走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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アルファ・ロメオにとってのSpiderとは

手許にやって来たLancia Themaですが大方の予想に反して大した問題もなく、日常のアシとしての役割をこなしてくれています。確かにナニゴトもないかと言うと決してそんなワケはなく、細々とした不具合は出現しているのですが、それらについてはいずれまとめてご紹介できればと考えています。

916SpiderStudio.jpg

一方で916Spiderを手放して約1ヶ月が経とうとしているのですが、手許になくなったからこそ、冷静にアルファ・ロメオにとってのSpiderとは何なのかを考えることができるようになったと思います。
私自身は115SpiderのSr.3に始まり、Sr.4を経て916Spiderを所有していました。115Spideerは全てアルファ164と並行して所有していましたので、流石に日常のアシにはしませんでしたが、916Spiderについてはファーストカーであったこともあり、ほとんど毎日アシとして乗り倒しました。

115Sr3001.jpg
115Sr4001.jpg

アルファ・ロメオの100年の歴史の中で、Spiderは常にそのラインアップの中で重要な位置を占めていたと思います。特に戦後に量産車メーカーに転進した際に、Spiderというモデルはアルファ・ロメオの昔からの顧客にとっては戦前の高級車メーカーであった時代をイメージさせる特別な車種であると同時に、戦災から復興する過程にあるイタリアの人々にとっては希望と夢を感じさせるモデルでした。そして経営的には輸出モデルとして外貨獲得に寄与したモデルだったのですが、特にGiulietta SpiderやSpider Duettoは北米に輸出され好評を博しました。

アルファ・ロメオのSpiderを理解するにはこの北米マーケットがとても重要な意味を持ちます。すなわち、北米マーケットでのSpiderの販売をいかに伸ばすかがアルファ・ロメオの経営に重要な課題であり、北米の顧客のSpiderに対する期待に応えることが最も重要であったのですが、その北米の顧客はSpiderを決してスポーツカーとは捕らえはおらず、むしろ小粋でスタイリッシュなクルマで当時のアメリカ車にないエレガンスを持ったクルマであることを期待していたのです。このことが以降のSpiderのコンセプトを決定づけることとなります。

アルファ・ロメオにとってSpiderは…

(走行性能)
スポーツカーとして絶対的に優れた性能を有している必要はなく、むしろきびきび走る(走っているように感じる)スポーティイメージが必要。

(スタイリング)
ダイナミズムよりエレガンスが重要。またSecretary-carとして女性にも受け入れられる要あり。

(居住性)
コンパクトなサイズでありながら2名が余裕を持ってグランドツーリングできる快適性が必要。すなわちタイト過ぎてはいけない。

というコンセプトのモデルではなかったでしょうか。ちなみにSecretary-Carとは北米で女性が通勤に使うクルマのことで、コンパクトで運転しやすいと同時に他人と差別化できるクルマという位置づけです。かつてはVWのGOLF(北米名RABBIT)やHONDAのプレリュードがSecretary-carとして人気を博しました。

上記のコンセプトはSpider Duettoから続く115Spiderだけでなく、その次期モデルである916Spiderにも受け継がれていたと思います。何故なら結果として北米から撤退したアルファ・ロメオですが、916Spiderの開発当時は北米に投入する予定で、その開発に際しては多分に上記のコンセプトが影響していたと思うのです。
しかし一方で現行のSpiderの開発に際してこのコンセプトが生きていたかどうかは疑問で、むしろユーノス・ロードスターを契機に増えてしまったライバル車との差別化を主眼に置いているように感じます。

さて、そうした目で改めて916Spiderを見た時に、私たちがSpiderの伝統と思っている部分が多分にマーケティングによる必然的な継承であることに気づきます。

916engine001.jpg

駆動形式がFRからFFに変わっても、搭載されるDOHCエンジンがFIATベースに変わっても、その出力特性はギア比と相まって115Spiderの美点を継承しています。もちろん多分に演出という目的もあるかと思いますが、少なくともアルファ・ロメオは115Spiderの持っていたGiulia Sprintと同様のキビキビ感を916Spiderにも受け継がせたかったのでしょう。

115engine001.jpg

実際に私が所有した2.0LのTwin Sparkモデルに関して言えば、不思議とその加速感は115Spiderの2.0Veloceと似ていました。

ハンドリングも同様で、そのサスペンスション形式は全く異なっているにも関わらず、目指している方向が同じであるために、結果として115Spiderと916Spiderはとても似た乗り味となっていました。

916SpiderOTR001.jpg

それは、「この位ハンドルを切ったらこの位ボディがロールして、コーナーをこんな感じで抜けるんだよな…」というドライバーの持つコーナリングイメージが同じという意味で、もちろんその限界特性は916Spiderの方が遥かに優れていることは言うまでもありませんが、これこそ真にアルファ・ロメオの開発スタッフに受け継がれてきたアルファ・ロメオのハンドリングイメージなのでしょう。

916Spiderが一番大きく変わったのがスタイリングではなかったかと思います。最終的にはエンリコ・フミアさんのデザイン力による部分が大きいと思いますが、このデザインを採用したアルファ・ロメオもそれは大英断で、25年に亘って作られた115Spiderの後継モデルであるということを考えたときに、ひと目でアルファ・ロメオであることが分かれば、次にSpiderであることは屋根がなければ自明ですので、115Spiderのイメージを引きずるより、全く新しいことをアピールするほうが得策だと考えたのでしょう。結果として未だに色あせることのないデザインのSpiderとなったのですが、一旦乗り込んでしまえばドライバーにとっては懐かしくも嬉しいSpiderの印象がちゃんと引き継がれているのです。

そのスタイリングと同様に115Spiderと全く変わったのがメカニズムです。ダッシュボードがフルトリムなのは当然ですが、メーターナセルはSr.3初期までの独立したメーターフードを連想させますし、中央の三連メーターも同様にアルファ・ロメオを良く知るオーナーにはニヤリとさせる演出です。

115Sr3Cockpit001.jpg

こうしたイメージはちゃんと踏襲していても、エアバッグやABSといった安全装備に加えて、パワーステアリングやフルオートエアコンに加えて、オプションではありましたが電動トップなどなどの快適装備もちゃんと当時の標準レベルをクリアしていました。

916Cockpit001.jpg

実は一番大きく進歩したのはそのスタイリングでも装備でもなく、部品及び製造品質ではなかったかと思います。以前にも書きましたが、アルファ155で導入されたロボットラインは916Spider/GTVの生産ラインでようやく安定して来たと言えます。また使用する部品もアルファ155の設計時にはアルファ75などで採用されていた部品がまだ流用されているのですが、この916Spider/GTVになるとほぼ一新されています。すなわち、部品の品質基準が変わり組立品質が変わったのですから、ここでようやく劇的に品質が向上したのです。実際に所有してみてアルファ155はその後期モデルであっても916Spider/GTVの初期モデルに比べて信頼性では劣っていたと思います。

クルマというのは一つのシステムで、一般的には30,000点から40,000点の部品の集合体だと言われています。仮に30,000点の部品のうち、29,999点の部品の耐用年数が100,000時間であったとしても、一つの部品が100時間で壊れたとすればシステム全体としては100時間で壊れることになります。
品質が安定してきたと言うのは、上記のユニット毎のもしくはシステム全体の耐久性(信頼性)が安定してきたと言うことで、このことは工業製品としての基本条件をクリアしたことになります。
そうした意味では916Spider/GTVは、1990年代のアルファ・ロメオの中で初めて工業製品として日本車を含めて他社のクルマと比較できるレベルに達したモデルであると思います。もちろんそれは優れているという意味ではなく、同じ土俵で勝負が出来るという意味でしかありませんが、それ以前のモデルは比較しようにもあたかも異種格闘技のように、アルファ・ロメオだからねぇ…と違う尺度で見なければならなかったことを思うと雲泥の差があるのです。

916Spiderはアルファ・ロメオがGiulietta Spiderから連綿と引き継いだSpiderのコンセプトを残しながら、クルマとしての品質を向上させた理想的なSpiderだったと思います。
ずっと手許にSpiderがある生活を送ってきましたので、きっとまたいつかSpiderに乗りたくなる時が来るような気がしています。

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テーマ:アルファロメオ - ジャンル:車・バイク

コメント

こうなったら

8Cスパイダー、逝って下さいっ!

  • 2010/07/11(日) 19:49:57 |
  • URL |
  • こ~んず #JalddpaA
  • [ 編集]

ピニンファリーナの・・・

ピニンファリーナのスパイダー、生産ラインに乗ったらかなりグラグラ心揺さぶる存在になると思うんですが、その時はセカンドカーにどうでしょう?

  • 2010/07/11(日) 22:04:29 |
  • URL |
  • きゃつお #-
  • [ 編集]

>こ~んずさん
う~ん。8Cならばクローズドで乗りたいと思ってしまうのですが、こ~んずさんからいただけるのであればSpiderであろうがクローズドであろうが喜んでいただきますよ(爆)

>きゃつおさん
長崎はどうですか?
2uettottantaのことですよね。確かにあれが市販されたりしたら相当悩むでしょうね(笑)

Themaが優等生だということで、ここはRZを増車ということで。。。

2uettottanta、欲しいっすね。

  • 2010/07/12(月) 12:24:57 |
  • URL |
  • pekepeke #-
  • [ 編集]

>pekepekeさん
RZですか・・・また難儀なクルマを(爆)
ThemaとRZかぁ・・・う~ん。この2台から連想するのは・・・変態だなぁ。

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