走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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クルマなんて

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彼氏:「クルマなんて走ればいいじゃん」

彼女:「じゃあ、彼女なんて誰でもいいと思ってる?」


最近、良く目にするダイハツの軽自動車のCMのフレーズです。ご覧になった方も多いと思いますが、ダイハツのショールームで新型の軽自動車に人目ぼれした彼女に彼氏が付き合わされて、面倒くさそうに放った一言に彼女が言い返しているのがこの会話なのですが、最初にこのCMを見たときに実にフクザツな心境になりました。

さらに別バージョンでは、クルマに見とれてハナシを聞いていない彼女に・・・、

彼氏:「いつもクルマのことばから考えているんだから」

彼女:「じゃあ、いつも私のこと考えてる?」


と言い返しています。

私たちの世代であればこの会話は男女が逆転しており、むしろ女性が男性に言う文句だったハズです。しかも男性からすればこの反論は絶対に言ってはイケナイ論旨で、一度は女性から文句を言われて、このフレーズがアタマの中をよぎってグッと飲み込んだことのあるとのある男性諸氏も多いのではと思います。

クルマの製品企画から販売というのは一大プロジェクトで、自動車メーカーの昨今の経営環境を考えると一度の失敗も許されない状況にあります。かつてのト○タは販売のト○タと呼ばれ、コンセプトは中途半端で性能もソコソコの車種であっても、末端の販売力でライバルメーカーの渾身のモデルよりも売り捌いたと言われていますが、今やそんな時代ではなく、エコカー減税しようが、値引きをしようが、消費者の財布の紐は販売力だけでは緩んではくれないのが現状です。
そこには製品企画段階から綿密な消費者マーケティングのフィードバックがなされ、最終的にどの購買層にどういった訴求ポイントで販売アピールするかまで一貫した、謂わば「マーケティングのカタマリ」が現代の自動車だと思います。

大手広告代理店の博報堂が制作したこのCMコンセプトが秀逸なのは、男女が逆転している時代を見事に反映していることだけでなく、「クルマなんて走ればいいじゃん」と消費者が思っていることを見透かしているところにあります。爆発的に販売が伸びているハイブリッド車も、減税効果に加えて低燃費でガソリン代が安いから売れているので、消費者が「クルマなんて走ればいいじゃん」と思っており、「だったら安いほうがいいじゃん」と続く論理による消費行動に走りつつある中で、どうやってこのクルマを売っていくかを考え抜いたCMだと思います。

クルマは走ればいいだけじゃない・・・という世相から浮いた主張を女の子に言わせることにより、逆に世の中に共感させようというこのCMの意図はしたたかであるとは思うのですが、もしこれがスポーツカーのCMで、彼女からの文句に彼氏が応えるというシチュエーションならば全く成立せず、このご時世に何を言ってるんだ!と袋叩きにされるであろうことを思えば、やはり女の子が可愛いと思わなければ売れない軽自動車のCMだからこそ言えた台詞で、クルマ全体への価値観を変えるような効果は期待できないでしょう。
事実、自動車メーカー各社も国内の減税効果と中国マーケットの回復基調に助けられて、一時の危機的状況からは脱しつつあるものの、将来に亘って業績が回復するとは思っておらず、依然として自動車の将来は予断を許さない状況には変わりないと考えているようです。

電気自動車は社会インフラの整備と製造コストの問題から実用化にはまだ時間がかかり、ハイブリッド車はその中途半端さ故に一時的なものであると考えると、膨大な開発投資には抵抗があり、水素電池はまだ夢の段階という状況にあって、自動車メーカーは「どうやって自動車を動かすか」という方法にのみ注力し、内燃機関という揺るぎのない動力の中で培ってきた「楽しく動かす」という部分は後回しにしているのはいた仕方ないのかも知れません。

自動車がパーソナルな存在である以上、それが性能であれスタイリングであれ、オーナーが他人との差別化を望むのは必然で、やはり誰もが「クルマなんて走ればいい」とは思っていないのではないでしょうか。むしろ「クルマなんて走ればいい」と思っている人たちは、「クルマなんて別に必要ない」と思っている人たちで、自動車メーカーが本当に抱いている危機感は、社会インフラの中から自動車が外れつつあることではないかと思うのです。

私たちのようにクルマを趣味とする人間にとって、どれだけこのCMに快哉を叫んでも、それが燃費が倍ほど良く、壊れず、税金も安いエコカーに乗り換えずに、シロートから見たらただの旧いオンボロ車で、税金は重加算され、売るとなったら二束三文のクルマと格闘しながら壊れては治しを繰り返している理由としては希薄で(苦笑)、その行為は、自動車が移動の道具として台頭してきた20世紀初頭に、移動の手段として馬を使い続けた頑固な没落貴族のようなものなのかも知れません。

久しぶりに考えさせられるクルマのCMでした。

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テーマ:ひとりごと - ジャンル:車・バイク

コメント

ご無沙汰しております。
いつも楽しく拝見さしていただいています。
「車なんか走ればいいじゃん~!」
なんど私もその言葉で後輩との会話がストップしてきたか事か!笑

特に最近はほんとによく聞く言葉だと思います。

このCMには私も同じく複雑な気持ちで見ていましたが、最近このCMを一緒に見た小学5年生の息子が、ぼっそっと「ウエンツも一回アルファに乗ればいいのに・・・」とつぶやいていました!

親バカながらいい子に育ったな~と!笑

このCMはほんと色々考えさせられますね~!

いきなりのコメントご容赦くださいませ。







  • 2009/09/02(水) 12:39:13 |
  • URL |
  • きょき #-
  • [ 編集]

>きょきさん
お久しぶりですね(笑)
エコカー減税を連呼するだけのクルマCMにあって、このCMだけはちゃんとクルマのコンセプトを紹介しているCMだと思います。旧くは「隣のクルマが小さく見えます」だの「いつかはク○ウン」だの、そのクルマがどういうコンセプトなのかを表わした絶妙なコピーがあったものなのですが・・・。
今やクルマはスーパーの安売り商品と同じ扱いなのかも知れませんね。

でも西山茉希がかわいいから許します。

  • 2009/09/03(木) 00:11:57 |
  • URL |
  • もりおか #-
  • [ 編集]

>もりおかさん
確かに・・・(爆)

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