走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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地獄クルマを訪ねて・・・その八

最新モデルのフェラーリはともかく、90年代以前のフェラーリは新車であってもやはり「それなり」の地獄が味わえるクルマでした。
それはフェラーリがフツーの自動車としてその製造品質を他車と比べられるクルマではなく、この世で唯一無二のクルマとして認知されていたからではないかと思います。事実、フェラーリは他のフェラーリと比べられることはあっても、他のブランドと比較して購入を検討するクルマではなく、ただフェラーリを買うという欲求のままに買うクルマでした。
もちろんフェラーリの属するエキゾチックカー(スーパーカー)の市場にはポルシェ、ランボルギーニ、マゼラーティ、アストン・マーティンといった名門が名を連ねていましたが、それぞれの客層は異なっており、決して交わることはなかったのです。

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本日ご紹介するのは旧き良き時代のフェラーリの最後のモデルと言ってよい、308/328系のV8フェラーリです。

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308は1975年にパリ・サロンで発表されたのですが、1973年のパリ・サロンにて先行してデビューした2+2クーペの「ディーノ308GT4」をベースとした2シーターのミッドシップ・スポーツカーとしてデビューしました。先行したディーノGT4がベルトーネデザインであったのに対して、新しい308は美しいラインを持つクーペで、そのスタイリングは、フェラーリとの間柄は「鉄板」のピニンファリーナの手によるものでした。チーフデザイナーはレオナルド・フィオラバンティ(後にに328、288、F40なども担当)で、その美しいボディデザインは不朽だと思います。
初期のモデルはイタリアの労働ストライキの影響で、当初の計画であったスチールボディが間に合わず、応急的にFRPで作成されたのですが、その品質は劣悪で、スチールボディの準備が整うとともに廃止されました。
一説では軽量化を目指してFRPにしたものの、その生産性の悪さを嫌って後にスチール化されたように書かれていますが、実態は逆で、事実FRPボディだからと言って格別軽量化できていたわけではありませんでしたから、やはりこれは緊急避難的措置と見るべきでしょう。

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当初はGTB(Berlinetta)と呼ばれるクーペボディでスタートした308ですが、このテのクルマの最大の市場である北米からの要求はオープン化で、1977年には今回ご紹介する(GTSSpider)と呼ばれるデタッチャブルトップを持つモデルが発表されます。

パワーユニットは2.926ccのV8 DOHCで、車名の「308」はこの排気量約3000cc8気筒エンジンを搭載していることに由来しています。フェラーリの車名は250GTOのように一気筒当たりの排気量で表わすのが普通だったのですが、それはフェラーリと名の付くクルマのエンジンが全て12気筒エンジンであった時代のハナシで、308のデビューに際してその表記方法では意味を成さなくなってしまったのです。
デビュー当初の2バルブモデルはウェーバー社製キャブレターを搭載し、最高出力255PS/7.000rpm、最大トルク30.0kg·m/5.000rpmを発揮していましたが、車両重量が1tに対しては必要充分で、格別に速いわけではありませんでしたが、何とかその外観に見合った性能は発揮していました。

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一方で、年々厳しくなる排気ガス規制に対応するため、1981年には燃料供給装置をキャブレター式からインジェクション式に変更されるのですが、翌1982年にはエンジンヘッドを4バルブ化したモデル「クワトロバルボーレ」(意味はイタリア語で4バルブ)に進化し、1985年にフェラーリ328にバージョンアップし、308シリーズは10年に亘る生産を終了しました。

今回の取材車はたった1年だけ製造された2バルブヘッドを持つインジェクションモデルである308GTSiです。

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その豪快さと引き換えに、セッティングが大変な4キャブレターに換えて扱いやすいインジェクションを装備し、しかもその外観はスリークな美しさを持つ308GTB/GTSiはたった1年というその生産年数から希少車と言えるのですが、今となっては308/328の「良いとこ取り」のモデルと言って良いでしょう。
この個体は北米仕様で外観上の最大の違いはマフラーのアンダーカバーです。

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ヨーロッパ仕様にはこのカバーがなくクリーンなリアスタイルであるのに比べて、北米仕様はこのスリットが入ったカバーが付くのが特徴です。日本に生存する多くの308がこのアンダーカバーを嫌ってヨーロッパ仕様に戻されているのですが、個人的にはどちらでも良いような気がします(苦笑)

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室内は旧き良きフェラーリの色香が残っています。独立したメーターナセルの中にコンパクトに押し込められたメーター類は視認性が良く、私のサイズでは乗降に少し苦しいものがあるものの、一度乗ってしまえば思いのほか快適な室内は、現代の基準からするとコンパクトな308の美点でもあります。

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もう一つの室内のハイライトはこのサイドコンソールのトグルスイッチで、328では普通のキャラメルスイッチ(四角い樹脂性)になってしまっていますが、このクラッシックなスイッチの方がずっと素敵だと思います。

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絶対やってはいけないのがホイールのインチアップで、このホイールサイズが308のスタイリングにベストマッチだと思いますが、一方でタイヤの入手が困難で、定期的に再生産されているもののミシュランのTRXは高価なため、やむを得ず328用のホイールに履き替える例も多いと聞きます。

最近は価格が暴落したと言われる308ですが、むしろようやく正当な値段になったと言うべきでしょう。しかし、それでもフェラーリはフェラーリでその維持には資金力だけでなく、不調を見抜き適切な処置を行う経験と知識が必要となります。加えて同年代の他車に比べると遥かに恵まれた部品供給事情ではあるのですが、やはり一部の部品では入手に苦労するものも出てきています。

フェラーリ308はちっともスーパーカーなどではなく、ハンドリングが素直で、エンジンパワーに見合った足回りを持つ至極真っ当なクルマだと思います。
フェラーリが昔のような少数手作りで生産していた時代の設計思想のまま、それまでに経験したこともないような途方もない大量生産を初めて行ったのがこの308シリーズで、いかに大量生産と言えども、良くも悪くもそこにはまだフェラーリのかつての伝統である「フェラーリ基準でのクルマ造り」が残っていると思います。
その最後の伝統を味わうことの出来る308は性能ではなく、それが12気筒エンジンを搭載していなくても間違いなくフェラーリであることと、その抱きしめたくなるスタイリングだけで、持ち続ける価値のあるクルマではないでしょうか。
前回のES30ともども最後はオブジェとなっても残したいクルマだと思います。

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テーマ:フェラーリ - ジャンル:車・バイク

コメント

おお!

510さんには珍しくフェラーリが!
308/328シリーズは私も好きで、308なら初期のシングルディスビのキャブか最終のクアトロ、アメリカ仕様(日本も)の前後バンパーだけはいただけませんが、アンダーカバーは仰るとおりどっちでもいいかな(笑)

  • 2009/03/17(火) 12:15:13 |
  • URL |
  • こ~んず #JalddpaA
  • [ 編集]

>こ~んずさん
最近のフェラーリはマーケティングのイロがありありと見えてあまり好きになれないのですが、308/328やテスタ辺りは大好きなフェラーリです。もちろんもっと旧いフェラーリも大好物ですが現実的ではないですもんね。
所有する・・・という選択肢だとこの308/328系となるのでは?と思いますが、この美しいスタイリングをスポイルしていなければ何でもアリだと思っています。間違っても羽がついてたりフェンダーを叩いているような308/328は勘弁ですね(笑)

アンダーカバーが気になり、308を完全EU仕様にしたスッドです(笑)
あと、タイヤに困り16インチにインチアップしました~(笑)ゴッティーのラリー用に・・・
完全にルックス重視です。

  • 2009/03/17(火) 23:37:13 |
  • URL |
  • スッド #-
  • [ 編集]

やっぱりいい!

308、328、テスタロッサは今のフェラーリよりなぜか惹かれてしまいます。もはや性能やコーナリングがどうこうじゃなくて、当時雲の上の存在だったものへの憧憬ってところでしょうか。

  • 2009/03/18(水) 00:46:53 |
  • URL |
  • きゃつお #-
  • [ 編集]

フェラーリのめひょ~

308シリーズはかなりツボです。
288GTOは別格ですが、GTBかクアトロバルボーレなら欲しいです。
今年、車検で熊本に行った時に328を見掛けましたが残念ながら羽付きでした(涙)

  • 2009/03/18(水) 06:25:22 |
  • URL |
  • IKEA #-
  • [ 編集]

>スッドさん
確かスッドさんの308も元々は北米仕様のアンダーカバー付でしたね。
真横からのショットを見ればノーマルサイズのホイールを履いた姿が一番美しいのですが、タイヤがないのはどーしようもありませんからね。それに古く硬化したタイヤだとすぐにスピンしちゃいますし・・・ね(笑)

>きゃつおさん
最近の70年代ブームもそれじゃないでしょうかね。新しくオーナーになるのは圧倒的にブーム世代だった40代の方だそうです。ただ憧れが現実になると・・・(笑)

>IKEAさん
他人のことですから勝手なのですが、どうしてこんなに美しいピニンファリーナの作品に羽を付けるのかと思いますね。
羽を付けてもさほどの効果はないでしょうし、そういったオーナーに限って遅い(失礼)ものですが。

ハネ付き

確かにカッコ悪いと思います(笑)
フェラーリでも最近はチューニングされるようになってきましたが、個人的にはア○イバンキンの黒い328が刺さります(笑)

  • 2009/03/18(水) 08:11:03 |
  • URL |
  • こ~んず #JalddpaA
  • [ 編集]

>こ~んずさん
好きですねぇ(笑)
フェラーリをチューニングなんて・・・と言うのは無粋で、楽しめば良いとは思いますが、その中でもやってはいけないのが外観の変更だと思うんですよね。
中味は別物ってのがいいですねぇ。

私の場合、328の記憶としては再放送で見た「私立探偵マグナム」ですかね(笑)。
主人公が海パンにアロハで328GTSに乗り込む姿を見て「おぉ!?」と思ったものです。

  • 2009/03/18(水) 12:23:21 |
  • URL |
  • pekepeke #-
  • [ 編集]

>pekepekeさん
フェラーリはいろんな映画やTVにその存在感故に良く使われますよね。私の場合はマイアミバイスのなんちゃんてDAYTONA Spiderでしょうか(笑)

308ですかー。最近のフェラーリを見慣れるとホントにコンパクトに
感じますね。昨年富士へ周遊したオフでちょうど白の308で参加された
方がいて、しばらく後ろからついて走ることができました。V8サウンド
といい、流麗なスタイルは今でも存在感は失せてないし、すっかり
見惚れてしまうほどでした。

  • 2009/03/18(水) 23:49:54 |
  • URL |
  • chifurinn #v51sc8r6
  • [ 編集]

>chifurinnさん
308はヘタをすると最近の5ナンバー車より小さく見えますね。もちろん全幅が大きいのは分かってるんですが、余計な大きさがなく(衝突安全基準でしょうね)、削ぎ落とされたスキのないデザインだと思います。
もうこんなクルマを作るのはムリでしょうね・・・。

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