走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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アルファ164Q4の真相

Fuji20052.jpg

私もその一人だったのですが、このクルマに惚れこんでいるアルファ164Q4のオーナーの方々にお叱りを受けるのを承知で敢えて書きますが…、

「アルファ164Q4は半熟製品であった」

と思います。

そもそもViscomaticはスポーツ4WD向けに開発された当時としては画期的なシステムでした。アルファ・ロメオはアルファ33でパートタイム式の4WDシステムは経験済でしたが、本格的なフルタイム4WDは初めだったため、実績のあるオーストリアのシュタイヤープフ社と共同開発することにしたのです。
Viscomaticはその理屈はあまりに難しいので省きますが、トルク配分をフロントからリアまで自在にアナログで振り分けることができるシステムでした。また、その制御はメカニカル制御ではなく、コンピュータによって行われていたために、センサー技術の進歩により、より精密に制御することができ、またコンピュータプログラミングにより様々な設定が可能という、今後の様々なモデルに対応するシステムであったと言えます。

そして個人的な感覚値で言えば、このViscomaticシステムが受け止めることのできるパワーには相当余力があっただろうと思っているのです。
おそらく、設計時に想定していたパワーはMaxで300hp程度ではなかったでしょうか。
理由は、アルファ164Q4に搭載された230hpのV6エンジンでサーキット走行を含めて20万キロ走行しても、Viscomaticそのものはナニゴトもなかったからに他なりません。これは通常で考えると過剰品質とも思える耐久性です。もちろん仮にViscomaticシステムが逝ってしまうとその部品代合計は250万円!とあり得ない金額になってしまうのですが…(苦笑)

アルファ・ロメオが当初Viscomaticを開発した際には、今後のハイパフォーマンスモデルに搭載することを考えていたのでしょうから、その想定パワーが高かったことは当然だと言えるでしょう。ですので、アルファ164Q4では「必要充分以上」の贅沢なシステムだったと考えます。

本来であれば、このようなシステムを載せる場合は最初からシャーシーを含めて最適化した設計を行うものです。同時代に開発されたR32のスカイラインも当初から4WDシステム搭載を見込んで設計されていたと思います。なぜならプレス金型を使用して製造するシャーシー製造においては、その形状を変えるということは、殆ど新設計することを意味するのです。

それでも新モデルを開発できなかったアルファ・ロメオは「仕方なく」アルファ164を改造するしかなかったのでしょう。価格を含めてアルファ・ロメオの当時のラインアップの中ではアルファ164しか、Viscomaticを搭載して「売れる」モデルはなかったのです。従ってエンジンもV6の3Lが限界でした。どんなにチューニングしても、当時の制御技術では230hpはその実用性を考えると限界で、ノーマルのアルファ164からの重量増に対しては明らかにパワー不足でした。仕方なく、アルファ・ロメオは更なる重量増を招くにも係らず、クロスレシオのギア比としたゲトラグ製の6速MTを搭載し、ドライバーに極力そのパワー不足を感じさせないようにしたのでしょう。すなわち、アルファ164Q4で絶賛されたシステムは、対処療法の泥縄式選択の結果であったと言えるのです。

Fuji2006.jpg

そしてその対処療法もコストの問題から中途半端に終わってしまいます。その速くなった重い車体を止めるブレーキシステムの改良までは手が回らなかったのです。かろうじてリアブレーキを他のアルファ164と異なりベンチレーテッドにしたのみで、キャリパーの性能そのものは全く他のアルファ164と変わらなかったのですから、ノーマルのアルファ164でも「止まらない」と言われたブレーキは、アルファ164Q4では更に「止まらない」ブレーキとなってしまいました。どれだけ4WDにより安定した走行性能を実現しても、「止まらない」クルマは安心してトバすことはできません。

Fuji20051.jpg

Viscomaticの悲劇は、このシステムを前提に最適化設計をされたシャーシーに搭載されなかったことだと思います。アルファ164Q4に乗ってみて感じたのは、このViscomaticはそれほどポテンシャルを秘めたシステムであったということなのです。

アルファ164Q4の日常域での濃厚な乗り味は、この過剰品質に支えられていると言えます。そして限界領域で見え隠れするトリッキーなトルク変動は、アルファ164のサスペンスションの限界が低いことから来る、センシングシグナルの問題ではないかと思います。
繰り返しになりますが、もしViscomatic搭載を前提に最初からシャーシーを設計し、サスペンスション、ブレーキを新規に設計していたならば、限界領域ででも濃厚な乗り味が続く、素晴らしいスポーツモデルが出来上がっていたでしょう。

誤解して欲しくはないのですが、私はアルファ164Q4が中途半端なダメクルマだと言っているのではありません。Viscomaticを得たことにより、常用域での弱アンダーステアを維持してコーナーを曲がっていく感覚。特に高速道路での緩い下りのコーナーをハーフスロットルで駆け下りて行くときに感じるあの安定した独特の感覚は忘れられません。
Viscomaticはアルファ164を最高級のスポーティサルーンに変身させました。もし1台しかクルマを持てないとしたら、アルファ164Q4は現在でも最良の1台と言えます。

私にとってアルファ164Q4はアルファ・ロメオのチャレンジ精神が詰まった「最後の」アルファ・ロメオでした。それはアルファ・ロメオ伝統のドライブフィールを再現するために新しいチャレンジを行い、最後の意地で世に出した、当にアルファ・ロメオの魂だったと思います。

次回は8年間所有して感じたアルファ164Q4のメンテナンスに関するポイントについてオハナシしたいと思います。

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テーマ:アルファロメオ - ジャンル:車・バイク

コメント

そうなんですよねぇ。

結局その車の味付けとか、意義とか、意味とか、全てその車の存在は、その設計者の意志次第なんですよね……。

色々と考えさせられますわ、正直……。

だから、読んでいて楽しいんですが。

  • 2007/11/30(金) 23:43:55 |
  • URL |
  • ホリゑ #mQop/nM.
  • [ 編集]

なるほど

>アルファ164Q4は半熟製品であった

その通りだと思います、でもダメ車ではない。
細かい所を挙げたらキリがないですしね。
好きか嫌いかは人によって様々ですからね。

工業製品においても人間の作り出すものにおいても完璧というのはありませんもんね。
得てして初期型や独創的な構造のものはその特徴と共にいろいろある様ですね。

  • 2007/12/01(土) 10:58:48 |
  • URL |
  • og #L9SytcTM
  • [ 編集]

ハート

Viscomaticの耐久性すごいですね。QVからQ4に心が揺れています。

  • 2007/12/01(土) 12:15:32 |
  • URL |
  • keno #t2L79DKA
  • [ 編集]

>ほりゑさん
設計というか企画というか・・・後からの様々な評価はともかく、作り手が何をしたかっのか?に尽きると思いますね。

>こ~んずさん
私はQ4大好きですよ。こんなクルマはおそらくアルファ・ロメオにしか作れなかったでしょう。でも好きだから何でもOKではなく、ちゃんと冷静に評価することも必要かな?と思ってちょっと辛口に書いてみたのですが(苦笑)

>ogさん
綿密に計画された量産モデルでさえ、初期には様々ありますもんね。ましてや派生モデルでしかも「改造車(笑)」の164Q4は結構テキトーなところもありました。

>kenoさん
QVとQ4はまったく異なると言っていいクルマです。是非ちょい乗りの試乗ではなく、1週間くらい交換してみて試乗することをオススメします。Q4虜になるか・・・QVに惚れ直すか・・・(笑)

>510さん
 510号の在りし日の勇姿ですね(懐かしい~)当時の技術では本当に画期的だったのでしょうね、設計段階で4WDを見込んだR32スカイラインにしても、レースでは重さと制御とトラブルの問題をクリアできずに確か2WDでしたから・・設計変更までして4WDの新境地にチャレンジしたアルファロメオの精神が人を惹きつけるのですね。

  • 2007/12/02(日) 13:36:01 |
  • URL |
  • kobu #-
  • [ 編集]

>kobuさん
懐かしいですかぁ(苦笑)
でもサーキットでの164Q4は戦闘力なんか全然ないんですよ。
それでもViscomaticの限界ギリギリのところで走らせたときの面白さは格別でした。正直、カラダよりアタマを使いますね(笑)

それ

>正直、カラダよりアタマを使いますね(笑)

凄くよく分かります(笑)
ランエボ乗るより全然難しいですもん(爆)

>こ~んずさん
遅いクルマを速く走らせたり、難しいクルマを乗りこなすのは一種の知的ゲームだと思いますね。サーキットを走っていると特にそう思います。

もっと、こまめに更新して下さい。
あっ、今週末に156が納車されます。飽きるかな?(笑)

  • 2007/12/04(火) 04:04:56 |
  • URL |
  • スッド #-
  • [ 編集]

>スッドさん
あのねぇ・・・(苦笑)
年末は忙しいのっ!
156は楽しみですね。ryutaさんとお揃いじゃない?

えっ?

みんな156なんですか?

うちの156はAT周りからちょっとフルード漏れが見つかったので、ついでに12ヶ月点検出しました。ATはパッキン交換で済みそうなんですが、その他にエアフローメーター交換等で結構な見積が出てきました。ホイール変えちゃおうと思っていたのにまた延期ですv-12 まぁ今年は車検が無いからいいか。

  • 2007/12/05(水) 18:24:34 |
  • URL |
  • もりおか #viFXLnGQ
  • [ 編集]

>もりおかさん
クラブ内では、青がえるさんにもりおかさん、そしてJHさんもGTAですが156ですね。そのうち156オーナーズクラブでも作りますか(笑)

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