走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

バブルの功績~アルファ・ロメオの広報誌~その壱

ようやく底を打ったと言われているこの不景気ですが、生活者としてはあまり景気が上向いているという実感はありません。
それでも、大型電気量販店に行くと、品定めをする客でごった返していますので、実際に買うかどうかはともかく、消費者の購買意欲は戻りつつあるのかも知れません。

そんな中で、最近何かと引き合いに出されるのがバブル景気の時代のことで、あの狂乱の高景気の中で、個人も企業も投資/消費に明け暮れていた時代は、現在の不景気な時代からすると、その後のバブル崩壊の悲劇より、楽しかったことのほうが取り上げられることが多いような気がします。

企業も潤沢な経費予算を使って、税金を払うよりは・・・と随分無駄なこともしましたが、その中でこのときとばかりにそれまで経費予算がつかず、作ることの出来なかった社史や広報誌などが続々と発行されたことは意外と忘れ去られてしまっているようです。
当時は、制作会社や出版社などから多くの企画が寄せられ、本当に立派な装丁の社史が作られたものです。こういった企画を実現するには調査や編集に膨大な経費がかかり、また出来上がった本も売るためのものではなく、社員や関係者に配ってしまうので、100%企業の持ち出しになるのですが、バブル景気の追い風を受けて制作されたこれらの社史は、今尚、企業にとってはかけがえのない財産となっていることを思えば、あの狂乱も決して悪いことばかりではなかったと思えます。

広報誌も同様で、おおよそ直接的な販売に結びつくとは思えない広報誌が続々と制作されました。当時は「企業メセナ」(文化活動)という名のもとに企業の製品やサービスのPR活動だけでなく、直接的には関係のない題材も取り上げられ、中には学術的にも価値のある研究論文などもあったのですが、もちろんバブル崩壊とともに真っ先に予算が削られ、これまた泡のように消えてしまいました。
しかし、これらの社史や広報誌はその企業の製品の変遷を記した歴史的な資料としても価値があり、その多くが非売品であったこともあり、現存するものは少なく、古書店ではコレクターズアイテムとして高値で取引されたりしているそうです。

Quadri001.jpg

私の手許に3冊の広報誌があります。それはアルファ・ロメオのインポーターであったフィアット アンド アルファ ロメオ ジャパン株式会社が発行した広報誌「Quadrifoglio」で、バブル景気の最中である1991年のクリスマスにその第一号が発行されたものです。
定価1500円で販売されていたこの広報誌は、当時の新車オーナーには無償で配布されており、私のところにも定期的にコーンズ・モータースより送られてきていたのですが、第三号が1993年の4月に発行されて手許に送られてきたのを最後に途絶えてしまいました。

その広報誌の内容は、他の自動車メーカーがクルマを販売するために制作した広報誌とは一線を隔しており、広報誌という目的を超えてイタリアとアルファ・ロメオの文化を紹介したものでした。
本国ではすでに定期的に発行されていたのですが、その広報誌の日本語翻訳版が発行されたということは、当時のアルファ・ロメオが日本の市場に注目していたことを窺わせます。
その、巻頭言にはこのように書かれています。

(前略)
「発行の目的は、日本の多くのアルファ・オーナー、あるいはアルファを愛してやまない方々に、その歴史と伝統についてはもちろん、イタリアの生活の様式、文化、気候風土などをご紹介するためにあります。アルファ・ロメオの神話は、イタリアの価値観と、伝統ある文化や歴史が礎になっていることを読者のみなさんに少しでも実感していただければ幸いです。」
(後略)

当時のアルファ・ロメオは日本人に単にクルマを売るのではなく、イタリアの伝統ある文化を代表するものとしてアルファ・ロメオを紹介しようとしていたことが良く分かります。
それがこの広報誌によって成功したかどうかはともかくとして、まだ1991年当時には、アルファ・ロメオを買うということは、それを数あるクルマの選択肢の中から選ぶのではなく、オーナー自身がアルファ・ロメオでなければならない理由を持っていたと思います。

そんな気合の入った時代のアルファ・ロメオの広報誌の内容を第一号から少しご紹介しましょう。

第一号は4つの特集から構成されています。

Quadri001-1.jpg

まず最初は「歴史の中から姿を消したエトルリア人の謎」と題して、ローマ時代より前に近代的な文明を確立していながら、消え去ってしまったエトルリアの遺跡を紹介し、近年の考古学によるその検証を紹介しています。これを創刊号の巻頭特集に持ってくるあたりが、イタリアの文化を紹介することも目的としたこの広報誌の高い意識を感じます。

Quadri001-2.jpg

Quadri001-3.jpg

次の特集は「マニアを驚嘆させた5+1リラの切手」と題した記事で、世界各国で発行されたアルファ・ロメオを図案とした切手を紹介しています。
これまたマニアックな記事で唸らせてくれます。

Quadri001-4.jpg

Quadri001-5.jpg

ようやく本来の広報誌らしい?記事が「世界で最も速く走る車をつくった男、ウーゴ・ザガート」で、ZAGATOの歴史を紹介しています。この記事は14Pにも亘っているのですが、実に良くまとめられており、私もブログの参考にさせてもらっています。

Quadri001-6.jpg

Quadri001-7.jpg

そして、最後が「つねに貪欲な挑戦者であり続ける職人たち、カロッツェリアの歴史」と題した戦前から戦後の中小カロッツェリアを紹介した記事は素晴らしいもので、名前すら知らない零細なカロッツェリアを丁寧に紹介しています。
Allemano、Balbo、Boano、Boneschi、Borsani、Brianza、Campari&Sorniotti、Casaro、Colli、Dvx、Ellena。
さて、皆さんはこの特集で紹介されている上記のカロッツェリアのうち幾つご存知でしょうか?

Quadri001-8.jpg

この広報誌が発行された当時、私は広報業務も担当しており、制作会社からサンプルとして様々な会社の広報誌をいただき、目を通していたのですが、それらと比較してもこれほど読み応えのある広報誌を私は知りません。
このまま続けて発行されていれば・・・と思いますが、予算的にはムリなことだったでしょう。
有料でも良いので再開してくれないでしょうか・・・。

次回は第二号をご紹介しましょう。

クリック↓お願いします!
b_01.gif

スポンサーサイト

テーマ:アルファロメオ - ジャンル:車・バイク

コメント

> 上記のカロッツェリアのうち幾つご存知でしょうか?
すみません、まったくワカリマセンでした(^_^;)。
しかし、これまたレアアイテムですね~。
こんな素敵な文献ならその内容だけでもメーカーHPで紹介されていてもおかしくないですね。むしろ是非そうして欲しい。

  • 2009/06/24(水) 12:30:01 |
  • URL |
  • pekepeke #-
  • [ 編集]

連日持ってますシリーズ

になちゃってますが・・・
コレ→http://orange.ap.teacup.com/ohmymygiulia2/484.html
ってそうですか?

もしかして貴重?
安かったから買っただけ、しかも大事にしてない(ポイっと何処かに・・・)

おしえてくださ~い、今後の保管方法が変わります(笑)

  • 2009/06/24(水) 14:35:24 |
  • URL |
  • おかんの頭の頭 #a2H6GHBU
  • [ 編集]

大事にします

クアドりフォリオ、自分も持っています。そういえば、確かに赤、シルバー、緑の表紙の3冊で終わっています。そういう訳だったのですね。もっと大事に保管します。ちなみに、カロッツェリアはアバルトにもある、アレマーノとボアノぐらいしか車が浮かびません。

>上記のカロッツェリアのうち幾つご存知でしょうか?
「Colli」は、ジュリアのワゴンを手がけたところではなかったでしょうか?
たしかミニカーを持っていた記憶が・・・。

後は全然分からなかったので調べてみると
へぇ~といろいろ勉強になりました。
このカロッツェリアの記事、出来ればもう少し詳しく紹介して頂ければ嬉しいです。

  • 2009/06/24(水) 23:00:16 |
  • URL |
  • ito #cks3dOnk
  • [ 編集]

>pekepekeさん
最近アルファ・ロメオに乗り始めた方はご存知ないと思います。
当時のアルファ・ロメオ ジャパンは本気だったんですよ(笑)

>おかんの頭の頭さん
またイロイロ持ってますねぇ(笑)
さて、お持ちの切手ですが、この記事によるとモナコ公国で第25回F1グランプリ(1965年)の開催を記念して、これまでのレースの立役者をアレンジした14枚組の切手が発売され、そのうちの2枚が1932年のGPで優勝したアルファ・ロメオ8Cモンツァと1950年GPで優勝したアルファ・ロメオTipo158だったのですが、その2枚のようですね。
ご存知のように、さしたる産業のないモナコ公国やサンマリノ共和国は切手の販売益が結構な財源になっており、様々な図柄の切手が発売されています。
旧い切手ではありますが、残念ながら発行枚数が多いため希少価値はありませんが、仮に14枚全て揃っているならば、そこそこのお値段で取引されているようですね。この2枚だけでもあと10年もすると価値が上がると思いますので、大切に保管されることをオススメします。

>itoさん
調べたんですね(苦笑)
確かに、零細なカロッツェリアに関して網羅的に記載した記事は少ないですね。そういった意味でもこの記事は貴重だと思います。
著作権の問題がなければ全文をご紹介するのですが・・・(苦笑)

>ダイジロウさん
是非とも大事にされることをオススメします。おそらく日本語訳で発行されることはこの先もないと思いますよ。
将来は中国語版が出るかも知れませんが・・・(苦笑)

>おかんの頭の頭さん
すいません。ミスタイプです。

誤)モナコ公国で第25回F1グランプリ(1965年)の開催を記念して、
正)モナコ公国で第25回F1グランプリ(1967年)の開催を記念して、

です。

えっと・・・

全部ちょーだい(核爆)

  • 2009/06/25(木) 20:04:39 |
  • URL |
  • こ~んず #JalddpaA
  • [ 編集]

だから

あ・げ・ま・せ・んっ!

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://ig510190.blog83.fc2.com/tb.php/620-f7c34258
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。