走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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エンリコ・フミア氏とランチアJ

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それは、クルマに何の興味もない方が見ると自動車とはまだ呼べない塊でしかありませんでした。
しかし、今までのどの車にも似ていない、しかしどこか懐かしさもあるそのスタイリングは、それが実物の1/4サイズであっても、初めて見たどんなヒトにも強烈なインパクトを与えるものでした。

エンリコ・フミア氏はランチア設立100周年を記念して、ランチアの歴史に対するオマージュとして、また低迷するランチアに対する未来へのスタイリング提案として、この「ランチアJ」というスタイリングモデルを作り上げました。

単なるモデルの製作であっても、ここまで漕ぎ着けるには並大抵の努力では不可能だったでしょう。確かに、もしこれが正式に承認されたプロジェクトであったならば、このようなクレイモデルはそのデザインプロセスの中で何台も作られるものです。
しかし、「ランチアJ」はランチアから依頼されたプロジェクトではありません。またピニンファリーナのようなカロッツェリアが、自社の資金で自動車メーカーに提案するスタディモデルでもありません。
エンリコ・フミア氏が彼自身の熱意と、彼の作品を待ち望む日本の仲間達の資金支援によって形を成したものなのです。

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当時の彼からの提案書にはこう書いてありました。

(前略)
思うに私が提唱した未来のライフスタイルとデザインは、もはや皆さんの文化となって定着したようです。日本という国は、イタリアと違う部分もありますが、似ているところも多くあります。特に言えるのは、文化への愛着と造詣の深さでしょう。その昔、アルファ・ロメオやランチアというブランドが立ち上がったときから、イタリアのエレガント・スポーティネスや大人の遊び心といった文化がクルマを取り巻く人々によって育まれ、大切にされてきました。この意味でも、皆さんはイタリア車のユーザーであると同時に、正統な文化継承者でもあるのです。

さて、今年はランチア100周年という記念すべき年です。私は、特別に日本の皆さんのために、あることを思いつきました。それは、ランチアの新しい世紀を祝う、全く新しい生粋ランチアの提案です。かつて幸運にもチェントロ・スティーレ・ランチアのトップにいたときは、自分の思う限りの素晴らしいランチア車をデザインすることができました。その内容は決して間違いではなかったと確信していますし、イプシロンの商業的成功が証明しています。フィアットをはじめとするイタリア工業界の低迷が続く中、この機会に未来のイタリア車のあるべき姿を世に示し、日本をはじめとする世界中のイタリア車オーナーに希望と夢を与えたいと心から深く願っています。
(後略)

そして私を始め日本のエンリコ・フミアファンは彼とともにこの希望と夢の実現に向けて共に動き始め、その第一段階がこのデザインモデルだったのです。

ボディサイズをDセグメントと想定したそのスタイリングは、単なるデザイン提案ではなく、前後、左右の各パネルをシンメトリックにデザインし、生産効率まで考えてあります。最大の特徴はその観音開きの前後ドアですが、各ディテールには過去のランチアの名車へのオマージュが散りばめられており、通人をニヤリとさせることでしょう。ボディの下部は全周に渡ってメッキでウェーブラインが入れられており、デザイン上のアクセントとなっています。
今までのどのクルマにも似ていない、しかし間違いなくランチアのクルマであると分かる「ランチアJ」を見た途端に、私たちはこのプロジェクトの実現を願わずにはいられませんでした。

未だかつてカーデザイナーとそのユーザーが一緒になって未来のクルマの提案を自動車メーカーに対して行うことなどあったでしょうか?

どんな有名な実績のあるデザイナーも為し得なかったこのプロジェクトはエンリコ・フミアという、製造決定権を持つ自動車メーカーの役員ではなく、数あるクルマの中から彼の作品を選ぶ購入決定権を持つユーザーを大切にする、稀有なデザイナーでなければ始められなかったであろうと思います。

そして、「ランチアJ」は静かに皆の心の中で動き始めています。

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