関東地方にお住まいの方であれば、お台場の
ヒストリー・ガレージ を訪れた方は多いのではないかと思います。
それはVinus Fortというショッピングモールの中にあるトヨタが運営する博物館で、ちょうど今回の会場の反対側に位置しています。この博物館の素晴らしいところはその展示コンセプトだけでなく、入場が無料!というところで、ここにもトヨタの旦那芸が発揮されています(笑)。
今回のMEGA WEB フェスタに併せて久しぶりに覗いてみることにしたのですが、展示物も相変わらず素晴らしく、ちょっと照明が暗いことを除けば、自動車博物館としてのクオリティは素晴らしく一日いても飽きない場所です。
ヒストリー・ガレージはその名前の通り、昔の街中の「ガレージ」の雰囲気で統一された館内に、トヨタ車をはじめとする様々な名車が展示されており、さらに館内にはミニチュアカーショップやグッズを売る店に加えて、カフェが併設されています。しかもそのカフェはかつてのF-1ドライバーであったアレッサンドロ・ナンニーニがプロデュースしたもので、その雰囲気も館内のコンセプトを壊すことなく、ちょっと昔のイタリアのバールの雰囲気を醸し出しています。
ヒストリー・ガレージの面白いところは単なる展示だけでなく、実際にクルマのレストアも行っていることで、そのファクトリーも覗いて見ることができます。このファクトリーは行く度に入庫しているクルマが変っており、単にディスプレイとしてのファクトリーではなく、本当に作業を行っている夢のようなスペースです。
今回はJaguar E-Typeとキャロルがメンテナンスを受けていました。
それではまだ訪れたことのない方のために、主な展示車をご紹介して行きましょう。
入り口を入ると今、旬の?AE86が展示されています。実は私は半年ほどこのAE86に乗っていたことがあります。今まで殆ど公表?したことがなかったのですが、中古で買ったそのAE86は買った時以上の値段で売れて驚いたのを今でも覚えているのですが、私自身の肌にはあまり合いませんでした(苦笑)。
これは常設展示だと思うのですが、浮谷東次郎のドライブしたS800とLOTUS Elanが展示されています。この展示を見て初めて彼のことを知る人も多いと思いますが、説明プレートも分かりやすくまとめられています。
ちゃんとトヨタのF-1も展示されています。
これはTF101というモデルで2001年にトヨタがF-1に参戦するために製作した実験車です。流石に大トヨタらしく、まだF-1に参戦する前にF-1レースが開催される各国の11ものサーキットでテストを行い、3000ラップ以上走り込みました。かつてそんなことをするF-1チームはなかったために、他のF-1チームは相当ビビったそうなのですが、それで勝てるほどF-1は甘くはなく、参戦後のトヨタの苦闘はご存知の通りです。
ナンニーニカフェの外にも展示車があります。ここはクルマ廻しになっている場所で、例のライドワンコースの折り返し地点になります。ここを撮影スポットとしていれば随分と素晴らしい写真が取れたと思うのですが、残念ながら後の祭りです(苦笑)。
トヨタもちゃんとル・マンのGT1カテゴリーのマシンを展示しています。
TOYOTA GT-One(TS020)は1998年のル・マン24時間レースに参戦したマシンですが、こちらも日産R390と同様にトヨタの内製というより、外注されたマシンで、ダラーラがその開発を担当しました。このGT-1カテゴリーというのは建前は市販車を改造する・・・というのが前提なのですが、その生産台数の制限がなく、1台でもロードゴーイングバージョンがあればOKという規定でしたので、実際はレーシングマシンを開発してから「後づけ」でロードゴーイングバーションを製作するというのが常套化しており、このTS020も一台製作されたのですが、結局販売されることはありませんでした。
実戦ではトラブルに泣かされ、ミッショントラブルを最後まで克服することができなかっただけでなく、その何でもアリというGT-1クラスの問題点を浮き彫りにしたこともあり、結果として1999年からGT-1クラスが撤廃されるきっかけとなったマシンです。
一方でWRCで活躍したのがこのセリカ(T180)で、1993年にそれまでの王者であったLANCIA Deltaをチャンピオンの座から引きずりおろしたのがこのセリカで、Deltaファンからはあまり良く思われていない(苦笑)マシンです。
展示されていたのはサファリラリーに出場したマシンで、フィニッシュしたままの姿での展示でした。凹んだボディやずれたパネルなど、過酷であったサファリラリーの名残を残す状態でした。
常設展示スペースはその配置とディスプレイ方法が凝っており、ヨーロッパの街中のガレージといった雰囲気の中にクルマが展示されています。
アルファ・ロメオはこの一台だけですが、このSpider Duettoの程度は素晴らしくおそらく可動状態であろうと思われます。
その隣にはLOTUS Elanが展示されています。基本的には手を触れてはいけないのですが、当日は展示車の数台が試乗(運転席に座るだけですが・・・)可能で、記念写真を撮ったりできるよう配慮されていました。子供連れが結構写真を撮っていたのですが、こうした名車に触れる機会を積極的に造ることはとても重要で、これからのユーザーとなるであろう子供たちにクルマに対する興味を持ってもらうことは自動車産業にとっても重要な課題だと思います。
展示車の中でイタリア車はこのDino246GTSとFIAT500の三台だけですが、このDinoのコンディションも素晴らしいものでした。
しかし、この展示場所の最大の問題は照明が暗いことで、写真を撮るには最悪のコンディションです。私自身は撮影が許されている場所であっても他の見学者の邪魔になるので、フラッシュ撮影は極力しないことにしています。
お蔭さまで随分と鍛えられたので、撮影環境が少々悪くても手ぶれを起こさずに撮影ができるようになったのですが、この場所はさすがに暗すぎて、三脚を使わずに手持ちで撮影するのは限界でした。
ちなみに三脚を使う場合でもシャッターを押す際にカメラが動いてしまいますので、レリーズを持っていない時にはセルフタイマー機能を使えば。手ぶれを起こさずに遅いシャッタースピードで撮影することができます。
結構充実しているのが1950年代から1960年代のアメリカ車のコレクションなのですが、あまりに撮影環境が悪く写真を撮ることができませんでした。実際に訪れて是非ご覧いただければと思います。
そんな外国車のコレクションの中でもちょっと珍しい展示車がこのCITROEN 11Bのコンバーチブルです。
トラクション・アバンと呼ばれた前輪駆動車は現在は当たり前の方式ですが、初めて量産したのはこのシトローエンで、それは1937年と第二次世界大戦前のことでした。戦争を挟んで23年間もの間に75万台製造されたのですが、様々なボディ形式がある中でこのコンバーチブルは希少で、この個体は1953年製です。
引き続いて国産車の展示車をご紹介しましょう。
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テーマ:イベント - ジャンル:車・バイク
しばらくALFAROMEO Giulia Sprint GTAにかかりきりでしたが、完成するとすぐさま次の物件が待っています(笑)。
待っているのはその通りなのですが、今度の物件はイロイロとカスタマイズの要求があり、しばらく取り掛かれないために、息抜きのために自分のプラモデルを製作することにしました。
当初はカーモデルでも・・・と思ったのですが、それでは息抜きになりませんので、ここは飛行機のモデルを作ることにしました。今までは1/72スケールというどちらかというと小さなモデルを作っていたのですが、私の本業?は1/48スケールで、このスケールはコレクションと細部のディテールアップの両方が楽しめる、飛行機のモデルとしては国際的にも最もポピュラーなスケールです。
さて何を・・・と考えた結果、最近衝動買いをしてしまったAIRFIX社の1/48 MESSERSCHMITT Bf-109E-3/7を開けることにしました。実は昔からドイツ機はあまり好きではなく、過去にも造った記憶は数機しかありません。
その理由についてイロイロと考えたのですが、どうにもこれといった理由はなく、強いて挙げるならばその機体の塗装で、ドイツ機の塗装は面倒臭い割りにミニチュアにしたときにオモチャっぽく見えてしまうため・・・という理由くらいしか思い付きませんでした。
飛行機モデラーの中には変った趣味の方がいらっしゃり、有名なカラーリングやエース(撃墜王)のカラーリングには見向きもせず、敵に鹵獲された機体や第三国に輸出された機体など、ちょっと変ったカラーリングのものばかりを作っている方がいます。
例えば米軍に鹵獲された零戦やら、日本に鹵獲されたP-51Mustangなどを限られた資料を基に再現したり、輸出された自国以外のカラーリングにしてみたりと、どうやらその飛行機のオリジナルである自国のカラーリングには飽きてしまったと見受けられるのですが、一番ポピュラーな自国のカラーリング以上に格好良いものを探すのも楽しみの一つなのかも知れません。
このキットを衝動買いしたのは何よりその付属するデカールで、ボックスアートの通り、イギリス空軍に鹵獲されテストされた機体と、日本に輸出された機体が再現できるようになっています。また随分マニアックなものを・・・と思ったのですが、これは
AIRFIX CLUB という有料のCLUBメンバー限定で販売されたもので、一般には入手できない特別バージョンです。私自身は入会していないのですが、模型店としてメンバーになっている場合は輸入代理店を通さずに直接仕入れることができるようで、AIRFIXのWEBサイトで見て以来、欲しいと思っていましたので店頭に並んでいるのを見て思わず購入してしまいました(苦笑)。
このような限定キットは時間が経つとプレミア価格で売買されるのですが、模型はやはり「造ってナンボ」ですので、このBf-109を日本陸軍が輸入してテストした仕様で組み立ててみたいと思います。
日本に輸入されたBf-109に関しては、
過去のブログ記事 でその概要を書きましたのでそちらを参照していただければと思いますが、問題はその塗装で調べてみると諸説あるようなのです。
それはScale Aviation誌に掲載されている塗装解析で、その道の研究者である西川幸伸氏によるデジタル技術を駆使した作画技法により、まず当時のマニュアルと各種資料からその機体の型式毎の図面を作成し、それを画像編集ソフトで当時の写真に重ね合わせ、パネルラインや開口部などを目印にマーキングなどの正しい形状や位置を写し取り、さらに時代考証と解析により塗装色を割り出すという気の遠くなる作業によるもので、機体毎の特徴や経年劣化による塗装の剥がれや劣化なども分析し再現されており、そのモデルを作らなくとも見ているだけで楽しい図面です。
AIRFIXの塗装指示は機体下面と側面がRLM65(ブルーグレー)という青味がかったグレーに上面はRLM71(ダークグリーン)とRLM02(グレー)の迷彩塗装。そして側面はRLM71(ダークグリーン)のモットリング(スポット迷彩)というドイツ戦闘機の定番の迷彩塗装なのですが、一方でこのScale Aviationという雑誌に掲載されていたデジタル解析による塗装分析によると、このAIRFIX指定の塗装である可能性も示唆しているものの、機体下面と側面はRLM76(ライトブルー)で、機体上面はRLM74(グレーグリーン)、 RLM75(グレーバイオレット)の迷彩に、側面は同2色のモットリング(スポット迷彩)というもので、実物を見たことのない私にとってはどちらを採用するか・・・で悩んでしまいました。
以前の記事でも書きましたが、ミニチュアモデルの塗装に関しては正解はなく、その塗装色が完全に分かっていたとしても肉眼で見える色調は様々な解釈があるかと思います。
第二次大戦のドイツ機の塗装に関してはその年代によってある程度の規則性があるものの、個々の機体別に随分と異なっており、さらに末期になるとその個体差はさらに大きくなるために、このように研究者が存在するほどの研究テーマなのですが、今回の場合は西川氏によるデジタル解析を信用してScale Aviation誌の解釈で塗装したいと思います。
このキットはAIRFIX社が新しく金型を設計したもので、以前に製作した1/72スケールのものと同様にその出来栄えは素晴らしいものです。パーツの中には航続距離を伸ばすためのドロップタンクや戦闘爆撃機(Ja-Bo)型が搭載する爆弾に加えて、砂漠用の防塵フィルター、二種類の主翼の機銃口と二種類のキャノピーが含まれており、E型の様々な仕様で組み立てられるようになっています。
Bf-109E型は有名機でもあるために数多くのメーカーからキットが出ていますので、必ずしもこのAIRFIX社のものが一番とは言えないかも知れませんが、私自身はあまりその細部の考証に拘りがあるワケではありませんので、今回も最低限の考証に止めて、極力このキットを弄らずに素直に指示通りに組み立てて見たいと思います。
まずは部品の洗浄からです。以前にも書きましたが最近の国産キットの場合は殆ど問題はないのですが、AIRFIXのような輸入キットの場合には、まだまだパーツの表面に金型からの離型剤が残っている場合があり、そのまま組み立てると塗装する際に塗料をハジいてしまうので、今までは薄めた中性洗剤と歯ブラシで洗い落としていました。
ところが、模型店で店主とハナシをしている中で、「これすごく良いよ~」と薦められたのが写真の
クリーナー で、試しに使ってみたところスプレーして2~3分ほど放置して水洗いすると完全に脱脂することができました。以前のように歯ブラシを使うとパーツを傷つけてしまう場合もありますが、このクリーナーはそうして擦り落とす必要がなく、すこし臭いがあるもののなかなかの優れモノでした。
パーツ洗浄が終わったら大まかに仮組みを行います。パーツ割は標準的なものですが、新しい金型の割にはバリが少し多いような気がします。しかし、過去にAIRFIXの1/72スケールを造ったので分かるのですが、パーティングラインの配置はメーカー毎に特徴があり、AIRFIXの場合も簡単に見つけることができます。また、AIRFIXのプラスチックは削りやすいものですので、以前にご紹介した320番のタイラーを使えば簡単にゲートやパーティングラインを削ることができます。
胴体左が処理後で右が処理前です。コクピットの側壁上に目立つパーティングラインが入っているのがお分かりいただけるでしょうか。
またAIRFIXの特徴なのか?左右の取り付けダボと穴の合わせがきつく、うまく合わせることができないので、穴側をデザインナイフで削って大きくしておきます。
このキットはエンジンカバーを着脱し、エンジンを見せることができるようになっています。余程ディテールアップするのであればともかく、この状態でエンジンを見せる価値があるとは思えませんので接着してしまうつもりですが、そうなるとパーツの削り合わせを丁寧に行わないとこのままでは合わせ目の段差が大きくなってしまいます。
飛行機のキットで一番気になる点は主翼と胴体の合わせ目で、上反角が正確に決まってなおかつ胴体との合わせ目に段差ができない・・・というのが理想なのですが、100%完璧というキットはなく、多少でも修正を必要とするものです。
このキットの場合は胴体と主翼の合わせは合格点で、これなら大幅なパテでの修正は必要ないでしょう。
主翼上面と胴体との組み合わせは若干隙間が開きますが、これは接着時に上反角を決めるために若干上に吊り上げるようにして接着するとかっちりと合わせることができます。
このキットの問題は突き出しピンの跡で、それは金型を使って射出成型されている以上、仕方ないものなのですが、どうしたものか主脚収納部やコクピット内部にこの突き出しピン跡が残っています。他にも隠せるスペースはあるので、これらの場所は避けておいてくれればと思うのですが、こうした細かな配慮は日本製のキットが一番だと思います。
仮組みを行って大まかなパーツの合わせに関する修正点は分かりましたので、いよいよ組み立てを始めましょう。
今回はエアブラシと筆塗りの良いところを組み合わせて、苦手だったドイツ機の独特な塗装にチャレンジして見ようと思います。
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テーマ:模型・プラモデル - ジャンル:趣味・実用
当初の予定では、このMEGA WEB フェスタはお目当てを見たら早々に移動し、本来の目的であるノスタルジックカーショーの会場に移動しようと思っていたのですが、思いのほかこちらのイベントが面白く、最終的には両者ともほぼ同じ時間を過ごすことになってしまいました(苦笑)。
ロータス72の並びには様々なレーシングカーが展示されています。どうやらこのエリアはトヨタ車以外・・・というのがテーマであったようで、ロータス72の隣に展示されていたのはNISSANのR390でした。
日産R390は日産がVRH35という3.5L V8ツインターボエンジンを供給し、この業界では老舗?のTWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)と共同で開発されたマシンです。当初は国際耐久レースのスポーツプロトタイプクラスに出場する予定でしたが、最終的にTWRに保管されていたジャガー・XJR-15がベースカーとなり、出走するクラスはLMP1からGT1へと変更されました。このカテゴリーでは市販モデルの製造も要求されていたため、1台のみロードゴーイングバージョンも作られましたが、当時の日産の財政上の問題から量産されるには至りませんでした。
日産とTWRの共同開発と言いながら、実際のボディデザインはTWRに丸投げされ、日産は主にエンジンを始めとするメカニカルパートを担当したのですが、日産とTWRのコミュニケーションの問題もあり、レースのレギュレーションに精通しているTWRと、その解釈上の注意点をあまり理解できなかった日産側との問題でレギュレーション違反を指摘されたりで、必ずしも連携がうまく行ったとは言えなかったのが残念なところでした。
しかし、日産単独でのマシン開発にはその経験不足からのリスクもあったために、参戦を前提とするのであればTWRと組んだのは決して間違いではなかったと思います。
ル・マン24時間には1997年に初参戦し、予備予選ではポールポジションを獲得する順調なスタートでしたが、レギュレーション解釈の違いによりギアボックストラブルが発生してしまいます。
1997年型R390はリヤトランクをメッシュとし、ギアボックスの冷却ダクトの内部に収容していたのですが、それが現地でレギュレーション違反と指摘されてしまい、急遽トランクを密閉構造の箱形に変更せざるを得なかったために、ギアボックスが過熱しトラブルを起こしてしまったのです。
そして、翌1998年の参戦時には、1997年のマシンの弱点であったギアボックスの改善、ロングテール化などの空力改善、ウィリアムズF1チームからTCSやABSなどを導入するなどの改良を施して性能が向上し、さらに堅実なマシン作りを徹底したことにより抜群の安定性をみせ、星野一義・鈴木亜久里・影山正彦の乗るマシンが総合3位を獲得しました。これは日本人ドライバーとしては歴代トップの成績で、短かった日産R390のレースの中でも最高の結果でした。
後から資料を見たので確認はできなかったのですが、リアのコンビネーションランプはCoupe FIATのものが流用されているということで、日産のパーツではないことが、ボディ製作をTWR側に丸投げしていたことを良く表していると思います。
さらにその隣にはNISSAN 240RSが展示されていました。日産が参戦していたWRC(ワールド・ラリー・チャンピオンシップ)マシンですが、ベースはS110型のシルビアで、当時のホモロゲーションであったグループBカテゴリーに合わせて200台が製造されたのですが、その殆どが海外での販売で日本国内では希少車となっています。
WRCに参戦した期間は1983年から1986年までで、最も活躍したのが1983年のニュージーランドラリーで、トップ10台中4台が240RS(最高2位)という活躍を見せたのですが、このグループBはLANCIA 037RALLYやAUDI QUATTROに加えて後半にはPEUGEOT 205 Turbo16やLANCIA Delta S4にFORD RS200と強豪ぞろいであったために、なかなか優勝するチャンスがなく、WRCがグループBからグループAに移行すると同時に一線から退くこととなりました。
そしてその隣に展示されていたのは最新のレーシングマシンでした。
それは三菱が製作したi-MiEVエボリューションというモデルで、写真でも分かるとおり完全なEVマシンです。
このi-MiEVエボリューションは、フロントに1基、リアに2基のモーターを装備し、ヒルクライムレースとして一番有名なパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに参戦する予定だそうです。
考えて見ればトルクの立ち上がりが速い電気モーターはヒルクライムという競技には適していると思いますし、標高が高いこのレースにおいては、内燃機が苦労する酸素供給とは無縁の電気モーターを動力とすることも有利に働くだろうと思います。また耐久レースとは異なり、ヒルクライムはスプリントレースですのでバッテリーの心配もいらないでしょう。
このような実戦用のマシンを見ると、EV開発が実験的な段階を過ぎて実用化と成熟化の段階に入ったことを感じさせてくれました。
一方で特設ステージではもう一台のパイクスピークへのチャレンジについて発表が行われていました。
それはTEAM APEVが今年のパイクスピークにチャレンジする新しいEVマシンの発表会で、そのドライブはあのモンスター田嶋こと、田嶋 伸博氏が行うというものでした。田嶋氏は永年スズキでこのパイクスピークに出場しており、昨年度はSUZUKI SX-4をベースにしたスペシャルマシンでパイクスピークの歴史上初めて10分を切るタイムで優勝し、6連覇という偉業を達成しています。
このパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムというレースはアメリカでインディ500に次いで歴史のあるレースで、1806年に探検家のゼブロン・パイクによって紹介された「パイクスピーク(パイクの頂)」と呼ばれる標高4,301mの山を、その山頂を目指して一気に駆け上りタイムを競うというヒルクライム・レースで、スタート地点の標高は2,861m。そこからガードレールのほとんどない全長約20km、高低差1,440mのコースを、改造無制限クラスでは1000馬力にも達するマシンを操り、156ものコーナーを抜けてただただ登る・・・という単純なレースなのですが、そのタイムは約10分間で、路面の一部は舗装されておらず、スタート地点とゴールでは気温や気圧が大きく変化するためにマシンのフレキシビリティとセッティングが試される過酷なレースです。
昨年度のマシンもデモ走行していたのですが、
パイクスピーク用に完全にカスタマイズされたそのSX-4 は市販車とは全く別物で、どうやらとんでもなくハードなサスペンスションを装備しているらしく、低速ではポンポンと跳ね回っていて、このマシンが完全にこのレース用にセッティングされていることが良く分かりました。
会場内には他にもレーシングマシンが展示されていました。それは探さなければ見つからない場内の端にあるカフェの前に置かれていました。
それはREDBULL RB1でショーカーと呼ばれるプレゼンテーション用のエンジンレスのものでした。REDBULL RB1は2005年のF-1レースに参戦したモデルで、その前身であるジャガーレーシングが開発していたモデルを引き継いだものです。エンジンはトヨタとは全く関係のないCosworth製のもので、その堅実な設計からランキング7位と予想外に健闘しました。
その隣はトヨタが展示するに相応しいモデルで、2004年のJGTC(全日本GT選手権)のGT500クラスに出場したau CERUMO Supraです。わずか8年前のモデルなのですが、隣のF-1マシンと異なり旧く感じるのは市販車をベースとしているからでしょう。
本当はここで会場を後にするつもりだったのですが、さらに久しぶりにヒストリック・ガレージというトヨタが運営する博物館にも行って見ることにしました。
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テーマ:イベント - ジャンル:車・バイク
その二日間のお台場はいつもの観光客の賑わいとは別に、クルマ趣味を持つ人々の熱気に溢れていました・・・。と書きたいところなのですが、昨今のクルマに対する関心の冷え込みのせいか、行楽シーズンに突入したために皆さん家族サービスに専念されたのか、実は予想していたほどの人出ではありませんでした。
一方で、その分丁寧に会場内を見ることができたので、個人的には有難い状況ではありましたが、今回の二種類のイベントは客層が全く異なっており、それも含めて興味深く見学することができました。
まず訪れたのは、天下の大トヨタが主催する、
MEGA WEB フェスタ と銘打たれたイベントで、国産車にあまり興味のなかった私は失礼ながらこのイベントのことを知りませんでした。実は本来行く予定であった
ノスタルジックカーショー のWEBサイトでこのイベントも同日に開催することを知ったのですが、そのプログラムはなかなか充実しており、何より驚いたのは「トヨタ車」以外のクルマも展示されたりデモ走行したりすることで、流石太っ腹のトヨタだけのことはあります(笑)。しかも入場無料と全てトヨタの持ち出しイベントであることからも、自動車産業をリードする会社として、自社のクルマの売り上げがどうこう以前にクルマの未来をどうアピールするかを考えたイベントとなっていました。
私のお目当ては日本で初公開となるロータス72とライドワンコースをデモ走行するロータス78で、その時間に合わせて会場入りすることにしました。
このお台場のトヨタシティショーケースという施設は、トヨタの全車種が展示されている巨大なショールームで、併設されたライドワンというクローズドコースでセールスマンなしで試乗ができるという、買う気がないチョイ乗りを気軽にできる施設なのですが、残念ながら私自身はその施設のことは知っていても、本気で中を覗いてみたことも試乗をしたこともありませんでした。
到着して見るとやはりF-1のデモ走行は人気があったのかすごい人出です。カメラ小僧ばかりか・・・と思いきや、現地での宣伝も行き届いていたのか、買い物に来て偶然知ったという家族連れや、海外からの観光客なども多く、ギリギリに到着した私はこのイベントをナメていたことを痛感しました。
係員に誘導された見学場所はガードレールと安全のためにさらに設けられた臨時のフェンスで遮られており、最前列以外ではとても撮影できるようなポイントではありませんでした。しかもデモ走行とは言え、走るのはF-1ですので恐らくチンタラとピットスピードなどで走行するとは思えませんので、早々にこの撮影場所をアキラメて移動することにしました。
この辺がカメラ小僧との決定的な差で、彼らはちゃんと撮影ポイントを事前にリサーチして知っているのでしょうが、私はと言えばスケジュールギリギリに会場に到着したために、すでにエンジンが始動されデモ走行の準備が始められている臨時ピットを脇目に、撮影ポイントを探してウロウロするハメに陥ってしまいました。
そして何とか見つけたのが建物2Fの通路で、カップルと家族連れの間に割り込んで(苦笑)、透明のフェンス越しではありますが何とか撮影ポイントを確保することができました。
待つことしばし、すぐ下でF-1のブリッピング音が響いてきました。それは懐かしいFord Cosworth DFVというV8エンジンの音で、どうやら最初にロータス78が走行するようです。
ロータス78は1977年と78年のF-1レースに出走したマシンというだけでなく、自動車史に残る名車で、史上初のグランドイフェクト効果を実用化したマシンです。それはロータスの創始者にして設計者であったコーリン・チャップマンのアイディアによりもので、そのヒントは何と第二次世界大戦で活躍したイギリスのモスキート爆撃機の設計からヒントを得たものであったそうです。
グランドイフェクトとはボディ表面の空気の流れを飛行機とは逆に設計することにより、飛ぶために発生させる上向きの揚力ではなく、逆に地面に押し付ける下向きの揚力を発生させることにより、マシンを安定させてスピードアップさせるというもので、結果として1978年のシーズンではロータスにコンストラクターズタイトルをもたらしました。またそのグランドイフェクト効果は他のF-1のデザインにも大きく影響を与え、後に市販車にまで採用されるようになり現在に至っているのはご存知の通りです。
このようにロータス78の設計は革新的だったのですが、そのエンジンはFord Cosworth DFVという「量産」F-1エンジンで、この3LのV8エンジンは1966年から1985年までの長きに亘って(その改良型は1991年まで)数多くのF-1マシンに搭載された名器で、一時はフェラーリの水平対向12気筒エンジン以外は全てこのDFV搭載マシンという状態でした。
そのエンジン音はターボ時代のF-1マシンやその後のV10エンジンの音を聞きなれた若い?ファンからすると随分と違った音に聞こえたのではないかと思います。ちょっと野太い低音が響くエンジン音は当時の記憶を一気に思い出させてくれました。
続いてエンジンに火が入ったのはマクラーレンMP4/5で、どうやら皆さんのお目当てはこちらだったようです。
1989年にマクラーレンとHONDAにタイトルをもたらしたこのマシンは、あの有名なセナとプロストによってドライブされたためにどちらかというとそのドライバーの因縁の方が語られることが多いのですが、このMP4/5マシンも自動車史に残るクルマです。
F-1で主流であったそれまでのターボエンジンがレギュレーション変更によって廃止され、HONDAも得意のターボ技術からNA(自然吸気)エンジンを新たに開発する必要が生じました。これでHONDAの時代も終わりか・・・と思われたのですが、HONDAはちゃんと自然吸気の3.5L V10エンジンをその前年に開発し、実績のあるマクラーレンMP4/4シャーシに搭載してシーズン当初からその威力を発揮します。面白くないのが他のチームで、それまでのターボ技術でHONDAに散々な目にあったために、ようやく自分たちにもチャンスが巡ってきたと思っていたら、またもやHONDAの独壇場となってしまったのです。
他のチームはHONDAやマクラーレンが優れているのではなく、セナとプロストというドライバーが傑出しているのだという理由をスポンサーに訴えなければならなかったのですが、別の見方をするとそれまでのF-1のチームマネジメントがヨーロッパ流の個人主義で運営されていたのに対して、HONDAが持ち込んだのは日本式の集団マネジメントで、その文化の違いと結果の方が彼らにとっては脅威であったのではと思います。
この辺りのハナシは後に様々な文献で語られていますので、興味がある方は一読されてみてはと思いますが、読めばHONDAとセナのF-1レースが単なるレース参戦ではなく、ヨーロッパ対非ヨーロッパという「文化戦争」であったことが分かります。
さて、そのマクラーレンMP4/5ですが、考えてみるとこのマシンもすでに四半世紀前のマシンですから立派なヒストリックF-1と言うことができます。
しかし、さらに旧いDFVと比べると排気量が0.5L増しで2気筒多いという違いああるものの、その音は決してそれだけによる違いではなく、エンジンマネジメントを始めとする全体としての制御が全く別物の感じがしました。DFVがフォーンフォーン・・・という音であるとすると、HONDA V10はキャーンキャーンというカン高い音なのですが、その音質の違いだけではなく明らかに現代のF-1に近い、世代の違う進化したエンジンのような気がしました。
こうしてデモ走行も終わり、続けて会場内に入るとそこは通常のトヨタの市販車に加えて、今回の特別展示車が目に飛び込んできます。特設ステージでは様々なトークショーなどが行われているのですが、まずはお目当ての展示車に一直線で向かいます(苦笑)。
今回の個人的なお目当てのもう一つがこの日本初公開のロータス72です。
このロータス72も革新的なマシンで、それまでフロントに置かれていたラジエーターをボディサイドに置くことにより、ボディ全体をそれまでの「葉巻型」と呼ばれた丸いボディからウエッジシェイプの空力特性を優先したスタイルに進化させ、その後のF-1マシンのスタイリングを確立させたモデルです。
ロータス72は1970年にデビューしたのですが、その後も改良されて1974年まで投入されました。今回展示されたのはロータス72Eというモデルで、1973年にロニー・ピーターソンによってドライバーズタイトル3位(コンストラクターではロータスが1位)を獲ったものです。
私自身がこの年代のF-1に興味を持ったのは田宮模型のプラモデルを通じてで、当時は現在のようにTVでの中継もなく、実際のレース結果などはごく一部の専門誌を通じてでしか知ることはできなかったのですが、田宮模型のボックスアートはF-1の魅力を最大に伝えており、小学生だった私は子供の手の届かない一番高い場所に置かれたそのモデルを首が痛くなるほど見上げていたものです。
確か、このアングルからのイラストが描かれたボックスアートがあったと思うのですが、私にとってこのJPSカラーのロータスフォーミュラはそのイラストが原体験となっています。
こうなると火がついてしまい、目線は完全にプラモ小僧となって、ディテール写真を撮りまくってしまいました。
こういったエンジンのパイピングはモデル作成の際に重要なディテールアップポイントです。しばらく見ていて気がついたのですが、この時代のF-1はエンジンがむき出して、現代のマシンのようにカバーで覆われていないのもその機械としての魅力を高めているポイントだと思います。
ロータス72の特徴の一つであるインボードディスクブレーキです。
一時はどのF-1モデルを作ってもエンジンは同じ・・・とちょっと食傷気味だったDFVですが、こうして見るとコンパクトにまとめられており、名器故に永年にわたって使われたことが良く分かります。
コクピットも現在のマシンと比べるとはるかにフツーです。F-1に限らずこの時代のマシンが最近は一般のコレクターの許でエキシビションレースなどに出走しているのを見かけますが、これなら何とかなりそう・・・と思ってしまいます。
この辺りのF-1に関する知識は私なぞ足許にも及ばない「大家」の方が大勢いらっしゃいますので、墓穴を掘るのはこのくらいにして、引き続き展示車のご紹介をして行こうと思います。
それにしても・・・ロータス72のプラモデルを作りたくなってしまいました(苦笑)。
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テーマ:イベント - ジャンル:車・バイク
永年イタリア車に乗り続けてきたために、どういう訳か友人のクルマ選びに付き合うようになり、結果として多くの物件に接する機会が増えると、何となくクルマを全体のバランスで見ることができるようになり、良いクルマと悪いクルマが分かるようになって来ました。一見すると実に大雑把なクルマの検分の仕方なのですが、それは意外に当たっていることも多く、「佇まい評論家」?としてごく一部の内輪で信用されるようになりました(苦笑)。
さらに、そのクルマを購入した友人の依頼で初期化チェックや部品の手配までを行うようになると、自分自身でも業者か・・・と思うような内容のサポートをするようになってしまったのですが、その中でも重要なのがテストドライブです。もちろんメンテナンス・ガレージのメカニックも行うのですが、それはチョイ乗りであることが多く、イタリア車の中古車の場合は、ある程度乗って見なければ分からないこともあり、私の場合は
最低でも半日程度は試乗することによりそのクルマのチェックをする ようにしています。このテストドライブは中古車を購入した場合は必要不可欠で、路上で立ち往生してしまうリスクもあるのですが、不用意に乗り出してからそれが襲ってくることを避ける意味でも、その「覚悟と準備」をしてテストドライブするほうが精神衛生上も好ましいことは言うまでもありません。
本来ならばこのテストドライブはオーナーの役割でもあると思うのですが、友人のR君はそういったことを私に「丸投げ」するクセがあり(苦笑)、過去にも115Spiderを丸投げされてこのテストドライブを行ったことがあるのですが、今回彼が手に入れたアルファRZも私がテストドライブをすることになりました。
今回は私のテストドライブの際の手法とそのチェックポイントについてお話したいと思います。
まずは車載工具ですが、
必ず自分の工具箱を積み替える ようにしています。私の工具箱には永年の経験からチョイスした様々な路上トラブルの応急修理グッズと工具が入っており、万が一のことがあった場合でも最低限自分自身で何とかできるようにしています。
出先でのトラブルでその原因が分かっており対処することができるのに、その部品や工具がない・・・という状況ほど悔しいことはありませんので、この車載工具箱はテストドライブの際の「お守り」としても絶対必要なものです。
さらに乗り出す際には必ず
タイヤゲージ(これも持って行きます)で空気圧を測定 します。もし適正空気圧でなければ乗り出し時に適正空気圧に調整してからスタートです。
そしてこれもポイントなのですが、
カーステレオなどの動作チェックをした後は音源をカットし、可能な限り窓は開けて走行 します。これは異音を聞き分けるための処置なのですが、今回の場合はオープンですのでさらにトップを開けて走行します。
テストドライブのコースは市街地、高速、ワインディングがミックスされているのが望ましく、今回選んだコースは館山自動車道を南下して、南房総の千倉まで行って戻ってくるというコースで、最近のお気に入りコースです。距離的には都心から南房総というのは伊豆半島と変わらない距離なのですが、方や、伊豆半島にテストドライブに出かけると渋滞にハマり、結果としてたいしたテストにならず一日仕事になってしまいます。
一方で房総方面は休日であってもハイシーズンを外せば殆どストレスなく走行することができますし、近年は随分と道路が整備され、国道から県道まで舗装が整っており実に走りやすくなっています。今回も途中で食事や休憩を挟んでも半日でこのコースを走破することができました。
写真は館山自動車道ですが、日曜日の昼間でこの状態です(苦笑)。千葉の観光産業にとっては由々しき事態ですが、テストドライブをする方には最上のコンディションです(笑)。
走り出してすぐに必ず行うチェックは
走安系のチェック です。
これは街中でもできますが、できれば高速道路の方がその特性が良く分かります。まずは高速の合流路の一定のカーブでステアリングのチェックです。ステアリングの舵角と速度を一定に保ち、ちゃんと車体が一定の円を描いて走行するかや、ステアリングにガタつきがあったり、おかしなテンションがかかっていないかを確認します。例えばパワーステアリングポンプに異常があったりすると、この時にステアリングからの反発が強くなったり弱くなったりしますし、異音がする場合もあります。またサスペンスションストラットの剛性が落ちていると挙動が一定しなかったり変な突き上げを感じる場合もあります。
高速道路に合流したらまずは
エンジンのチェック です。タコメーターを見ながら各速度域とギアの組み合わせを変えながら順番にチェックをして行きます。例えばギアを変えずに2000rpmから5000rpmまで1000rpm程度の幅で刻みながらアクセルオンとオフを繰り返し、それを各ギアで行います。エンジンをオーバーホールした場合はその「慣らし」をするためにも有効ですし、今回のRZのように永年動かしていなかったエンジンの場合はその「当たりをつける」ためにも有効ですが、本来の目的はエンジンの回転フィールとドライブシャフトの異常や消耗具合のチェックをすることにあります。
次に
一定速度でのレーンチェンジ です。私の場合は60km、80km、100km、1○○kmの四段階で左右のレーンチェンジを行い、ステアリングとサスペンスション関係のチェックを行っています。右と左のレーンチェンジで挙動が異なっていたり、特定の速度域で挙動が安定しない場合は、タイヤやホイールアライメントを始めとして何かしら問題がある可能性があります。
前述しましたが、
これらのチェックの前提はタイヤの空気圧が適正であることが重要 で、これが狂っているとテストになりませんので、出発前の空気圧チェックが重要であることがお分かりいただけるのではないかと思います。
もちろん走行中には
エンジンやボディからの異音には常に注意 を払います。RZのようなオープンモデルで重要なのはボディからの異音で、それが「異常な」音なのか「通常の」音(笑)なのかを聞き分けることが必要です。
ワインディングでは同じくクルマの挙動や異音に注意しますが、それまでの高速道路で問題がなければワインディングではあまり神経質にならずに、そのクルマの挙動を素直に楽しんでいます。テストドライブではいきなりワインディングを走ると何かあったときに事態がオオゴトになってしまいますので、先に高速道路を走るルート設定をしてドライブの初期の段階で不具合を見つけておくようにしています。
今回のテストドライブではこのクルマがやってきたときの問題がそのまま持ち越されていることが確認できましたが、一方で悪化しているポイントもなく、この個体がやはり「上物」であることが確認できました。
初期化の課題としてはやはりタイヤ です。トレッドの山は充分あるもののゴムは寿命を迎えており、そのゴツゴツとした乗り心地とワインディングや高速でボディを左右に振ったときの挙動にタイヤが殆ど貢献していないことが分かります。しかし、半日じっくり乗って見て気がついたのですが、クローズド状態では気になるタイヤノイズもオープン時では他にも様々な音がするために(笑)、それほど気にならなくなってしまいました。またグリップに関してはそんなにコーナーを攻めたりしないでしょうし、ましてやウェットグリップに関しては雨の日は乗らないでしょうからこれまた大きな問題ではないとすると、
それほど急いで交換する必要もないか・・・と思えて来ました。 タイヤを放置するとすると、火急の問題は
ベルト類の交換 です。
タイミングベルトはまだ大丈夫ですが、それ以外の補器類のベルトが鳴き始めています。特にこれから夏場に向かってエンジンルーム内の温度が高くなると、ゴムが延びるためにスベリも出てくると思われます。できる限り部品を集めて交換しておきたいと思います。
ベルトは北米で手配すれば簡単に入手できますが、北米で販売されているベルトは品質が悪いために、最後の手段にしたいと思っています。一番良いのは日本製のバンドー製なのですが、残念ながら該当するサイズのものがありませんでした。しかし、コンチネンタル製のベルトが入手できるかも知れない・・・とのことですので、その結果を待ちたいと思いますが、最悪でもイタリアのOEMメーカーであるDAYCO製のもので揃えたいと考えています。
オーナーからチェックを・・・とお願いされていたエアコンですが、風向きの方向も風量も切り替わりますが、残念なことに冷風は出てきません。コンプレッサーは動いていますので、原因としては
ヒーターコックが閉まらなくなっている ものと思われます。
以前にデルタの記事でも書いたのですが、ヒーターコックを全閉してしまうとヒーターコアにラジエーターの温水が廻らず、ヒーターコアの内部が腐食する原因にもなりますので、本来であればエアコンに切り替えた場合でも僅かにヒーターコアにも水が流れるのが理想なのですが、そうするとエアコンの効率が悪くなってしまいます。
もちろん現在の状態は完全に故障ですので修理をしなければならないのですが、一時しのぎではありますが、
夏場は手動でコックの開度を調整して固定しておくのも手かも知れません。 前後しますが、オーナーからお願いされていた作業に、フロントスポイラーの柱をブラックアウトするという作業がありました。
これは以前にZAGATORさんからご指摘いただいたポイントなのですが、RZの場合はこのフロントスポイラーの左右の柱が黒く塗られています。この個体はどうやら事故修理の際に気がつかずにボディと同色の赤で塗られてしまったようなのですが、オリジナル状態ではないと分かると気になるもので、オーナーにブラックのフィルムシートを用意しておくようにお願いしてありました。
彼が用意したのは建物外装用のシートで対候性も抜群なものなのですが、難点はそのフィルムの厚みで曲面に貼るにはちょっと分厚すぎるのですが、目立たない場所ですのでこのまま使用することにしました。
マスキングテープを現物に貼り付けてマーキングし、シートを切り出すサイズを測ります。
そのサイズでシートを切り出して貼り付けたら完成です。
RZのオーナー以外は気がつかないようなポイントですが、確かに「何となく」以前よりもフロントマスクが引き締まって見える・・・気がします(笑)。
さらにお願いされていたのがスペアキーの作成でした。
実はこの年代のアルファ・ロメオはブランクキーが入手困難で、やっと見つけても5,000円もするのです。さらに、このブランクキーが曲者で、通常の鍵屋さんは基本的にはブランクキー持込で鍵の複製はしてくれないのです。理由は失敗したときの弁償などの問題だそうですが、そうすると純正でなくてもどこかにこの特殊キーを扱っている鍵屋さんがないものか・・・と思ってイロイロ探して見つけたのが、この池袋にある
ベストサービス というお店でした。
ここで取り扱っているアルファ・ロメオ用のブランクキーは本国でも使われていたilcoというメーカーのものなのですが、聞けば輸入代理店が取り扱いを止めてしまったため、日本ではこれまた入手が難しくなっているそうです。
このお店はその代理店が止めるときに買い占めたとのことで、まだ在庫があるとのことです。
ご覧の通り右側のオリジナルキーと比較しても外観上は殆ど見分けがつきません。しかも目の前で作成してくれて(当たり前か・・・)お値段も1,800円と破格でした。
さらにイモビライザー付きの鍵の複製について聞いてみたのですが、この店はちゃんとコードコピー機も持っており、1996年以前のクルマであればメイクスを問わず対応可能とのことでした。残念ながらアルファ・ロメオ特有のあのデザインでのキー作成はできないと思いますが、興味がある方は訪ねて見てはいかがでしょうか。
今回のテストドライブで新しく発見された問題は
フロントからの異音 でした。それは帰りの高速道路上で発生したもので、ハブベアリングかブレーキディスクからの異音だと思われます。念のために翌日もチェックして見たのですが、その音はしませんでしたのでまだ初期の症状なのかも知れません。ハブベアリングだと部品の入手も含めてちょっとオオゴトですが、ブレーキディスクにパッドが当たっているだけであれば調整で治るかも知れません。いすれにせよ主治医にはその旨を伝えてチェックをお願いしておきました。
このように意識して定期的にテストドライブを行ってクルマの状態を把握しておくことはクルマの健康管理には重要なことだと思いますが、
日常の運転でもちょっと音楽を止めて五感を研ぎ澄ませて運転することにより、異常や消耗を早く発見することができる と思います。
今まで様々なクルマをこうして試乗して来たのですが、基本的には
テストドライブは絶対評価 だと思っています。どちらが良いかという乗り比べはオーナーのお仕事で、私が過去に乗ったことのある同型車であればその比較もできますが、
テストドライブはどこを初期化するかというポイントの洗い出しですので、あくまで悪いところをチェックするという目的で行っています。 クルマの試乗に関しては人それぞれで様々な考え方があるかと思いますが、売り物の試乗やこうしたテストドライブであればともかく、私自身は余程オーナーとの信頼関係がなければオーナーカーを「ちょい乗り」で試乗することは控えるようにしています。理由はもちろん何か事故があったときの問題だけでなく、自分が試乗中に何かトラブルが起こったときの問題です。テストドライブはそのトラブルも前提として行いますので問題はないのですが、単なる試乗中にそれが起こると、オーナーだけでなく私自身も気まずい思いをすることになります。
自分で部品を手配する際に世界中を探し回ったりして苦労した経験があるからこそ、事故の修復や修理部品の手配には膨大な手間がかかる場合があることを痛感しているからなのですが、何より私自身が試乗をしたい・・・と思うクルマがすでに生産されていない希少車ばかりであることが試乗を躊躇わせる最大の問題なのです(苦笑)。
こうしてアルファRZは主治医に入院することになりました。退院後は無事に気持ちよく夏を乗り切ってくれることを願っています。
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テーマ:アルファロメオ - ジャンル:車・バイク
永年趣味クルマに乗っていると、様々な機会から販売店やメンテナンス・ガレージを訪れることがあります。雑誌に取り上げられることが多いショップであったり、広告を多く出しているショップは当たり前ですが、クルマ仲間の主治医や、紹介された「隠れた名店」など、名前を知っているだけの店から実際に訪れたことのある店まで、東京都内のイタリア車専門店に関して言えば殆ど知っていると言っても良いほどになってしまったのですが、そんな中にあって今回ご紹介する
COLLEZIONE は私の中では「名前は知っている」というカテゴリーに属するお店でした。
それは決して敷居が高かったからでも、あまり食指が動かなかったからでもなく、単に機会がなかったからで、以前から雑誌の広告などで目にしていた在庫車のラインアップは、イタリア車を始めとするラテン車好きにはなかなか「刺さる」ラインアップでしたし、その目黒通り沿いというロケーションから店の前を通る事が多く、いつかは覘いて見たいと思いながらなかなか機会がないだけだったのですが、最近ご一緒させていただくようになった「白金台アルファロメオクラブ」なるグループの方が新たにクルマを入れ替えることになり、その納車のご案内をいただいたので、ちょうど良い機会と思いお邪魔することにしました。
私自身は代表の成瀬氏とは何度か「一方的に」遭遇しています。それはLaFesta Mille Migliaのエントラントと見学者としてであり、彼がドライブするALFAROMEO Giulietta Spiderはこのイベントの常連で、ナビゲーターを務める専務の金沢氏とともに、私自身にとっては「勝手に」顔見知りの関係でした。そして、昨年お邪魔したFIAT CAFÉでのクリスマスパーティで初めて実際に成瀬氏にお目にかかり、
その物静かな風貌に違わぬジェントルな物腰に失礼ながら「違和感」を覚えた のも事実だったのです。
おおよそ商売をする方の中で、自分が扱う商品を嫌いな方はいないでしょう。しかし、単に嫌いでないというだけではラテン車を扱う商売をするには不向きで、オーナーの多くは永年ラテン車を乗り継いできた「猛者」揃いですし、理詰めで売るにはその商品としてのラテン車はあまりに理不尽なことが多いために(苦笑)、顧客以上にラテン車に対する熱意と愛情を必要とするのではないかと思うのです。
ですので、私が今まで出会ったこの「業界」の方々は皆さんオーナー以上にマニアックな方が多く、本当に「大好きで」その商売をやっていることがその物腰から感じ取れる方々ばかりだったのです。
しかし、不思議なことに成瀬氏からも金沢氏からも、その物腰からこの「変態オーラ」(笑)を感じ取ることができないのです。どちらかと言うとお二人ともクルマ商売とは無縁の方々のように見受けられましたし、むしろ保険会社かハウスメーカーで仕事をしています・・・と紹介されたほうがしっくり来たかも知れません。
私自身はこうしてお目にかかってから以前にも増して、COLLEZIONEに興味が湧いてきたのですが、それはこのご両名の印象のギャップが果たして本当にギャップであるのか、それともちゃんと「変態」嗜好が隠されているのかを知りたいと思ったのです。
初めて訪れたCOLLEZIONEの等々力ショールームは私にとってはかつてバーキン7やシボレー・アストロのSTARCRAFT仕様などを扱っていた「マルカツ」のショールームがあった場所で、それは目黒通り沿いの目立つ「一等地」にありました。
建物は目黒通り沿いの1Fと裏通りからアクセスする2Fからなり、初めてこのショールームに足を踏み入れて私が感じたのはやはり
「違和感」 でした。
それは1Fのショールームで、そこに並べられているのは紛れもなく販売車なのですが、通常の中古車販売店特有の「買ってください」的な雰囲気が感じられないのです。
個人差もあるかと思いますが、私自身は幹線道路沿いにある中古車販売店のあの雰囲気があまり好きではありません。それは一物一価の中古車をただ並べて「叩き売っている」ように見えてしまい、その展示の仕方だけでどうも買う気が失せてしまうのですが、
このショールームはまるで個人のガレージにお邪魔したような不思議な感覚 だったのです。しかもそこにあるのは珠玉のクルマばかりで、さらに言うならばそれぞれのモデルが一番多く売れ、人気のある「売れ線」のボディカラーではなく、ちょっとハズれたものが多く、その展示車達から醸し出される雰囲気が益々、個人が自分の趣味で集めたクルマ達のガレージというイメージを強調しているのです。
成瀬氏はBMWのメンテナンススタッフとしてこの「業界」のキャリアをスタートさせます。当初は現在のお仕事をするようになるとは全く考えていなかったそうなのですが、BMWがアプルーブドカーと銘打って中古車を積極的に扱うことになり、中古車認定査定士の資格を取得したころから、BMW以外のクルマも見て見たい・・・という欲求が強くなったそうです。そして氏は意を決してBMWを退職することにします。そして門を叩いたのが今は無きラテン車の有名店であったロ・スコントで、ここで氏は初めて営業のキャリアを積むことになります。
整備士の資格経験があり、中古車の査定ができ、営業経験を積むことができれば独立開業は視野に入ると思うのですが、氏はBMWを退職し、ロ・スコントに入社する際にこの明確な自らのキャリアビジョンを持っていたそうです。
そして、氏はロ・スコントでカルチャーショックを受けることになります。それはラテン車との出会いで、BMWに在籍していると味わうことのできない、クルマ全体から走ることの楽しさを伝えてくるクルマ達でした。
特に刺さったのはFIAT PandaやPEUGEOT 205GTIなどの小型車で、それまでのBMWのラインアップにない、これらのグレードの持つ日常で走ることの楽しさを味わうことのできるクルマ達に惚れ込むことになります。
成瀬氏にとってのキーワードは「軽い」「回る」「廻る」のようで、お好みはライトウェイトなボディに天井まで回るエンジンにクイックなステアリングという所謂、「ボーイズレーサー」的なクルマで、しかもその外観からは目を吊り上げた「ヤル気」を感じさせない独特のセンスをこれらのラテン車から得ることができたのではないかと思います。
そのセンスはちゃんとプライベートで乗られているGiulietta Spiderにも顕れており、小排気量で軽いボディを引っ張るという嗜好に沿った選択であることが見て取れます。
COLLEZIONEのクルマ選びに関する哲学は、
上質なオーナーから上質なクルマを手に入れ、それをまた上質なオーナーに引き継ぐ というもので、イタリア車を始めとするラテン車が、単に年式や走行距離ではなく、その乗り手のメンテナンスによってコンディションを維持されて行く場合もあれば、乗り潰されてしまう場合もあることを体験上知っているからに他なりません。
また、そのクルマを大切にメンテナンスしてきたオーナーだからこそ知っている整備のノウハウも多く、そういった情報も含めて引き継ぐことができるのも個人買取の妙味なのだそうです。
余程のことがなければオークションでは仕入れないという氏の方針も、この考え方からすれば至極当然で、中古車査定士であるからこそ、その査定の限界もご存知なのだろうと思います。
こう書くと、仕入れに関しては「待ち」の姿勢のように見えてしまうかも知れないのですが、唯一、積極的に取りに行くのが希少色であったり、変わった仕様のモデルなのだそうです。
これも氏独特の選択眼で、ラテン車において希少色のモデルを新車で「納期がかかっても」買うオーナーはクルマを大切にする方が多く、またそのモデルをCOLLEZIONEで買う方もクルマ好きで同様に大切に扱ってくれるからだそうですが、実際に今回納車に立ち合わせていただいたALFAROMEO 939 Spiderもシャンパンゴールドという希少色で、しかもFERRARI F355との入れ替えとのことですので、COLLEZIONEでは一般の中古車販売店とは異なる不思議な入庫や買い替えが日常で繰り広げられているのです。
COLLEZIONEという店を理解する上で一番分かりやすいのはアパレルのファストファッションの店とセレクトショップの違いではないかと思います。
幹線道路沿いの大規模な中古車販売店が、売れ線で旬のクルマを大量に在庫して売っているファストファッション店だとすると、
COLLEZIONEは独自のネットワークと自身のセンスで仕入れた、ちょっと素敵な服を売るセレクトショップ だと思います。
以前の記事で書いたのですが、ラテン車に限らず自動車業界はこれから苦難の時代になると思うのですが、氏にこれからの経営課題は・・・?と尋ねると意外な答えが返って来ました。
私はこの質問をする際に、顧客層の拡大やら仕入れの多様化など現実の経営者としての直近の課題に対する答えを思い描いていたのですが、氏から返ってきた答えは、
「若いヒトを育てる」 というものでした。
それは若い社員だけでなく、若いユーザーも同様で、若者に夢を提供し、その夢の実現のお手伝いをすることが年長者の役割だと考えているのだそうです。
そう聞けば、「仕事を休んで」ヒストリックカーイベントに出場していることも、そうして世間に露出することにより、多くの人々にクルマ趣味の楽しみを伝えたいとしていることが分かりますし、若い社員の皆さんが実に礼儀正しく、一生懸命に働いている姿も氏の「若いヒトを育てる」という理想が着実に実行されていることが分かります。
氏の柔らかい物腰の裏にはちゃんと熱いラテン車への思い入れも、その経営理念も隠されていることが分かりました。
そして、
「お客様に自分の趣味を押し付けるようなことはしません」 と言っていたにも関わらず、たまたま居合わせたお客様にお話を伺うと、
「以前、クルマを買い換えようと思って相談したら、そんなクルマは買うなと言われたんだよね~」 という証言?を得ることができました(笑)。
セレクトショップのオーナーはそうでなくちゃいけません(笑)が、一方でただの頑固親父になってもいけないのは商売の道理で、どうやら押し付けにならないようにちゃんとお客様に見合った「見立て」もされているようです。
まずは気軽に氏の「ガレージ」を訪ねてクルマについて話をしてみてはいかがでしょうか。
柔らかい物腰と丁寧な言葉遣いで、ちゃんとダメなものはダメとアドバイスしてくれると思いますよ。
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テーマ:自動車全般 - ジャンル:車・バイク
今回はボディがホワイトですのでアクセントのためにパネルラインにスミ入れをします。薄めたエナメルのブラックをラインの上に「置く」と毛細管現象でラインに沿って流れて行きます。多少、塗料がはみ出しても乾いてからエナメルシンナーで拭き取れますので心配要りません。
以前にもイロイロとスミ入れの実験をしたのですが、パネルラインを強調して効果があるのはこのような明るい色のボディカラーで、尚且つあまりストライプなどのカラーリングがボディ全体に入っていないクルマだと思います。
前回製作したストラトスのような場合だと、パネルラインを強調することによりボディ全体のフォルムの連続性を切断して見せてしまい、折角のスミ入れを煩く感じるのではないかと思います。
同様にラリーカーやレーシングカーなどのカラーリングが施されたものも、折角の連続性のあるカラーリングがパネルラインのスミ入れのために切断されてしまい、ジグソーパズルのクルマのように見えてしまうのではと思います。
今回のGiulia Sprintはスミ入れの効果が高い例で、ご覧のようにボディ全体を引き締めて見せる効果があったのではと思います。
さらなる改造ですが、フロントの2箇所のバンパー取り付け用の穴とリアの左側の穴には牽引用のフックが取り付けられています。牽引用フックも以前はホワイトメタル製の改造パーツがあり、私も購入してストックしていたのですが、どうやら使ってしまったようで、現在は入手できなくなっていますので、1/20スケールのシートベルトセットからシートベルトアンカーを利用することとしました。
バンパーの取り付け穴はホワイトパテで塞いでパテが乾かないうちにエッチング製のアンカーを埋めれば接着することができます。
ライトリムにライトレンズを接着しますが、これも以前にご紹介したように接着剤による曇りや汚れをつけないように、メタルプライマーを接着剤代わりに使います。
塗装する際のアシとして接着しておいた0.4mm径の真鍮線をカットするとミラー面に先端だけが残り、それがライトのバルブの役割を果たしてくれます。
サイドミラーのミラー面にはメタルテープを貼り付けると鏡面の表現をすることができます。室内のバックミラーは完成すると殆ど見えませんので、そこまでする必要はないと思いますが、ボディに直接取り付けられるサイドミラーは完成後にも目立ちますので、こうした「ひと手間」をかける価値があります。
ボンネットストラップはホワイトメタルのディテールアップパーツを使います。メタルプライマーを塗り表面をフラットブラックで塗って仕上げます。
ノギスで測ると取り付けるための脚は直径0.8mmでしたので0.9mmの穴をピンバイスでボンネット側に開けます。
すでにクリアー塗装を終えていますので、傷をつけないようにゆっくりとドリルを廻します。クリアー塗装は表面が硬いために、ドリルで穴を開けるような加工を行うとヒビが入ってしまうことがありますので、細心の注意が必要です。
ここでライトやスクデット(盾)を取り付けておきます。
やはり取り付けて思ったのですが、アルファ・ロメオにとってこのスクデットは最大のアクセントで、このスクデットが「決まって」いるかどうかは、モデル全体の出来上がりを左右するポイントだと思います。モデル設計者がそこを理解していると、このスクデットは決してプラパーツにはせずに、多少のコストがかかってもエッチング製にしてシャープさを演出すると思うのですが、残念ながらそこまでの思い入れのある設計者はいないようで、市販のプラスチックモデルの全てがこの部分をプラスチックパーツで成型しています。私たちモデラーに出来ることは、少しでもシャープに見えるように一生懸命削ることで(苦笑)、今回もギリギリまで削り込んで、ようやく何とか妥協できるスクデットとなりました。
テールライトやナンバーなどのパーツもここで取り付けます。
テールライトは様々な塗装法があるのですが、私の場合はいちいちマスキングするのが面倒なので、面相筆で塗ってしまいます。ヘッドルーペをつけて集中して塗装すれば何とかなるものです。もちろん一回で成功するのは難しいのですが、クリアパーツ全体をまずラッカー系のクリアーで塗っておき、その上にエナメル塗料を使って塗れば、はみ出したりしてもいつものツマ楊枝修正で余分な部分を削り取ってやることができますし、大きく失敗してもエナメルシンナーで拭き取れば簡単にやり直すことができます。
何でもかんでもエアブラシ塗装というのは準備や後片付けも大変ですし、一度に使う塗料やシンナーの量も多くなってしまい不経済ですので、私はこうした細部の塗装は何とか筆塗りでトライして、どうしても難しい場合のみエアブラシを使うようにしています。
すでに完成済みのシャーシーにドアのインナーパネル、インスツルメントパネルを取り付けてロールケージを組み上げておきます。
ドアハンドルはノーマルのGiulia SprintとGTAの識別点の一つで、ノーマルが通常の引き上げ式のドアハンドルであるのに対して、GTAはアルミ製のボディであるために、ドアハンドルは単純なアルミ製のフックでドアのロックピンはボタン状のものが付けられています。
キットのドアハンドルはプラスチック製ですので、0.8mm径のアルミ線で置き換えます。下がキットのプラスチック製のハンドルで上二つがアルミ線で作り替えたものです。
またドアノブは写真のような極小のピンで再現します。
今回のGiulia Sprintの製作で実感したのですが、こうした改造パーツや材料も見つけた時に「とりあえず」買っておかないといざ必要となったときに手に入らないことがあります。一つ一つのものはそんなに高価なものではありませんので、プラモデル製作を永い趣味として考えるのであれば、こうしたパーツや材料もストックしておくことをオススメします。
続いてボディにサイドガラスを取り付けてボディとシャーシーを合体します。
実は、相当悪戦苦闘したので写真がないのですが、以前の記事でご紹介したようにこのキットではガラスが4面に分割されています。通常のキットではガラスは一体で成型されているので一発で接着できるのですが、このキットの場合は4面別々に接着しなければなりません。フロントとリアは外側からですので最後に接着すれば良いのですが、サイドガラスは内側からハメ込むようになっています。ここからが私の失敗なのですが、仮組み時には問題がなかったのですが、塗装をすることによりピラー部が太くなってしまい、サイドのガラスがどうしても浮いてしまいピラーにうまく嵌め込めなくなってしまいました。何とか誤魔化して接着したのですが、これからこのモデルを製作される際にはピラー部をマスキングしてクリアー塗料がつかないようにしておく方が良いでしょう。
また、シャーシーとボディを合体する際にどうしてもロールケージが当たってしまい一部を修正せざるを得ませんでした。これは実に単純な理由で、室内寸法をベースに組んだロールケージでしたが、シャーシーにボディを被せる際にどうしても斜めになってしまうために、ロールケージが邪魔になってしまったのです。
プラモデルメーカーには是非考えて欲しいポイントなのですが、このキットの場合はボディが一体成型されており、そのボディを無理やり広げてシャーシーを挟み込む構造になっています。
この方式はカーモデルでは一般的なパーツ割りなのですが、ボディ塗装をし、クリアーでコーティングしたボディを無理やり広げたりすると表面のクリアーが割れてしまうことがあるのです。
できればボディを曲げたり捻ったりせずにシャーシーと合体させる方法にしていただければ、折角仕上げたボディ塗装が最後の最後で割れてしまうといった悲劇を回避できると思いますので、是非ご検討いただきたいと思います。
最後の段階で悪戦苦闘したのですが、ようやく全体が完成しました。
最後にゼッケンデカールを貼るのですが、その前に試走時の状態で「記念撮影」を行いました(苦笑)。
当初は資料がなかったために、この試走時の状態で仕上げることにしていたのですが、後にゼッケンの細部が判明しましたので、クリアー塗装は終了していましたが、「後貼り」でゼッケンを貼り付けることにしました。
やはりゼッケンがあった方が雰囲気も良くなりました。
そして忘れていたのですが、トランクフード上のエンブレムを貼り付けて完成です。
ディテールアップしたエンジンルームも全体のバランスを崩すことなく納まったと思います。
さらに寺島社長リクエストのディスプレイベースにモデルを載せてみます。これは以前友人に頼まれて造ったDUCATI900のディスプレイベースと同じ仕様で、透明のアクリル板の四隅にネジをつけて脚にしたものです。
さらに、タルガ・フローリオのエントラントに記念として贈られたプレートを載せると、本当に出走記念として想い出がよみがえって来るのではないかと思います。
そして気を使うのが輸送用の梱包で、折角のモデルが運んでいる途中で壊れてしまう・・・といった泣くに泣けない悲劇を回避するためには梱包にも細心の注意を払う必要があります。
今回はディスプレイベースに固定せずに納品することになりましたので、モデルはディスプレイケースに入れて中にはクッション材を配置してモデルが動かないように固定します。
無事にクイック・トレーディングのショールームまで納品することができました。最終的には寺島社長のご自宅の「記念ルーム」?まで輸送しますが、まずは一安心です。
今回のGiulia Sprint GTAは寺島社長の思い出のクルマを再現するというテーマで製作しましたが、その製作過程で私自身にとっても思い入れの多い作品になりました。結構な時間がかかってしまいましたが、ディテールアップや新材料の試用など、試行錯誤の時間もあったために回り道もしてしまったので、実質の製作時間は製作総時間の2/3程度ではないかと思います。
繰り返しになりますが、私自身はプロのフィニッシャーではありませんし、その製作技術もまだまだ未熟で、今回のモデルも納得の行かない部分が多々あります。
しかし、こうして本当に嬉しそうにモデルを眺めていただいている姿を見ると、製作の苦労も吹っ飛ぶのはアマチュアモデラーの特権?かも知れません。
さて一休みしたら次の依頼物件に取り掛かることにしますが、「箸休め」に自分のためのキットも作るかも知れません。何せ、一生かかっても造りきれないほどのキットが手許にあるのですから(笑)。
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テーマ:模型・プラモデル - ジャンル:趣味・実用
震災の影響から少し脱した感があるとは言え、依然として日本国内の自動車業界は危機的な状況にあると言えるでしょう。
それは国内の景気の影響や少子高齢化による人口の減少によるものだけでなく、多くの人々が自動車という機械そのものに魅力を感じられなくなって来ているのではと思うのですが、実際に自動車メーカーが莫大な広告宣伝費を使って自社の自動車の宣伝をするのではなく、「免許を取ろう」とアピールしていることからも明らかで、警察庁が公表している
平成23年度版の運転免許統計 によると免許人口(何かしらの運転免許証を保有している人)は頭打ちとなっていることに加えて、30歳未満の免許人口は対前年に比べて軒並みマイナスであることも国内の自動車販売に明るい未来を思い描けなくしています。
それでは実際に国内の自動車販売はどのように推移しているのでしょうか。
以下は
自動車販売連合会(JADA) と
日本自動車輸入組合(JAIA) が発表している統計データを基にその推移をグラフにしたものです。
昨年度の
乗用車(商用車やトラックを除く)の新車と中古車の登録台数は597万台弱 と、その前年度の664万台を大きく割り込んでいますが、これは東日本大震災の影響によるものでしょう。しかし、一方でその前年度の664万台は減税や補助金の効果で「カサ上げ」されたものであり、それまでの各年度は前年度割れが続いていたことが見て取れます。
特筆すべきは自動車販売全体に占める中古車の割合で、過去5年間全ての年度で新車販売を上回っています。グラフを良く見れば気がついていただけるかと思うのですが、2010年度において新車購入が増えたのは減税、補助金の効果で、結果として全体に占める中古車の割合は51%になっていますが、それ以外の年度においては安定して53%から54%をキープしており、どちらかと言うと需要の総数の中で、新車販売の落ち込みを中古車販売が支えていると言えます。
つまり、
自動車そのものの需要が縮小する中で、さらにその需要が新車から中古車にシフトしている ことが見て取れます。
さらにその中で外国車の占める割合を見ると、新車・中古車を合わせた市場全体の中でそれまで外国車の占める割合は10%台で推移していたのが、2012年度はイッキに12%に増加しています。これは震災の影響で国産車が減産を余儀なくされたことによるものだと思うのですが、その内容を見て見ると、中古車全体の中に占める外国車の割合はそれまでの13%台から14%に増加しています。
すなわち、
国産新車を購入しようと考えていた購買層は、グレードを下げて同じ価格帯の外国製新車を買うだけでなく、この際だからと、同じ予算で買えるグレードの高い外国製中古車にシフトしたのではないか と思われるのです。
しかしながら、その恩恵を受けたのはドイツ車ばかりで、イタリア車の販売増加には残念ながら寄与してはいませんでした。
以下のグラフは過去10年間に登録された外国車新車(商用車を含む)の内訳です。
昨年度においてはアルファ・ロメオからフェラーリまで全てのイタリア車が束になってもAUDI一社の半分にも達していないのですが、一方で10年前の2002年度はイタリア全メーカーとAUDIはほぼ同数であったのですから、AUDIがいかに日本で販売を伸ばしたかが分かります。と言うか、
この10年間はイタリア車の販売は総数において殆ど横ばいで、安定していると言えばそうかも知れませんが、全く成長していない と考えるほうが自然だと思います。
しかし、その新車登録数に中古車の登録数を加えて見てみると興味深い特徴が見えてきます。
外国車登録数全体の中で中古車が占める割合は62.9%と国産車よりも高いのは理解できるのですが、イタリア車は中古車が多く、その割合はイタリア車登録数の中で69.6%となっています。
イタリア車の中でもブランド別に見て見ると、かろうじて新車販売が中古車を上回ったのがフィアットだけで、これはFIAT500の新車効果で、アルファ・ロメオに至っては売るタマがなかったことから圧倒的に中古車の登録台数が新車を上回っています。
イタリア車全体の傾向を見ると、どうやらイタリア車は
「新車で買ってはいけないクルマ」 となっているようで、良くもこれだけ中古車のタマがあるなと思うほど中古車の販売が堅調であることが分かります。
特筆すべきはアルファ・ロメオの人気で、新車が年間1800台程度しか売れないにも関わらず、中古車は10,000台近くも売れているのです。 アルファ・ロメオに限らずイタリア車全般に言えることだと思うのですが、それは国産中古車とは異なり、そのブランド若しくはモデルを狙って購入することが多く、それはすなわち、
アルファ・ロメオのブランド力が新車、中古車を問わず年間で12,000台規模で存在している ことを表しています。この12,000台という規模は、アルファ・ロメオが日本で過去最大の新車セールスを記録した2002年の7,426台と比較するとどれほどのものかが分かるでしょう。そしてこの12,000台とはVOLVOの新車販売と同規模の大きさなのです。
現在のFIAT500を見る限り、
イタリア車が魅力的なモデルを投入して、適切な購買対象に効果的な広告宣伝を行えば、まだまだシェアを拡大する余地がある ことが分かります。
狙うべきマーケットはVWやMBなどのドイツ車の牙城ではなく、エコだの燃費だのでクルマ本来の魅力を失いつつある国産車のユーザー層で、クルマを移動の道具として「仕方なく」乗らざるを得ないと考えている購買層ではなく、クルマにプラスαの魅力を求めている購買層をターゲットにして広告宣伝を戦略的に展開して行くことではないかと思います。
一方でイタリア車にこれだけの中古車マーケットがあるということは、
イタリア車そのものに魅力はあるものの、その価格に割高感がある ということで、
以前の記事 で書いたように、その価格さえ適正になれば消費者には充分な購買動機があることが分かります。
ところが問題は中古車のタマ数で、中古車とは新車で売れなければ市場には出てこないのです。
現在の10,000台のアルファ・ロメオの中古車市場は過去に好調であった新車のセールスの結果であり、そのタマが尽きたときにこの潜在需要をどうやって維持して行くかが、「今、そこにある危機」としてイタリア中古車販売店が考えなければならないことだと思います。
しかし、私はこれまでの統計分析から、
ここにイタリア車を扱う中古車販売店のビジネスチャンスがある のではと思います。
つまり現在の有利な円高という為替環境を利用して、
質の高い中古車を輸入して販売する ことにより、中古車市場でのタマ数を補うのです。
もちろんこの中古車は国内での仕入れ車のように右から左に売ることはできないでしょう。日本基準でのメンテナンスと日本の道路法規に合わせた改造も必要だと思うのですが、これらのコストは為替差益で充分カバーできるでしょうし、中古車販売業者が合同で中古車の初期化PDIを行うことにより、コストダウンを図ることもできるでしょう。
また、日本仕様にない魅力的な本国モデルを輸入することも、イタリア車を購入しようと考える購買層や、買い替えを考えている現ユーザー層にアピールできるのではと考えます。
これまでは、「中古並行」というどちらかと言うとネガティブなイメージしかなかったと思うのですが、それを逆手にとって、
魅力的な本国モデルを日本で丁寧に初期化し、上質な中古車として割安な価格で市場に投入すれば、新車を含めたイタリア車全体の市場も活性化させることができる と思うのですがいかがでしょうか。
国内の新車・中古車販売台数全体の僅か0.48%しかないイタリア車ではありますが、それが新車であれ中古車であれ、とにかくシェアを伸ばすことがイタリア車の日本からの撤退や縮小を防ぎ、かつて経験したインポーターがないという冬の時代が再来することを防ぎ、私たちがいつまでも魅力的なイタリア車と暮らすことができるのではないかと思います。
余談になってしまいますが、この記事を書くに当たってWebで発表されていた(記事内のリンク)統計資料に関して警察庁に問い合わせの電話をした際に、受付担当の女性に随分親切に対応していただきました。しかし、残念ながらそれは「最後には」と付け加えなければならない状況でした。
最初に私が、
「警察庁が発表している統計資料について不明の点があるので担当者に取り次いで欲しい」 とお願いしたところ、返ってきた答えは、
「警察庁への問い合わせは各都道府県の警察本部経由で行ってください」 という答えだったのです。
呆れた私は、
「Webで市民に公開している統計資料に関する問い合わせを直接受けられないというのはおかしいと思いませんか」 と尋ねたところ、意外にも、
「そう思います」 という答えが返って来たのです。おそらくこの受付の女性は民間企業によく見られる専門のオペレーターではなく、警察庁の正職員だったのでしょう。そして続けて、
「私に答えられるとは思えませんがどんな質問でしょう」 と聞かれたので、私の統計資料に関する疑問点を伝えました。すると、彼女は自分でもその統計資料を見ながら私の疑問点を確認してくれただけでなく、それを自分自身の疑問として受け止めてくれ、
「確かに変だと思いますが、庁内のルールでは取り次げないので私が聞いてお答えします。」 と内線電話で担当者に確認してくれたのです。
警察庁という組織の性格から、外部からの電話を何でもかんでも取り次ぐことは問題があるとは思いますが、このような理論的な問い合わせに対しても同様な対応をすることはちょっと問題があると思います。しかし、彼女の対応はそのルールを守りながらも柔軟な対応でしたので、私は警察庁に失望することなく本当に感謝をして電話を切ることができました。
以前に国土交通省にも問い合わせの電話をしたのですが、そのときの国土交通省の応対は素晴らしく、受付を含めて3人の人間を経由してやっと答えられる担当者に到達したのですが、ちゃんと質問事項も申し送りされ、何度も同じ話をせずに済んだだけでなく、最後に出た担当者は手許に資料を用意して電話に出てくれました。しかも最後に「他に質問されたい事項はありませんか」とまで聞いてくれたのです。
本当に少しずつではありますが、日本の官公庁も変わりつつあることを実感することができました。
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VTRをチェックしていると、さらに自作しなければならないパーツを発見しました。
それはリアのナンバー灯で、ノーマルでリアバンパーが付いている場合はそこに仕込まれているのですが、レース仕様でバンパーを取り外されている場合は、別途ステーを作成してそこにナンバー灯を取り付けています。
このナンバー灯がまた悩みのタネで、球形のその独特のナンバー灯は旧車独特のもので結構目立ちます。
以前にディテールアップパーツとして販売されていたことを思い出して、製造元であるSAKATSUに問い合わせて見たのですが、すでに製造中止とのことで在庫もありませんでした。
こうなると手持ちのキットからコンバートして来るしかありません。目をつけたのがストックしてあったSUNNYという日本のメーカーが製作したFERRARI 250 LMに付属していたゼッケン灯です。
このSUNNYというメーカーは昭和49年に創業した日本のプラモデルメーカーなのですが、残念ながら創業から廃業に至る詳細については良く分かりません。キットの説明書の最後に製品リストがついているのですが、このフェラーリ250LMとAC COBRA以外はどちらかと言うとオモチャ然としたものが多く、なぜこれほど素晴らしいキットが突然発売されたのか、そしてその後に続くモデルが発売されなかったのかは謎です。
特筆すべきはその組立説明書に記載されたマニアックな指示で、透明パーツの接着にクリアー塗料を使うようにと書いてあったり、割り箸を斜めにカットして400番の耐水ペーパーを貼り付けて狭い場所の段差を消せ・・・とか、随所に熟練モデラーが小ワザとしてやっていることが記載されています。恐らくマニアックなモデラーに組み立て説明書の原稿を依頼したのではないかと思うのですが、1986年発売当時に購入したアベレージモデラーはこの説明を読んで相当びっくりしたのではないかと思います。ちなみにパーツ割はエンジンレスでごく平均的なもので、決してマニア向けの難しいものではありませんでした。
このキットは考証も行き届いており、ストラダーレに加えてル・マン出場車仕様でも製作することができるのですが、ル・マンのような耐久レースの場合は夜間走行時にピットからゼッケンが見えるようにゼッケンを照らすライトがボディに取り付けられているのです。
そんなパーツまでちゃんと再現しているこのキットはそのボディの造型も含めて素晴らしいキットなのですが、残念ながら金型の製作技術がその造型に追いついておらず、本気で造り上げようとするとかなりのディテールアップを必要とします。
もちろんこのキットはすでに絶版ですので、SUNNYという日本のメーカーの傑作キットとしてコレクションしておこうとは思っていますが、さすがに造り上げる元気はありませんので、潔くこのゼッケン灯をコンバートすることにしました。
ナンバー灯のステー部分はプラ板から切り出します。下部は傾斜がついているのでヤスリで削って再現します。
パーツのナンバー灯の台座は分厚すぎるので削って薄くして取り付けたら完成ですが、ボディへの取り付けはクリアー塗装を済ませた後にしますので、これも出番が来るまで保管しておきます。
そしてさらにVTRのチェックをする際に編集ソフトでコマ送りをしているとほんの一瞬ではありますが、ゼッケンのディテールを見ることができました。実は、この部分の詳細が最後まで分からず、今回はレース出走時の仕様ではなく、試走時のゼッケンレスの仕様とすることにしていたのですが、ここまで来てVTRのスチール映像から何とか細部を確認することが「できてしまいました」(苦笑)。
こうして見てしまったものは仕方ありませんし、もともとは資料がないために断念したものですので、何とか今からでも複製することにしました。
ロゴ文字はパワーポイント上で作成し、マーク類はスチール写真を画像処理で傾きを補正して切り出して、何とか「それらしい」ゼッケンシートを作成することができました。実際の大きさだと殆ど見えない文字ですが、それがヲタクモデラーの拘りで(笑)、自己満足の世界ではありますが、多少なりとも実感が出るのではと思います。
恐らくこうした作業を日常で行っているプロのフィニッシャーの方々はもっと優秀な機材とノウハウで素晴らしい仕事をされるのだろうと思いますが、素人のにわか作業ではこの辺りが限界です(泣)。しかし特別なソフトウェアではなく、通常の「おまけ」程度のソフトウェアでも(実際に使ったのはPaint BrushやAVS ConverterなどPCやカメラなどに付属していたソフトウェアです)、この程度の複製作業ができることが分かったのは収穫で、これからのモデル製作にも役立つだろうと思います。
再現できたゼッケンはクリアー塗装が終わっていますので、ボディの工作が終わった最後に貼ることにしました。本来ならばこのゼッケンの上からクリアー塗装をしたかったのですが、実際もボディの上に貼られたものですから、実物どおりと言えばその通りで、間違ってはいないのですが耐久性には自信がありません。唯一の問題はボディ側面のQUICKの切り文字で、試走時に貼られた位置とレース出走時の場所は異なっています。すでにクリアー塗装で埋めてしまっていますので、ここだけは目をつぶるしかありません(泣)。
予定が変更になり更なるデカール製作の工程が増えてしまいましたが、ボディの最終組み立てに戻りましょう。
フロントグリルはキットではネットのパーツが付属しており、それを切り貼りして再現するようになっています。
以前のキットでは網目にモールドされたプラパーツで、それをせっせと切り抜いて市販のネットを貼るという追加工作を強いられていたのですが、こうして標準でキットに付属していると本当に楽です。
このようなネットも現在では様々なサイズ(網目の細かさ)のものが改造パーツとして市販されていますが、昔はそんなものはなく、確か戦車のプラモデルのエンジンルームの改造のためだったと思うのですが、どうしても欲しかった私は、調理器具専門店に裏ごし用の網を購入しに行き、店主に網目の番手について質問をしながら購入したのですが、店主は私が料亭で板前修業をしていると思ったようで、「大変やと思うけど、頑張ってええ板前になりや~」と励ましていただきました(苦笑)。
グリルが完成したらフロントに取り付けます。
続いてウインドウモールの工作に移ります。ウインドウモールに関しては塗装する方法やメタルテープを貼り付ける方法など様々なものがあります。現代のクルマに関してはこれらのモールの殆どはブラックでしかも細いものですが、旧車の場合はベースがブラックのゴムでシールされ、さらにその上に装飾メッキのモールが取り付けられているケースを多く見受けます。このGiulia Sprintもフロントとリアのガラスはゴムの上にメッキモールという組み合わせです。そのモールの塗装をし易くするためか、このキットのウインドウパーツはフロント、リア、サイドと別々に取り付けるようになっています。しかし、仮組みをしてみるとフロントはまずまずなのですが、リアは随分と合わせが悪く、素直に取り付けただけでは隙間が開いてしまいます。他のサイトの製作記を見ていると、どうやらこれは初期ロットのみの不具合で、再販されたものは金型が改良され、この合わせの問題は改善されているようですが、再販物と比べて見たワケではありませんので、これが事実かどうか定かではありません。
最終的には接着する際に無理やり合わせるしかないと思いますが、そうするとボディにテンションをかけることになりますので、最終的なフロントとリアのガラス取り付けはシャーシーとボディの合体後にしたほうが良さそうです。理由はシャーシーとボディを合体させるときにボディを少し開いて嵌め込むようになっているので、先にガラスを接着するとその際に剥がれてしまう危険があるためです。
フロントとリアのガラスはベースのゴム部をフラットブラックで塗装します。私の場合はマスキングをして筆で塗装してしまいます。
このように少々ハミ出ても、塗料が乾燥してからツマ楊枝の先をナイフで削って鋭くしたもので削れば取れますので心配する必要なありません。
さて、中央部のモールはメッキモールですので、今回が初めてですが、ハセガワの
ミラーフィニシュ というシートを使ってみたいと思います。このシートは従来のメタルシートと異なり、曲面への追随性が良いとのことで、こうしたクルマのモール部分などの工作に適していると言われています。また、最近は飛行機のモデルの無塗装部分の表現として、シルバー塗装ではなくこうしたシートを貼り込むという手法が紹介されていますが、曲面に良く馴染むこのシートはこれらの用途にも使えると思います。
説明書きによると、このシートは貼ってすぐは剥がせるのですが、時間が経つとだんだんと密着するとのことで、従来の同種のものは経年劣化で剥がれてくるものが多かったので、もしそれが本当であればこんな素晴らしい材料はありません。
さて使ってみた感想ですが、ナイフでカットし易く、その説明どおり、少しテンションをかけて引っ張りながら貼るとこの程度のアールでも馴染んでくれます。
従来の金属箔はあくまで金属を薄く延ばしたものに糊がついているのに対して、このミラーフィニッシュシートは伸びるフィルムをベースに蒸着により金属を付着させたものであることが特徴で、お値段は少し高いですが、その使い易さは従来の金属箔とは段違いです。
この段階でフロントの鉢巻やリアのステッカーも自作デカールを貼っておきます。
しかし、サイドガラス周囲のメッキモールをこのシートを貼り込んで見ると・・・、ちょっと輝き過ぎてしまいオモチャ然としてしまいます。写真はフロントとリアのガラスを仮着けした状態ですがいかがでしょうか。
輝き過ぎるというのも贅沢な悩みだとは思うのですが、私のイメージではこのサイドの窓枠はもう少し艶が抑えられた金属色のイメージです。
ここまで来て戻り作業は嫌ですが、やはりイメージに妥協せずにサイド部分のモールは塗装で表現することにしたいと思います。
例によって細切りマスキングテープでマスキングを行い、エナメルのクロームシルバーで筆塗りで仕上げ、ツマ楊枝ではみ出た部分を修正します。
ミラーフィニッシュのような輝きはありませんが、落ち着いたシルバーになりました。個人的にはこちらの方がGiulia Sprintらしいと思うのですがいかがでしょうか。
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何度かの試し刷りの末にデカールに印刷する大きさが決まりました。印刷するデカール台紙ははがきサイズですが、それでも随分と余ってしまいますので、失敗対策として余分目にレイアウトしておきます。写真は原稿段階ですので文字も正方向ですが、実際に印刷する際には反転(逆向き)で印刷します。
もったいないので他のデカールも一緒に・・・とも思いますが、この自作デカールの耐久性が定かではありませんし、湿気を吸えば恐らくダメになってしまうでしょうからあまり長保ちするとも思えません。
この自作デカールの最大の問題点は、貼ってから位置の調整ができないことです。キットに付属しているスライドデカールは水に濡らして台紙からスライドさせることにより乾燥するまでの間に位置の微調整ができるのですが、このデカールは一旦貼る位置に置いてから台紙を水で濡らして台紙と印刷フィルムを分離するという手順ですので、貼りなおしができないのです。
慎重に貼る位置を決めたら、綿棒を水で濡らして台紙を濡らすと台紙が動いてデカールを貼り付けることができます。印刷フィルムの厚みの問題はありますが、ある程度の曲面でもデカールは馴染んでくれるようです。カルトグラフ製の品質レベルには遠く及びませんが、この程度の大きさのものであれば充分自作が可能であることが分かりました。
今回は自作デカールだけでなく、キットに付属するクワドリフォリオとBertoneのエンブレムのデカールも使用します。また、VTRをチェックしているとリアのナンバー横にもクワドリフォリオが貼られています。自作しようかとも思ったのですが、ストックしてあったジャンクデカールの中に、あまり印刷の程度は良くないのですがクワドリフォリオがありましたので、悩んだ末にこれを使うことにしました。
作業の合間にウインドウパーツの処理をします。プラスチックモデルの透明パーツは他のパーツと同様に金型で成型されていますので、どうしても表面に金型の傷が入ってしまいます。またパーティングラインも同様でカーモデルの場合はガラス面には入らないように避けられていますが、飛行機モデルのキャノピーなどは真ん中にこのパーティングラインが入ってしまっている場合があります。
カーモデルの場合、このウインドウの透明度を上げるだけで随分とイメージが良くなると同時に、室内も良く見えるようになりますので、この表面の傷を研磨して取り除きます。幸いなことに田宮模型の場合は金型のメンテナンスが良く、今回のキットはその初期生産ロットをストックしていたので、それほど傷はないのですが、古いキットの再販ものなどの中には「すりガラス」のようになっているものもあります(苦笑)。
流石にすりガラスだとペーパー磨きから始めなければなりませんが、今回はまず粗目のコンパウンドから始めます。写真が粗目のコンパウンドで磨いた状態です。全体的に曇った状態になります。
次に細目のコンパウンドで磨きます。そうすると徐々に透明度が上がってきます。写真の右側が細目のコンパウンドをかけた状態です。
さらに最後に仕上げとしてセラミックコンパウンドで磨くと表面の見えないほどの小傷も消えて、透明度が抜群になります。
磨いた後は傷をつけないようにキムワイプやティッシュペーパーなどで包んで出番が来るまで保管しておきます。
デカールが充分乾燥したらいよいよボディにクリアー塗装をします。
今回使用するクリアーは
Finisher'sのAUTO CLEAR で、塗膜が硬く艶が良いのが特徴とのことですので、ちょっと高価でしたがこちらを試してみようと思います。
クリアーの濃度調整は難しく目分量は危険ですので、説明書の指示どおりまずは3:1に希釈します。
最初は遠くから「砂吹き」を行ってデカールとの馴染みを見ますが、問題ないようです。軽く吹いては10分乾燥を繰り返して少しずつクリアー層を形成します。
ある程度塗り重ねたら、今度は2:1に希釈したクリアーをゆっくり目に吹いてしっかり一晩乾燥させます。クリアーはスプレーしてすぐは結構厚みがあるように見えるのですが、乾燥してシンナー分が蒸発すると塗装面が痩せますので、乾燥した状態で様子を見ながらスプレーを繰り返して行きます。
最後にボディ表面にホコリが付着していれば1200番のペーパーで削って取り除き、もう一度3:1に希釈したクリアーを吹いて乾燥させます。
ボディのクリア塗装を乾燥させている間に、メッキパーツの処理を行います。例によってキットのプラメッキはギラギラし過ぎるので、一旦落として再塗装します。メッキの剥離は塩素系の漂白剤・・・所謂ハイターに漬ければ落とすことができます。
今回再塗装するメッキパーツはライトリムとサイドミラーですが、ライトリムはランナーから外す際にメッキを傷つけないようにパーツの外側にゲートが設けられています。ランナーからメッキパーツを切り離す際に、メッキ削ってしまわないように考えられた親切な設計と言えるのですが、どちらにせよ削り取る必要がありますので、丁寧に表面を処理しておきます。上の写真で右側が処理前、左側が処理後です。
続けて塗装のための「持ち手」を作ります。ライトリムは反射板の中心に0.5mmΦの穴を開けて0.4mmの真鍮線を瞬間接着剤で接着します。サイドミラーはボディに接着する際の「アシ」が必要となりますので、同じく0.4mmの真鍮線を取り付けておき、それを塗装の持ち手に使います。
シルバー塗装には、今回は
メッキシルバーNEXT という塗料を使用してみたいと思います。昨今のシャインシルバー塗料の中では最も輝きに優れると言われている塗料ですので、その仕上がりが楽しみです。
メッキを落としたパーツにはベースにグロスブラックを塗装します。これは仕上げのメッキシルバーの輝きがベースの平準性が高いほど効果が出ることによるもので、グロスブラックは最も平準性の高い塗色なのです。
さらにベース色のブラックは表面のシルバーに落ち着いた輝きを与える効果もあります。
メッキシルバーは厚塗りせずに遠くから軽くスプレーするのですが、これがその結果です。
落ちついた艶と輝きが上質なプラメッキ以上の質感を出していると思うのですが、いかがでしょうか。
次はフロントのアルファ・ロメオのシンボルであるスクデット(盾)です。実はGiulia Sprint GTAは他の通常のモデルがメッキされていることに対して、アルミでできています。また大きさも僅かに小さいものなのですが、それで軽量化できたとしてもその重さはたかが知れているでしょうから、多分にシンボリックな意味しかなかったと思われるのですが、キットのものは厚みがありすぎていますので、ヤスリで削って少しでも薄くしておきます。
削るにしてもこの辺りが限界です。本当はエッチングパーツで用意して欲しい部品です。
塗装はアルミ製であることを強調するためにフラットアルミとし、付属のエンブレムデカールを貼ってからエナメルのクリアーを垂らしておきます。
さてクリアー塗装が乾いたら表面をチェックして見ましょう。
最後の最後にホコリを付けてしまいましたが、これはこれから磨きを行うと取り除けますので心配は要りません。むしろどの程度の柚子肌になっているかで最後の磨きの工程が変わって来ますので、そちらをチェックです。
残念ながら自作デカールはやはり厚みがあり、これを磨いて表面を均すのはアキラメざるを得ないようです。もちろんクリアーを厚塗りすれば可能ですが、そうするとボディ全体がボデっとしてまいます。
途中で中研ぎをしたこととこのAUTO CLEARの性質からか、いつものクリアーよりも塗膜が硬く、柚子肌も僅かに留まっています。塗膜が硬いということは磨きに適しているということで、このAUTO CLEARはなかなかの優れものであることが分かりました。
柚子肌が少ないということは仕上げ磨きの工程をサボれるということで(苦笑)、今回は目立つ場所は2000番のペーパーで研磨し、その後に仕上げ目のコンパウンドで磨き、最後はセラミックコンパウンドで仕上げました。柚子肌が少ない部分はペーパーを使わずに、コンパウンド工程のみとしました。下の写真は2000番のペーパーで研磨した状態です。
天井のライトの写り込みで表面の状態がお分かりいただけるかと思います。最後はモデリングワックスをかけますので、さらにしっとりとした艶が出ると思います。
いよいよ最終仕上げの工程に移ります。
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意外なほどにナニゴトもなく日常のアシとして活躍してくれているLANCIA Thema Turbo 16Vとの暮らしも2年が経過しようとしています。
実は正直に告白すると
最初はこのThemaにはあまりピンと来なかった のです。
Tipo4プロジェクトによるアルファ164と同じシャーシでありながら、方や世界一官能的なV6エンジンを搭載していたアルファ164の乗り味とあまりに違う2Lのターボエンジンを搭載したThemaは、加速力(感)には優れるものの、そのエンジンフィールは決して官能的とは言えず、どちらかと言うとエンジンの存在を意識させないものでした。
考えて見れば20年以上アルファ・ロメオ以外のクルマを愛車にしたことがなかったために、自然にエンジンの存在を一番に感じるようになってしまっていたのかも知れませんが、ようやく最近になってこのクルマの真価が分かってきました。
アルファ164がアルファ・ロメオの持つスポーティイメージを体現するデザインであったことに加えて、日本に輸入されたモデルはその全てがV6エンジン搭載という「贅沢」なモデルであったこともあり、その販売は好調だったのですが、一方のLANCIA Themaは販売網が弱かっただけでなく、その訴求ポイントが日本人には分かりにくかったのでしょう。それは今までのFIATにもLANCIAにも共通して言えることで、日本で販売するためのイメージ戦略が間違っていた(なかった)ことにより、本国ほどの人気とはなりませんでした。
Alfa164とThemaの一番の違いを表しているのがこのサイドからのショットだと思います。
Alfa164がそのスポーティさを表現するためにフロントとリアのガラスを寝かせ、サイドにプレス処理でキャラクターラインを入れ、さらにサッコプレート(ボディ下部のカバー)で全高を低く見せ、フロントラインもエンジンを寝かせることにより高さを抑えてウエッジシェイプを造ろうとしていることが分かります。
一方のThemaは同じTipo4シャーシーですのでホイールベースも全く同じなのですが、ガラスの角度を立てることにより室内空間を視覚的にも大きく見せています。サイドにはキャラクターラインはなくモールのみとされ、敢えて全高を低く見せるような処理はされていませんが、その均整の取れたスタイリングはセダンとして全く破綻しておらず、むしろここまで真っ当にデザインされるとそれがかえって新鮮に見えます。
少なくともDelta以外のLANCIAの日本での立ち位置は実に曖昧 だったと言えます。本国でのLANCIAはその上質なインテリアから公用車やビジネスユースに使われるブランドで、マゼラーティが貴族のクルマとするならば、
LANCIAは上流階級のユーザーに好まれるブランド でした。
すなわち、スーツを着てどこに乗りつけても違和感がなく、仕事で後席にお客様を乗せて長距離を移動してもストレスなく、休日に家族とバカンスに出かけることもできるというONにもOFFにも使えることが、このThemaの美点であり、実際に多くのユーザーがThemaを支持したのもこの理由によるものでした。
「ジェントルマンズサルーン」 という評価はまさにこのThemaの立ち位置を良く表した表現だと思います。
そう考えるとアルファ164に搭載されたV6エンジンだとスポーティ過ぎるというか、エンジンがその存在を主張しすぎており、ビジネスユースに使うのであればThemaのほうが適しているように思えます。また前述したようにLANCIAの持つブランドイメージから、ある種必然的なデザインの差であったろうと思います。もちろんTipo4プロジェクトの最後のモデルであったAlfa164をデザインしたピニンファリーナのエンリコ・フミアさんがThemaを意識し、差別化を図ったのが実際で、
Themaとアルファ164の差こそがアルファ・ロメオとLANCIAの差 でもあると言えるでしょう。
ビジネスエキスプレスとして見たときのThemaは現代の目で見ても優れています。 そのパッケージングからもたらされるゆったりとした室内空間、イタリア車ならではの高速巡航性能、決してスポーティとは言えないまでも充分振り回すことの出来るハンドリング、使い勝手の良い広大なトランクスペース。そしてこの2Lターボエンジンに限って言えば、3000rpm回転までのジェントルな加速とターボが効き始めてからの矢のような加速は、スポーツ走行のためではなく高速道路での追い越し加速などの際にドライバーとパッセンシャーにストレスを与えないための仕立てで、このThemaの使い道に沿ったものと言えます。
当に、ジゥジアーロとLANCIAはこのThemaのコンセプト通りの設計をし、そしてそれを実現しました。 強いて欠点を挙げるのであれば、あまりに優等生すぎてつまらないことかも知れませんが、ちょっとワルが好きならばアルファ・ロメオという選択肢があり、他のブランドに客を奪われるのが嫌であれば8.32をオススメすれば良いのですから(笑)、Themaの通常モデルのラインアップはこれで良いのだと思います。
しかし車歴が20年を超えるとなると、いかにコンセプトやデザインが優れていても機械としては問題が出てくるのは当然で、過去に
「エンジンストール団の組織壊滅」 と題した記事を書いたとおり、その原始的かつ実験的なエンジンマネジメントから来る問題点が出てしまい、一掃作戦を展開したのですがどうしても最後の悪党であるエアフローメーターを残してしまいました。
症状としてはアイドリング時のエンジンストールで、アクセルオンで走行しているときには何の問題も起こさないのですが、信号で停止する直前にアクセルを抜いたときにエンジンがストールしてしまうのです。
原因はエアフローメーター内のフラップがターボチャージャーのブローオフバルブが不調であったために、排気が逆流してフラップが叩かれ続けたために開閉バネが緩んでしまったことによるもので、アイドリング時に正常な空気流量が定まらずエンジンがストールしていたのです。もちろんすぐにセルを廻せばエンジンは再始動しますので、減速するときはシフトダウンをして、最後はヒールアンドトウでエンジン回転を落とさないようにして止まるという面倒な運転を強いられていたのですが、それにも慣れてしまい(苦笑)、個人的にはあまり悪さをされても気にならなくなってしまっていました。しかも、信号待ちでエンジンが止まる・・・というのはある種アイドリングストップとも言え、エコ?な症状でもあったのです。
しかし、トラブルはトラブルでセルモーターにも負担をかけますし、これから夏に向かいエアコンの使用頻度も増えるでしょうから思い切ってこの最後の悪党も逮捕することにしました。
一方でこのエアフローメーターを新品で入手するのは困難で、ようやく見つけた解体車のパーツをお願いしていたのですが、ジャンクヤードの奥にあり面倒くさいためになかなか手をつけてもらえず、こちらも時間ができたときで良いですよなどと「大人な」お願いをしていたためにズルズルと時間が経ってしまっていたのですが、さすがに無理を言ってようやく外して送ってもらいました。
届いたパーツを見てみるとフラップそのものは頑丈で、これが曲がってしまうことは考えられませんでしたので、やはり開閉バネがダメになってしまったのでしょう。
一つ気になったのは外観は全く同じなのですが、制御基板のシリアルNo.が微妙に異なっていることで、現在付いているものが、BOSCHの"0 280 202 115"であるのに対して、届いた部品の番号は"0 280 202 114"と末尾の番号が異なっているのです。これが単なるロット番号であれば良いのですが、何かの仕様が異なっているのであれば新たな問題となりかねません。
まあとりあえず交換してみて・・・ということで、サクサクっと交換をしましたが、やはり取り外したエアフローメーターのバネはフラフラで指で押しても弾力がなくなっていました。
そして交換してみた結果ですが、部品番号の違いによる問題は特にありませんでした。アイドリングも安定しており、もはやエンジンもストールすることはありません。
こうしてようやくエンジンストール団の最後の悪党を逮捕することができました。
しかし、これでボロい以外は(笑)不調な部分はなくなってしまったために、新たな問題が出てしまいました。
それは車検を通すか否かで、合理的な判断ではないのは分かっているのですが、個人的にはもう少しこのThemaと付き合ってみたくなっているのです・・・(苦笑)。
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引き続き出走車のご紹介です。
8番スタートはAlfa 916 Spiderで参加のA氏です。今回の出走車の中でオープンモデルはこのSpiderとFIAT Barchettaの2台だったのですが、Barchettaがヤル気満々でオープン出走だったのに対して、冷静な?A氏はトップを閉めての出走でした。この冷静なドライビングが良い結果になると良いのですが・・・。
9番スタートはAlfa GTVで初参加のS氏です。S氏は寺島社長のFacebook友達?で、最近はそのFacebook上で殆ど一般人には理解も共感もされない軍用車ネタがきっかけで私とも交流ができたのですが、氏のネタはその軍用車の中でもソフトスキンと呼ばれるトラックやジープに関するネタで、さらにロシアもののミニチュアモデルのコレクター・・・という真性の「変態」で、違った意味で「変態図鑑」に収録させていただきたい位です(笑)。
S氏は某有名自動車雑誌の編集のお仕事をされているため、当日は急遽取材も兼ねての出走となったのですが、後のFacebook上での感想は、「まじめに楽しかったです。程よい緊張と高揚がすべてミックス・・・」というものでしたので、気に入っていただけたのではないかと思います。
10番スタートはAlfa GTで出走のK氏でした。K氏もこのタイムラリーは初参加だったと思うのですが何よりも素晴らしかったのがこのAlfa GTの佇まいで、サーキットでの走行会もこなすことのできるその仕様はバッチリ決まっていました。
11番スタートはLANCIA Delta Evoluzioneで参加のK氏で、K氏はシングルでの参加だったのですが、奥多摩での教訓からコマ地図をダッシュボードに貼り付けての出走で、物静かなK氏の密かな「ヤル気」を感じさせてくれました。
12番スタートはSUBARU Exigaで参加のK氏です。K氏は以前はAlfa 156GTAにお乗りだったのですが、ご家族が増えたことから現在のクルマになったとのことです。しかし、今回のラリー初参戦でまた「火がつく」のではないでしょうか(笑)。
13番スタートはFIAT 500 Abarthで参加のA氏です。改めてまじまじとこのAbarthを見る機会となったのですが、その硬められた足回りと四輪がボディの四隅で踏ん張っているその佇まいは往年のAbarthを彷彿とさせます。こうしたやる気満々のクルマを作らせたらイタリア人は本当に上手です。
最後のスタートはLANCIA Delta EvoluzioneのM氏です。実はM氏は女性のドライバーなのですが、その運転の腕前は当にプロ級(聞けばご職業から本当にプロ・・・)で、今回クイック・トレーディングで製作したリセットカーと同じ仕様ですが、ホイールがブラックアウトされているために随分とレーシーに見えます。
そしてスイーパーとして寺島社長のALFAROMEO Breraがスタートしました。このスイーパーの役割は最後尾から同じコースを走って、万が一途中でトラブルに見舞われた参加車両をサポートしたり、ミスコースでリタイアを余儀なくされたドライバーの案内をするという大切な役割です。
事前の打ち合わせでは、寺島社長がリセットDeltaに乗って走るということになっていたのですが、何せリセット完成後に充分なテスト走行をする時間がなく、そのシェイクダウンを出走するR君に任せるという「安全策」?を取り、自身は普段の愛車であるBreraでの走行となりました。
こうして全車がスタートしたら、ナニゴトもなかったように静かになったPAを後にして私はすぐにゴール地点へと移動です。
館山自動車道は片側1車線で、前に遅いクルマがいると予定した時間でゴール地点に到着することができなくなってしまうのですが、案の定、前を走る遅いクルマに引っかかってしまいました。途中の追い越し用に二車線になっている箇所でも左側車線はバスが塞ぎ、そのバスとほぼ同じ速度で右側の追い越し車線を走るそのクルマを追い抜くことができません。しかもこういうクルマに限って全く後ろを見ていないのです(苦笑)。
相当焦りましたが道路が空いていたおかげで何とか予定していた時間にゴール地点に到着することができ、フラッグの設置や記録用PC準備などを済ませることができました。
今回のゴール地点は保田漁協が運営している
「ばんや」 という複合施設で、その漁港の中の敷地内にはレストランに加えて、売店や温泉までが完備された素晴らしい環境でした。
しかもその予約館という海に面した団体専用の別棟の前の駐車スペースを、私たちのイベントのために独占使用させていただいたのですが、下見の際の打ち合わせどおり、他のクルマが勝手に駐車しないように前日からロープを張って駐車場所を確保するなど、万全の協力をしていただきました。
こうしたイベントを実施するには昼食場所や表彰式の会場となる場所の協力が必要不可欠で、連休前の日曜という「かきいれどき」にも関わらず、快く協力していただいた「ばんや」さんには本当に感謝しています。
以前にも書きましたが、こうしたクルマのイベントを実施するには駐車場が不可欠なのですが、一方で受け入れる側からすると参加人数とクルマの台数のバランスが悪いため、食事場所の収容人数は余裕があるのに駐車場は満車・・・という状態になってしまい、多忙な時期や時間帯では店側にとっては下手をすると営業妨害になりかねない迷惑な団体と言えるのです。それを踏まえて交渉するかどうかで相手の態度も変わり、好意的になって協力してくれるのは、どんな交渉ごとでも相手の立場を理解することが重要なことと同じでしょう。
こうしてゴールでの受け入れ準備が終わったと同時に先頭車両がゴール地点にやって来ました。しかも一台ではなく数台が連なってのゴールです(汗)。
見る見るうちに用意した駐車スペースは参加車で埋まって行きます。
タイムラリーではゴール即計時とはなりません。ドライバーは出走時には分からない基準タイムを予想しながら、ゴールを申告して初めて計時をするのですが、明らかに皆さん早着にも関わらず、タイムコントロールをせずに続々とゴール申告をして来ます(笑)。
実は1番でスタートしたD氏が相当トバしたためだと思うのですが、どこかで何台か詰まった後にD氏がその集団を引っ張ったのでしょう(笑)。
私の当初の読みでは1番スタートのC.A.E.ストラトスがある程度アタマを抑えてくれるだろうと予想していたのですが、前を遮る者のない状態で走らせたときのD氏の走りには恐ろしいものがあります(笑)。
結果としてD氏はダントツの早着となり、基準タイムとの時間差で競われるタイムラリーにおいては、一番時計だったにも関わらず、ビリの栄冠を手にすることとなりました。
D氏の速さはハンパではなく、
基準タイムの58分1秒に対して10分53秒の早着 でした。そしてD氏が引っ張ってゴールした一団は軒並み下位に沈む結果となってしまったのです(笑)。
しかし、全車が早着であったことには他にも要因があります。私が試走したときは平日で殆どクルマが走っていない状態でしたので、当日のある程度の混雑を予想してゆっくり目に走ってタイム設定をしたのですが、レース当日は天候の問題から交通量もさほど多くなく、マザー牧場までのコースでは一部観光バスに前を塞がれた参加車があったものの、ミスコースもなくスムーズに皆さんが走行した結果でした。
タイムラリーはあくまで参加車が気持ちよくツーリングするための手段で、決して競技ラリーではありませんので、ミスコース車がでないことが一番で、早着そのものも全体のスケジュールを遅らせることがないために望ましいことなのです。
今回のコースは奥多摩がアップダウンの多い山岳コース?であったことに対して、あまり高低差のないワインディングと、山桜と菜の花が同時に見えるのどかな田園風景を楽しんでいただけるコース設定としたのですが、ドライバーはともかく(笑)、同乗者の方々はその景色も含めて楽しんでいただけたのではないかと思います。
そして優勝は、初参加ながらおそらくクルマの性格上のんびりと走った結果だろうと思うのですが、SUBARU Exigaで参加のK氏でした。しかし、そのK氏とて
基準タイムに対して2分36秒の早着 でしたので、いかに皆さんのペースが速かったかが分かります。
お待ちかねの昼食は地元の食材をメインにした海鮮御膳で皆さんには満足していただけたのではないでしょうか。
ハナシが前後するのですが、皆さんがゴール申告を済ませた頃に問題が発生しました。
それは一番有り得ない状況で、なんと!スイーパーとして最後にスタートした寺島社長のBreraが途中で止まってしまったのです(苦笑)。聞けばエンジンに燃料が供給されていないらしく、セルモーターは廻るもののエンジンはすぐにストールしてしまうという状況のようです。
また止まっている場所もなかなか絶妙で、ゴール地点である海岸沿いの国道に下っていく山道の途中で、迎えに行くにも時間的に厳しいものがありました。しかも・・・賞品は寺島社長のBreraに積んでいるのです。
こうなると頼みはカメラカーのY氏で、撤収する際にY氏に寺島社長と賞品を拾っていただき、クルマは解散後に救援に向かうことにしました。
それにしても一番トラブルの可能性の低いであろうBrera、しかもいざというときの救援車であるスイーパー役のクルマがトラブルを起こすとは・・・(笑)。寺島社長もきっとあまりにドラマがないことを危惧して話題を作ってくれたとしか思えません(笑)。
さてこうして参加者の皆さんはナニゴトもなく、皆さん無事に帰路に着いたのですが、私たちにはBreraの回収というお仕事が残りました。
寺島社長と現場に戻って見ると、そこは絶妙な放置場所で、建設途中の閉鎖された道路にセルモーターでクルマを移動したとのことですが、路肩ではなかったために実に安全な駐車場所でした。何度かエンジン再始動にチャレンジ(悪あがき)してみたのですが、やはりエンジンはかかりません。
仕方なくローダーを呼んでクイック・トレーディングまで運ぶことにしたのですが、この場所はローダーに積み込むスペースも充分で、非常用の駐車場所としては理想的な?場所でした。
ほどなくしてやって来た地元のローダー業者にクルマの廻送をお願いして、私たちはLANCIA Themaでクイック・トレーディングまで戻ることにしました。
帰ってきたクルマを早速チェックして見ると、その原因はすぐに判明しました。
燃料ポンプのリレー基板が焼けており、どうやらリレー内部がショートして基板まで溶かしてしまったようです。
リレーを分解して見ると、やはりコイルの部分が焼けてしまっていました。これは部品不良でどうやら一気に焼けたのではなく、徐々に接触不良が進行して最後にショートしたものと思われます。
やはり現代のアルファ・ロメオもアルファ・ロメオで、どんなに日頃からメンテナンスに気を配っていてもリレーのショートまでは事前に発見することは困難でしょう。
メンテナンス・ガレージの社長自らが「身を挺して」、教えてくれたイタ車との付き合い方の厳しさということかも知れませんが、以前にも書きましたが
アルファ・ロメオにはイジワル魂が宿っているようで、何も今じゃなくても・・・というタイミングでそれがやって来るのもアルファ・ロメオのDNAなのかも知れません。 もちろんタイムラリーそのものは事故もなく、皆さん無事に帰還されて終了することができました。
これも参加された皆さんのご協力のおかげです。本当にありがとうございました。
当日撮影した写真は
クイック・トレーディングのHP に後日UPされると思いますので、そちらもお楽しみにお待ちいただければと思います。
最後に皆さんの順位をもう一度発表しておきたいと思います。尚、出走No.は繰り上げて表示していますので、皆さんのゼッケンNo.から-1してください。
第1位 出走No.12 SUBARU Exiga タイム誤差 2分36秒
第2位 出走No.4 ALFAROMEO Alfa155 タイム誤差 6分12秒
第3位 出走No.11 LANCIA Delta Evoluzione タイム誤差 6分43秒
第4位 出走No.10 ALFAROMEO Alfa GT タイム誤差 7分13秒
第5位 出走No.2 LANCIA Delta Evoluzione タイム誤差 7分21秒
第6位 出走No.9 ALFAROMEO GTV タイム誤差 7分28秒
第7位 出走No.14 LANCIA Delta Evoluzione タイム誤差 7分30秒
第8位 出走No.6 ALFAROMEO GTV タイム誤差 7分41秒
第9位 出走No.13 FIAT 500 Abarth タイム誤差 7分44秒
第10位 出走No.7 LANCIA Delta 16V タイム誤差 8分18秒
第11位 出走No.8 ALFAROMEO 916Spider タイム誤差 8分19秒
第12位 出走No.5 FIAT Barchetta タイム誤差 8分26秒
第13位 出走No.3 LANCIA Delta Evoluzione タイム誤差 9分23秒
第14位 出走No.1 LANCIA Delta Evoluzione タイム誤差 10分53秒
さて、実はこのクイック・ツーリングというコンセプトは実験的な企画で、まずは年4回実施してみて・・・ということでスタートしたために、この内房タイムラリーがその最終回となりました。
これからどうしようか・・・と寺島社長とも相談した結果、
このコンセプトでもう1年続行することが決定 しました。ツーリングとラリーを交互に開催というスケジュールはそのままに、今年もまたパワーアップして?ご家族や同乗される方にも楽しんでいただけるよう、様々な企画を考えて行きたいと思っていますので、是非引き続きご一緒できればと思います。
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テーマ:ツーリング - ジャンル:車・バイク