走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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究極のDIY ~その壱~

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クルマ趣味におけるメンテナンスについて言えば、おおよそ三種類のタイプが存在すると思います。
まずは「何でも自分でやってみるタイプ」で、器用、不器用を問わず好奇心や探究心が旺盛で面倒をいとわないタイプです。このタイプはともすればヲタクっぽく見られる可能性もあるのですが、基本的にはお人好しが多く、頼まれれば誰のクルマでもメンテナンスしてしまう方が多いように思います。
次に「理論探求派」で理屈そのものには興味があるものの、自ら手を動かす(汚す)のはあまり好きではなく、もっぱら人任せにするタイプです。しかしその知識は半端ではなく、自らがクルマを触るわけではないので軽く見られてしまいますが、メンテナンスマニュアルを始めとする様々な資料を持っているので、知恵袋として重宝するのが特徴です。
最後は「動けばいいやタイプ」で、トラブルや故障に関しては敏感ではあるものの、その修理に関しては完全にプロ任せで無事に治ったのであれば、もはや原因などどーでも良いと感じるタイプです。しかし、感性がいちばん鋭いのがこのタイプで、クルマに対するセンスは抜群なので購入する際やモディファイする際の「見立て役」としては実に良い仕事をするのです。

オーナーズクラブの魅力はこの三種三様のタイプがいることで、特に私が所属しているアルファ164オーナーズクラブにはこの三種のタイプがお互いの長所を尊重し合って、技術と情報を分け合っているのが素晴らしいことだなと思っています。
さて、親友でありこのアルファ164オーナーズクラブのメンバーでもある笹本氏が、自らの愛車であるアルファ164Q4の大リフレッシュ計画を進めていることは氏のブログをご覧の方はご存知のことと思います。
車検を機に様々な整備メニューをこなした後に手をつけた、氏のクルマに対するセンスが凝縮された内装リフレッシュの成果は私も見せてもらい感激したのですが、彼はどうしてもそのリフレッシュ計画の最後に手を付けたい部分がありました。それは天井の内張りで、アルファ164に限らずイタリア車の多くは10年選手になると経年劣化によりこの天井が垂れ下がって来るのです。

通常は業者にお願いして天井を張り替えてもらうのですが、オーナーズクラブにはこの天井を張り替える職人芸を持ったメンバーがいました。K君はアルファ164、Fiat Panda、アルファGTVなど様々なクルマの天井を張り替えて来たのですが、これらは決して商売ではなく自分のクルマであったり友人のクルマであったりと、オーナーに頼まれて施してきたというのが実態でした。
私も過去にK君がアルファ164QVの天井を張り替えるのを手伝ったことがあるのですが、劣化して外すときに粉々に割れてしまった室内灯のプラスチック部品をK君が半田コテを使って器用に貼り合わせるのを見て感心したものです。
今回は笹本氏の求めでK君の職人芸を改めて見せてもらえることになったのですが、その作業手順はその後に台数をこなしてきたこともあり、どんどん洗練され無駄が無くなっていました。

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作業場所に指定されたのはK君の行きつけの整備工場でした。自宅の駐車場でも作業はできるのですが、できれば整備工具など環境が整った場所でやるほうが何かと便利です。快く場所を貸して下さった工場に感謝です。それにしてもポルシェの専門工場でアルファ・ロメオの天井を張り替えるというのは少し気が引けたのも確かです(苦笑)

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さて、笹本氏のアルファ164Q4の天井ですが、確かに少し垂れて来ています。垂れて来たおかげでクロスの材質が良く分かるのですが、想像以上に非常に薄い布地であることが分かります。実際に芯になるボードに布を貼る際にはこの布の厚みも重要で、薄すぎると皴が出来やすいのに対して厚いと布が重くなり垂れ易くなってしまうのです。

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まずは天井のクロスが張ってあるボードを外すために、内装のプラスチック部品を外して行きます。外すのはルームランプユニット、サンバイザー(左右)、ルームミラー、Aピラー(ハンドグリップ)、Bピラー(上部のみ)、Cピラー(上部のみ)、リアロールスクリーンクリップです。
と、文章で書くと簡単ですが、これらは全て上を向いて取り外さなければならないために無理な体勢を強いられます。またアルファ164に限らず、殆どのイタリア車のプラスチック部品は経年劣化が早く、特に1980年代から1990年代に製造されたクルマの内装部品は紫外線に弱く、表面が劣化してベタベタになってしまいます。
実際にアルファ164でもこのプラスチック部品については前期型と後期型で明暗を分けることになります。前期型のヘッドコンソールはほぼ必ず劣化してベタベタになります。そしてそれは同時に材質が脆くなっていることを意味し、外そうとするとボロボロに砕けてしまうのです。新品の交換部品は手に入らず、入ったとしても材質は同じですし、仮に部品取り車があったとしても、これまた外すときに粉々になってしまうという地獄で(笑)、基本的には触ってはいけない部品です。しかし、天井の内張りを貼りなおすためには外さざるを得ず、それは同時に粉々になることを覚悟しなければならない作業でもあるのです。

前期型のアルファ164の天井を張り替える場合は、ヘッドコンソールの周囲を養生してから外してください。万が一粉々になってもそれらをつなぎ合わせて復元することが可能ですが、その破片がなくなってしまったらそれも出来なくなってしまいます。粉々になった破片はエポキシ系の接着剤(二液混合タイプ)や半田コテを使って再度接着し、表面をペーパーで均すとベタベタも取れてなんとか修復することができます。ただし、元の強度は全くありませんので以降の取り扱いには細心の注意が必要となります。

後期型の場合はこの破片地獄に見舞われることはないようですが、油断は禁物です。あくまで取り扱いは慎重にそっと外して行きます。

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Aピラーのカバーは比較的簡単に外すことができるはずです。ハンドグリップの取り外しも問題ないでしょう。しかし、Bピラーはちょっと難物です。前後ドアの上部カバーはこのBピラーで挟み込むように固定されていますので、このBピラーのカバーを外さなければその周囲のカバーも外れません。このカバーを外すためにはフロントのシートベルトのアンカーボルトを外す必要があります。ソケットレンチでもハンドル長の長いものでないと力が加わらないかもしれません。もちろんエアーレンチがあれば何の問題もありませんが…。

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さらに、Bピラーカバーの先端は折れやすくなっていますので、慎重にめくってください。
天井の張替えにはBピラーカバーを完全に取り外してしまう必要はありません。上部の先端が浮いてその左右のカバーを抜くことができれば良いのです。同様にCピラーカバーも上部が浮けばOKです。

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後部天井部は三箇所のピンで固定されています。このピンは一見すると抜くだけに見えるのですが、中はタップが切ってあり、回して緩める必要があります。ムリにドライバーでこじると壊してしまいますので要注意です。

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さてこれらの部品を外すと、唯一天井はボードとスチールパネルに取り付けられたマジックテープで繋がっている状態となります。これからこの天井を車外に引き出すのですが、運転席と助手席の椅子を倒して、前のドアから斜めに引き抜くように車外に出します。イロイロ試した結果、このルートしか車外に出す方法はないそうです。一人が車内で天井を支えながら、もう一人が車外から引き出すのが一番効率の良い出し方ですが、一人でやることもできるそうですので、サポートのない方でも大丈夫です。

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引き出した天井には前部にルームランプ用のスチールベースと後部にはロールスクリーンを止めるピンが四箇所についています。ルームランプ用のスチールベースは前期型と大きく異なる部分で、改良されてネジの数が増えています。また後部のロールスクリーン用のピンはご丁寧に各二箇所でネジ留めされています。

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これらを全て外すとようやくボードからクロスを剥がせるようになります。この剥がし作業は一番汚れる作業ですので、ガレージの中などで行ってはいけません。できれば風通しの良い屋外で作業することをオススメします。

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まずは一番のハイライトであるクロス剥がしですが、比較的簡単にベリベリと剥がれると思います。問題はその後のボードの処理で、クロスとボードの間には薄いスポンジが挟み込まれています。このスポンジが劣化するためにクロスが浮いて垂れてくるのですが、このスポンジをきれいに取り除かなければなりません。

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必要な道具は「亀の子たわし」でこのタワシを使ってボードをこすると劣化したスポンジは粉状になり飛散します。このために風通しの良い屋外での作業をオススメしているのですが、こんなことをガレージの中でやればガレージ中がスポンジの粉だらけになってしまいます(笑)

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ボードは吸湿性がありますので、水を使うことは禁物です。つい水で洗ってやりたくなるのですが、乾燥に恐ろしく時間がかかるのと、ボードが劣化して割れる可能性があるそうです。新しいクロスを貼る際にはこのボードに直接接着剤を塗りますので、とにかくタワシで綺麗にスポンジを削ぎとってください。

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ここまでの作業でクロス貼りの準備完了です。
いよいよ次回は新しいクロスの張り込みの模様をお届けしましょう。

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テーマ:AlfaRomeo - ジャンル:車・バイク

コメント

天井の張替え、一般の方が慣れた感じで行うさまは鮮やかですね~

クルマの製造工程上、天井は内装組みつけの早い段階で行うので、
その天井を剥ぐという工程は完成状態から遡っていくわけで、ホントに
根気の要る作業で、通常はプロでも嫌がるでしょう。

Spiderは天井に関しては苦労しないと思いますが、、笑

  • 2010/05/08(土) 11:00:48 |
  • URL |
  • chifurinn #UwkW36/E
  • [ 編集]

私は「とりあえず自分でやってみるが最終的には専門店に泣きつくタイプ」だと思います。天井の時もそうでした。

  • 2010/05/08(土) 11:35:13 |
  • URL |
  • なごやまる #-
  • [ 編集]

で。

オイラのQVの出張張替えはいつかな?(笑)

  • 2010/05/08(土) 11:37:39 |
  • URL |
  • yossuie #qbIq4rIg
  • [ 編集]

>chiufurinnさん
確かに面倒くさい作業ですね。自分のクルマだったらたぶん人任せにしちゃうでしょう(笑)

  • 2010/05/08(土) 22:16:23 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

>なごやまるさん
奇遇ですね(爆)
私もまずは弄って見るんですが、最後は主治医に泣きつきます。

  • 2010/05/08(土) 22:17:57 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

>yossuieさん
言う相手が違いますよ~(笑)

  • 2010/05/08(土) 22:19:03 |
  • URL |
  • 510190 #-
  • [ 編集]

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