走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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ストラトスの苦難2 ~30分の逢瀬~

その日の朝、S氏はガレージからやっと帰ってきた愛車を引き出してガソリンを満タンにしてドライブに向かいました。そしてドライブルートの途中である福生から奥多摩に向かう奥多摩街道の路肩に、S氏は写真を撮るためにクルマを停めたのです。これまた私たちのようなクルマ好きにはごく自然な行為で、ましてやこれだけ長い間手許になかった愛車がやっと帰ってきたのですから、S氏の気持ちは痛いほどに分かります。クルマを停めた道路は本車線こそ片側1車線づつですが、本車線・路肩共にかなり幅広な上に歩道も路肩とは別に設けられた見通しの良い直線区間でした。そしてクルマから降りて反対側からカメラを構えて写真を撮ろうとしたときに…その惨劇は起こりました。

最初S氏には何が起こったのか分からなかったそうです。ブレーキのスキール音も一切なく、ドーンという音と共にデジカメのフレームの中から自分のクルマがなくなり、代わりに軽自動車が写っていたのです。
一瞬の後に事態が飲み込めました。路肩に停めたストラトスの真後ろから軽自動車が追突して来たのです。

StoAdt001.jpg

以下はS氏のリポートです。その場の状況はやはり当事者であるご本人の証言?が一番的確だろうと思います。

『まるでビリヤードを見てるような見事な追突で相手のクルマは私のクルマのあった位置に停まりエアバッグが開いてました。
乗っているのは運転手一人だけですが、ぐったりしてるようで中々降りてきません。
見ていると(エアバックのガスと思われる)煙が室内に充満しだしたので、火災の危険もあると思った私は外からドアを開け、早く車外に出るよううながしましたが、ハンドルに顔を預けるような状態でこちらを向こうとせず返事だけは返してました。

「腹が痛い」とか「大丈夫だからちょっと待って」

とか言ってたと思います。

とにかく救援をと思って携帯電話の電源を入れ(こういう時、常時OFFがたたりますね)110番したまさにその時、奥多摩方面から偶然にパトカーが走ってきたので、これを呼び止めて交通事故の手配を頼みました。

現場は福生警察署のすぐ近くだったので10分くらいで事故処理班がわらわら集まって来ました。この間私は路面にちらばったパーツをかき集めたり保険会社に電話したりしていたのですがふと振り返ると、ぐったりしていたはずの相手の運転手が車外に出て普通に警察官と話をしていました。

その警察官が私の方にやってきて簡易事情聴取をしたあと、

「相手さんね、飲酒みたいなんでこのまま署に連行します。あなたにも署での事情聴取にご協力頂きたいのだけれど。」

と告げられました。

協力はいいけれどクルマをなんとかしなけりゃならないことを話すと、警察官が相手の運転手に私に詫びを入れるようにうながしました。

が、相手の態度がへらへらしていたので、

「謝ってもらわなくていいが、弁償はしてもらいますよ。」とだけ返しました。

その後、警察官2人とパトカー1台残して相手の運転手と他の警察メンバーは撤収。
しばらくして相手のクルマも警察署にレッカーされていきました。』


S氏のショックはいかばかりだったかと思います。もちろん不幸中の幸いはS氏がクルマに乗っておらず、怪我がなかったことで、もし乗っていたら最低でも鞭打ちで首をやられていただろうと思うのですが、一方で自分の愛車が目の前で無残な姿になるのを見るというのも、我が身を痛めるのと同様に心が痛むであろうことは想像に難くありません。しかもこの事故に至るまでの時間はS氏が自宅のガレージを出発してから30分後のことだったのです。

StoAdt002.jpg

ここまで様々なトラブル(人的なトラブルも)を経験し、1年半の時間を費やしてメンテナンスを行った末にやっと乗れるようになって手許に帰ってきた愛車との逢瀬はたった30分で終わってしまったのです。

損傷の程度は写真で見ていただけるとお分かりの通り、通常の量産車であれば間違いなく「全損」という状態でしたが、S氏によれば治すという選択肢以外は考えられなかったとのことです。もちろん100%相手に非のある事故であったこともあるでしょうが、一方でこのクルマを治すことのできるであろう信頼できる主治医と出会っていたことは大きかったろうと思います。

警察での事情聴取を終えてS氏はクイック・トレーディングに連絡をしクルマを運ぶことにしたのですが、後に聞いたところによるとクイック・トレーディング側もクルマのダメージに関しては「見てみなければ分からない」との判断で、まずは運んで来てからというスタンスだったそうです。考えて見れば当たり前で、どんなに外観が無残な状態でもフレームやメカニカルパーツにダメージが少ない場合もあれば、一方でその逆もありますし、一見して何ともないと思っていても、プロがチェックすると大きなダメージを受けている場合もあるのです。

一方でレッカーで運ばれて来たクルマを見たクイック・トレーディングは驚きを隠せませんでした。仕事柄数多くの事故車を見て来てはいますが、メンテナンスガレージに入庫する事故車は修理を前提としていますので、全損事故に匹敵するような大事故の車両は、現場検証の後にそのまま解体業者行きになってしまうためにそうそうは入庫して来ません。それでもこのクルマの過去の経緯とオーナーのS氏の熱意を知っているために、クイック・トレーディングも修理をすることを決意します。それは「決意」と言って良い決断で、メンテナンスガレージとしての知識と経験を総動員して当たらなければならない修復作業となって行くのです。

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テーマ:イタリア車 - ジャンル:車・バイク

コメント

毎度記事作成お疲れ様です。
送りつけた元の記録が膨大なものだったので推敲と割愛選択に苦労されてるなぁと思います。

ちょっとだけ追記です。
”愛車との逢瀬はたった30分で終わってしまった”と書かれていますが、
この前編”ストラトスの苦難1”でのラジエータ修理と、その前のクイックでの修理の間で乗る機会は多少はありました。
ただ、それはドライブを楽しむというよりは修理後の各部のチェックだったのです。
その過程でラジエータの液漏れを発見しました。
今回描かれてる30分もラジエータ修理後のチェックだったので、
1年半のメンテナンスとこの事故もつながってるともいえます。

そういう意味では”たった30分”も無かったに等しいという感覚です。

  • 2012/01/07(土) 07:28:07 |
  • URL |
  • S氏 #-
  • [ 編集]

>Sさん
あまり思い出したくないハナシかも知れませんね。すいません・・・(汗)。
記事はSさんからの原稿だけでなく、クイックからの取材メモもありますので、膨大どころか(笑)

  • 2012/01/07(土) 11:43:55 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

コレは切ないですね。
片方が飲酒だと保険が下りない気もしますが、そのあたりのエピソードもあるのでしょうね。

  • 2012/01/07(土) 22:39:38 |
  • URL |
  • pekepeke #-
  • [ 編集]

>pekepekeさん
やはり貰い事故というのは本当に切なく悔しいものですね。
保険に関しては続編でお知らせしますのでご期待ください。

  • 2012/01/07(土) 22:51:46 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

思わず涙が出てきました。。。

  • 2012/01/07(土) 23:24:24 |
  • URL |
  • てい #AVChMHfA
  • [ 編集]

>ていさん
今年もよろしくお願いします。私たちクルマ好きにとって、ていさんの愛車もそうでしょうが、自分の愛車はかけがえのない個体だと思います。それがこのような形で傷つけられて、さらにそれが金銭という形でしか解決策がないことが本当に残念なことだと思います。

  • 2012/01/07(土) 23:29:45 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

S氏様の心中お察し,余りあります.相手の保険から修理費を出すしかないので,いやな言い方ですが車の価値を決めるのが最大の問題になります.
旧車の場合よく問題になるのがただ原価消却が終わった車と評価されるか,苦労して維持している価値を評価してくれるか.今回はワンオフに近い車ですからなおさら難しいと思います.頼みの綱は修理工場なのでよい結果になることをお祈り致します.

  • 2012/01/08(日) 01:33:29 |
  • URL |
  • Hiroshi #-
  • [ 編集]

>Hiroshiさん
コメント有難うございます。
これから復活へのドキュメンタリーをお知らせする予定ですのでご期待ください。不幸にしてご自身の愛車が事故にあった場合にの参考になる記事と鳴るよう努力しますので

  • 2012/01/08(日) 02:49:02 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

これは酷いですね・・・
飲酒で追突なんて言語道断だし。
怪我がなかっただけでも不幸中の幸いですね。

  • 2012/01/10(火) 16:47:46 |
  • URL |
  • こ~んず #JalddpaA
  • [ 編集]

>こ~んずさん
事故は早朝ですから、飲酒検問逃れかも知れませんね。朝はあまりやらないでしょうから確信犯で、夜中まで飲んで朝まで酔いを醒まして運転して帰っていたのかも知れません。事実、アルコール度数は「酒気帯び」レベルだったとのことですから、ひょっとしたら常習なのかも知れませんね。
これだけ飲酒運転で悲惨な事故があったにも関わらず、それでもまだこうした輩が絶えないのは情けないです。

  • 2012/01/10(火) 21:19:44 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

覚えています

はじめまして

私、この直後に通りかかっていたようです
一気に目が覚めたのを覚えています

この後、私もランチアのセダンを購入
ちょうど半年過ぎた時に、
5ヶ月の闘病生活を余儀なく、、、
今はおかげさまで元気です

まさか、、、2年以上、、、ですか?

  • 2012/01/17(火) 21:52:29 |
  • URL |
  • ペペロン #-
  • [ 編集]

>ペペロンさん
こちらこそはじめまして。目撃者だったのですね(苦笑)
ストラトスを知っているヒトが見たらさぞかしびっくりしたことだと思います。
この記事は修理後に書いていますので修理は既に完了しています。さすがに2年はかかっていませんが、トータルで10ヵ月はかかりました。続編にご期待ください。

  • 2012/01/17(火) 22:01:51 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

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