走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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漆黒の暗闇

たまにはクルマと関係のないネタも書いてみたいと思います(笑)

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"Dialog In The Dark"というイベントに参加して来ました。正直言って行くまではどういった経験ができるのか良く分からなかったのですが、実際に参加して見た後は、皆さんも是非!とオススメできるイベントです。

それは全く光のない闇の空間を体験するというもので、私にとっては人生で初めての経験でした。
もちろん私も子供の頃に押入れに閉じ込められたり(苦笑)、わざと物置の扉を閉めて暗がりを経験したりしたことはありましたが、そこには何かしら光があり、目が慣れてしまえばぼんやりと見えたものです。しかし、このイベントでは本当に「漆黒の暗闇」を経験することができるのです。

会場に行くと、まずは携帯電話に始まり時計までロッカーに預けるよう指示されます。確かに時計も光ったり蓄光したりしますから真の暗闇のためには邪魔になるのでしょう。
そして視覚障害の方が持つ白杖を渡され、薄暗い部屋でブリーフィングが始まります。いきなり暗闇に入るとパニックを起こす方がいるらしく、徐々に慣れるための部屋だそうですが、そこで一緒にこれから暗闇に入る8人(これが一グループです)の自己紹介をして、ガイド役の視覚障害の方を紹介されます。
暗闇の中ではお互いに声を掛け合うことが重要らしく、事前に声と名前を一致させておく必要があるそうなのですが、そのときにはまだ実感がありませんでした。また考えて見れば、私達にとって暗闇は異常な空間でも、視覚障害を持つ方にとってはそれが日常ですのでガイド役としては適任で、その自信に満ちたフレンドリーなブリーフィングは緊張をほぐしてくれました。

そしていよいよ順番に暗闇へと入っていくことになりますが、入った途端に一瞬にして自分の周囲の空間が消滅したかのような感覚に襲われます。そしてまず驚くのが、自分が今まで五感の内で視覚にどれほど頼っていたかということです。その視覚を一瞬にして失うのですから、パニックに襲われたり気分が悪くなったりするヒトがいるのも理解できるのですが、それはバーティゴ(空間識失調)と呼ばれるパイロットが雲の中や星の無い夜に計器飛行をしているときに陥る、自分が上昇しているのか下降しているのか旋回しているのか分からなくなる感覚に近い状態を体感することができます。

最初に入ったのはどうやら森の中を再現した場所でした。しかし、視覚を失うと人間は他の感覚がどんどん研ぎ澄まされて行くものです。そして次に驚いたのが白杖です。この白杖を私は初めて持ったのですが、軽くて適度にしなるこの杖は、持っている手許への情報フィードバックにとても優れているのです。足許とその少し先を杖で探りながら進んで行くのですが、杖を介して様々な情報を得ることができます。落ち葉を踏みしめているような柔らかな地面の感触が、足の裏からだけでなく杖からも手許に伝わって来ます。
そして次に聴覚です。今までは、どうやら聞こえた音の距離や方向は視覚も使って確認していた(よう)なのですが、その視覚がないために、ヒトの声も遠いのか近いのか良く分からなくなってしまいます。しかし、それもだんだん慣れてくるに従い、日常では聞き逃しているような鳥の囀りや水の流れる音まで鮮明に聞こえるようになって来るのです。

足許を白杖で探りながら進んでいくと、先ほどのブリーフィングで自己紹介をした意味がようやく分かってきました。暗闇の中でヒトにブツかったりするとそれが誰だか分からないことが堪らなく不安になるのです。また、自分の存在をアピールしたくなるために、「ごめんなさい。今ブツかったのは○○です」と自然に声をかけるようになってきます。日常生活では軽くブツかってもそれがヒトであることは見れば分かりますし、どういう状況でブツかったのかも分かりますので、敢えて声をかけたりはしないものですが、暗闇ではその声の情報が全てとなるのです。

そうして進む内に橋を渡るようガイドの方から案内されます。簡単に「橋」と言われてももちろん何も見えません。その橋を踏み外すとどういったことになるのかも分かりません。視覚以外の情報源を総動員しても橋の全貌は何も分からないのです。すると不思議なことに自然と情報の共有化が起こります。先頭の方が自分の経験した情報を後ろに伝え始めたのです。

「あっ!ここに段差がありますね。この橋は三本の縦の丸太だから、丸太に沿って歩くと大丈夫ですね」

誰からもそうしろ・・・と言われなくても、人間は自然にそうするように出来ていることがとても嬉しく感じられました。

そうして橋を渡ると一軒の民家に案内されます。そこには縁側があり縁側に腰掛けて(それも大変な作業です)いると、さらに畳があり、どうやらちゃぶ台が置いてあるようです。ガイドの方に促されて靴を脱いで畳に上がるのですが、これまた恐ろしい行為で自分の靴に戻れるかどうか確証はありません。ガイドの方は四方八方に移動して皆に声をかけて助けて行くのですが、考えてみると彼も私達と全く同じ条件であり、赤外線ゴーグルをつけているワケではないのです(苦笑)

さらに縁側から無事に靴を履いて立ち上がると、庭のブランコに乗る・・・という課題が待っています。
ここまで来ると段々暗闇に慣れてきて、自分でも驚くほどに動けるようになってきます。
そして、更に進むと一軒のBARがあり、そのBARで飲み物を頂くというアトラクションがあります。

日常生活では当たり前のことが、視覚を失うだけで冒険になり、様々な発見をすることができます。

よく障害者と同じ経験をするために、目隠しをして街を歩いてみたり、車椅子に乗って電車に乗ってみたり・・・という体験をするイベントがありますが、それは福祉について一緒に考えましょう的な目的をもって行われるのが殆どです。
しかし、このDialog In The Darkは、「ほら視覚障害者はこんなに大変なんですよ」というオチでは全くありません。むしろ、暗闇を楽しむというエンターテインメントとして成立していることが凄いことだと思います。もちろん楽しみ方は人それぞれで、自分の研ぎ澄まされていく感覚を楽しむもよし、他人との繋がりを再認識するもよし、そして視覚障害者の生活を体験することにより福祉について考えるもよし、そこには押し付けがましい結論誘導は何もないのです。

ドイツで始められたこのDialog In The Darkですが、既に全世界で600万人もの人々が体験し、さらにリピーターが多いと聞くにつれ、その成功のポイントはこの押し付けの無さにあるのではと思いました。

繰り返しになりますが、これは面白いです!私も視覚以外の感覚を研ぎ澄ませることによりクルマの運転に役立つ・・・などという押し付けはナシにして(笑)、楽しみ方は皆さんにお任せしたいと思います。

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コメント

へぇ~

そんなのがあるんですねぇ。
まさか510さん・・・
暗闇だからってグループの女の子に変な事してないでしょうね!(核爆)

  • 2009/05/10(日) 00:04:54 |
  • URL |
  • こ~んず #JalddpaA
  • [ 編集]

ワタクシも。。。

真っ暗闇、体験致しました。

コンセプトは違うでしょうが、アートの島として知られる、香川県の直島「家プロジェクト」の1軒がそれです。
そこも、一度に入れる人数が決まっていて、全員で両手を前の方の肩において、中に入ると壁に沿って動くのですが、不思議な事に5分程すると何となく周りの状況が掴めて、とりあえず壁から離れて動く事ができる様になりました。
で、おそらくホントに微量の光を発している何か(結局暗くて何かもわかりませんでした(^^; )を見て、終了というものでした。

非日常に身を置く事は、大変面白く、想像以上にリフレッシュが出来て、良い体験だと思いますね!

  • 2009/05/10(日) 13:00:23 |
  • URL |
  • tm75evo #-
  • [ 編集]

栃木にある「こども科学館」という施設に
以前行ったときに似たようなアトラクション(?)
で暗闇通路というものがありました。
今回の記事ほど深い趣向ではありませんが
(コドモ向けですから)、記事の趣旨がよく
分かる気がしました。ヒトはいかに視覚
に頼っていたか、そしてそれを失うと
本能的に別の感覚が鋭くなるという
ことを身をもって体感できますねー

  • 2009/05/10(日) 22:49:17 |
  • URL |
  • chifurinn #UwkW36/E
  • [ 編集]

>こ~んずさん
一度体験されると分かると思いますが、そんな余裕はありませんよ(苦笑)

>tm75evoさん
直島にそんなアートがあるんですね。
前回は殆ど「素通り」でしたので残念でした。

>chifurinnさん
私の場合は耳でしたね。どうも視覚の補助機能は個人差があるようです。
試して見てはいかがでしょう。

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