走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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最後の155V6TI

最近はめっぽうミニチュアモデルを買うことが少なくなってしまいました。
理由の一番は例の悪夢とも言えるAlfaromeo Sport Collectionで疲弊してしまったためですが、どうも食指の動くミニチュアが見つからないせいでもあります。

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そんな中にあってhpi-racingから発売された155V6TIは主治医のクイック・トレーディングが所有する実物がモデル化されたこともあり、その今後のラインアップに注目していたのですが、どうやらフルラインアップを目指しているようで、その後も続々と各年度、各チームのモデルが発売されています。

流石に全モデルをコレクションするワケにも行きませんので、以前から所有しているMinichamps製やONYX製のものと被らないものを買おうと思っていたのですが、ようやくにオッ!というモデルに出会いました。それは日本で企画されたからこそのモデル化で、ITC最後のレースとなった1996年の鈴鹿に出場し、しかもゲストドライバーとして参戦した服部尚貴選手がドライブしたモデルでした。

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FIAは人気を博していたDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)に目をつけ、1995年からは国際格式のレースとして開催することにしました。ITC(インターナショナル・ツーリングカー選手権)と名づけられたこのレースはFIAの例によって(笑)、その決定が急だったこともあり、初年度は完全移行することができず、DTMも並行して開催されるという二重構造のレースとなったのですが、翌1996年からITC一本で開催されることとなりました。
ワークスとしてエントリーしていたのは、DTMからの流れでメルセデス、オペルに加えてアルファ・ロメオの3社で、実質はDTMと変わることはありませんでした。

ツーリングカーによるレースは各国で国内レースとして開催されていたのですが、国際規格でのツーリングカーレースは1988年に終了したETC(ヨーロッパ・ツーリングカー選手権)以来のことで、世界中を転戦し開催することにより盛り上げを狙ったFIA側に対して、一方のエントラント側は当時のF-1に勝るとも劣らないハイテクデバイスの装着により、かつてのシルエットフォーミュラやプロトタイプ並みに高騰した車両コストに耐え切れず、オペルとアルファ・ロメオは1996年限りで撤退を表明してしまいました。残ったAMGメルセデスだけではレースにならないため、結果として1996年限りで幕を閉じることとなってしまいました。

155Bosch4.jpg

その1996年のシリーズの中で、アジアで唯一の開催国として名乗りをあげたのが日本で、第15戦、第16戦(ツーヒート制)が8月4日に岡山の英田TIサーキットで開催されることとなったのですが、日本のメーカーが参戦しないこととその地理的な事情からチケットが売れず、日本側の主催者は開催をキャンセルしてしまいます。
それでも、FIAはアジアでの開催にコダワり、結果としてF-1開催地である鈴鹿サーキットに圧力をかけ、日程を大幅に変更して開催することとなったのです。
シリーズ戦そのものは10月27日のブラジルで終了の予定が、このような経緯から11月10日の鈴鹿が急遽追加となり、本当のITC最終レースは奇しくも日本で行われることとなりました。

155Bosch2.jpg

国際レースと言いながら、世界各国のメーカーが参戦していないために、FIAでは開催国のドライバーをスポットで参戦させることにより「盛り上げ」を狙っており、日本でも日本人ドライバーがゲストドライバーとして参戦することになりました。
誰がその割り振りを決めたのかは定かではありませんが、鈴木亜久里選手が「#11」AMGメルセデス・Cクラス、関谷正徳選手が「#25」オペル・カリブラ、そして服部尚貴選手が「#19」アルファ155V6TIに乗ることになり、日本人ドライバーがあの過激なDTMの流れを汲むITCカーをどう操るか。また、ツーリングカー遣いという点では世界のトップクラスのドライバー達とどう戦うかは興味を引くところでした。

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さて、その日本人選手の活躍ですが、フタを開けてみれば、第1レースでは、服部選手19位、鈴木選手11位、関谷選手20位と一応完走したのですが、第2レースでは服部選手のみが16位でチェッカーを受け、鈴木、関谷両選手はスターティンググリッドにクルマを並べることすらできない・・・という結果に終わりました。
理由は様々ですが、背景にあるのはマシンの整備の問題で、日本人選手はスペアカーに乗らざるを得ないという状況が大きかったと思います。もちろん加えてクルマへの習熟度の問題もあったようで、後に各選手は共に、当時の先進デバイスであったレーシングカー用のABSやTCS(トラクションコントロールシステム)の操作が難しかったと述懐していました。ただ、そうは言っても鈴鹿サーキットの経験は他の選手に比べて圧倒的に豊富だったはずですから、もう少し善戦して欲しかったと思います。

レースそのものは、一戦目にスタートからTOPを走っていたアルファ・ロメオのダナーが最後に抜かれてしまい2位になったために、この時点でドライバーズチャンピオンはオペルのロイターに決定しました。そして二戦目も今期不調だったAMGメルセデスに抜かれてしまい、コンストラクターズチャンピオンもオペルとなり、アルファ・ロメオは惜しくも9ポイント差で、コンストラクターズチャンピオンを逃してしまいました。
それにしても、当時のアルファ・ロメオのドライバーは蒼々たる面々で、ワークスのニコラ・ラリーニとアレサンドロ・ナ二ーニに加えて、セミワークスからステファノ・モデナ、ミハエル・バーテルズ、ジャン・カルロ・フィジケラ、クリスチャン・ダナー、ガブリエーレ・タルキーニと、この面々が鈴鹿を155V6TIで走っただけでもそれは凄いことだったと思います。

かくしてDTMで圧倒的な活躍をしたアルファ155V6TIの実戦は日本で終わりを迎えました。
しかし、その活躍は記憶に鮮明に焼きついており、アルファ・ロメオファンならずとも現在も人気があるのは、絶版のMinichampsのミニチュアモデルか高値で取引されたり、hpi-racingのような新興メーカーがミニチュア化したことからも良く分かります。
それはアルファ155V6TIの活躍だけでなく、このツーリングカーレースがとにかく面白かったからだろうと思います。
FIAには小手先の演出ではなく、もう一度こんな面白いレースを企画して欲しいものです。
もちろんそのレースにはアルファ・ロメオが出場できなければ意味がないのですが・・・(笑)

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テーマ:ミニカー - ジャンル:車・バイク

コメント

こうしてレース背景を読ませていただくと、なるほど「おぉっ」というモデルですね。是非他モデルも解説付きで...(笑)

  • 2009/06/04(木) 12:27:09 |
  • URL |
  • pekepeke #-
  • [ 編集]

>pekepekeさん
勘弁してください(泣)
調べるのも大変なんですよねぇ・・・
でも、勉強になりますよ~

確かに

市販モデルの勉強は兎も角、レースは調べるのも大変ですよね。頭が下がります。

  • 2009/06/05(金) 12:17:56 |
  • URL |
  • pekepeke #-
  • [ 編集]

>pekepekeさん
FIA年鑑なんかあればスグなんですがね(苦笑)
きっと持ってるヒトはいるんでしょうねぇ。

懐かしいですねえ。

当時まだ僕は高校生でしたが、母が運転するプロテオレッドの916スパイダーV6の助手席で、前日に自分で作った巨大クアドリフォリオを支えながらのパレードラップ、今でもはっきりと覚えています・・・

>AlfisTaigaさま
それはスゴイ経験ですね。
助手席のその経験もなかなかできるものではありませんが、お母様もスゴイです(笑)
どういう経緯だったのでしょうか?
是非教えてください。

この服部選手のモデルは、さすがにミニチャンからは発売されなかったのでとても嬉しかったですね。
「日本のレース100選・'96ITC鈴鹿」にも書かれていないような事まで詳しく書かれているので勉強になります。

  • 2009/06/06(土) 01:07:06 |
  • URL |
  • ito #DEco760I
  • [ 編集]

>itoさん
「日本のレース100選・'96ITC鈴鹿」

そんな本があるんですね(笑)
私自身はレースの結果より、ドライバーの人間模様やチームの背景に興味があるので、ラリーの年鑑(しかも70年代)しか手許にはないんですよね。
今回の記事で自分の資料の少なさに愕然としました(苦笑)

奇しくも。。。

先日、今度の赴任地の広島で初めて参加した、アルファロメオのイベントのビンゴゲームの1位賞品で同シリーズのモデルをいただいてしまいました!
ワタクシがいただいたのは、マルティニカラーのラリーニモデルですが、モデル収集をしていない(本物の面倒で精一杯で手が回らない!?)ワタクシの自宅で、唯一の75Evoモデルと共に仲良く並んでおります。

  • 2009/06/06(土) 09:05:19 |
  • URL |
  • tm75evo #-
  • [ 編集]

>tm75evoさま
それは豪華賞品でしたね。
75evoはProgettoKでしょうか?
私も本来は気に入ったモデルのみ買うつもりだったんですよ(苦笑)

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