走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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アリかナシか・・・?

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日本だけでなく世界的に3ペダルのクルマは瀕死の状態だそうです。確かにクラッチペダルのついた新車は最近殆ど見かけなくなってしまいました。以前のヨーロッパではAT車は身体に障害を持つドライバーのためのものという認識があり、健常者は老若男女を問わず3ペダル車を運転するのが当たり前だったのですが、最近はセミオートマも含めて2ペダル車の普及速度は凄まじく、大型セダンのみならずコストにうるさいコンパクトカーにまで及んでいるのが現状です。
もちろん技術の進歩も大きな要因です。同じ2ペダルであっても昔のATと現在のATは雲泥の差で、シフトスケジュールは人間の感性をも数値化してプログラミングされていますし、理屈は複雑すぎて良く分かりませんが、多段ミッションのシフトスピードももはや熟練した人間のスピード以上です。
それでも、3ペダルが私たちのようなクルマ好きに根強い人気があるのは、私たちがクルマを運転していることを実感させてくれるからなのでしょう。

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今回ご紹介するGiulia Sprint2000GTVはなんと!オートマチックトランスミッションを装備しています。しかもそれは後から載せ替えられたものではなく、純正で200台のみ製造されたもので、おそらく日本では1台のみであろうと思われる個体です。

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ご存知のようにGiulia Sprintは今尚、アルファ・ロメオの代表作と言って良いモデルで、Bertone時代の巨匠ジゥジアーロデザインによるそのクーペボディは、後席にもちゃんとオトナが乗ることができる素晴らしい居住性を有しています。
1963年に発表されたGiulia Sprint GTはマイナーチェンジ毎に排気量をアップし、最終的には2000GTVとしてファイナルモデルとなります。
今回見ることができた1975年式の2000GTVは新車でオーストラリアにデリバリーされたもので、現地ではワンオーナーでずっと大切に乗られてきたものです。しかもオーナーはご婦人で、整備はディーラー任せであったことが幸いして、その殆どがオリジナルを保っている素晴らしい個体でした。

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この個体は現地駐在の日本人に購入され日本にやってきたのですが、オーストラリアの乾燥した空気のもとでは錆の心配がなかったボディも、高温多湿の日本のことを考え、下回りを重点的に錆対策を施したそうです。また弱っていたブレーキ周りを一新し、ATであることから日常のアシとして女性にでも運転できるように整備したとのことでしたが、その素性の良さは素晴らしいものがありました。と言うか、多かれ少なかれ何らかの改造を加えられた個体しか見たことがない私にとって、このオリジナル状態のGiuliaはATであることを除いても興味深いものがあり、私の従来からのGiuliaに対するイメージを一新させてくれるものがありました。

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エンジンルームは適度な使用感があり、個人的には磨き上げられたものより好感が持てました。プラグコードなど消耗品は交換されているようですが、おそらくオーバーホールなどの重整備はされていないと思われます。

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キャブレターは残念ながら不人気のデロルトでした。新車時は加えてWEBER、SOLEXの3種が装着されていたのですが、現在はオーバーホールキットのないデロルト製のキャブレターはその多くがWEBER製に換装されています。

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最大のポイントはこのATです。オリジナルのATですのでちゃんとコンソール部分も専用に改造されており、その処理には全く違和感がありません。どうやら2000BerlinaのATトランスミッションを流用しているようですが、そのZF製のATはシフトショックも少なく、中間トルクの太い2000ccエンジンのせいもあり、一旦慣れてしまえば全くフツーに運転することができるそうです。また、現代の電子制御のATと異なり、機械式であるため信頼性も高そうです。

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インパネ周りもオリジナル状態を保っています。ステアリングは純正装着のパーソナル製のウッドでリペアされた形跡もありませんでした。唯一といって良い改造箇所はライトスイッチでインパネ右下にスイッチを新設していました。メーターの走行距離は何と!たったの38,500kmしか指していませんでしたが、これまた実走行とのことでした。

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内装はアイボリーのビニールで素晴らしいコンディションでした。ヘッドレストのステーは木製!です。

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サイドミラーにはちゃんとアルファ・ロメオのマークがあるタイプです。後付のリプロダクト品にはこのマークのないものもありますが、こちらがオリジナルです。

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ホイールはスチール製ですが、センターキャップの欠品もなく、使用年数を考えれば素晴らしいコンディションでした。

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ボディサイドにはBertoneのバッジが付きます。これはどういうワケか右サイドにのみ付いていたのですが、それが正しいのかどうか分かりませんでした。

これからGiulia系を購入しようとする場合は、まずボディのコンディションが最優先です。メカニカルな部分はいくらでも交換することができますが、ボディが腐っているとその修復には膨大な時間とコストがかかってしまいます。一口にボディの腐りと言っても、その錆の進行具合はパッと見ではなかなか分からず、いざ購入して塗装を剥離してみると穴だらけ・・・というハナシを良く聞きます。
ボディの錆びる箇所はある程度特定することができます。タイヤハウスの裏側、サイドシルの継ぎ目、ジャッキポイントのフレーム、そしてトランクルームなどですが、これらの殆どは雨水が溜まりやすい箇所で、ここが錆びているとそれ以外の場所にも錆が進行している可能性が大・・・ということになります。
この個体の場合は日本に来てからこういった箇所を重点的に錆対策を施したということもあり、全く問題はありませんでした。特にトランクを開けてスペアタイヤを抜いて見ても大きな錆は見当たりませんでした。

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確かに現オーナーから頂戴した下回りの写真を見ても、特に大きな問題は見当たりませんでした。

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さて、ボディのコンディションが良好で、オリジナル状態をキープした個体ということになると、それだけで充分、「買い」と言えるのですが、唯一の問題がこのATです。確かに日本で唯一の稀少車ではあるのですが、Giulia Sprintというクルマに果たしてATはアリなのか・・・私自身は答えを出せないでいます。
ただ、実際に助手席と後席(私が背筋を伸ばして乗ることができました!)で試乗した感想は、オリジナル状態のGiuliaは街乗りのクルマとして見たときには良い意味でフツーでした。

おおよそGiulia Sprintが欲しいという方は、購入する際に段つきだ、バンパーレスだ、GTAルックだとどちらかと言うとレーシングモディファイに走りがちではないでしょうか。そしてさらに新車以上にピカピカに磨き上げてイベントの際のみにガレージから引っ張り出して乗る・・・といった使い方が多いのではと思います。このようにどうしてもGiuliaというと構えてしまうのですが、この個体はそんな気構えは全く不要でした。唯一現代のクルマと異なる点は、パワーステアリングとエアコンが装備されていないこと位で、ドライバーも同乗者も自然と笑みがこぼれるような、これほど乗り心地の良いGiuliaは初めてだったのです。
全くヤル気のないGiuliaをATで肩肘はらずに日常のアシとする生活はちょっと素敵だなとも思わせてくれたのがこの個体でしたし、一方でヤル気満々のレーシングモディファイに魅かれる自分がいることも確かなのです。

ところがどうやらこの答えはじっくりと考える時間があるようです。今回の取材?は購入を前提とした見学試乗だったのですが、以前からクルマの整備を私に丸投げする悪いクセのある友人が、このGiuliaを衝動買い(笑)してしまったのです。
どうやらこれから初期化を含めて、このGiuliaとも付き合わねばならないようです。愛車である916Spiderでいくら天国を味わっても、2台の115Spiderに加えてGiulia Sprintの面倒まで見ることになれば、地獄巡りが始まることは必至です(苦笑)

さてどーなることやら・・・。

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コメント

すげぇ・・・

ATなんてあるんですね!?
誰が買ったのか気になりますねぇ(笑)

>地獄巡りが始まることは必至です

ホントは楽しいくせに(爆)

そろそろ510さんの本命を教えてください!

  • 2008/09/19(金) 00:38:46 |
  • URL |
  • きゃつお #-
  • [ 編集]

>こ~んずさん
ヒトの地獄は見てる分には楽しいのですが・・・(苦笑)

>きゃつおさん
本命はいっぱいありますよ(笑)
GTV6でしょ。ギブリでしょ。先代のクワトロポルテでしょ。
何か特定のクルマを必死に探し求めるのではなくて、縁があれば向こうからやってくると思ってるんですよ。達観したというか、諦観してるというか・・・(爆)

164ならQ4で、Giulia SprintならAT!
常に危険なサブネームが付きまといますね!これからもますます楽しく読ませていただきます。

  • 2008/09/19(金) 12:22:14 |
  • URL |
  • pekepeke #-
  • [ 編集]

アリかナシか

個人的な好みとしてはMTの方が『らしく』走らせられそうなのですが、オーナーの使い方で決めればいいと思いますね。

>pekepekeさん
じゃあこれから「禁断の」とか「淫靡な」とか先頭に付けましょうかね(笑)

>こ~んずさん
これは奥深いテーマだと思います。Giulia Sprintをスポーティなクーペとして理解するか、ラグジュアリーなGTとして理解するかだと思います。私たちの多くは前者だと理解していますし、事実、現実に今存在している個体もその方向で仕立てられていると思います。
ところが、今回の個体に乗ってみて少なくとも2000GTVのコンセプトはグランドツーリングカーではないかと思ってしまいました。だとしたら確かにATは全然アリではないでしょうか。

スポーティクーペ&GT

オーナーの使い方でスポーツカーにもGTカーにもなる。
それが出来るクルマって少ないですよね、この頃のクルマのサイズもそれに一役買っているのではないでしょうか?

何だかイケそうな気がする~
あるとおもいます。

  • 2008/09/19(金) 20:20:24 |
  • URL |
  • 天津伊藤 #-
  • [ 編集]

AT仕様が存在するとは知りませんでした。
尤もATで満足できるかが最大の疑問ですね(笑)

で、510さんの本命はどこなんですか?もぅみんなシビレを切らしていると思うんですけど(核爆)

  • 2008/09/19(金) 20:49:10 |
  • URL |
  • IKEA #-
  • [ 編集]

510さんの本命ですか?

>ALL

本命はハッスルに決まってるでしょ(核爆)
クルマも”乗る”に属してはいるんだけどね(逃)

>こ~んずさん
オーナーの使い方でスポーツクーペとGTに使い分けられるのはある種理想ですね。今回の試乗で、2000GTVはGT。1750以下はスポーツクーペじゃないかな・・・と考え始めています。

>天津伊藤さん
うまいっ!

>IKEAさん
私の本命?それはクルマについてですよね?(笑)
正直、本命ってないんですよ。164Q4以上に手がかかるクルマはそうそうないでしょうし、ジュリアなどの旧車は最初にきちんと手を入れておけば全然問題ないですし・・・(苦笑)
例えばアルピーヌV6とか地獄入門にはいいかなと思ってます(爆)

コレにウラをかいて女子が乗ってたらいいですね! 巷で血気盛んなALFA乗りが「おっ!オンナだっ!しかもジュリアだ」と追いかけてくる。で、信号待ちで「ATですけど、何かっ?別に」みたいにウラのウラをかく。サイコーだな!

  • 2008/09/20(土) 12:35:28 |
  • URL |
  • BUSSO #-
  • [ 編集]

>BUSSOさん
確かにジュリアに乗ってる女性って手強そうに見えますからね(笑)

>地獄入門
えぇ~、らしくない。
地獄エキスパート編へ逝って頂かなくては皆さんも治まらないと思います(核爆)

  • 2008/09/21(日) 19:25:02 |
  • URL |
  • IKEA #-
  • [ 編集]

僕もに2000GTだったATはありだと思います。何気に女性が涼し顔で乗るとカッコイイですね。しかし200台限定の割りにセンターコンソール周りの出来も良いではないですか!

  • 2008/09/22(月) 01:35:41 |
  • URL |
  • kobu #-
  • [ 編集]

>IKEAさん
謙虚に書いてみたのですが、アルピーヌV6は立派な地獄クルマでしょう(笑)
もし買うとしたらフランス車は初めてなので「入門編」にして見ました。

>kobuさん
そうなんですよ。細部の造りが良いのでびっくりしました。
さすがに重ステで据え切りは大変ですが、慣れれば女性でも充分扱えると思いますよ。

>オーナーの使い方でスポーツクーペとGTに使い分けられるのはある種理想

いいですね。やんちゃな時にスポーツクーペとして、落ち着いてきたらGTとして。まさに一生乗れる車ですね。防錆さえしっかりしとけば(笑)。

  • 2008/09/22(月) 12:21:56 |
  • URL |
  • pekepeke #-
  • [ 編集]

>pekepekeさん
>やんちゃな時にスポーツクーペとして、落ち着いてきたらGTとして。

ただしどちらも雨の日は除く・・・ですかね(苦笑)

アルピーヌV6は立派な地獄クルマ

確かに(笑)
でも510さんのイメージじゃないなぁ・・・
あの程度ならあっさり直しちゃいそうだし(苦笑)
もっとこう、皆の度肝を抜くクルマじゃないと(爆)

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