延ばし延ばしにしていたのですが、いよいよ本日ご紹介するGiuliettaでこのALFA ROMEO Sport Collectionも最後となりました。結局は全部で80台という壮大なシリーズとなってしまったのですが、飽きっぽいイタリア人の企画がよくもここまで続いたと感心しています。
そして、Giulia Sprint GTAで始まったこのシリーズの最後を一体どんなモデルが飾るのか?と思っていたところ、満を持して登場したのがちょっと拍子抜けするNuova Giuliettaと呼ばれる2代目のGiuliettaだったのですが、良く考えてみるとこれには壮大な歴史の連鎖が仕込まれているのでは?と思います。

アルファ・ロメオにとってこのGiuliettaという名前は特別で、その由来はもちろんシェークスピアの戯曲であるあの「ロミオとジュリエット」なのですが、それは偶然から生まれたと言われています。
アルファ・ロメオのエンジニアたちがリストランテで食事をしながら次期モデルについて議論をしていたところ、偶然居合わせたご婦人が男性ばかりで食事をしていた彼らに向かって、アルファ・ロメオの「ロメオ」にかけて、
「まぁ。このテーブルにはロメオがこんなに沢山いるのに、ジュリエットは一人もいないのね」
と言ったことから、Giuliettaという名前が生まれたそうなのですが、初代のGiuliettaはご存知のとおり大ヒット作となり、そのネーミングの由来は次期のモデルであるGiulia(Giuliettaの姉)に引き継がれます。
恐らく、古今東西でこれほどまでに会社名との組み合わせでロマンチックな車名はないと思いますが、アルファ・ロメオ自身もそう思っているようで、この車名には相当な思い入れがあるようです。
初代のGiuliettaは、それが従来の1900シリーズより小さい1300ccのエンジンを搭載したモデルであったことから名付けられたのですから、再びGiuliettaという名前をつけるためには現行モデルよりもコンパクトな新型車種がふさわしく、確かに、この二代目は1977年11月に2000ccエンジンを搭載していたAlfettaとAlfasudとの間を埋めるモデルとして開発された1.6L(1570cc)エンジンを搭載したモデルでした。
しかし、この時期はアルファ・ロメオの経営はとても厳しく、新しくシャーシーを開発する余裕がなかったため、その上級車種であるAlfettaのシャーシレイアウトをそのまま流用するしかなく、その結果としてこの二代目のGiuliettaは、Alfettaと同じボディサイズに小さなエンジンを搭載した中途半端なモデルになってしまったのです。
それでもアルファ・ロメオが伝家の宝刀?であるGiuliettaという名前を与えたのは、それほどまでこのモデルのセールスに期待していたからに他なりません。
クルマとしてみたときには、この二代目Giuliettaは設計も新しく、それまでの品質的に劣る鋼板から、ようやく上質の亜鉛鋼板を使用したために錆に強く、Alfettaと同じトランスアクスルというレイアウトのため室内も広く、おまけにハイデッキ化されたリアのおかげでトランクルームも広大と、セダンとしては至極真っ当で、素晴らしい基本性能を備えていました。
また排気量もすぐにUPされ、1.8Lを経て2.0Lとなり結果としてAlfettaの後継モデルのような位置づけとなってしまったのですが、その設計品質を考えれば当然の結果であったと思います。
しかし、残念ながらこの二代目Guliettaが販売されていた頃の日本は、伊藤忠モーターがアルファ・ロメオの代理権を返上し、正規ディーラーが不在の時期であったため、日本に輸入されたGiuliettaはごく少数で、その結果として日本で生息するアルファ・ロメオの歴代モデルの中でも稀少車となってしまっているのが残念ですが、本国では1985年のアルファ75発表まで生産されたロングセラーモデルなのです。
では、GiuliettaはRomeoを救ったのか?と言うと、答えはイエスで、この二代目も日本でマイナーなだけで本国イタリアではそこそこのセールスを記録しているのですが、当時のアルファ・ロメオはその一車種が売れた程度では、経営状態が改善されるには至らなかったのです。
現在のアルファ・ロメオもアルファ159の販売に伸び悩み、苦しい経営状態と言えます。そして1977年当時と似ているのは、MiToというAlfasudにあたるモデルとAlfettaにあたるアルファ159との間を埋めるモデルがないことです。そしてやはり・・・三代目のGiuliettaという噂が聞こえて来るのは、ロメオは苦しいときにはジュリエットが助けてくれると信じているからなのでしょうか。
付属するミニチュアモデルは1982年のモンツァ4時間レースに出場したものですが、あまりレーシングモディファイが似合うクルマではありませんので、ストリートモデルのほうが良かったと思います。




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