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走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

アイドリングストップからの脱出

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意外なほどにナニゴトもなく日常のアシとして活躍してくれているLANCIA Thema Turbo 16Vとの暮らしも2年が経過しようとしています。

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実は正直に告白すると最初はこのThemaにはあまりピンと来なかったのです。
Tipo4プロジェクトによるアルファ164と同じシャーシでありながら、方や世界一官能的なV6エンジンを搭載していたアルファ164の乗り味とあまりに違う2Lのターボエンジンを搭載したThemaは、加速力(感)には優れるものの、そのエンジンフィールは決して官能的とは言えず、どちらかと言うとエンジンの存在を意識させないものでした。
考えて見れば20年以上アルファ・ロメオ以外のクルマを愛車にしたことがなかったために、自然にエンジンの存在を一番に感じるようになってしまっていたのかも知れませんが、ようやく最近になってこのクルマの真価が分かってきました。
アルファ164がアルファ・ロメオの持つスポーティイメージを体現するデザインであったことに加えて、日本に輸入されたモデルはその全てがV6エンジン搭載という「贅沢」なモデルであったこともあり、その販売は好調だったのですが、一方のLANCIA Themaは販売網が弱かっただけでなく、その訴求ポイントが日本人には分かりにくかったのでしょう。それは今までのFIATにもLANCIAにも共通して言えることで、日本で販売するためのイメージ戦略が間違っていた(なかった)ことにより、本国ほどの人気とはなりませんでした。

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Alfa164とThemaの一番の違いを表しているのがこのサイドからのショットだと思います。
Alfa164がそのスポーティさを表現するためにフロントとリアのガラスを寝かせ、サイドにプレス処理でキャラクターラインを入れ、さらにサッコプレート(ボディ下部のカバー)で全高を低く見せ、フロントラインもエンジンを寝かせることにより高さを抑えてウエッジシェイプを造ろうとしていることが分かります。
一方のThemaは同じTipo4シャーシーですのでホイールベースも全く同じなのですが、ガラスの角度を立てることにより室内空間を視覚的にも大きく見せています。サイドにはキャラクターラインはなくモールのみとされ、敢えて全高を低く見せるような処理はされていませんが、その均整の取れたスタイリングはセダンとして全く破綻しておらず、むしろここまで真っ当にデザインされるとそれがかえって新鮮に見えます。

少なくともDelta以外のLANCIAの日本での立ち位置は実に曖昧だったと言えます。本国でのLANCIAはその上質なインテリアから公用車やビジネスユースに使われるブランドで、マゼラーティが貴族のクルマとするならば、LANCIAは上流階級のユーザーに好まれるブランドでした。
すなわち、スーツを着てどこに乗りつけても違和感がなく、仕事で後席にお客様を乗せて長距離を移動してもストレスなく、休日に家族とバカンスに出かけることもできるというONにもOFFにも使えることが、このThemaの美点であり、実際に多くのユーザーがThemaを支持したのもこの理由によるものでした。「ジェントルマンズサルーン」という評価はまさにこのThemaの立ち位置を良く表した表現だと思います。

そう考えるとアルファ164に搭載されたV6エンジンだとスポーティ過ぎるというか、エンジンがその存在を主張しすぎており、ビジネスユースに使うのであればThemaのほうが適しているように思えます。また前述したようにLANCIAの持つブランドイメージから、ある種必然的なデザインの差であったろうと思います。もちろんTipo4プロジェクトの最後のモデルであったAlfa164をデザインしたピニンファリーナのエンリコ・フミアさんがThemaを意識し、差別化を図ったのが実際で、Themaとアルファ164の差こそがアルファ・ロメオとLANCIAの差でもあると言えるでしょう。

ビジネスエキスプレスとして見たときのThemaは現代の目で見ても優れています。
そのパッケージングからもたらされるゆったりとした室内空間、イタリア車ならではの高速巡航性能、決してスポーティとは言えないまでも充分振り回すことの出来るハンドリング、使い勝手の良い広大なトランクスペース。そしてこの2Lターボエンジンに限って言えば、3000rpm回転までのジェントルな加速とターボが効き始めてからの矢のような加速は、スポーツ走行のためではなく高速道路での追い越し加速などの際にドライバーとパッセンシャーにストレスを与えないための仕立てで、このThemaの使い道に沿ったものと言えます。
当に、ジゥジアーロとLANCIAはこのThemaのコンセプト通りの設計をし、そしてそれを実現しました。
強いて欠点を挙げるのであれば、あまりに優等生すぎてつまらないことかも知れませんが、ちょっとワルが好きならばアルファ・ロメオという選択肢があり、他のブランドに客を奪われるのが嫌であれば8.32をオススメすれば良いのですから(笑)、Themaの通常モデルのラインアップはこれで良いのだと思います。

しかし車歴が20年を超えるとなると、いかにコンセプトやデザインが優れていても機械としては問題が出てくるのは当然で、過去に「エンジンストール団の組織壊滅」と題した記事を書いたとおり、その原始的かつ実験的なエンジンマネジメントから来る問題点が出てしまい、一掃作戦を展開したのですがどうしても最後の悪党であるエアフローメーターを残してしまいました。

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症状としてはアイドリング時のエンジンストールで、アクセルオンで走行しているときには何の問題も起こさないのですが、信号で停止する直前にアクセルを抜いたときにエンジンがストールしてしまうのです。
原因はエアフローメーター内のフラップがターボチャージャーのブローオフバルブが不調であったために、排気が逆流してフラップが叩かれ続けたために開閉バネが緩んでしまったことによるもので、アイドリング時に正常な空気流量が定まらずエンジンがストールしていたのです。もちろんすぐにセルを廻せばエンジンは再始動しますので、減速するときはシフトダウンをして、最後はヒールアンドトウでエンジン回転を落とさないようにして止まるという面倒な運転を強いられていたのですが、それにも慣れてしまい(苦笑)、個人的にはあまり悪さをされても気にならなくなってしまっていました。しかも、信号待ちでエンジンが止まる・・・というのはある種アイドリングストップとも言え、エコ?な症状でもあったのです。
しかし、トラブルはトラブルでセルモーターにも負担をかけますし、これから夏に向かいエアコンの使用頻度も増えるでしょうから思い切ってこの最後の悪党も逮捕することにしました。

一方でこのエアフローメーターを新品で入手するのは困難で、ようやく見つけた解体車のパーツをお願いしていたのですが、ジャンクヤードの奥にあり面倒くさいためになかなか手をつけてもらえず、こちらも時間ができたときで良いですよなどと「大人な」お願いをしていたためにズルズルと時間が経ってしまっていたのですが、さすがに無理を言ってようやく外して送ってもらいました。

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届いたパーツを見てみるとフラップそのものは頑丈で、これが曲がってしまうことは考えられませんでしたので、やはり開閉バネがダメになってしまったのでしょう。

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一つ気になったのは外観は全く同じなのですが、制御基板のシリアルNo.が微妙に異なっていることで、現在付いているものが、BOSCHの"0 280 202 115"であるのに対して、届いた部品の番号は"0 280 202 114"と末尾の番号が異なっているのです。これが単なるロット番号であれば良いのですが、何かの仕様が異なっているのであれば新たな問題となりかねません。

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まあとりあえず交換してみて・・・ということで、サクサクっと交換をしましたが、やはり取り外したエアフローメーターのバネはフラフラで指で押しても弾力がなくなっていました。

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そして交換してみた結果ですが、部品番号の違いによる問題は特にありませんでした。アイドリングも安定しており、もはやエンジンもストールすることはありません。
こうしてようやくエンジンストール団の最後の悪党を逮捕することができました。

しかし、これでボロい以外は(笑)不調な部分はなくなってしまったために、新たな問題が出てしまいました。
それは車検を通すか否かで、合理的な判断ではないのは分かっているのですが、個人的にはもう少しこのThemaと付き合ってみたくなっているのです・・・(苦笑)。

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テーマ:イタリア車 - ジャンル:車・バイク