走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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10年前のアルファ・ロメオはどーなのよ?(その弐)

製造品質と部品品質の問題が抜本的に改善されたのは、Tipoシャーシーをベースに設計されたアルファ155以降であったと思います。
アルファ164もアルファ75も基本的な設計はフィアットに統合される前のアルファ・ロメオによって行われていました。従って設計は、アルファ・ロメオ従来の工場設備をベースにしていたのですが、フィアットの資本注入による新しい設備で製造するようになり、改善された部分と改善されなかった部分が同居した状態だったと思います。
一方で、アルファ155になって初めて設計段階から新設備を前提とした設計が行われるようになり、ようやく品質が安定して来たと思います。

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1990年以降のアルファ・ロメオを製造品質の面で区切るとすれば、アルファ155が分岐点になると思います。CAD/CAMを使用して設計され、そのデータが製造ロボット(ライン)にも反映され、組み立てられることにより、従来のモデルから格段に製造品質が向上したと思います。当初はアルファ・ロメオには自動ラインのマネジメント経験がなかったことによる問題は発生したようですが、それも経験を積むに従い各段に品質が安定し、ジドーシャとしてフツーのレベルになりました。

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自動化された溶接ラインによりようやく近代的な製造工場となりました

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ボディのタック溶接も完全にロボット化されています

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従来は人間が取り付けていたダッシュボードもロボットにより取り付けられるようになりました

アルファ155に用いられたエレクトリックシステムは、良く言えば安定しており、悪く言えば先進的なものがないと言えます。しかし、結果としてスイッチの接触不良程度のトラブルはあるものの、根本的にそれが原因で不動になったりするようなことはありませんでした。
使用される電気部品に関しても、ヨーロッパ統合の効果からかイタリアの国産部品という考え方からEU全体での部品調達という考え方に変わり、併せてメーカーの統合が進むと共に品質も高められたように思います。実際にアルファ155以降の電気部品はマレリ製からボッシュ製に随分と変更されています。

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通常、エンジンはエンジン専用の工場で組み立てられます。アルファ・ロメオはエンジン命!みたいなところがありますので、ブランドのアイデンティティを守るためにも自社製のエンジンを搭載することにはコダワリ続けました。
時計のように精密な…と言われ、日々進化し続けたポルシェのエンジンと異なり、アルファ・ロメオのエンジンはその進化のスピードが極めて遅かったと言えます。歴史と伝統の・・・と言うと聞こえは良いのですが、そのフィーリングはともかく、エンジンの機械としての改良は、排気ガス規制に何とか付いていったとしか言えないレベルでした。
何故、それでも生産し続けられたのかと言えば、基本設計が優れていたことと、その製造公差のマージンが緩く、旧来のエンジン工場でも最小の投資で安定して製造することができたために他なりません。

1750Eng.jpg

これが基本的なアルファ・ロメオのDOHC4気筒エンジンです。燃料供給はキャブレターで、カムシャフトはチェーンで駆動されます。排気量UPの余力は大きく、1300ccからスタートしたエンジンは最終的には2000ccまでUPされました。

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排気ガス規制と燃費の向上のため、ようやくキャブレターからインジェクションに変更されたのは1980年代後半になってからでした。それでもエンジンの基本的な部分は変わっていませんでしたから、従来の工場で製造し続けることができたのです。

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資金の余裕のないアルファ・ロメオはこの4気筒エンジンを改良するしかありませんでした。全く新しいエンジンを設計するということは、エンジン工場をも新設することを意味します。
従って、ヘッドの変更くらいしか打つ手がなかったのですが、それでも90年代になり、ヘッドをツインプラグ化し、ボッシュのエンジンマネジメントシステムを新しくすることにより、このフレキシビリティのある4気筒エンジンは格段の性能向上を果たします。
しかし、それもそろそろ限界でした。事実、他社であれば、とっくにエンジンを新設計していたと思います。

155V6Eng.jpg

一方でV6エンジンは従来の4気筒DOHCエンジンと同様に、永年に渡って作られ続けたエンジンですので、設計による不具合は殆ど解消されています。あとは組み付け精度の問題ですが、幸いなことに(笑)、昔の基準で設計されていますので、そんなに精密なエンジンではなく、極めてフレキシビリティのあるエンジンだと言えます。ただ、その鷹揚な組み付けで本来の性能が発揮されていないエンジンもあるため、タイミングベルトを交換する際に、カムシャフトやクランクシャフトを再度、規定値に従って調整しただけでエンジンが別物になったりもします。
ただ、これは不具合という問題とは異なるのは言うまでもありません。

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最終的には24V化され、排気量も3200ccまでUPされますが、このV6エンジンに関しても基本設計が優れていたことにより生きながらえたと言えます。ただ、これほど長い期間、新設計エンジンに替わらなかったのは、資金的な問題だけではなく、アルファ・ロメオの自社製エンジンをメーカーだけでなくマーケットも求め続けたからでしょう。
しかし一方で、独自でエンジンを新設計し、新しいエンジン工場を建設するためには、アルファ・ロメオの製造車種と製造台数ではとても採算が取れないのが現状なのです。

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4気筒エンジンは90年代半ばになりようやく新しくなります。最小の投資でエンジンを新設計するために、フィアットの4気筒エンジンにアルファ・ロメオ設計のヘッドを載せるという方法が取られたのですが、ようやくエンジンの設計も製造方法も全く新しくなったこのエンジンは、アルファ155の後期モデル以降約10年間の間、アルファ・ロメオの4気筒モデルに搭載されることになります。
発表された当時、従来のアルファ・ロメオファンは歴史と伝統のエンジンがなくなることを悼み、新しいエンジンがフィアット製であることに失望したのですが、アルファ・ロメオにとっては他に方法はなく、最良の選択であったことは間違いないと思います。

長々と説明して来ましたが、この流れから、916系のSpiderは…、
新しい製造設備を前提に最初から設計され、使用する部品も新しくなり、エンジンも4気筒は完全に新設計のエンジンが搭載された、これらの意味ではアルファ155の後期モデルと並ぶ、全く新しいアルファ・ロメオの先駆けだったと言えます。
従って、従来のアルファ・ロメオの持つ共通の弱点は当てはまりません。
それでは、916系Spiderで気をつける点とはどこなのでしょうか?それはまた明日…。

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テーマ:アルファロメオ - ジャンル:車・バイク

コメント

こうしてみると、5101903は75とか155とかではなく、先入観もあるんでしょうが、164が似合ってますよ。916はノーコメント。

ただ、ジュリアの時代からアルファは電装系はボッシュが多いですよ。ここが唯一フィアットよりエライとこと思ってます。
大変イイ話なのでクリック

  • 2007/05/19(土) 14:45:56 |
  • URL |
  • BUSSO #-
  • [ 編集]

>BUSSOさん
どれも似合わないのは困るので・・・(笑)、一台でも似合うのがあって良かったです。でも個人的にはアルファ75はもう少し格闘しても良かったかなと今になって思いますね。

510さんは確かに164が似合いますよね。
75は・・・どうも好みじゃないんですよね(苦笑)

  • 2007/05/19(土) 20:56:27 |
  • URL |
  • こ~んず #JalddpaA
  • [ 編集]

>こ~んずさん
それは164と心中しろってことなんですかね(笑)
アルファ75の新車の乗り味を知ってるんで、あれはあれで絶妙なんですよ~

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