走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ブレーキパッドの憂鬱

916Pad-001.jpg

クルマは走っていると消耗する部品と走っていなくても劣化する部品の集合体だと言えます。
その走っていると消耗する部品の最たるものがブレーキパッドではないかと思います。ご承知のようにクルマのブレーキは大別すると2種類あり、ディスクブレーキと呼ばれるタイヤと一緒に回転している円盤状の鉄製のディスクをパッドで両側から押さえつけて止める方式と、ドラムブレーキと呼ばれる同じくタイヤと一緒に回転する筒の内側をライニングで押さえつけて止める方式があります。どちらも物理的には摩擦により速度を熱エネルギーに変換することにより制動しているのですが、最近ではより制動力に優れたディスクブレーキが主流となっています。

916Spiderももちろんディスクブレーキを採用しているのですが、ブレーキパッドを押さえつける役割を果たしているキャリパーと呼ばれる部分が各種あるために、そのパッドの形状が異なってます。私の916Spiderは1996年式の最初期型で、そのキャリパーはATE製とLucas製に加えてGarling製と3種類あるため、パッドを注文する際には注意が必要です。
前回フロントのブレーキパッドを交換した際には併せてディスクも交換したのですが、ディスクは何の問題もなく入手できましたが、パッドだけはこの混乱の洗礼を受け、届いたパッドが合わない・・・ということがありました。

916Pad-002.jpg

今回はパッドの磨耗警告灯が点灯したためにフロントのパッドのみを交換することにしたのですが、前回の教訓から、私のSpiderに装着されているGarling製のキャリパーに適合するパッドと何度も念を押したのですが、届いたパッドをいざ交換する段になるとやはり間違っていました。

916Pad-003.jpg

右が間違って届いたパッドで、左がGarling用のパッドです。そもそも同じ車種で同じ年式であるにも係わらず、何種類ものキャリパーが装着され、その其々のパッドの形状が異なることが問題なのですが、今更文句を言っても始まりませんので、仕方なくクレームを入れて新しいパッドを再度送ってもらうことにしました。

916Pad-005.jpg

改めて届いたパッドの箱を見ると、一体いつの時代のクルマ?という適合車種が並んでいます。どうやら初期型の916Spiderのキャリパーがまちまちなのはブレーキ部品在庫の寄せ集めだったのが理由?と疑いたくなるような状態です(苦笑)

さてブレーキですが、前回のパッド交換から30,000km走行での交換となりました。またディスクも写真では分かりづらいかも知れませんが1mmほど削れていました。

916Pad-007.jpg

取り外したパッドは・・・というと、見事に磨耗しています。

916Pad-008.jpg

一方でホイールはと言うと、削れたパッドの鉄粉で真っ黒になっていました。

916Pad-010.jpg

こういう機会でもなければホイールの内側は洗えませんので、鉄粉クリーナーで洗ってやることにしました。ホイールを装着すると見えなくなってしまいますが、洗うと気持ちの良いものです(苦笑)

916Pad-011.jpg

それにしても、30,000kmでパッドがなくなり、ディスクが1mmも削られるなぞ、国産車のディスクとブレーキパッドではあり得ないことですが、それは日本とヨーロッパのブレーキに対する考え方の違いによるものです。
ヨーロッパではブレーキは「止まってナンボ」という考え方が定着していますので、ディスクもパッドも消耗品というのが常識ですし、ドイツ車のホイールは鉄粉で真っ黒なのも日常で、ブレーキ鳴きも大して気にしてはいないのに対して、日本のドライバーはブレーキ鳴きはクレームの対象ですし、パッドもディスクも10万キロ無交換は当たり前だと思っているようです。
この考え方の違いから、通常の国産車(輸出用国産車ではありません)のディスクには、粒状黒鉛鋳鉄が使われています。これは炭素の膜によってブレーキ鳴きと磨耗を押さえるのが目的なのですが、ディスクブレーキがパッドでディスクを押さえつけることにより制動している以上、鳴くのも磨耗するのも当たり前で、それを抑えるということは制動力を犠牲にすることになります。

パッドの材質も同様で、パッドにはローターを引掻いて摩擦力を発生させるための繊維質が配合されています。昔はこれに石綿が使われていましたが、ご承知のように環境問題で使えなくなりました。その代替材としてヨーロッパ車はスチール繊維、要するにスチールタワシを細かく切ったような、細い鉄の切れ端のようなものを使用しています。このタイプはセミメタリックと呼ばれています。
これに対して、国産車は防弾チョッキなどに使われているアラミド繊維を使用しています。このタイプのパッドはノンアスベストと呼ばれています。

すなわち、ヨーロッパ製のセミメタリックパッドはスチールタワシでローターを擦るために、食いつきが良く、高摩擦力を発生するワケですが、一方で鉄のローターを鉄の繊維で擦れば、両方共良く減るのは当たり前で、削れた両方から鉄の粉がでて、これがホイールを真っ黒にしてしまうのです。
これに対して国産のノンアスベストパッドは寿命やローター攻撃性では遥かに優れており、ブレーキ鳴きも少ないのですが、鉄の粉で擦るのと違ってどうしても効きがマイルドで、摩擦力も低めとなってしまいます。国産車は高速域での制動力よりも、静かで長持ちするほうが重要との判断で採用されているのですが、事実、同じ国産車でもヨーロッパ仕様ではブレーキは全く別物と聞きますので、これはあくまで仕向地の文化的背景によるものなのでしょう。

では、制動力を犠牲にせずに少しでもディスク長持ちさせる方法は・・・と言うと、昔から「焼きなまし」と呼ばれている方法があります。これは日本刀にも使われている方法なのですが、鋳造時に起こる金属の残留応力を熱を加えることにより消し、金属組成を最適化するというものです。この熱処理によりヒートクラックと呼ばれるローターの歪を押さえ、表面を滑らかにするとともに硬度を高め、結果として高制動を得るため、パッドの寿命もディスクの寿命も延ばすことができるのですが、当然のことながらこの熱処理を加えたローターはそのお値段も高くなってしまいます。また、熱処理を加えたディスクへの使用を前提としたパッドを熱処理をしていないディスクと組み合わせると、あっという間にディスクが磨耗してしまうという結果になります。
ここまで読んでいただくと、ディスクとの組み合わせを前提とせずに、単に「あのパッドは良く効く」という評価がいかにナンセンスであるかがお分かりいただけると思います。

私自身もブレーキは「止まってナンボ」だとは思っていますが、パッド交換2回に1回はディスク交換・・・というのもアンマリですので、これから研究を重ねてベストマッチングを探って行きたいと思っています。

クリック↓お願いします!
b_01.gif

スポンサーサイト

テーマ:アルファロメオ - ジャンル:車・バイク

コメント

>パッド交換2回に1回はディスク交換
あんまりですよね。うちのスパももうじきパッド&ディスク交換です(泣)
>研究を重ねて
期待しております(^_^;)

  • 2009/08/26(水) 12:26:31 |
  • URL |
  • pekepeke #-
  • [ 編集]

>pekepekeさん
以前から興味があったテーマなんですよね。意外に皆さん経験や感覚で語られることが多いテーマですので、少し勉強して物理的に説明できればと思っています。

>パッド交換2回に1回はディスク交換

私はそれくらいがいいですね(笑)
5~6万キロでローターも交換ついでに好み(に合いそうな)組み合わせを試せますから。
私だと地方に住んでるくせに1万キロ=1年強のペースなので気分転換にもなります(笑)

  • 2009/08/26(水) 20:36:33 |
  • URL |
  • こ~んず #JalddpaA
  • [ 編集]

>こ~んずさん
それも立派なヘンタイですよ(笑)
ただ、試すという意味では全くその通りで、同じクルマじゃないと違いは分からないですからね。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://ig510190.blog83.fc2.com/tb.php/652-51fa9e22
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。