走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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メンテナンスフリーの問題

ここ最近、115系Spiderのメンテナンスを初期化を含めて数多く経験するようになってしまいました。また、8年間に及ぶアルファ164Q4との付き合いから、クルマのメンテナンスについて考えさせることが多々あります。

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自動車に限らず工業製品全てに言えることだと思うのですが、エンジニアが注力するのは新機能だけではなく、その品質と信頼性の向上ではないかと思います。
新型の製品の方がより品質が良く、信頼性が高くなければ商品として消費者からそっぽを向かれてしまいます。
特に最近の家電製品については、保証期間を過ぎて壊れるということは、即廃棄を意味するのではないでしょうか。実際にサービスセンターに電話して修理に関して訊ねて見ると、その手間と金額に愕然とします。
そうなると、仕方ナシに買い替え・・・という選択になるのですが、結果として新製品が売れるのは皮肉なものです。ということは、メーカーにとって自社の製品が「壊れる」というのも問題ならば、「壊れない」ということも問題なのです。
想定された耐用年数を過ぎても尚、壊れないという製品の過剰品質は、メーカーにとっては新製品を売れなくさせてしまう大問題であると思います。
日本の製品のこの辺の品質管理は行き届いており、壊れる時期の匙加減も絶妙です。
そしてそれは自動車に関しても例外ではないのです。

最近の自動車は世界規模でメンテナンスフリーに向かいつつあります。それは部品の信頼性UPにより交換する必要がなくなったためでもあり、環境対策からの要求でもあるのですが、設計段階から交換を前提としない設計をするようになりました。
また、部品のモジュール化も進み、もし交換をしなければならなくなったとしても、ユニット(ASSY)交換で済ませられるようになってきました。またカーエレクトロニクスの進歩によりイグザミナーにより殆どの故障が発見できてしまうために、永年の経験や高度な整備技術を必要としなくなり、このことから、最近のディーラーのサービス工場にはエンジニアならぬチェンジニアしかいない・・・と揶揄されるようになったのですが、一方でチェンジニアがいれば必要充分であるとも言えます。
アルファ・ロメオも例外ではなく、アルファ159以降のモデルはディーラーのイグザミナーが本国のコンピュータに繋がっており、全世界のトラブル情報が集積され、部品の改良に役立てられているそうです。
昔、アルファ75に乗っているときのことですが、台風の中を走行していると雨漏りがするため、コーンズに文句を言ったところ、他でも同様のクレームがあり、すでに本国に確認中とのことでした。そしてイタリアから来た返事にはこう書いてあったそうです。

「残念ながらイタリアにはそのような暴風雨は降らないため、確認ができない。従って対策は不可能である。」

この対応から比べると、現在のアルファ・ロメオには隔世の感があります。そしてこのことそのものには何も異論はないのですが、一方でメーカーが想定する耐用年数を過ぎて、そのクルマを維持し続けようとしたときに、これらの進歩は一気に牙をむいてユーザーに襲い掛かってくるのです。

ASSY交換で設計され、交換部品の点数をイッキに減らされた現在のクルマは、例え壊れた箇所がその一部分であったとしても、ASSY全体を交換しなければならず、その部品すらメーカーの責任在庫期限を過ぎると供給そのものが止まってしまいます。またASSYであるが故にアフターパーツとしてのOEM供給も困難です。
進歩したカーエレクトロニクスのせいで、専用のイグザミナーがなければ故障診断もエラーリセットもできません。ディーラーが販売から撤退したりすると、これらのイグザミナーは回収されたり廃棄されたりしてしまい、手も足も出なくなってしまうのです。
また、交換を前提とせずに設計された部品を交換しなければならない場合には、アクセスするために他の部分を外さなければならなかったりで、メカニックに難行を強いることになります。
そして、これらは結果として部品代や工賃アップさせ、メンテナンスコストを押し上げ、最悪は修理不能と言われ、ユーザーにそのクルマの維持をアキラメさせてしまうのです。

それに比べると60年代に設計されたクルマは、当初から主要な部分がメンテナンスを前提として設計されているために、部品さえあれば交換そのものは通常のメンテナンスの範囲内です。カーエレクトロニクスに依存する部分も殆どないために、故障の発見もその対策もメカニカルなアプローチのみで可能です。また材質、構造からすると、現代の技術で再生産されれば当時のものより遥かに品質の良いものになります。
このことは、実際に60年代以前のクルマの生存率と、80年代のクルマの生存率を比べてみたときに、裏づけられると思います。

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この30年でクルマの信頼性は格段に向上しました。もはやユーザーはクルマの構造について理解している必要は全くありませんし、場合によってはトラブルそのものにも気づかずに、クルマからトラブル信号がインターネットを通じてディーラーのサービスに送られ、ユーザーに「XXXが故障していますから修理に入庫してください」などと連絡が来ても不思議ではない時代です。
しかし、一方でクルマを取り巻くシステム全体がユーザーの買い替え時期までも管理し、それから外れた行動を取れなくしてしまっているのも事実ではないでしょうか。
クルマ好きにとって、気に入ったクルマに永く乗りたいというのも自然な行動ですが、その自由が奪われつつある現状は残念でなりません。

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テーマ:アルファロメオ - ジャンル:車・バイク

コメント

う~ん・・・

考えさせられる記事ですねぇ・・・
一般的にはメリットだらけだと思いますが、趣味としては、ねぇ(苦笑)
数日後に予約している私のブログでも少し似たような事書いてるんですよね。
510さんほど知的には書いていませんが(笑)
でも機械のメンテナンスフリーなんて私は信用出来ないんですよね。

>こ~んずさん
メンテナンスフリーとはメーカーが保証した期間にメンテナンスの必要がない・・・ということなんですね。だからその期間が過ぎたら丸ごと交換するか、クルマを買い換えろ!という意味なんでしょう。整備できないメンテナンスフリーには困ったものです。

とても重いテーマなのですが、家電とりわけ白家電と呼ばれるモノは10年経つとキッチリ壊れてくれます。家電の世界では20年以上前から510さんの言われる設計がなされていたのではないでしょうか。
僕も12年を過ぎたXantiaと8年目になる156の面倒を看てますが、この時代の車のAssy交換部品あるいは設定外に驚きます。そこが壊れたら廃車という運命である事は「想定外の方法持って再生する以外」選択肢がないからです。80年代以上に90年代の車は10年以上存続させるのが困難な状況です。しかもオイルのロングメンテナンスが進む中、10万キロまでなら問題ないのに10万キロを超えた途端に不具合を起こす最近のドイツ車などは最たるものかも知れません。
少なくとも熱烈なファンによって支えられてきたアルファ・ロメオのようなメーカーにこうはなって欲しくはないですが、それも無理なようですね(苦笑)

  • 2008/01/10(木) 22:11:59 |
  • URL |
  • IKEA #-
  • [ 編集]

>IKEAさん
開けることを想定せず溶接で閉じられたケースやら、手前のものを全部取り外さなければアクセスできない形状の部品だったり・・・(怒)
アルファ・ロメオもプラスティック部品が10年経つと酷いですね。
過去のブログにも書きましたが、同じクルマに永く乗ることも立派な環境対策なんですけどねぇ。

腕時計は・・・

IKEAさんのカキコにて更にわかりやすく大興味で熟読でした。
今日最近、気に入っている
ヤフオク落札、中国製機械式オリエントの腕時計(かなり値頃。。)の置き忘れ、
≪腕に腕時計ないと不安人間≫の為、高校入学時、父よりプレの
クゥオーツのセイコーなぞ。。
一度の故障修理で今でも万全!
遡って83年製造?
腕時計だけ(この頃の主要メーカーによる日本製だけ??)は別世界なのかと、ふと?

>いちまたさん
時計の世界は特殊ですね。確かに機械時計などの世界では一生モノ・・・というベースでマーケットが形成されているからでしょう。でも、一方で殆ど狂わない電波時計などは実用的であるにも関わらず、全く売れないと聞きます。
もはや腕時計は実用品ではなく趣味の世界のものだからでしょうね。

大納得です!!
私は《少数派》だと思うのですが
愛機(ZX)と同じく
腕時計もかなり実用も兼ねるのですが・・・。(お客様の接客の途中まちがっても携帯電話の時計では盗み見はできないミタイナ。。)

>いちまたさん
私も腕時計は実用品だと思ってます(苦笑)、でも実用品であるならばクオーツのデジタルで充分なんですが、そこに趣味性を加えると・・・(嗚呼)

確かに・・・♪

踊り初めの会の直後
酔ってます。。

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