走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

地獄クルマを訪ねて・・・その四

主治医であるクイックトレーディングに入院してくる、まず世間ではめったにお目にかかれない…であろう「地獄クルマ」(失礼!)を不定期にご紹介するこのコーナーも4台目となりました。

本日ご紹介するのは、アルファ・ロメオオーナーは名前は知っていても、めったにお目にかかれないFIAT Tipoです。
このFIAT Tipoほど、私たちにとって身近で有名なクルマはないはずなのですが、その実態がベールに包まれ(というか単に見かけないだけなのですが…)ているクルマもないのではと思います。

DSC00448.jpg

なぜ、私たちにとって身近かと言いますと、アルファ155、145、146、GTV/Spiderは全て、このTipoのシャーシーをベースに設計製造されたからなのです。それが良かったか悪かったかはともかくとして、1990年代中盤のアルファ・ロメオの量産車はアルファ164を除き全てがこのTipoのシャーシーを使用していたわけですから、このTipoというクルマの出来が悪いわけはありません。

FIAT Tipoは1988年に、モデル末期でどうしようもなく販売が落ち込んでいたFIAT Ritomoの後継車として、3/5ドアハッチバック車としてデビューしました。ヨーロッパのこのCセグメントというクラスは、日本以上に重要なマーケットで、量産車メーカーの底力というか力量が最も問われるクラスです。歴代のFIATはこのクラスを得意としていましたので、当然このTipoの開発には「社運をかけて」望みました。

FIATは当時最先端?の設計/製造方法であった、車両の構造をユニット化し、基本シャーシーに様々なボディ形式を被せることにより、車種別々の開発費を抑えるという手法をこのTipoで実施します。それは当時のFIATがランチアに続いてアルファ・ロメオまでも傘下に入れざるを得ず、各ブランドの開発費を統合する必要に迫られていたことによります。この計画はTipo2/3プロジェクトと呼ばれ、その最初のクルマがこのTipoだったというワケです。
余談ですがこのTipoベースのバリエーションは凄まじく、FIATからは…、
テムプラ (Tipoのセダン版) 、テムプラ・ウィークエンド(ワゴン)、テムプラ・クーペ、クーペ・フィアット、ブラーボ/ブラーバが製造され、
ランチアからは…、
デルタII、デドラ、デドラ・ステーションワゴンが製造されました。
そしてアルファ・ロメオに至っては…、
前述しましたように、アルファ145/146、アルファ155、GTV/Spiderが製造されましたので、Tipoシャーシーは「骨の髄までしゃぶり尽くされた」と言えます。

さて、このTipoですが発表の翌年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞する位ですから、クルマとしては至極まっとうで、Cセグメントに求められる実用車としてはすこぶる秀逸なクルマだと言えます。
ヘンに「いいカッコ」せずに、実用車をフツーに設計したときのFIATは本当に良い仕事をします。Panda、Unoがその良い例ですし、このTipoも同様です。Panda、Unoが巨匠ジウジアーロの作品だったことに対して、このTipoはカロッツェリア「I・DE・A」に在籍した時代のエルコーレ・スパーダの手によるものです。3ドアはごくフツーのデザインであることに対して、日本に輸入された5ドアはその個性が光っています。特にその「とってつけたような」リアはTipoの個性であるとともに、ラゲッジルームを有効に広げるためでもありました。この辺りが実用車には重要で、デザインのためのデザインではなく、その成果が必ず居住性や使い勝手に反映されていなければ、真の実用車としては評価されないと思います。

DSC00443.jpg

残念ながらこのTipoは日本では全くと言っていいほど売れませんでした。Cromaのときにも書きましたが、それはひとえに日本の輸入体制が脆弱だったことと、日本のマーケットでのFIATのポジショニングが曖昧だったことによるものです。私はどうしてこのTipoに、日本だけABARTHのバッジを付けて売ったのか理解に苦しみますが、「イタリアの熱い血」とか何とか言って売らなければFIATは売れないと思ったのでしょう。かくして日本への輸入は1994年に打ち切られてしまったのですが、ヨーロッパでは1995年まで製造され、FIATにとってはスマッシュヒットとなったクルマです。

その日本でこのクルマに乗っているオーナーは、このクルマのサイズ(5ナンバー)とその居住性、そして必要にして充分な動力性能を評価している「分かっているヒト」と言えるでしょう。
誤解を恐れずに言わせて頂ければ、クルマに対してヘンな期待も夢も持たず、冷静に自分のライフスタイルに合った道具としてクルマを選んだときに、このFIAT Tipoは選択肢の最後まで残ってしまうクルマではないでしょうか。

FIAT Tipoが農家の納屋に耕運機なんかと一緒に入っているとすごく絵になると思うんですが…。

DSC00445.jpg

DSC00446.jpg


クリック↓お願いします!
b_01.gif


スポンサーサイト

コメント

ウーノともちがい、ティーポもインパネ廻りにオリジン性アリマスネ。。
サイドの後ろ小窓は
私、愛用のZXがパックてます。。

>いちまたさん
この当時のヨーロッパ車はインパネに独自性があったというか各メーカーが模索していた時期なんでしょうね。ただ材質が悪く、経年劣化で割れてしまうのが残念なところですが・・・(苦笑)

地獄クルマ興味深く読ませていただきました。
以前ティーポ16Vに乗っていたのですが、あのクルマを選んだ時点で冷静では無いような気がするんですが(^_^;)

地獄クルマの6台中1台を買いかけ、2台が購入候補に挙がり、1台を所有した自分は立派な変人だと今更思ったりして、ティーポの前はリトモ乗っていたし…。

  • 2008/05/22(木) 01:00:44 |
  • URL |
  • 〇沢 #9L.cY0cg
  • [ 編集]

>○沢さま
過去ログをお読みいただきありがとうございました。
「地獄クルマ」は一方でクルマ好きの王道ですので(苦笑)、○沢さんは変人ではなく変態(失礼)だと思いますよ。
現在、リトモを題材にしようと探しているのですが、あるのは本当の地獄クルマばかりなのでなかなか出会えなくなってしまいましたね(笑)

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://ig510190.blog83.fc2.com/tb.php/118-bef14b52
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。