走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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916 Spiderのカタログ

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先日、916Spiderの誕生について大胆な?私説を展開したのですが、一方で当時のカタログを見るとアルファ・ロメオがこの新型Spiderをどう売りたかったのかが良く分かります。
特にこの日本版のカタログはそのコピーが独特で、本来のカタログに求められるクルマの機能や性能、装備といったハード面についての説明をベースにするものではなく、情緒的というか感覚に訴えようとする実にエモーショナルなコピーが採用されています。

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個人的にはあまり好きではない切り口なのですが、この新しいSpiderを「買う理由」をどこに求めるのかを一生懸命考えた末のコピーが最初のページに置かれています。

躊躇いはあった。
それは不謹慎なほどに美しく、孤独だった。
似合うだろうか。
忍び込むようにシートに座る。

1000年も昔の話じゃない。
スパイダーに乗る自分。隣に座る見知らぬ誰か。
そんな想像に陶然としたことがある。
現実は肥大する欲望をあざ笑いながら、幾つもの歳を加えた。
映画のようにはいかない。
意気地のない主役。噛み合わないワキ役…。
だが、あの想像は勝手に住み着いたままだった。

ALFAROMEO Spider。
いま、ここに至る。
深呼吸ひとつ。キーを回した。


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それは若い昔にSpiderに憧れたながら歳を重ねたオーナーが、ようやくSpiderを買えるだけの経済力を持つに至ったにも関わらず、一方でSpiderが似合わないと考える自分とどう向き合ってその決断をするのか?
というアルファ・ロメオが想定するオーナー像に対するメッセージが込められています。
そして、その若かった昔に憧れたSpiderとは115Spiderであり、その憧れを新しい916Spiderがどう受け止めることができるかを問いかけてもいるのがこのカタログのコンセプトなのです。

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115Spiderを意識したコピーは各ページのそこここに見て取れます。

懐かしさと驚きがサンドイッチになって顔を出す。

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評論はいやおうなく置き去りにされる。

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通訳も解説もいらないSpiderの美。

それにしてもカタログの前半分もの紙面を使いながら、クルマそのものの説明を何もしないカタログも凄いものだと思いますが、Spiderをこれから買おうとする顧客にとって重要なのはその性能や機能ではなく、Spiderとの生活をどう思い描くことができるか…であることを思うと、能書きより先に伝えたかったのがこれらのコピーに表されているのかも知れません。

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後半部はこの時代のアルファ・ロメオのカタログに共通したレイアウトなのですが、その各項目では先代の115Spiderから何が変わって何が変わらないのかに重点をおいて説明しています。

発表当時に新車でこのSpiderを買ったオーナーの皆さんは、このカタログを穴は開くほどご覧になったのではないでしょうか。
アルファ・ロメオの歴史の中で改めてこの916Spiderの意義を考えたときに、これからもアルファ・ロメオであり続けるために、何を変えて何を残さなければならないかを考え抜いて開発されたモデルがこのSpiderであったと思います。

1987年にデザインを見た当時のFiat社長ヴィットリオ・ギデッラは、

「この美しいクルマを他の誰にも渡さないように」

と賛辞を送ったと言われていますが、エンリコ・フミアさんはこのSpiderの完成を指揮することなく、1991年にはピニンファリーナを去ることとなります。
フミアさんがピニンファリーナを去った年である1991年にアルファ・ロメオのスタイリングセンター(Centro Stille)はそのコンセプトカー "Proteo”を発表し、翌年にはトリノ-ピエモンテ・カーデザイン賞を獲得するのですが、この”Proteo”こそ、フミアさんが1987年にデザインしたSpider/GTVにインスピレーションを受けたデザインスタディであったのです。そしてそれは、後に発売予定のSpider/GTVの成功を予測させるものだったのですが、一方でこのProteoの存在がSpiderのデザインの出自を曖昧なものにしてしまい、当初はピニンファリーナとCentro Stilleの共同作業によるものと言われることとなってしまいました。
それは誰もがこのSpiderがまさか1987年にデザインされていたとは思いもしなかったからなのですが、また発表当初ピニンファリーナもそのオリジナルデザインがエンリコ・フミアさんのものであることを明確にしませんでした。
ピニンファリーナが意図的にエンリコ・フミアさんの名前を出さなかったのか、単なるミスであったのかを今となっては知る由はありませんが、彼のオリジナルデザインのまま8年後に発表されたSpiderは、アルファ・ロメオが残したかったものがちゃんと残されながら、決して後ろ向きのノスタルジアではなく、新しい時代に向かって前を向いたデザインとなっています。
だからこそ、そのデザインから20年以上が過ぎた現在でも決して色褪せることなく、見る人に新鮮な感動を与え続けることができるのでしょう。

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テーマ:AlfaRomeo - ジャンル:車・バイク

コメント

> Spiderが似合わないと考える自分とどう向き合ってその決断をするのか?

これは刺さりますね(笑)。随分悩んだものです。中期型のカタログしか見たことなかったので買えたのかもしれません。
結局、今も似合ってませんが、所有してるうちにSpiderが私に合わせてくれるようになりました(爆)。

でも、この車は「一目惚れ」で買っても飽きないいい車だと思います。

  • 2010/02/22(月) 12:37:30 |
  • URL |
  • pekepeke #-
  • [ 編集]

>pekepekeさん
Spiderはいつのモデルでも乗り手を選ぶと思いますね。
かくいう私もあまり似合っていないと思ってるんですが、それでも走り方だけでもSpider乗りとして恥ずかしくないようにしていようと思ってます(苦笑)

そのカタログ

ちょーだい(爆)

ところで、体は大丈夫なんですか?
ハッスルは控えてね(笑)

  • 2010/02/22(月) 23:24:39 |
  • URL |
  • こ~んず #JalddpaA
  • [ 編集]

>こ~んずさん
久しぶりに聞くセリフですね(笑)
体調は正直あまり良くはありません。血圧を下げる薬の調整に手間取ってますが、狭窄の再発は今のところありませんので、ゆっくりと復帰でしょうね。

今も似合わない自分ですが..

はじめまして.
916Spiderの記事を楽しく読ませていただいています.
私も購入時,このカタログで,まさしく似合わない・・・と悩みつつも,結局デザインの魅力に抗えずに'98年(2年は悩んでいたわけです!)に購入し,今だ全く色あせない魅力にはまっています.
DIYで済む程度の小修理は自分でやるようにしているので,過去記事は参考になります.
今後ともよろしくお願いします.

>紅白おーぷんさん
こちらこそ始めまして。
916Spiderが発表されたときに、このクルマが似合うと思った方が一体何人いたでしょうか(笑)
あまりもの115Spiderとの違いに戸惑い、それでも強烈にアピールしてくるその外観にアルファ・ロメオのアバンギャルドを感じたのではないでしょうか。それだけでこのSpiderを買う理由としては充分で、私も今もって似合うかどうかは???です(苦笑)

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