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走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

自動車趣味のセレクトショップ

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永年趣味クルマに乗っていると、様々な機会から販売店やメンテナンス・ガレージを訪れることがあります。雑誌に取り上げられることが多いショップであったり、広告を多く出しているショップは当たり前ですが、クルマ仲間の主治医や、紹介された「隠れた名店」など、名前を知っているだけの店から実際に訪れたことのある店まで、東京都内のイタリア車専門店に関して言えば殆ど知っていると言っても良いほどになってしまったのですが、そんな中にあって今回ご紹介するCOLLEZIONEは私の中では「名前は知っている」というカテゴリーに属するお店でした。

それは決して敷居が高かったからでも、あまり食指が動かなかったからでもなく、単に機会がなかったからで、以前から雑誌の広告などで目にしていた在庫車のラインアップは、イタリア車を始めとするラテン車好きにはなかなか「刺さる」ラインアップでしたし、その目黒通り沿いというロケーションから店の前を通る事が多く、いつかは覘いて見たいと思いながらなかなか機会がないだけだったのですが、最近ご一緒させていただくようになった「白金台アルファロメオクラブ」なるグループの方が新たにクルマを入れ替えることになり、その納車のご案内をいただいたので、ちょうど良い機会と思いお邪魔することにしました。

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私自身は代表の成瀬氏とは何度か「一方的に」遭遇しています。それはLaFesta Mille Migliaのエントラントと見学者としてであり、彼がドライブするALFAROMEO Giulietta Spiderはこのイベントの常連で、ナビゲーターを務める専務の金沢氏とともに、私自身にとっては「勝手に」顔見知りの関係でした。そして、昨年お邪魔したFIAT CAFÉでのクリスマスパーティで初めて実際に成瀬氏にお目にかかり、その物静かな風貌に違わぬジェントルな物腰に失礼ながら「違和感」を覚えたのも事実だったのです。

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おおよそ商売をする方の中で、自分が扱う商品を嫌いな方はいないでしょう。しかし、単に嫌いでないというだけではラテン車を扱う商売をするには不向きで、オーナーの多くは永年ラテン車を乗り継いできた「猛者」揃いですし、理詰めで売るにはその商品としてのラテン車はあまりに理不尽なことが多いために(苦笑)、顧客以上にラテン車に対する熱意と愛情を必要とするのではないかと思うのです。
ですので、私が今まで出会ったこの「業界」の方々は皆さんオーナー以上にマニアックな方が多く、本当に「大好きで」その商売をやっていることがその物腰から感じ取れる方々ばかりだったのです。

しかし、不思議なことに成瀬氏からも金沢氏からも、その物腰からこの「変態オーラ」(笑)を感じ取ることができないのです。どちらかと言うとお二人ともクルマ商売とは無縁の方々のように見受けられましたし、むしろ保険会社かハウスメーカーで仕事をしています・・・と紹介されたほうがしっくり来たかも知れません。
私自身はこうしてお目にかかってから以前にも増して、COLLEZIONEに興味が湧いてきたのですが、それはこのご両名の印象のギャップが果たして本当にギャップであるのか、それともちゃんと「変態」嗜好が隠されているのかを知りたいと思ったのです。

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初めて訪れたCOLLEZIONEの等々力ショールームは私にとってはかつてバーキン7やシボレー・アストロのSTARCRAFT仕様などを扱っていた「マルカツ」のショールームがあった場所で、それは目黒通り沿いの目立つ「一等地」にありました。
建物は目黒通り沿いの1Fと裏通りからアクセスする2Fからなり、初めてこのショールームに足を踏み入れて私が感じたのはやはり「違和感」でした。
それは1Fのショールームで、そこに並べられているのは紛れもなく販売車なのですが、通常の中古車販売店特有の「買ってください」的な雰囲気が感じられないのです。

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個人差もあるかと思いますが、私自身は幹線道路沿いにある中古車販売店のあの雰囲気があまり好きではありません。それは一物一価の中古車をただ並べて「叩き売っている」ように見えてしまい、その展示の仕方だけでどうも買う気が失せてしまうのですが、このショールームはまるで個人のガレージにお邪魔したような不思議な感覚だったのです。しかもそこにあるのは珠玉のクルマばかりで、さらに言うならばそれぞれのモデルが一番多く売れ、人気のある「売れ線」のボディカラーではなく、ちょっとハズれたものが多く、その展示車達から醸し出される雰囲気が益々、個人が自分の趣味で集めたクルマ達のガレージというイメージを強調しているのです。

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成瀬氏はBMWのメンテナンススタッフとしてこの「業界」のキャリアをスタートさせます。当初は現在のお仕事をするようになるとは全く考えていなかったそうなのですが、BMWがアプルーブドカーと銘打って中古車を積極的に扱うことになり、中古車認定査定士の資格を取得したころから、BMW以外のクルマも見て見たい・・・という欲求が強くなったそうです。そして氏は意を決してBMWを退職することにします。そして門を叩いたのが今は無きラテン車の有名店であったロ・スコントで、ここで氏は初めて営業のキャリアを積むことになります。
整備士の資格経験があり、中古車の査定ができ、営業経験を積むことができれば独立開業は視野に入ると思うのですが、氏はBMWを退職し、ロ・スコントに入社する際にこの明確な自らのキャリアビジョンを持っていたそうです。

そして、氏はロ・スコントでカルチャーショックを受けることになります。それはラテン車との出会いで、BMWに在籍していると味わうことのできない、クルマ全体から走ることの楽しさを伝えてくるクルマ達でした。
特に刺さったのはFIAT PandaやPEUGEOT 205GTIなどの小型車で、それまでのBMWのラインアップにない、これらのグレードの持つ日常で走ることの楽しさを味わうことのできるクルマ達に惚れ込むことになります。
成瀬氏にとってのキーワードは「軽い」「回る」「廻る」のようで、お好みはライトウェイトなボディに天井まで回るエンジンにクイックなステアリングという所謂、「ボーイズレーサー」的なクルマで、しかもその外観からは目を吊り上げた「ヤル気」を感じさせない独特のセンスをこれらのラテン車から得ることができたのではないかと思います。
そのセンスはちゃんとプライベートで乗られているGiulietta Spiderにも顕れており、小排気量で軽いボディを引っ張るという嗜好に沿った選択であることが見て取れます。

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COLLEZIONEのクルマ選びに関する哲学は、上質なオーナーから上質なクルマを手に入れ、それをまた上質なオーナーに引き継ぐというもので、イタリア車を始めとするラテン車が、単に年式や走行距離ではなく、その乗り手のメンテナンスによってコンディションを維持されて行く場合もあれば、乗り潰されてしまう場合もあることを体験上知っているからに他なりません。
また、そのクルマを大切にメンテナンスしてきたオーナーだからこそ知っている整備のノウハウも多く、そういった情報も含めて引き継ぐことができるのも個人買取の妙味なのだそうです。
余程のことがなければオークションでは仕入れないという氏の方針も、この考え方からすれば至極当然で、中古車査定士であるからこそ、その査定の限界もご存知なのだろうと思います。

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こう書くと、仕入れに関しては「待ち」の姿勢のように見えてしまうかも知れないのですが、唯一、積極的に取りに行くのが希少色であったり、変わった仕様のモデルなのだそうです。
これも氏独特の選択眼で、ラテン車において希少色のモデルを新車で「納期がかかっても」買うオーナーはクルマを大切にする方が多く、またそのモデルをCOLLEZIONEで買う方もクルマ好きで同様に大切に扱ってくれるからだそうですが、実際に今回納車に立ち合わせていただいたALFAROMEO 939 Spiderもシャンパンゴールドという希少色で、しかもFERRARI F355との入れ替えとのことですので、COLLEZIONEでは一般の中古車販売店とは異なる不思議な入庫や買い替えが日常で繰り広げられているのです。

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COLLEZIONEという店を理解する上で一番分かりやすいのはアパレルのファストファッションの店とセレクトショップの違いではないかと思います。
幹線道路沿いの大規模な中古車販売店が、売れ線で旬のクルマを大量に在庫して売っているファストファッション店だとすると、COLLEZIONEは独自のネットワークと自身のセンスで仕入れた、ちょっと素敵な服を売るセレクトショップだと思います。

以前の記事で書いたのですが、ラテン車に限らず自動車業界はこれから苦難の時代になると思うのですが、氏にこれからの経営課題は・・・?と尋ねると意外な答えが返って来ました。
私はこの質問をする際に、顧客層の拡大やら仕入れの多様化など現実の経営者としての直近の課題に対する答えを思い描いていたのですが、氏から返ってきた答えは、
「若いヒトを育てる」というものでした。
それは若い社員だけでなく、若いユーザーも同様で、若者に夢を提供し、その夢の実現のお手伝いをすることが年長者の役割だと考えているのだそうです。
そう聞けば、「仕事を休んで」ヒストリックカーイベントに出場していることも、そうして世間に露出することにより、多くの人々にクルマ趣味の楽しみを伝えたいとしていることが分かりますし、若い社員の皆さんが実に礼儀正しく、一生懸命に働いている姿も氏の「若いヒトを育てる」という理想が着実に実行されていることが分かります。

氏の柔らかい物腰の裏にはちゃんと熱いラテン車への思い入れも、その経営理念も隠されていることが分かりました。
そして、「お客様に自分の趣味を押し付けるようなことはしません」と言っていたにも関わらず、たまたま居合わせたお客様にお話を伺うと、

「以前、クルマを買い換えようと思って相談したら、そんなクルマは買うなと言われたんだよね~」

という証言?を得ることができました(笑)。
セレクトショップのオーナーはそうでなくちゃいけません(笑)が、一方でただの頑固親父になってもいけないのは商売の道理で、どうやら押し付けにならないようにちゃんとお客様に見合った「見立て」もされているようです。

まずは気軽に氏の「ガレージ」を訪ねてクルマについて話をしてみてはいかがでしょうか。
柔らかい物腰と丁寧な言葉遣いで、ちゃんとダメなものはダメとアドバイスしてくれると思いますよ。

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テーマ:自動車全般 - ジャンル:車・バイク