走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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アルファ159の真実

159-4.jpg

人並みにアルファ159の試乗に出かけたハナシは前回書きましたが、まず乗り出す前にチェックした居住性で、相当?マークがついてしまいました。
このアルファ159はボディサイズがアルファ164より大きいにもかかわらず、室内の居住性にそのサイズが全く寄与していないのです。その原因はスタイリング重視でロングノーズ、ショートデッキにしたためで、リアのマルチリンクでそのスペースを取られながら、トランクスペースを確保するために、本来ならばキャビンに充てるべきスペースにトランクルームがせり出して来てしまい、結果として後席のシートバックを立てざるを得なかったのでしょう。
そう考えると、このパッケージは真面目にBerlina(セダン)を作るために煮詰められたとは思えなくなってきました。また、スタイリングを気にしすぎたために長くなったフロントラインもキャビンスペースを削り、さらにインテリアデザインに凝ったためにラウンドした助手席は、セダンとしては足も組みづらい窮屈なスペースとなってしまっています。

159-6.jpg

ここからは想像なのですが、このアルファ159の基本デザインはもともとはアルファ156の後継モデルとしてもっと小さなサイズで企画されたのではないかと思います。
アルファ159が企画された当時は、アルファ166の後継モデルも同時に企画されていた時期です。ところが、途中からアルファ156とアルファ166の両方の後継モデルを兼ねるという決定を受けて、急遽サイズアップを図ったのではないでしょうか。もし、最初からこのサイズを前提としてパッケージデザインをしていたのなら、これほどまでにスペース効率の悪い設計にはならなかったのではと思います。

159-3.jpg

さて、いよいよ試乗と相成ったのですが、エンジンはキーをスロットに差込み、スターターボタンを押す・・・というギミックで始動します。しょーもない演出?とも思いますが、これは好みですから論評は控えましょう(苦笑)
下ろしたての新車ですし、明日からの本番を控えて、万が一のことがあったら・・・と遠慮もしたのですが、それでは試乗になりませんので、ここは「ココロを鬼にして」ガンガン回すことにしました。そして発進した途端に、スルスルとストレスなく回るエンジンと、ようやく聞こえ始めたエンジン音に、少し安心しました。かろうじてこれはアルファ・ロメオのエンジンとして及第点を与えても良いでしょう。

6速ミッションの恩恵からか、この発進加速は素晴らしいものがありました。しかし、2速で5000rpmまで引っ張り、3速にシフトアップしさらにアクセルを踏み込むとその問題は露見しました。加速がイッキに鈍ったのです。
つまり、この加速はギア比によってもたらされたもので、エンジンの特性からではなかったのです。
後にカタログでエンジン緒元とギア比を確認してみました。排気量2,198ccの4気筒16Vエンジンは、「チェーン駆動!」によりバルブを動かし、185ps/6,500rpm、23.4kgm/4,500rpmを発生しています。2.2JTSの車重は1,570kgですから必要にして充分と言えるパワーユニットです。

159-5.jpg

そして、問題のその6速ミッションのギア比は、1速:3.818、2速:2.353、3速:1.571、4速:1.146、5速:0.943、6速:0.861となっています。
この数字を見れば一目瞭然で、3速から上のギアは完全に省エネモードと言って良いギア比なのです。
発進加速のスルドさはギア比により演出されたもので、歴代のアルファ・ロメオのエンジンが絶賛されてきたそのエンジン特性によるものではありませんでした。

アルファ・ロメオの名誉のために付け加えておくなら、このエンジンそのものは素晴らしいエンジンだと思います。それはアクセルレスポンスやその回転の上がり方を見れば分かります。
しかし、アルファ・ロメオのエンジニアは「アルファ・ロメオらしさ」を演出するために、小手先の誤魔化しをやったとしか思えませんでした。

アルファ159はアルファ・ロメオの「迷い」が集約されていると思います。それは、ライバル車に劣る部分があったとしても、そのエンジンフィールとデザインにより購入してくれる、従来のアルファ・ロメオファンから決別し、全ての要素において及第点以上を採り、グローバルカーとして多くの顧客を獲得するためにアルファ159を設計しなければならない中で、どうやってアルファ・ロメオであり続けるかを模索しながら生み出されたのではないでしょうか。

思えば、アルファ156が爆発的なセールスを記録し、フィアットグループの中でお荷物であったアルファ・ロメオが一躍、「ドル箱」になってしまったがために、「売れるクルマ」を作らなければならなくなったアルファ・ロメオの悲劇なのかも知れません。
アルファ・ロメオはマーケットに媚びず、自分達が作りたいクルマを作っているからアルファ・ロメオなのではないでしょうか。
私には、フィアットの大いなる誤算がこのアルファ159ではないかと思えます。
しかし、アルファ・ロメオはきっと復活すると信じています。何故ならこのGM製のエンジンですら、ちゃんとアルファ・ロメオのエンジンとして消化しているのですから、このエンジンを前提として、アルファ・ロメオがまた「好き勝手」にクルマを作ることができたなら、きっとアルフィスタが唸るクルマが生み出されるだろうと思うからです。

私たちが望んでいるのはそんなアルファ・ロメオなんですけどねぇ・・・。

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テーマ:アルファロメオ - ジャンル:車・バイク

コメント

そのギヤ比はブレラやスパイダーも一緒ですね。ということは159の、というよりは今のアルファのトレンドなんでしょうね。

  • 2008/01/25(金) 00:01:44 |
  • URL |
  • もりおか #-
  • [ 編集]

>もりおかさん
確認はしていませんが、おそらく2.2JTSの共通ギア比だと思います。
スタートダッシュはなかなか楽しめるんですけどね(苦笑)

確かに

デザイン重視でセダンの実用性を無視している感じが私もしました。
405より室内は全然狭いなんて(苦笑)
あくまでも過渡期のクルマである事を願うばかりです。

う~ん

156でもそうでしたが、159のあの狭さは確信犯のような気がします。
あえて広く作らなかったような。
日本人より大柄な欧米人が乗るわけですしね。あ、5103は欧米人並みか・・・。

  • 2008/01/25(金) 10:11:04 |
  • URL |
  • もりおか #-
  • [ 編集]

>こ~んずさん
工業デザインは機能満足があって初めて成り立つものだと思うんですね。
最近のヨーロッパ車のデザイントレンドはちょっとヘン?だと思います。

>もりかさん
156のサイズであればタイト感を演出し、スポーティに見せるという手法はアリだと思うのですが、アッパーミドルでそれをやるのは反則でしょう(苦笑)

温和な510さんとしてはエラい酷評ですねぇ…

何かイヤな事でもあったんですか?(笑)
 

  • 2008/01/25(金) 11:52:10 |
  • URL |
  • i-macco #-
  • [ 編集]

そもそもアッパーミドルのクルマをジウジアーロ/イタルデザインに担当させたのが「反則」のように思えます。カロッツェリアにも階級があって、欧州のメーカーは一部の例外を除いてミドルクラス以上のクルマにジウジアーロなんか使わなかったもんですが・・・(遠い目)。ジウジアーロも高級車セグメントへ進出する足掛りとしてやったんでしょうけど、小型大衆車をデザインするという「いつものクセ」が出ちゃったんでしょうか。狭いスペースでなきゃアイデアが出なかったりして。(笑)

だいたい159なんていうアルファの「御神体」のようなクルマの名前を量産セダンにつける姿勢からしてもう反則ですよねえ。アルフェッタという「前科」があるにはありますが、あれは中身が別格でしたし。まあフィアットから「反則じゃなくて販促だ!」とツッコミ入れられそうですが、そう言ってしまうと身も蓋も無い。

私も

私も試乗したときは3速までしか使わなかった気がします。それ以上はなんか鈍くて。。。
2.2JTSの真価はまだまだこれからですね。

最近の公式「モデルチェンジ=外装大型化+室内そのまま」はトレンドなのか、安全制約に対する技術の壁なのか、設計の怠慢なのか、どうなんでしょう?
噂ではグランデプントベースの新型が出るらしいので少しだけ期待してるんですが。。。

  • 2008/01/25(金) 12:35:42 |
  • URL |
  • pekepeke #-
  • [ 編集]

>i-maccoさん
どこかにスポンサーがいるワケでもありませんので、思ったことを書かせていただいただけなんですが・・・(苦笑)

>ただすけさん
確かにデザイナーに得て不得手はあると思いますね。本来ならばピニンファリーナあたりが担当すべきシゴトだと思います。
アルフェッタの時にはトランスアクスルという理由があったのですが、今回の159には何の根拠もありませんね。

>pekepekeさん
私にも設計の怠慢なのかどうかは分かりませんが、イタリア車からデザインを取ったら結構厳しいと思います。他はさておいてもデザインには頑張って欲しいですね。

デザインが生業の僕としては耳が痛いのですが、正直159というクルマには何か物足らない印象があります。
恐らくフィアットのビジネスとしてAlfa Romeoのブランドイメージが優先され、しかも効率が重要視された点が159には顕著に現れているからだと思われます。
156だとサイズとして許される室内でしたが、2廻りも太った159では疑問を感じました。丁度、昨年の車検の際に乗ったのですが違和感を感じましたね。

  • 2008/01/25(金) 21:04:35 |
  • URL |
  • IKEA #-
  • [ 編集]

懐古趣味

まぁ~、なんでも新しいものに否定的になるのはどうかなと思います。ギア比だって重い車に対応するためかと思われますし。だいたい営利企業なんだから黒字になって存在意義あるわけだし、好き勝手って・・・。いつの時代??つぶれかけたらアニエッリみたいに買い取ってくれるの?

今の時代に合わせたアルファ像を追った結果でしょう。素材は限定されてたわけですから。
今までのものと製品としての評価は段違いとは某メカニックの談。

  • 2008/01/26(土) 00:16:08 |
  • URL |
  • な~ #-
  • [ 編集]

>IKEAさん
明らかにライバル車と比較して狭い室内はこのクラスのクルマのマーケットでは苦戦するだろうと思いますね。
156であればまだまだパーソナルな使い方をされるでしょうから狭い=スポーティというイメージで押せるとは思いますが…(苦笑)

>な~さん
初めまして。な~さんから頂いたようなご意見を待ってました(苦笑)
実は、アルファ159の最大の問題が販売の低迷だと思うのです。品質はようやく普通レベルで自動車としての信頼性がUPしたにもかかわらず、売れない…ということが当に、マーケットがアルファ・ロメオにライバル車との全面ガチンコ勝負ではなく、もっと個性を求めているということなのではないでしょうか。
私は決して懐古趣味で言っているのではなく、アルファ・ロメオのような中堅メーカーは、トヨタのようにそこそこのクルマを販売力で捌けるわけではないのですから、もっと独自の個性を全面に出していかなければ、ブランドアイデンティティを持ち続けられないと思うのです。私はアルファ159がダメクルマだと言っているのではなく、ようやく言い訳しながらではなく、フツーにライバル車と肩を並べられる品質になったのですから、それをベースにアルファ・ロメオがもっと個性を全面に出したクルマ作りをしたほうが良いと思うのです。ギア比の問題にしても、じゃあ6速はいるのか?も含めて、このエンジンの特性を前提にした、アルファ・ロメオらしいセッティングは別にあると思うのです。
せいぜい年産3万台~5万台のクルマでしょうから、BMWやMBよりもアクを出したほうがな~さんが仰るように「黒字」になると思うのですが、いかがでしょうか。

鋭い意見ですねぇ

製造品質が良くなったのにパッケージで失敗している典型が159だと思います。
味だなんだを抜きにしたら同クラスの他車と比べる次元には無い。
クーペならともかく、セダンとして見れば褒められたモノは持っていないと思います。
アルファの様なメーカーは”らしさ”がないと商売にならない気が私はしますね。

正に!

新しいものを否定しているのではなく、製造クオリティが世界基準になったからには、次はアルファの持つ官能やセダンの機能性等まだまだ進化していって欲しいというファンから愛がある厳しい意見だと解釈します。アルファはこれからも進化し続けるでしょう。156のツインスパークもJTSエンジンも出たときはボロカスでしたが・・どれも最後はアルファしてたのではないでしょうか?(乗ったことないけど笑)

  • 2008/01/27(日) 22:53:26 |
  • URL |
  • kobu #-
  • [ 編集]

>こ~んずさん
私より手厳しいですねぇ(笑)
ヨーロッパで一番厳しいと言って良いアッパーDで勝負するには弱いクルマですね。というか最近のアッパーDセグメントは殆どEセグメントですから、益々パッケージングで苦戦するでしょう。そもそもどこを狙っていたのかが良く分からないのがこのクルマだと思うのですが・・・。

>kobuさん
クルマとしてマトモだから、それにアルファ・ロメオらしさを加えれば、天下無敵?じゃないでしょうか。アルファ164が発表された当時のような革新的なデザインが、アルファ・ロメオのような少量生産車では可能だと思います。

156に乗っていた身からすると、
159はジャンルの違ったクルマに見えてしまいます。
スポーティネスを感じるサイジングやデザイン、
性能の演出など、156はアルファらしさが
まだ残っていたのではと思いますが、
159はやはりグローバルな土俵をかなり意識していて
それに宛てたモデルでしょう。
たとえばビーエムやアウディの成功体験にあやかりたかった
のかもしれませんが、ちょうどスカイラインの
R32からR33にチェンジしたときのような印象と
同じものを抱いてしまいます。
クラスアップするのであれば、純粋に166の後継として
位置づけてエレガンスを志向すべきだったのでは、
と思います。
156の後継は少し尖りを残したスポーティセダンで
出ていれば、ですね。。

  • 2008/01/30(水) 21:31:34 |
  • URL |
  • chifurinn #mwEy1mXw
  • [ 編集]

>chifurinnさん
エレガンスなEクラスはLANCIAで、その上はマゼラーティの領分なんでしょうね。166の後が続かないのは、偏にFIATにイタリアの自動車ブランドが集約されてしまった現状によるものでしょう。

いやぁ、このインプレは凄いですね。

スペース効率に拘るのなら、もっと適したクルマが山ほどあると思います。どっかに拘ればどっかを犠牲にする…世の中の商品が背負わされてる宿命ってやつですかね?しかしながら、目ん玉を吊り上げて批判するほど低レベルなパッケージングだとは思いませんけど。

鋭い加速はギヤ比によりもたらされたもの?それが小手先の誤魔化しですか?
なぜ誤魔化しなんですか?それって単なるチューニングの方向性の問題だと思いますね。だいたいクルマの加速感なぞ、ギヤ比で決定付けられるのは当たり前じゃないですか(笑)。そもそも貴殿がファーストインパクトとして「加速が鋭い」と感じたならば、それはアルファロメオのチューニングは功を奏したと見るのが自然じゃないでしょうか?なぜ、いちいちイチャモンをつけたがるのでしょうか?
好き勝手にクルマを作れれば?いやぁ、全く身勝手な発想ですね。アルファロメオは営利目的の企業です。一部の変わり者相手の商売から脱却を図ろうとしている姿勢を私は支持しますね。まともな企業を目指しているのだと思います。まぁ、その割に159のビジネスは悲惨な状態に陥ってますけど(苦笑)社会情勢、販売力、価格設定、グレード設定等、様々な要因があるのでしょうね。
まぁ、あんな灰汁の強いクルマがドイツ御三家のようにウジャウジャ街に溢れてる図も…ちょっと気色悪いですが(笑)

  • 2009/04/10(金) 14:09:49 |
  • URL |
  • 一般人 #-
  • [ 編集]

>一般人さん
辛口なコメントありがとうございます(笑)
ひょっとして159のオーナーさんでしょうか?もしそれで気を悪くされたのであれば申し訳ないと思います。
まずパッケージングについてですが、お読みいただければお分かりかと思いますが、あくまで164との比較においてです。ボディサイズのアップが室内の拡大にそれほど寄与していないということを書かせていただきました。アルファ156のスタイリングが好評であった一方で、不満点として上げられたのが後席のスペースでした。それをサイズアップすることにより解消するのがこの159の目的の一つであったはずです。
次にギア比についてですが、確かに初期の加速が鋭いのですが、その後の弊害の方が大きいと感じましたので、そのように書かせていただきました。これは好みの問題ですので、チューニング云々の問題かも知れませんが、それならば、もともとアルファ・ロメオはギア比ではなく、エンジンのチューニングでそれを実現してきたメーカーだったと思っています。
好き勝手・・・云々は誤解を与えてしまったようですね。以前の別の方のコメントにも書かせていただきましたが、営利企業であるアルファ・ロメオが利益を上げるためにすべきことは、ドイツ車と同様のマーケティングによりアルファ・ロメオの個性を薄めたモデルを作ることではないと思います。それは159以降のアルファ・ロメオの販売台数を見ると明らかで、一般人さんが仰っているような市場環境の問題ではないと思います。アルファ・ロメオはトヨタやメルセデスの企業規模(損益分岐点と言っても、目標利益と言っても良いでしょう)とは全く異なるのですから、魅力的なクルマ(それがマスを相手にしていなくても)であれば、少々高くても、ディーラーが近くになくても売れるでしょう。それを実感したアルファ・ロメオは、最近は一度切った舵を元に戻そうとしているようですね(笑)
私は、これからのアルファ・ロメオに期待をしています。この会社は浮き沈みを経験し、いつもその原点に戻ったからこそ、生き残って来たのだと思っています。

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  • 2014/03/18(火) 21:49:15 |
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