走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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ヒストリック・フェラーリ

連休中ということもあり、友人宅にちょっと遊びに行きました。彼はアルファ164オーナーズクラブのメンバーなのですが、どういうワケか様々なクルマが彼の手許に集まってきては去っていく…というウラヤマしくも悲しい環境にあります。
そんな彼が、これだけは…と大事に持ち続けているのが、本日ご紹介するフェラーリ308GTSです。

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正直、私個人はフェラーリ308が今やヒストリック・フェラーリに括られてしまうのには抵抗があります。私にとってヒストリック・フェラーリとはせいぜいデイトナまでのフェラーリで、ディーノはともかく、ミッドシップのフェラーリはみんな「現役」だと思うのですが…、良く考えてみるとこの308GTSは1978年式で、すでに30年前のクルマなのです。

さて、簡単にフェラーリ308についてご紹介しますと、発表は1975年のパリサロンで最初はFRPボディのGTB(Berlinetta)が発表されました。基本的なメカニズムはその2年前にベルトーネのデザインによって発表されたディーノ308GT4と同じです。
この308GT4は2+2のレイアウトで、リアに8気筒エンジンを横置きに配置し、フェラーリのボトムレンジを担うモデルとして発売されたのですが、デザイン的には従来からのフェラーリファンには不評であったため、やはりフェラーリはピニンファリーナじゃないと…ということで、誰が見てもピニンファリーナデザインの流麗なデザインで発表されたのがこの308GTBだったのです。
その2年後の1977年のフランクフルト・ショーにGTBの屋根を取り外せるデタッチャブルトップ仕様のGTS(Spider)が発表されました。
GTSはフェラーリの最大のマーケットであった北米の販売からの強い要望によるもので、同時に北米での安全基準を満たすためにボディをFRPから通常のスチールに変更されます。

エンジンは2926ccのV8・DOHCで、当初はお約束?のウェーバーキャブレターを4基搭載し、最高出力255ps/7,000rpm、最大トルク30.0kgm/5,000rpmを発揮したのですが、排ガス規制強化により、1981年には燃料供給装置をキャブレター式からインジェクション式に変更、翌1982年にはエンジンヘッドを4バルブ化したモデル「クワトロバルボーレ」が追加され、1985年には排ガス規制で細ったパワーを補うために排気量をUPした「328GTB/GTS」となり生産を終了します。

308GTS.jpg

さて、彼の308GTSですが1978年式ということですので、スチールボディの2バルブキャブレター仕様なのですが、リアマフラーの出口には大きなカバーが付いています。これは標準仕様にはなく、排ガス規制による北米仕様の特徴なのですが、聞けばスイス仕様だったとのことで、どうやらスイスも北米並みの排ガス規制だったようです。

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この個体の最大の特徴は…ヘンにイジってないことです。マフラーは貴重なオリジナルのANSA製のスチールで、ホイールもインチアップされていないノーマルです。唯一の変更点はコクピットでシートはオリジナルではなくCOBRA製に変更されています。理由は、購入当初からオリジナルがなく、ナンとNSX用のシートが付けられていたのですが、あんまりなので交換したとのことです。ステアリングはこれも定番のMOMOのPrototipoに交換されていますが、オリジナルに比べて全く違和感がありません。

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今回は、試乗させてもらいましたのでそのインプレッションをお伝えしたいと思います。残念ながら試乗が夜だったので写真が撮れず、今回ご紹介した写真は以前オーナーがMOTEGIのHistoric Automobile Festivalに参加したときのものです。

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結論から言いますと、30年前のフェラーリは全く何の問題もありませんでした。きちんと調整された4基のキャブレターは40φというノーマル径であったこともあり、カブりもグズりもしません。アクセル開度にワンテンポ遅れてグワっと反応するマルチキャブの特徴さえ理解しておけば、その豪快な吹け上がりを堪能することができます。
そして次に感激したのがその排気音です。それまで試乗したフェラーリはK○DAやらT○BIなどのスペシャルマフラーに換装されているものばかりだったのですが、このANSAのマフラーが一番良い音でした。それはステンレスともチタンとも異なるスチールが持つ濃厚でバランスの取れた排気音でした。

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ステアリングはもっと神経質かと思いきや、ノンアシストで切り出しは重いものの、走り出してしまえば意外にフツーでした。特筆すべきはそのシャーシーとのバランスで、タイヤサイズがノーマルだったこともあり、ミッドシップ特有のクイックすぎる反応ではなく、しっとりと曲がる絶妙なステアリングフィールでした。
直進安定性も良好で、恐らくシャーシー剛性を基本として全ての動作系が設計されているのでしょう。決して何かが突出してスゴい訳ではなく、クルマ全体が当たり前に挙動するフツーのクルマでした。ミッドシップフェラーリと言ってヘンに恐れる必要は無く、これならランエボやインプレッサの方が遥かに過激なクルマだと思いました。
ただし、オーバースピードでコーナーに進入し、怖くなってアクセルを抜くと…イッキにオーバーステアになりスピンしてしまうというミッドシップの運動特性は、彼がこのMOTEGIで実演してくれました(笑)

最大の問題は視界で、サイドミラーはその取り付け位置が悪いため全く後方が見えず、これは個人的な体型の問題ですが(泣)、メーターもステアリングが邪魔して見えず、目線の先にはフロントグラスの上縁が邪魔して前方が見ずらく、とにかく視界の確保には苦労しました。

308GTSinMOTEGI.jpg

308に込められたフェラーリのエンターテインメントは、ピニンファリーナの抱きしめたくなるような美しいボディと、その絶妙なサイズ、それに加えて意外とも思える素直なハンドリングとフラットトルクなV8エンジン…と、そこには何も突出した過激なもののない、至極真っ当なクルマ本来の姿の凝縮でした。

自動車評論家によってはこのフェラーリ308/328はフェラーリではないとも言われたことがありますが、フェラーリがヘンに新しいことにチャレンジせずに、当時すでに確立された技術と自分達の設計技術の蓄積の延長線上で作ったのがこの308だと思います。従って、そのレベルはともかく、全てがきちんとバランスされており、308をちゃんと味わおうと思えば、極力ノーマルを保つことに尽きると思います。

ちゃんと整備されたノーマルの30年前のフェラーリは現代でも通用する、むしろクルマの本質を教えてくれるフツーに乗れるクルマでした。
彼が手放さない理由が少し分かった気がしました。

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テーマ:フェラーリ - ジャンル:車・バイク

コメント

308シリーズ、私も好きです。
大き過ぎない最後のフェラーリなのもポイント高いと思います。
最近のは大き過ぎますからね。

  • 2007/05/06(日) 09:44:16 |
  • URL |
  • こ~んず #JalddpaA
  • [ 編集]

>こ~んずさん
本当にサイズがいいですね~
あと、書きませんでしたがサイドコンソールのトグルスイッチと照明に結構ハマりました。後期型だとフツーのスイッチになっちゃうんですよね。

マフラーカバーが付くのはUS仕様、日本仕様、オセアニア仕様、スイス仕様みたいです。エンジンの仕様はドライサンプ・シングルデスビ(初期型のFRPモデル)、ウェットサンプ・シングルデスビ、ウェットサンプ・ツインデスビ(USや日本、オセアニア)の3種類で僕のは大変珍しいウェットサンプ・シングルデスビです。パワーは3つの中間。
オーナー談でした(笑)

  • 2007/05/22(火) 05:45:46 |
  • URL |
  • スッド #-
  • [ 編集]

>スッドさん
補足説明ありがとうございます。
もはや、走ってるだけでありがたく、細かい仕様の違いで偉いとか偉くないはなくなってしまってますね。
それが、ヒストリックの証なんでしょうか(笑)

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フェラーリは永遠の憧れ

フェラーリ情報

  • 2007/05/12(土) 14:27:27 |
  • フェラーリは永遠の憧れ

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