもので、オリジナルのものよりも優れた精度のフレームが出来上がりました。

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こうしてリアカウルの成型とフレーム修正をしている間に行った作業はエンジンの整備とマフラーの製作でした。

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テーマ:イタリア車 - ジャンル:車・バイク

コメント

私の伝え方がまずかったのか、1点誤解を与えそうな部分を補足します。

>リバースランプはC.A.E製とは異なりオリジナルのストラトスと同タイプのもの
修復後の写真を見て詳しい人ならピンとくるでしょうが、
手に入れたのはアタカ(ホーク系)用の物で形状的にはCAEに近い物です。
オリジナルは表面がフラットなんです。
ただし、アタカ用は左右とも透明レンズ(両方リバースランプ)なので
この点でオリジナルに沿った構成になっています。
この部品の採用に際して、右側は赤バルブを入れてリアフォグとしました。

  • 2012/01/23(月) 09:06:39 |
  • URL |
  • S氏 #-
  • [ 編集]

>Sさん
補足していただきありがとうございます。確かにプラモデルでもリバースランプの表面はフラットでした(笑)。
でも、片側にレッドバルブを入れたにせよ、両側のランプがクリアーになると随分と印象が変わりましたね。
約1ヶ月の間、ブログ記事がストラトス一色になったので私自身も随分と研究することになってしまいましたが(笑)、結構リアビューのポイントがこのリバースランプだと思います。
なかなか良い部品をゲットできたと思いますよ。

  • 2012/01/23(月) 20:45:59 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

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