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走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

Coppa di Tokyo 2011 ~その弐~

引き続きご紹介していきますが、今度はイタリア車を中心としたムシ達の登場です。

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エントリーリストでは1952年 PANHARD(パナール)Dyna Juniorとなっていましたが、何かの都合でMG-Bに変更してのエントリーだったようです。

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1959年 FIAT 500Sです。イタリアもドイツと同様に戦後は航空機の製造が禁止されましたが、ドイツと異なり、イタリア人はもともとクルマの方が作りたかったようで、敗戦国の中で最も自動車産業の復興が早かったのがイタリアでした。

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1956年 FIAT 600です。FIAT 500の上級バージョンですが、それでも小さいことには変りありません。

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ギャラリーに大人気だったのが1973年 FIAT 500 CARABINIERIです。CARABINIERIとはイタリアの国家警察のことで、これはFIAT 500のパトカーバージョンです。実際に使われたかどうかはともかく、恐らく逃走する犯人の車に追いつくことは難しいでしょう(笑)。追いつけない悔しさからか?、クラクションはミュージックホンにモディファイされており、勇ましい音を奏でながら走っていきました。

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1971年 FIAT 500です。こちらは正統派?でノーマルです。

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1951年 FIAT SIGHINOLFI 1100Sportです。ご存知のように1950年代イタリアのスポーツカーは実に魅力的なモデルが多く、その殆どが大小カロッツェリアのデザインによる魅力的なボディを身に纏っています。それがどのモデルであってもいつかは手許に持ちたいと思わせてくれるものばかりです。

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1947年 STANGUELLINI 1100 Sportです。近年、世界的に好事家の間で人気が沸騰しているSTANGUELLINIですが、その絶対数が増えるワケではありませんから、人気になったおかげで世界的にお値段が高騰していると聞いています。

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1955年 FIAT LOMBARDO 1100 Sportです。こちらも常連の方ですが、いつまでも日本にいて欲しいクルマです。

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1953年 MORASSUTTI Sportです。ちょっと角ばったボディ上端のラインが特徴的なクルマです。

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1950年 SIATA 750 Sportです。見事なコークボトルのボディラインとウィンドスクリーンの処理が素敵でした。

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1947年 FIAT Topporino Zagato Panoramicaです。FIAT TopporinoをベースにZAGATOがデザインしたボディを架装しています。Panoramicaの名前はそのドアガラスの形状に由来しており、当時としてはユニークなラウンドガラスを装備し「眺めが良く」なっています。

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1953年 FIAT 750 GT Zagatoです。思わずニヤリとさせられるのがサイドのカラーリングでZAGATOの「Z」がモチーフになっています。

次回はいよいよAbarthからご紹介して行きましょう。

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テーマ:イベント - ジャンル:車・バイク

Alfa RZの初期化~その弐~

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Coppa di Tokyoの模様をお伝えしているのですが、Alfa RZの初期化作業についてもお伝えしなければなりません(泣)。若干、オーナーへの作業連絡の目的もあるのですが、初期化の進捗について「番組を中断して」お伝えしたいと思います(笑)

マフラーを交換し無事に車検を取得したAlfa RZですが、公道を試運転しながら問題点を洗い出して行くこととなりました。
いざ走り出して出てきた最初の問題はエンジンの不調でした。確かにアイドリング時のバラつきと燃料が濃いという問題は分かっており、恐らく走っていると安定してくるのでは?とタカを括っていたのですが、やはり車検のために整備していると交換が必要な部品として、燃料ポンプ、燃料フィルター、燃料ポンプリレー、ECUリレーに加えて、ECUに信号を送るO2センサーと水温センサーがピックアップされました。
この交換部品の内、センサー以外の部品は長らく動かしていなかったことに起因するもので、ガソリンタンクに殆ど燃料が入っていなかったためにタンク内部が腐食し、その不純物を燃料ポンプが吸ってしまったのでは?と考えられました。確かに日本のような高温多湿の環境で、燃料タンクに何も入っていない状態で放置するとタンクの内部が腐食してしまうことは容易に想像できます。
Alfa RZのように日常のアシとして使われないクルマは、燃料タンクの腐食防止のために常にガソリン満タンが望ましい状態であることは言うまでもないのですが、言うは易く行いは難しで、めったに走らないクルマのガソリンタンクを常に満タンにしておくという行為は経済的にもなかなか難しいことです。しかし仮にガソリンタンクを交換するとなると大工事になってしまいますし、エンジン不調の原因にもなるのですから、修理代とガソリン代とを比較して考え、心を鬼にして?なるべく満タンにしておきたいものです。

これらの部品は全て国内で調達できるのですが、問題はそのお値段で正規ルートで手配するとその総額は12万円にもなってしまうのです。そこで、国内二次ルートで部品を探してみることにしました。
過去の記事にも書きましたが、正規ルートとはインポーター/ディーラーからの部品手配で、ここで手に入るのであれば何の苦労もないのですが、Alfa RZのようなクルマのパーツは最近になって輸入されたものではなく、昔の部品帳簿記載の価格がそのままであったり、調達した際の為替レートで部品代が計算されていたりするために、現在の為替感覚からすると理不尽と思えるほど高価なのです。一方で国内二次ルートは必ずしも昔仕入れた部品ではなく、これまでの販売ニーズによって手配されてきた在庫ですので、その為替レートも適切で、モノによっては半額で手に入れることができる可能性があります。
一方で、もちろん希少部品は「それなり」のプレミア価格で設定されていますが、そうなれば海外から直接輸入してしまえば現在の円高のメリットを受けることができます。一般の整備工場はそんな面倒なことをしないだけで、個人で探し出す手間さえ厭わなければ、こうして部品代のコストを抑えることが可能です。結果、国内の二次ルート3社からこれらの部品を半額で入手することができました。

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エンジンの不調はO2センサーの不良でした。どうやらコネクター部分に水が入り端子が腐食していたようです。主治医がコネクターを磨いたところ復活しました。しかしエンジン内がカーボンで相当汚れており、マフラーから盛大にカーボンが出たそうです。確かに見ると交換したばかりのマフラーエンドはカーボンで汚れていました。

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ここからはバトンタッチして私がシェイクダウンをすることとなりました。廻していなかったエンジンに少しずつ負荷をかけてスムーズに廻るように慣らし運転をしながらのチェックです。
今回の慣らし運転は3速から4速で3000rpmから4000rpmまでゆっくりとアップダウンを繰り返しながら走行し、この回転域がなめらかに廻るようになると、次は4000rpm-5000rpmを同様に行うというやり方で、走行しながら行うことによりエンジンだけでなくそれに伴う駆動系も併せて馴染ませて行きます。こうすることによりエンジンのピックアップが良くなりスムーズに廻るようになってきました。

交換したマフラーは素晴らしいの一言です。SuperSprint製のマフラーはステンレスながらその肉厚がスチール製と同様で軽量化には寄与していないのですが、それよりも味付けが素晴らしいマフラーです。
アイドリング時はとても静かで、純正のスチールマフラーと変らないのですが、2000rpmから3000rpmという中間加速時にはマフラーから心地よい音が響いてきます。そしてさらに回転を上げていくと今度はマフラーの音がなくなり、V6エンジンからの音が聞こえて来ます。
名機と呼ばれたアルファ・ロメオのV6エンジンはその回転フィールだけでなく音も素晴らしいのですが、従来の社外マフラーはその排気音は聞こえてもこのV6エンジンの音を消してしまっているものが殆どでした。
しかし、このマフラーはちゃんとその素晴らしいエンジンからのフォーンという音を聞かせてくれます。RZのようなオープンで走行していると、ちゃんと後ろから聞こえてくる音と前から聞こえてくる音が聞き分けられるので、余計にこの味付けを感じることができます。

こうなると相対的に問題になってきたのがタイヤで、現在履いているのがPOTENZA GRIDⅢという10年以上前のタイヤなのです。グレードそのものには何の問題もないのですがタイヤのゴムが賞味期限を過ぎており、乗り心地が悪くなっているだけでなく恐らく限界領域が相当低くなっているだろうと思われます。ですので、今回のエンジン慣らしも直線でしか行わず、コーナーでは極力減速して安全策を取ったのですが、それでも冷やりとする場面がありましたので、予算に余裕ができれば真っ先にタイヤを交換すべきでしょう。

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さらに、こうしてシェイクダウンを行っているとオーバークールという問題が出てきました。何と贅沢な…という問題ですが、オーバーヒートよりはマシとは言え、オーバークールもエンジンに良くありませんし、何よりヒーターが効かないため寒いことこの上ありません(苦笑)
どうやら過去に加工されたラジエーターファンのサーモスタットが原因のようで、夏場のオーバーヒートを嫌って加工されたこのファンスイッチの設定温度が低すぎるためにすぐにファンが廻り始めてしまうようです。これは調整してもらうことにしました。

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さらに細かいことですが、リモコンミラーの不動とオーディオのオートアンテナの不動を発見しました。リモコンミラーの不動原因は簡単にチェックでき、左右とも動かずにモーター音がしなければスイッチを含めた配線関係の不具合で、どちらか一方は動く…といった不具合はミラー側に問題があるのですが、今回は左右ともウンともスンとも言いませんので配線関係でしょう。このリモコンミラースイッチは共通部品ですから交換もできますが、殆どが接点不良ですからまずはバラしてチェックしてもらうことにします。
パワーアンテナも全く動きませんので併せてチェックしてもらいましょう。

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このAlfa RZは個人売買で購入したものですので、内外装のリフレッシュも必要です。外装はどうやらコーティングが施されていたようで美しい状態でしたが、それでもタールや虫のぶつかった跡などがありましたので、いつもの秘密洗車場でリフレッシュしてやることにしました。
Alfa RZのデザインはナニモノにも似ていない素晴らしい個性を持っているのですが、その構造を見ると雨の中のドライブを全くといって良いほど想定していないことが良く分かります。例えばリアのソフトトップを収納するハードカバーはその開閉部まで緩やかに下がるデザインとなっています。ということは雨水は走っているときには後方に流れるために問題はないのですが、停まっているときやブレーキング時にはその開閉部に向かって流れて来て、そのままボディ内部に入ってくるのです。本来ならばその開閉部の下に雨水が外部に逃げるよう雨どいを作るものですが、実際に見て見るまで信じられませんでした。同時のこの構造は水を無造作に流すような洗車もできないことを意味しています。

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今回はコーティングを剥がさないようにスポンジにたっぷりとつけたシャンプーの泡でボディを洗ってやり、極力水が室内に入らないように泡を洗い流してやりました。セーム皮で水分を拭き取るまでのプロセスで、結果としてボディの状態をチェックすることができます。その洗車の中で新たに見つけたのがフロントバンパー右横の蜘蛛の巣上のクラックですが、FRPの場合はある程度は止むを得ない経年劣化ですので、過度に神経質にならずに見過ごしておくのが精神衛生上も平和でしょう。

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コーティングへのダメージを極力少なくするように、ピンポイントでピッチクリーナーをスプレーしてこびりついたタール汚れや虫の跡を取ってやるのですが、やはり不充分な箇所も残ってしまいました。本当ならばコンパウンドで取ってしまうのですが、それはコーティングをやり直す際の作業としましょう。

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続いて内装のクリーニングです。外装はコーティングのおかげで美しい状態を保っているのですが、意外と放置されているのが内装です。簡単なクリーニングでも随分と見違えるようになるものです。

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まずは内装の樹脂部分のクリーニングです。黒の樹脂パーツは汚れているのが分かりにくいのですが、それは汚れていないという意味ではなく、私は一般的なアーマオールの樹脂クリーナーを使っていますが、ウェスにつけて拭くとこれだけの汚れが出てきます。

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本来ならば次に保護ツヤ出し剤を塗って仕上げるのですが、あのテカリが嫌いな方もいますので、今回はクリーニングのみに止めました。

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次にレザー部分のクリーニングですが、私が使っているのはアメリカ製のレザーケア/クリーナです。本格的にリフレッシュするのであればハイド・フードなどのレザーケアクリームを使うべきなのですが、これらはマジメに?使おうとすると結構な手間と労力を必要とするのです。一方でものぐさなアメリカ人向けのケミカルは、使い方が簡単な上にその仕上がりも上々で、実は使ってみるとスグレ物が多く、このレザーケア剤もウェスにつけて拭き上げるだけというお手軽なものですが、安物のレザーケア剤特有のベタつきもなく、レザーもツヤが出るだけでなく柔らかく仕上がります。ダッシュボードやコンソールのレザー部分もこのクリーナーで仕上げると見違えるようになりました。最近はあまり見かけなくなりましたが、もし見つけたら「買い」の一品です。

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運転席が使用後で助手席が使用前です。

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最後に社内の塗装部分にワックスを塗って内装のリフレッシュも終了です。

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引き続き残りの調整を主治医にお願いし、今週末にオーナーに引き渡したいと思います。
今回は行きがかり上、納車整備とリフレッシュのお手伝いをすることになってしまいましたが、私自身は業者でもブローカーでもありませんので、くれぐれも誤解のないようにお願いします(笑)

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Coppa di Tokyo 2011 ~その壱~

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今年は多くのクルマ関係のイベントが中止、もしくは縮小されているのですが、何とか無事に開催できたのがこのCoppa di Tokyoです。それでも事前の告知が殆どなく、私自身も友人のR君から聞いて開催されることを知った有様でした。理由は定かではありませんが、参加者だけでなく見学者も楽しめるこのイベントは、地元の汐留イタリア街商店会の協賛の基に開催されているのですから、もう少し集客のための告知があっても良かったのではと思います。

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それにしても何回見ても飽きることのない素晴らしい眺めです。日常の生活では決して見ることのできないクルマ達が「一体どこにいたんだ?」と言うほど集まってきます。参加車の皆さんは常連の方が多く、決してストイックにレースの準備をするのではなく、あちこちで雑談をしながら和気藹々といった雰囲気で楽しんでおられるのが伝わってきます。
参加車のゼッケンもどこに貼るかは結構重要で、オーナーのセンスを求められる作業なのですが、流石に皆さんこうしたイベントに慣れていらっしゃるようで、各車ともベストな位置に貼られていました。

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一部のコアなファンの方のご要望にお応えして(笑)、今回は参加車両をフルバージョンでご紹介して行きたいと思います。

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一番手でスタートしたのは1924年BUGATTI T13 Bresciaです。今年のBUGATTIの参加はこの一台だけで少し寂しいものがありました。この年代のクルマで長距離のラリーに出場するのは本当に大変ですので、このCoppa Di Tokyoはその走行距離も手頃で参加し易いハズなのですが、先日のLaFesta Autunno2011のほうに遥かに多くのBUGATTIが参加していたということはBUGATTIのオーナーに武闘派の方が多いということなのでしょうか(笑)

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続いては1929年AUSTIN 7 Specialです。ご存知の通り大衆車として発売されたAUSTIN 7は、セダンだけでなく様々なボディが架装され、その中でもレーシング仕様はそのお値段からサンデーレーサーに愛されたモデルでした。
実際にこのモデルもそうしたレーシング仕様の一台なのですが、思わず笑顔になるようなクルマでした。

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今回の参加車の中でも白眉であったのがこの1929年 BENTLEY Pacey Hassan Specialでした。初めて見たのですが、BENTLEYの中でも珍しいモノポストレーサーです。

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後にゆっくりとディテールを観察することができたのですが、この年代のクルマの中でもBUGATTIと並び工芸品のような造りに本当に感激しました。BENTLEYはどちらかと言えば無骨なイメージがあるのですが、このモデルは繊細な美しさに満ちていました。

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1934年 SINGER 9 LeManです。名前の通りLeMan24Hレースに出場するために製作されたモデルですが、本当にこれで24時間レースを走ったのかと思うほど普通の仕立てです。それも当然で、当時はレーシングカーとスポーツカーの垣根が低く、プライベーターであれば英国から日常に乗っている愛車でLeManまで自走し、そのままレースに出場するというのは当たり前でした。

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1935年 BMW 319 Sport Cabrioletです。戦前のBMWは航空機エンジンのメーカーとして有名でしたが、同時に現在のように自動車やモーターサイクルの製造も手がけており、BMWのクルマは当時からスポーティイメージで売っていました。

引き続き参加車をご紹介していきましょう。

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1933年 MORGAN Three Wheeler2台です。名前の通り前輪が2輪で後輪が1輪の三輪車です。フロントに空冷2気筒エンジンをむき出しに搭載し、後輪を駆動するというメカニズムで、オートバイと自動車の中間のようなクルマです。イギリス人はこうしたプリミティヴなクルマが大好きで、まるで第一次大戦の複葉戦闘機に乗っているような気持ちになるそうです。

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一方こちらは1960年、1958年のMESSERSCHMITT KR200です。同様に前輪が2輪で後輪が1輪の三輪車ですが、名前から分かるようにドイツの航空機メーカーであったMESSERSCHIMITT(メッサーシュミット)社が戦後に製造したクルマです。乗員はタンデムで乗り込む2人乗りで、乗室のキャノピーは飛行機のように真横に跳ね上げる方式を取っています。MORGAN Three Wheelerが第一次大戦の複葉戦闘機なら、こちらは第二次世界大戦のメッサーシュミットBf109を彷彿とさせてくれます。

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第二次世界大戦の敗戦により航空機の製造を禁止されたドイツの航空機メーカーは自動車製造にその活路を見出します。先ほどのMESSERSCHMITT社と同様にBMW社も航空機エンジンを製造できなくなり、自動車とオートバイの製造に注力することになります。しかし、空襲で焦土と化したドイツ経済はボロボロで、こうした小型車しか販売のニーズがありませんでした。こちらは1960年 BMW ISETTAです。最近、ABC-MartのTV-CMでも使われたので一般の方にもメジャー?になった車種で、そのCMを見た方はドアがどのように開くかご存知でしょう(笑)。

このペースでご紹介していると延々と続いてしまうので(苦笑)、次回からは少しペースアップして行きたいと思います。(できるのか?・・・)

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LANCIA Storatos HF 製作記3

いよいよサーフェイサー塗装ですが、先日ダンボール箱で製作した塗装ブースの登場です(笑)

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まず、サーフェイサーを吹く前にボディを中性洗剤で洗ってやります。これはボディ表面の脱脂と削りカスを取り除いてやるための作業です。ボディはスジ掘りを中心に歯ブラシを使って溝の削りカスを取りますが、私は柔らかい豚毛の歯ブラシを使用しています。自分の歯を磨く歯ブラシはナイロン製に対して、模型用には豚毛を奮発するというのも忸怩たる思いがありますが(苦笑)、ボディを傷つけないためにはなるべく柔らかい毛のものを用意してください。
洗った後に水滴が残ったまま自然乾燥させると、水分に含まれた不純物がボディに残ってしまいますので、エアダスターなどで水分を強制的に吹き飛ばして乾燥させます。

塗装に当たっては写真のようにペットボトルの蓋に両面テープなどを貼り、ボディの持ち手として利用します。外部排気の塗装ブースを使うとしても一応、作業マスクは必須です。
サーフェイサーはボディ下面から吹きつけ、ペットボトルを動かしながらスプレーの吹きつけ面がボディにまんべんなく当たるように向きを変えて吹き付けてやります。

さて、塗装ブースを使って見た感想ですが、一番心配であった排気能力がやはり少し不足気味でした。しかし、連続して大面積を塗装しない限りきちんと排気してくれますし、室内に臭いも残りません。必要にして充分といったところでしょうか。窓に取り付けた換気扇に排気ダクトを直接取り付ける方法もありますが、そうすると常に塗装ブースが作業机の上にあることになってしまいますので、部屋が狭いと作業効率に影響してしまいます。
ブースの大きさも1/48スケールの飛行機程度までであれば充分な大きさですので、当面は使い続けようと思っています。

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サーフェイサーが乾燥したらボディ表面をチェックします。特にパテで修正した部分やスジ掘りを追加した部分などは要チェックで、傷やヒケを見つけたらさらに溶きパテを使って修正してやります。

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ここで大失敗を発見してしまいました。サイドミラーの取り付け穴をピンバイスで開けていたのですが、調子に乗って運転席側だけで良かったものを助手席側も開けてしまっていたのです。

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急遽穴を塞ぐことにしたのですが、それには余ったランナーを火であぶって伸ばし、穴に差し込んで接着します。
接着剤が乾いたら余分な部分をカットしてヤスリで削って仕上げます。

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最後は全体を1200番~1500番程度の耐水ペーパーで磨いてやり、本塗装に移ります。

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今回のボディ塗装はホワイトとグリーンの2トーンです。グリーン部分はデカールで用意されていますがシンプルな塗り分けですので塗装で表現しようと思います。まずは全体をホワイトで塗装しますが、こうした全面塗装はエアブラシではなく缶スプレーの方が手っ取り早くて簡単です。
しかし、缶スプレーはある程度の広い面積を塗るには良いのですが、エアブラシのようにニードルを絞って細吹きをすることができないために、複雑な形状をした部分にはうまく塗料が入っていかないケースがあります。それを回避するためには、スプレーの吹きつけ方向を意識しボディの角度を変えながら細かくスプレー吹きを繰り返して奥まった部分にも塗膜を形成してやらなければなりません。

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ここでまたまた失敗してしまいました。あまりに古い缶スプレーを使ったために缶内のガスが抜けてしまっており、こんな状態になってしまいました(泣)。ブランクがあると本当にロクなことがありません。相当ヘコむ状況ですが、これでリカバリーの方法もご説明できるとポジティブに考えることにしましょう。

このようにスプレー塗装に失敗した場合は、残念ながらペイントリムーバーを使って塗料を剥離するしかありません。しかし、実車と同様にこのペイントリムーバーはその臭いが酷く、とても室内では使えないシロモノでした。しかし、最近は便利なリムーバーが販売されています。それは塗装バスターというリムーバーで、従来の有機溶剤ではなく植物性の原料から作られたリムーバーで、臭いも殆どなく拭き取ったティッシュなどの後始末も普通のゴミとして捨てることができるというスグレ物です。確かに有機溶剤系のリムーバーより若干性能が落ちるような気がしますが、臭いがないという長所はナニモノにも替えがたく、オススメできる製品です。

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使い方はティッシュなどに薬品を染み込ませて拭くようにと書いてありますが、塗装が乾かないうちであればまだしも、一度乾燥してしまった塗膜はそんなことではビクともしません。
イロイロと試してみたのですが、一番効率が良かった方法は、まずは筆でたっぷりとリムーバーを塗ってやり、しばらく放置し固まった塗料を溶かします。そして塗面がぬるぬるになったらまずはキムワイプで大まかに拭き取ります。
次に再度、筆でリムーバーを塗って筆でこすりながら残りの塗料を溶かします。そうするとリムーバーに塗料が溶け出しますので、その色の付いたリムーバーをキムワイプに吸わせます。モールドの中やエッジに残った塗料は爪楊枝でこそげ取り、細かな部分は綿棒でこすり取るときれいに取り除くことができます。

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残念ながらサーフェイサーも一緒に剥離してしまいますし、ラッカーパテも同時に剥がれてしまいますので、再度パテ盛りからやり直しとなってしまいます。

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剥離作業はとにかく根気勝負で、上記の作業を地道に行ってようやく元の状態に戻すことができましたが、古い缶スプレーを使ってしまった代償は大きく、面倒な作業を強いられることとなってしまいました。
戻り作業となってしまいますが、引き続き塗装準備を進めていきます。

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テーマ:模型・プラモデル・フィギュア製作日記 - ジャンル:趣味・実用

ブータン国王が伝えたこと

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たまにはクルマを離れて思うことを書いて見たいと思います。

先日来、マスコミを賑わしていたのがブータンの国王と王妃の来日ではなかったかと思います。
若き国王と王妃はそのルックスと所作を含めて日本人の心を掴み、まさに外交のお手本のような効果をもたらしました。下世話な考えかもしれませんが、日本滞在中のパブリシティ効果は恐らく数十億円に上り、どんなに予算を使ってブータンをPRしても及ばない効果を上げたのではないでしょうか。

しかし、どんなに日本のマスコミがあたかもハリウッドの映画スターの来日のように扱ったとしても、彼らは一国を代表する元首夫妻であり、その来日の目的はブータンという国に対する将来に亘る日本の経済協力に資することにあるのは当然で、その目的からすると国王夫妻は実に良い仕事をしたと言えるでしょう。
そんな国王夫妻の滞在中の活動の中で、特筆すべきは国会演説であったと思います。そこにはブータンというアジアの小国がどのような歴史を歩み、その中で日本という国をどのように見ているか。そしてその日本に何を期待しているかが明らかにされているのですが、日本のメジャーな媒体でそのことをきちんと報道したものは全く見当たりませんでした。すなわち、国王の演説の中で震災に関するお見舞いの言葉は報道されるものの、その全容は報道されていないのです。

ネットで調べて見て、その演説の全文が見つかりましたので以下に引用させていただきたいと思います。

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天皇皇后両陛下、日本国民と皆さまに深い敬意を表しますとともにこのたび日本国国会で演説する機会を賜りましたことを謹んでお受けします。衆議院議長閣下、参議院議長閣下、内閣総理大臣閣下、国会議員の皆様、ご列席の皆様。世界史においてかくも傑出し、重要性を持つ機関である日本国国会のなかで、私は偉大なる叡智、経験および功績を持つ皆様の前に、ひとりの若者として立っております。皆様のお役に立てるようなことを私の口から多くを申しあげられるとは思いません。それどころか、この歴史的瞬間から多くを得ようとしているのは私のほうです。このことに対し、感謝いたします。

妻ヅェチェンと私は、結婚のわずか1ヶ月後に日本にお招きいただき、ご厚情を賜りましたことに心から感謝申しあげます。ありがとうございます。これは両国間の長年の友情を支える皆さまの、寛大な精神の表れであり、特別のおもてなしであると認識しております。

ご列席の皆様、演説を進める前に先代の国王ジグミ・シンゲ・ワンチュク陛下およびブータン政府およびブータン国民からの皆様への祈りと祝福の言葉をお伝えしなければなりません。ブータン国民は常に日本に強い愛着の心を持ち、何十年ものあいだ偉大な日本の成功を心情的に分かちあってまいりました。3月の壊滅的な地震と津波のあと、ブータンの至るところで大勢のブータン人が寺院や僧院を訪れ、日本国民になぐさめと支えを与えようと、供養のための灯明を捧げつつ、ささやかながらも心のこもった勤めを行うのを目にし、私は深く心を動かされました。

私自身は押し寄せる津波のニュースをなすすべもなく見つめていたことをおぼえております。そのときからずっと、私は愛する人々を失くした家族の痛みと苦しみ、生活基盤を失った人々、人生が完全に変わってしまった若者たち、そして大災害から復興しなければならない日本国民に対する私の深い同情を、直接お伝えできる日を待ち望んでまいりました。いかなる国の国民も決してこのような苦難を経験すべきではありません。しかし仮にこのような不幸からより強く、より大きく立ち上がれる国があるとすれば、それは日本と日本国民であります。私はそう確信しています。

皆様が生活を再建し復興に向け歩まれるなかで、我々ブータン人は皆様とともにあります。我々の物質的支援はつましいものですが、我々の友情、連帯、思いやりは心からの真実味のあるものです。ご列席の皆様、我々ブータンに暮らす者は常に日本国民を親愛なる兄弟・姉妹であると考えてまいりました。両国民を結びつけるものは家族、誠実さ。そして名誉を守り個人の希望よりも地域社会や国家の望みを優先し、また自己よりも公益を高く位置づける強い気持ちなどであります。2011年は両国の国交樹立25周年にあたる特別な年であります。しかしブータン国民は常に、公式な関係を超えた特別な愛着を日本に対し抱いてまいりました。私は若き父とその世代の者が何十年も前から、日本がアジアを近代化に導くのを誇らしく見ていたのを知っています。すなわち日本は当時開発途上地域であったアジアに自信と進むべき道の自覚をもたらし、以降日本のあとについて世界経済の最先端に躍り出た数々の国々に希望を与えてきました。日本は過去にも、そして現代もリーダーであり続けます。

このグローバル化した世界において、日本は技術と確信の力、勤勉さと責任、強固な伝統的価値における模範であり、これまで以上にリーダーにふさわしいのです。世界は常に日本のことを大変な名誉と誇り、そして規律を重んじる国民、歴史に裏打ちされた誇り高き伝統を持つ国民、不屈の精神、断固たる決意、そして秀でることへ願望を持って何事にも取り組む国民。知行合一、兄弟愛や友人との揺るぎない強さと気丈さを併せ持つ国民であると認識してまいりました。これは神話ではなく現実であると謹んで申しあげたいと思います。それは近年の不幸な経済不況や、3月の自然災害への皆様の対応にも示されています。
皆様、日本および日本国民は素晴らしい資質を示されました。他の国であれば国家を打ち砕き、無秩序、大混乱、そして悲嘆をもたらしたであろう事態に、日本国民の皆様は最悪の状況下でさえ静かな尊厳、自信、規律、心の強さを持って対処されました。文化、伝統および価値にしっかりと根付いたこのような卓越した資質の組み合わせは、我々の現代の世界で見出すことはほぼ不可能です。すべての国がそうありたいと切望しますが、これは日本人特有の特性であり、不可分の要素です。このような価値観や資質が、昨日生まれたものではなく、何世紀もの歴史から生まれてきたものなのです。それは数年数十年で失われることはありません。そうした力を備えた日本には、非常に素晴らしい未来が待っていることでしょう。この力を通じて日本はあらゆる逆境から繰り返し立ち直り、世界で最も成功した国のひとつとして地位を築いてきました。さらに注目に値すべきは、日本がためらうことなく世界中の人々と自国の成功を常に分かち合ってきたということです。

ご列席の皆様。私はすべてのブータン人に代わり、心からいまお話をしています。私は専門家でも学者でもなく日本に深い親愛の情を抱くごく普通の人間に過ぎません。その私が申しあげたいのは、世界は日本から大きな恩恵を受けるであろうということです。卓越性や技術革新がなんたるかを体現する日本。偉大な決断と業績を成し遂げつつも、静かな尊厳と謙虚さとを兼ね備えた日本国民。他の国々の模範となるこの国から、世界は大きな恩恵を受けるでしょう。日本がアジアと世界を導き、また世界情勢における日本の存在が、日本国民の偉大な業績と歴史を反映するにつけ、ブータンは皆様を応援し支持してまいります。ブータンは国連安全保障理事会の議席拡大の必要性だけでなく、日本がそのなかで主導的な役割を果たさなければならないと確認しております。日本はブータンの全面的な約束と支持を得ております。

ご列席の皆様、ブータンは人口約70万人の小さなヒマラヤの国です。国の魅力的な外形的特徴と、豊かで人の心をとらえて離さない歴史が、ブータン人の人格や性質を形作っています。ブータンは美しい国であり、面積が小さいながらも国土全体に拡がるさまざまな異なる地形に数々の寺院、僧院、城砦が点在し何世代ものブータン人の精神性を反映しています。手付かずの自然が残されており、我々の文化と伝統は今も強靭に活気を保っています。ブータン人は何世紀も続けてきたように人々のあいだに深い調和の精神を持ち、質素で謙虚な生活を続けています。

今日のめまぐるしく変化する世界において、国民が何よりも調和を重んじる社会、若者が優れた才能、勇気や品位を持ち先祖の価値観によって導かれる社会。そうした思いやりのある社会で生きている我々のあり方を、私は最も誇りに思います。我が国は有能な若きブータン人の手のなかに委ねられています。我々は歴史ある価値観を持つ若々しい現代的な国民です。小さな美しい国ではありますが、強い国でもあります。それゆえブータンの成長と開発における日本の役割は大変特別なものです。我々が独自の願望を満たすべく努力するなかで、日本からは貴重な援助や支援だけでなく力強い励ましをいただいてきました。ブータン国民の寛大さ、両国民のあいだを結ぶより次元の高い大きな自然の絆。言葉には言い表せない非常に深い精神的な絆によってブータンは常に日本の友人であり続けます。日本はかねてよりブータンの最も重大な開発パートナーのひとつです。それゆえに日本政府、およびブータンで暮らし、我々とともに働いてきてくれた日本人の方々の、ブータン国民のゆるぎない支援と善意に対し、感謝の意を伝えることができて大変嬉しく思います。私はここに、両国民のあいだの絆をより強め深めるために不断の努力を行うことを誓います。

改めてここで、ブータン国民からの祈りと祝福をお伝えします。ご列席の皆様。簡単ではありますが、(英語ではなく)ゾンカ語、国の言葉でお話したいと思います。

「(ゾンカ語での祈りが捧げられる)」

 ご列席の皆様。いま私は祈りを捧げました。小さな祈りですけれど、日本そして日本国民が常に平和と安定、調和を経験しそしてこれからも繁栄を享受されますようにという祈りです。ありがとうございました

(赤字ハイライトは筆者による)

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日本人としては面映い部分もありますが、ブータン国王の日本に対する見方は決して彼が親日家であるという理由からだけではなく、アジアや中東の諸国で欧米の植民地となった歴史を持つ国の日本に対する見方の代表でもあります。

ブータンは1907年にワンチュク家が支配権を握り、世襲制国王に選出されることにより設立された王国です。
そして当時のアジアの国々と同様に欧米列強の植民地化の流れの中で1865年にイギリスに占領されることになります。
このような歴史的背景を持つ国が、日本に対して欧米の植民地化の圧力に屈せず果敢に立ち向かい、結果として敗戦したものの、アジアの植民地化の流れを食い止め、さらに敗戦からの劇的復興によりまだまだ開発途上にあるこうした国々に希望を与えたという印象を持つのはある種当然かも知れません。さらにブータンの歴史は現在に至るまで周辺の強国(特に中国)からの領土侵略に晒され続けて来たために、現在の日本のように領土的野心のない経済援助をどれほど有難いと感じているかは、周囲を海で囲まれた日本からするとなかなか想像できないものではないかと思います。

ブータン国王の演説は、日本人が戦後の教育の中で学ばされてきた自虐的歴史史観と、隣国のご都合主義的な被害者意識により定着した太平洋戦争の意味を、私たちが一方的で画一的な歴史としてではなく、多様な角度から解釈する必要があることを考えさせてくれます。さらに、これから日本が果たすべき役割として、自国に対する開発援助だけでなく国際社会においての期待にまで言及しています。
一方でブータン国王はどこかの国の元首のように狂信的な欧米嫌悪者かというとそんなことはなく、彼自身はアメリカのウィートンカレッジを卒業し、かつての宗主国であった英国のオックスフォード大学の政治学修士なのです。

以前から言われていることですが、かつての植民地の領主であったり、イスラエル-パレスチナ問題の当事者である欧米の国々に比べて、そうしたしがらみがなく、宗教的なジレンマもない日本に対して仲裁国としての期待は潜在的にあり、こうした国々に「日本の言うことだったら聞ける」という心情的なベースがあることも事実なのです。

恐らく、今後はかつて日本が為し得た高度経済成長のような右肩上がりの経済的発展は有り得ないでしょうし、また、日本に限らず世界中で自国の「ひとり勝ち」を狙った経済/外交政策も成立しないでしょう。
そんな中にあって日本が目指すべき国際社会での役割は、昨今のTPP関連で議論されているような短期的な損得といった目先の国益ではなく、後世から「あのときの日本の態度は素晴らしかった」と尊敬を持って語られる行動ではないかと思います。

若きブータン国王はそんなことを考えさせてくれました。

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晩秋を求めて

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先日の房総ツーリングの余韻を引きずりながら笹本氏と電話で話している中で、そう言えば…と話題に上ったのが、

「今年はまだちゃんと紅葉を見ていない」

というハナシでした。それは笹本氏だけでなく私自身も同様で、毎年都内の銀杏を眺めて紅葉を見た気になっているだけで、世間の皆さんがドライブに繰り出す日光のいろは坂だの箱根の芦ノ湖だのは、クルマ趣味のツーリングからすると単に渋滞しているだけの道で、むしろそのシーズンを避けて出かけることが殆どだったのです。

それではそろそろ紅葉も終わりという頃を見計らってツーリングに行こうということになり、仲間と一緒に出かけることにしましたが、晩秋とは言えやはりそれなりの渋滞が予想されることもあり、ツーリングコースは仲間のO氏にお任せすることにしました。実はO氏のお仕事はTVやスチール撮影の手配というもので、実に様々な場所をご存知ですので、あまり渋滞しないコース設定を安心してお任せすることができます。
しかし、やはり大所帯での移動は難しいことから仲間内の極少数でのツーリングとし、ドライブ渋滞の第一陣が収まった少し遅い時間に中央道の石川PAに集合となりました。

その集合時間も絶妙で、殆ど渋滞もなく石川PAに到着したのですが、そこは大型バイクの集団でごった返していましいた。
最近特に増えたのがこの大型バイクのツーリング集団で、以前から多かったハーレーの集団に加えてドカティやモトグッチといったイタリアンバイクの集団も目に付きます。さらに大型スクーターの集団が加わり、PAは大混雑だったのですが、そのオーナーはヘルメットを脱いでいると皆さん結構なお歳で(苦笑)、確実にバイク人口が高年齢化していることが分かります。そのことは喜ばしいことではあるのですが、失礼ながらバイクの性能とその運転技術がマッチしていない方も見受けられ、集団で抜いていく際にもこちらの挙動を見越して上手に抜く方と実に危なっかしい方がいて、実際に事故も目にしました。
例えば、ワインディングで遅いクルマの後ろに追いついてしまい、さらに後ろにバイクが連なってしまった場合などは、私の場合はその遅いクルマとの車間を開けてバイクが入るスペースを作ってやり、ストレートか対向車が見えるオープンコーナーではっきりと分かるようにクルマを左に寄せた走行ラインを取ると、ちゃんとライダーはその意図を察して挨拶をしながら前に入ってくれるのですが、下手なライダーは仲間について行くのがやっとで、周囲の状況も見ずに強引に抜いて行くケースを見かけます。
周囲を見ていないのは必ずしもバイクだけではなく、漫然と走行するクルマのドライバーにも問題があるのですが、同じ道を全く異なる性格(挙動)の乗り物が走っているのですから、お互いに相手の状況を理解した運転をしたいものです。

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石川PAで集まったのは4台で、さらに藤野PAで1台が合流し、まずは勝沼ICを目指します。それにしてもいつものメンバーでのツーリングは何のストレスもなく実に優雅に編隊走行をすることができます。車線の変更も実にスムーズで、不思議と前車が次に何をするのかが手に取るように分かります。第二次世界大戦の戦記に出てくるパイロットの話で、歴戦の仲間と編隊飛行をしていると無線を使わないでも隊長機の意図が分かり、また隊長は列機の挙動が分かるというのがありますが、当にそれに近い状態で走行することができました。

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勝沼ICを降りて程なくして昼食場所に到着です。少し早い昼食でしたがこの時間帯もO氏のセッティングの妙で、入ったときにはガラガラだった店内も私たちが食べ終わる頃には満席になっていました。

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私自身は関西出身で東京に来るまではこの「ほうとう」という食べ物を知りませんでした。関西はうどんの本場ですから、東京で食べるうどんなぞ似て非なるものだと思っていましたし、また実際に食べてもちっとも美味しいとは思いませんでしたが、この「ほうとう」は別物で、うどんという意識を持たずに別の食べ物として食すことができますので素直に美味しいと思えます。そして最近になってやっと「ほうとう」が店によって随分と味が異なることも分かってきました。どの店も美味しいのですが、今回O氏に連れて行ってもらった店のものは、見た目は味噌味で濃く見えるのですが実にあっさりとしており、口に馴染む美味しいものでした。併せて名物の馬刺しとB級グルメで有名になった鳥のモツ煮を頂いたのですが、どちらも絶品でした。

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お腹も一杯になったところでいよいよ紅葉ドライブにスタートです。総勢5台というツーリングは先頭車が最後尾まで見渡すことができ、信号で隊列が切れてもすぐに合流することができスムーズに走行することができます。

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今回のコースは青梅街道を勝沼から奥多摩へ向かって走るというもので、先日の奥多摩タイムラリーのコース下見の際に通行止めになっていた区間でした。晩秋ということもあり紅葉は一部しか見られず、しかもクルマを停めるスペースがなかったために、走行しながらの見物となってしまいましたが。それでも過ぎ行く秋を堪能することができました。

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総勢5台というこじんまりとしたツーリングですが、それでもコース上の駐車場はどこも一杯で、かろうじてバラバラにクルマを停めて休憩することはできても並べて停めることはできません。しかも、やってくるのはサンデードライバーの皆さんで運転技術が心もとなく、下手をすれば駐車場で接触事故を起こしかねませんので、早々に本日の最終目的地である日帰り温泉に移動することにしました。
この温泉は前回のクイック・ツーリングの下見の際に見つけた「小菅の湯」で、私自身は今日で三回目の入湯です。ここの温泉は国道からはずれてちょっと奥まったところにあるために、あまり混んでいないために奥多摩では穴場ではないかと思います。
案の定、駐車場にはそれなりにクルマは停まっているもののまだまだ充分なスペースがあり、ようやく落ち着いてクルマを停めることができました。

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風呂上りに空いている駐車場スペースに勝手に停めて写真撮影です(笑)

今回初お目見えのO氏の新しい愛車であるAlfaGTVです。

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非常に希少な3Lエンジンを搭載した左Hバージョンです。この仕様は輸入された期間が短く、前期型の内装に中期型のフロントグリル、V6-24Vエンジンに5MTという「通好みの」仕様です。

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それにしても、何度見てもこのV6エンジンは見て美しく、乗って楽しいエンジンです。

そしてR君の日常のアシとして活躍してしてくれているAlfa159SWQ4です。

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ジゥジアーロデザインのBreraをモチーフにしたフロントマスクもAlfa159のセダンですとフロントが勝ちすぎている感じがするのですが、このSportsWagonですとリアのボリュームとマッチしてデザイン的にはバランスが取れているように思います。今回の5台の中では一番新しく、パワーも一番あるエンジンを搭載し、しかも4WDというトップバージョンであるのですが、その重量からか上りは相当キツかったようで、「クルマは軽いが一番!」という物理の法則を再確認させてくれたようです。

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これも一代限りであろうGM製のブロックにアルファ・ロメオ独自のヘッドを組み合わせたエンジンを搭載していますが、その眺めはやはりオリジナルのV6エンジンに敵いません。

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そして久しぶりにご一緒したJOEさん(仲間内では違う名前なのですが…)のAlfa164Q4です。このプロテオレッドはAlfa164Q4の中でも特殊で、通常はボディの下半分はサッコプレートが装着されボディカラーに関係なく濃いグレーで塗装されているのですが、このプロテオレッドだけはその下半分も同色で塗装され、唯一スポイラーの下部のみが塗り分けられています。
オリジナルデザインではボディ全体を薄く見せるために二色に塗り分けられていたのですが、デザイントレンドが変化し、ボディにボリューム感を出すことが主流になったために後期型のAlfa164Superでは廃止されてしまいました。
好みは分かれるかも知れませんが、Alfa164に関してはその前期型のボディはこのツートーンを前提としてデザインされているために、ボディの下半分を同色に塗ってしまうと違和感がある(逆も同じで後期型のSuperをツートーンにしても違和感があると思います)のですが、不思議なことにこのプロテオレッドだけは別で、スッキリとして見えます。

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残念ながら一番ショボいのがLancia Themaのエンジンで、その眺めは決して魅力的ではありません。もちろん、後にLancia Delta16Vに搭載されWRCで大活躍したエンジンですので、そのパフォーマンスには何の問題もないのですが、やはり4発と6発の違い以上にフィーリングの点においてはアルファ・ロメオのV6エンジンとは全く勝負になりません。

前回の房総ツーリングでも感じたのですが、同じモデル同士でのツーリングと異なり、自分の愛車と違ったモデルと一緒に高速道路から市街地、そしてワインディングの様々なステージを走ると、各々のクルマのエンジン特性や挙動をつぶさに見ることができ、意外な発見ができたりします。

ちょっと病みつきになりそうなツーリングでした。

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AlfaRZの初期化~その壱~

思ったより遥かに程度の良かったAlfaRZですが、それでも現状のまま車検を受けることは不可能です。
最大の問題はマフラーで、現状は車検整備以前の問題で交換しなければならないことは必須でした。ところが、ES30用のマフラーなぞはアフターパーツでゴロゴロあるはずもなく、選択肢としてはまた錆びることを覚悟の上でのIMASAF製の純正相当OEM品か、ワンオフでの製作を覚悟していたのですが、探して見ればあるもので、オーナーのR君がオークションでSuperSprint製のマフラーを見つけました。しかもセンターからリアエンドまでが一式揃っており、今回交換が必要な全ての部分が揃ってしまいました(笑)
SuperSprint製のマフラーは探せばあるのですが、このオークション品はお値段も格安で、財布と納期という最大の懸案事項が一気に解決してしまいました。

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初期化に当たっては目視によるチェックに加えて、やはり走行して見てのチェックも重要ですので、まずは車検を受けることが最優先となります。
早速届いたマフラーを交換することとなりました。

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主治医のカメラの調子が悪く、ピンボケ写真で見辛いのですが、センターの触媒から後ろのマフラーを外します。
外したマフラーですが、ご覧の通りその状態は悲惨なもので、至るところに穴が開いています。

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これらの錆は明らかに動かさなかったことによるもので、マフラーの内部からの腐食です。すなわち湿気がマフラーの内部に溜まり、通常はエンジンをかけることにより蒸発してしまうこの湿気が内部に残ってしまったために腐食が進行したものと思われます。
過去のブログ記事でも書きましたが、クルマの劣化は動かすことによるものと動かさないことによるものの二種類があり、動かすことによる消耗は予め設計段階でその交換を前提としていることに対して、動かさなかったことによる部品の劣化は本来は劣化しない部分であったり、交換を必要とする部分が広範囲に及んだりで、どちらかというと通常の初期化より手間がかかってしまうのです。

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取り付けに当たっては当然のことながら、「ポン付け」と呼ばれる単なる交換作業で済むはずもなく、写真がないのが残念ですが、溶接調整のテクニックを駆使した微調整の末に取り付けることができたそうです。

このSuperSprint製のマフラーはその形状もノーマルと殆ど変らず、唯一リアエンドがノーマルより大きいかなと感じる程度で好感が持てます。当然のことながらその音量、音質ともにノーマルの穴あきマフラーより遥かに大人しくなり、排気音だけでなくちゃんとV6エンジンからの心地よい音が聞こえて来ます。
こうしたアフターパーツのマフラーはノーマルマフラーとの差別化のために外観が変ってしまったり、音量が大きくなったり、音質が異なってしまったりするものです。最大の違いはその材質によるもので、スチール、ステンレス、チタンと材質特有の音質があり、特にステンレス製のマフラーはその厚みにもよるのですが、純正のスチール製に比べると高回転時にカン高い音になってしまいます。オーナーの好みであればそれでも良いのかも知れませんが、本来のアルファ・ロメオの「音」ではなくなってしまうのも事実ですし、最近は規制が厳しくなり、そうしたマフラーでは車検を通すことができなくなってしまいました。
このSuperSprint製のマフラーはステンレス製ながらノーマルのスチール製に近い音質のもので、アルファ・ロメオのリプレイスマフラーとしては最も適したブランドだと思います。

この部品が手に入ったことは本当に幸運でした。
これで無事に検査を受けることができます。残りの初期化は試運転をしながら検討して行くことにしましょう。

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プロとアマの違い

他人のクルマの面倒ばかり見ていては愛車のThemaの機嫌を損ねてしまいますので、少しは構ってやらねばなりません(苦笑)。
先日ランプの点灯不良の原因となったカプラー交換をしたのですが、それでも暗いことには変わりなく、やはりH.I.D.ランプに交換することにしました。
最近は多くのクルマに装着されているH.I.D.方式のランプですが、後ろにぴったりこの装着車に着かれると、バックミラーへの映り込みが眩し過ぎてメイワクなために、個人的にはあまり好きではありませんでした。
しかし世の中の趨勢がH.I.D.ライトになるにつれ、従来のハロゲン方式で、さらにリフレクターが曇ってしまった旧車のライトはまるでスモールだけで走行しているように見えてしまい(苦笑)、もはやこれまで…と交換することにしたのですが、このH.I.D.交換ユニットは調べてみるとそのお値段はピンキリで、正直一体何が違うのか分からなくなってしまいました。

そもそもH.I.D.とはHigh Intensity Discharge lampの略で、金属原子高圧蒸気中のアーク放電による光源の総称です。難しい理屈は省略しますが、要は今までの電球はフィラメント部分の発光を利用しているのに対して、H.I.D.はガラス管内に封入されたガスを放電させることにより発光させる方式で、その特徴はフィラメントがないために球切れがなく長寿命であることと、白熱バルブに比べて明るい上に消費電力が低いため発熱も少ないことです。
こう書くと良いことずくめのようですが、従来のフィラメント方式に比べると欠点もあります。
前述した前車両や対向車に対する眩惑の他にも、そのお値段が高価なことで国産のリプレイス品ですと3万円~5万円もするのです。さらに放電効果を利用しているために点灯してから光量が安定するまでに時間がかかること。発熱量が少ないため積雪地ではライトに積もった雪が溶けにくいなどがありますが、ランプの基本である明るいことが七難を隠していますので、いつまでも毛嫌いせずに交換してみることにしました。

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ネットで調べて見ると前述したように国産メーカーの交換キットに対して、輸入品ですと3,000円程度で販売されています。内容を良く見るとバラストと呼ばれる安定器やリレーなど全てセットされており、特に買い足さなければならないモノはないようです。と言うことはこのお値段の差は品質と保証の差であろうと思われます。
今回はチャレンジ精神を発揮して、その輸入品の中でも少しでも安心なPhilips社製のバルブを採用しているキットを購入することにしました。購入する際にはバルブの色温度を指定するようになっています。蝋燭の火と同様に温度が上がるとランプの色は青色に近くなりますが、一方で必ずしも明るくなるとは限りません。調べてみると車検適合の限界らしいのでその中でも6000K(ケルビン)を指定してみました。

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程なくして届いたキットを開けてみるとちゃんと欠品もなく左右の部品が入っておりまずは一安心です(苦笑)。
同封されている取り付け説明書にも外箱にも製造者に関する記載が一切ないのが笑えますが、その取り付け説明書には結構厳しい注意書きが書いてありました。

「HIDはリレー、バラスト、バーナーの3点からなる単純なシステムです。機能不具合の原因特定はテスターでどこまで電源±がきているか計っていただければ簡単に特定できます。その簡単な作業を理解できない方は危険ですので専門店に依頼してください」

消費者に対してナンと上から目線の説明文なのか…と驚きましたが、考えて見れば不注意で不慣れな作業は危険ですし、それに起因するトラブルを全てメーカーに持ち込まれても困ってしまうのも良く分かります。特にこの製品のように製造者の連絡先が分からない場合は、この苦情や質問は販売店に殺到することになるのでしょうから、このくらいビシっと言っておいて丁度なのかも知れません(笑)

流石にそのくらいの簡単な電気は理解していますが(笑)、取り付けは主治医にお願いすることにしました。
今回は取材も兼ねてその配線作業の一部始終を見学させてもらったのですが、以前のブログでご紹介したシロート作業とは全くレベルの異なるプロの技を見ることができました。

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作業は先日地獄クルマとしてご紹介したQuattroporteと並んで行うことになったのですが、主治医から「まるで地獄絵図のようだ」と言われてしまいました(爆)
まずは既存のランプの取り外しですが、痛んでいるゴムカバーが割れてしまいました。

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たかがゴムカバーですが、ランプユニットに水分が入ることを防いでくれる大切な部品です。本来ならば交換したいところなのですが、入手難ですのでシリコンゴムで補修することにしました。

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配線そのものは簡単で先日交換したランプの三極カプラーを利用してH.I.D.のランプに接続するのですが、ここで問題が発覚しました。恥を忍んで告白してしまいますが、私は結線を間違えて+と-を逆に結線していたのです(泣)。電気の流れは逆になってしまいますがランプは点灯するために見過ごしてしまいました。こんな初歩的なミスをしたのはプラスとマイナスに加えてアースの三本のラインを一気に切り飛ばして結線したためで、プロであってもこの間違いを起こさないように一本ずつ結線して行くそうです。

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全ての結線をもう一度チェックしてやり直していただいたのですが、私がギボシ端子を用いて結線したのに対して、主治医は直接皮膜を剥いた電線同士を結んで結線します。そしてさらに予め通しておいたビニールチューブを火であぶって完全に密着させることにより水分が入ってリークしないようにしていました。

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左右カプラーをH.I.D.ユニットに繋いで点灯試験をして見ました。Hi-Loもちゃんと切り替わることを確認し、いよいよ最終の仕上げです。

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シロートであればそのままにしておくケーブルもちゃんと蛇腹状の配線カバーを使って一つに束ねます。こうした小技もプロの仕事で、エンジンルーム内に配線がのたくっていると何かの拍子にショートしたりする可能性があります。見た目に美しいだけではなくちゃんと理由がある作業です。

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カプラーも外れないようにビニールテープで固定します。このビニールテープは一度貼るとどんどんと収縮していくという便利なもので、私自身は説明されるまでその存在を知りませんでした(泣)

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最後にバラストを固定して作業は終了で、随分とすっきりと配線が纏めることができました。
今回の作業を間近に見せていただき、プロと呼ばれる方の仕事がいかに細かな配慮に満ちているかが良く分かりました。結局、私のようなシロートとの違いは確実に手順を飛ばさずに行うということで、だからこそプロとして均質な作業ができるのでしょう。反省することしきりです。

さて、そのH.I.D.の明るさですが、H.I.D.装着を前提に設計された最新のクルマと異なり、今までのランプユニットをそのまま流用しているために本来よりも暗くなっていますが、それでも充分に明るくハイパワーのH.I.D.特有の青白い光ではなく、どちらかというとハイワッテージのハロゲンランプのような光色です。
耐久性はこれからの課題ですが、まずは満足しています。

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Alfa RZの里帰りと初期化チェック ~その弐~

Alfetta系のトランスアクスルはその重量配分において優れたレイアウトなのですが、メンテナンスの側面からすると実にやっかいなシステムだと言えます。

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アルファ75のトランスアクスル。リアセクションにクラッチ、ギアボックス、デファレンシャルギアボックスがまとめられていることが分かります。さらにリアブレーキはインボード形式で、車体の中心線上に全ての重量物を集中させることにより運動性能を向上させています。

通常のFRレイアウトですと、エンジン直後にギアボックスが配置されており、動力はそのギアボックスを介して減速されてプロペラシャフトでリアのデファレンシャルギアボックスに伝達されます。しかし、このトランスアクスル形式は重いギアボックスをエンジンと切り離してリアに配置していますので、エンジンの回転は減速されることなくリアまでダイレクトに伝達されるのです。
すなわち、プロペラシャフトは常にエンジン回転と同じ回転数で回っていることになるのですが、これだけ長い距離をシャフトで繋ごうとすると、僅かなシャフトの偏心が回転で増幅され、振動やノイズを発生させるのです。それを防ぐためにシャフトの中間にはカップリングというゴム部品が挟み込まれており、振動を吸収させているのですが、このカップリングにはエンジンパワーがあればある程、相当の負荷がかかってしまうのです。
Alfettaという名前の由来にもなったこのレイアウトを採用して活躍したGPマシーンでは1レースだけ保てば良い部品でも、量産車ではそうは行きません。
この凝ったレイアウトがその運動性能と室内空間を広くすることに有効であっても一般的にならなかったのは、偏にその製造コストとメンテナンスの問題で、それを量産車に平気で採用したアルファ・ロメオは、Alfettaからアルファ75に至るまでのモデルに採用し続けたこのトランスアクスル形式故に、その製造コストに苦しむこととなってしまいました。そして自動車評論家にその運動性能を絶賛される一方で、ユーザーはそのメンテナンスコストに苦しむこととなるのです。

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アルファ75をアシで使うオーナーに言わせると、このカップリングは消耗品!と考えるべきパーツだそうですが、SZ/RZはそのパワー故に強化カップリングが採用されています。アルファ75TSのオーナーはこの強化パーツを好んで取り付けていますが、残念なことに逆は真ならずで、比較的容易に入手できるアルファ75TS用のカップリングはそのサイズ故にSZ/RZに装着することはできないのです。一方でこの強化カップリングは入手難となっていますので、いざ交換するとなると探すのが大変な部品です。

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チェックしてみたところカップリングはまだまだ大丈夫なようでした。以前初期化した115Spiderのカップリングは目視でも分かるほど表面にヒビが入っており、外した途端にバラバラに砕けてしまうほど劣化していましたが、このカップリングはヒビもなく、まだまだ賞味期限が残っているようでした。とりあえずは安心して良いでしょう。

最後はエンジンルームのチェックです。

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初代オーナーのZAGATORさんが改良した熱害対策用のドライバッテリーは通常のものに戻されていました。どこかで以前のオーナーが他のクルマに移設してしまったのでしょう。

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しかし、イグニッションコイルには遮熱板が取り付けられていました。これだけでも随分と効果があるはずで、アルファ75TSですらエンジンからの熱でウインドウォッシャータンクが溶けてしまうために、ディーラーからは冷却のためにウォッシャー液を常に2/3以上に保つよう指示されていたほどです。後にエキゾーストマニフォールドの上にアルミ製の遮熱板を取り付けるようになりましたが、とにかくこの時代のアルファ・ロメオはエンジンが4気筒であろうが6気筒であろうが熱対策は重要です。

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ラジエーターホース類は痛みもなくゴムも硬化していませんでしたので、いきなりリークというお漏らし地獄は心配しなくて済みそうですが、一方で必ず交換しておきたいのがタイミングベルトです。
ご存知の通り、アルファ・ロメオのV6エンジンは世界一官能的なV6エンジンと言われていますが、その最大の問題がタイミングベルトです。それまではチェーン駆動が主流であったのですが、ちょうどこの時期から振動と静音対策として他社のエンジンもカムシャフトの駆動はゴムベルトに移って行きました。しかし、アルファ・ロメオを始めとするイタリア車の問題はゴムの耐久性で、国産車では10万キロは無交換と言われているゴム製のタイミングベルトがアルファ・ロメオのV6エンジンの場合は、3万キロ~5万キロで交換を必要としているのです。しかも万が一タイミングベルトが切れるとバルブクラッシュを起こしてエンジンのオーバーホールを必要とする大事故となってしまうために、切れてから交換…と言うわけには行かないのです。もちろんチェックをすることは可能で、ギアの歯に当たる部分の色が変色したり、ベルトを曲げたときに細かいヒビ傷が入ってきたら交換時期と言われていますが、突然切れることもあるために保険として交換しておくのが安心です。

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写真はアルファ164Q4のタイミングベルトで、約70,000km走行時のものです。ギアの歯に当たる部分が変色しているのが分かります。

さらにこのV6エンジンはそのベルトテンショナーが油圧により制御されているため、テンショナーからオイル漏れを起こし易く、オイルが漏れてベルトに付着するとベルトがカムシャフトギアの歯からずれてコマ飛びを起こすという欠点があるのです。
一時期はこの欠点のあるオイルテンショナーを嫌って、後の24Vで採用されたメカニカルテンショナーにコンバートすることが流行したのですが、近年は耐熱シリコンシーラントの性能が良くなったために以前のようにオイル漏れを起こすことがなくなり、さらにオイルテンショナーが再生産され流通するようになったために、12Vエンジンオリジナルのオイルテンショナーを使っても問題がなくなりました。

タイミングベルトを交換する際にはこのテンショナーに加えてウォーターポンプも交換するのが一般的ですが、実はSZ/RZのメンテナンス上での最大の問題がこのウォーターポンプなのです。
そもそもSZ/RZはアルファ75のV6エンジン搭載モデルをベースに作られており、またこのエンジンはアルファ164Quadrifoglioに採用されたノーマルのV6エンジンをチューンした210hpバージョンが搭載されています。ですので、エンジンの基本パーツはこれらのモデルと共通であり、特にSZ/RZ専用パーツはないと思われているのですが、このウォーターポンプは別物で、前記の2つのモデルのウォーターポンプと共通部品ではありません。
その理由はSZ/RZに採用されたオイルクーラーのパイプで、その配管を逃がすためにウォーターポンプのヘッド形状が異なっているのです。

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ご覧のようにパイプに干渉しないようにウオーターポンプのヘッド部分が円錐形になっています。

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残念ながらこのウォーターポンプは欠品となっています。ガスケットやウォーターポンプ本体は他のモデルと共通ですが、プーリーの位置がアルファ164用とは全く異なっています。おそらくアルファ164は横置きエンジンであるが故にベルトの取り回しが異なっているのでしょう。プーリーそのものの位置関係を見ると、縦置きエンジンであるアルファ75やGTV6などのウォーターポンプは加工してこのヘッドと交換すれば使えそうですし、配管そのものを迂回させてそのまま付けられるようにするなど何らかの工夫が必要となるでしょう。

エンジン全体を見れば交換すべき部分はこのタイミングベルト周りしか見当たらず、それ以外の状態は何の問題もありませんでした。

さて、正式な見立てはクイック・トレーディングのレポートを待たねばなりませんが、R君と一緒に初期化の方針を決めて作業に入りたいと思っています。


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Alfa RZの里帰りと初期化チェック ~その壱~

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ようやくR君の購入したRZが主治医であるクイック・トレーディングに帰ってきました。前回のブログでも書きましたが、このRZはクイック・トレーディングが新車で輸入し、1995年から1998年までの間メンテナンスを受けていましたから、結果として約13年振りの里帰りを果たしたことになります。

早速、車両チェックをしながら初期化と当面の整備方針を検討することにしました。
まず全体的なクルマの程度ですが、やはり購入前に検分したとおり素晴らしい状態であることを再確認しました。
エンジンは走行距離が少なかったこともありちょっと回転がガサついた感じがしていたのですが、ガーボンスラッジ除去剤を入れて暫くエンジンを廻しているとどんどんと滑らかになってきました。

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そしてまずはリフトで車体を上げて下回りのチェックです。

最大の懸案事項であった例の修復歴ですが、残念ながら前回の検分の時には確認できませんでしたが、今回のチェックでようやく発見することができました。
それは左前のフレームにある板金跡で、どうやら左の前をヒットしていたようです。

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上の写真は左前のフレームです。そして下の写真は無傷の右前のフレームです。

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フレームを板金したのであれば当然、フロントスポイラーも割れてしまったであろうと思われますが、幸いなことにFRPは修復できたのでしょう。フロントスポイラーの裏側から修復した跡を探して見たのですが、これという目立つ修復箇所を見つけることができませんでした。どうやらFRPのリペアは上手な作業だったようです。
確かSZ/RZにはフロントスポイラー下部に補強板があったと思うのですが(オーナーの方訂正をお願いします)、この個体にはありませんでした。しかし聞けば、補強板があると下回りをヒットしたときにそれが仇となり、スポイラー全体を破損してしまうケースがあるとのことですので、まずは気をつけて下回りをヒットしないようにR君にはお願いするしかないでしょう。

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さらに下回りをチェックして行きますが、まずはオイルパンです。少々のオイル漏れは仕方ないのですが、この個体は上々で、僅かなオイル染みがあるものの現状でガスケットを交換する必要はないと思います。

この個体の最大の問題はマフラーでした。前回の検分の際には多少の排気漏れはあると思っていたのですが、実際に見て見るとそれは多少どころの騒ぎではなく、錆はマフラー全体に及んでいました。

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まずはリアのサイレンサーの穴です。このベントの部分はどうしても肉厚が薄くなるために弱い部分ですが、しっかり穴が開いていました。

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さらにセンターのタイコもエッジに錆による穴が開いています。ここはすでに錆により鉄板が薄くなっており、指で押すと簡単に凹む状態でした。

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センターパイプもこのような状態で点々と穴が開いています。補強板を巻いて溶接するという修理方法はありますが、ここまで錆が進行しているとそれも時間稼ぎでしかありません。どうやらセンターのサイレンサーから後ろは交換するしかないでしょう。

マフラーは悲惨な状態でしたが、それに対して意外なほど状態が良かったのが足回りのブーツやブッシュ類です。
例え走行していないクルマであってもゴム類はちゃんと年月とともに劣化して行くものです。
特に足回りのブッシュは走行していないと、かえって一箇所に重量がかかり続けるために変形してしまうのですが、この個体のゴムはまだまだ生きていました。

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上の写真はフロントのタイロッドエンド周辺です。ご覧のように若干ブッシュが変形してはいるものの、まず乗り出すことを優先するのであれば交換するまでの必要はないと思います。

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アルファ164に乗っていると真っ先に気になるのがステアリングラックですが(苦笑)、ラックブーツもご覧のような状態で、破れもなくオイル漏れもありませんでした。また触って見ましたがラックブーツの中にオイルが溜まっている様子もありませんでしたので、ステアリングラックに関しては問題ないでしょう。

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リアのドライブシャフトブーツも綺麗な状態です。私の場合はまずこうして下回りのゴム類をチェックします。もし全体的に均等に消耗していれば、特にどこかに無理があり不具合を起こしている箇所がないことを意味しています。またドライブシャフトのブーツは走行により一番イジめられる部分ですので、ここが切れたりしていれば他の部分もそろそろ交換しなければ…と考えるのですが、ここがしっかりしていればまず他の箇所は問題ないと判断できます。

ここまではSZ/RZに限らず、一般的な初期化チェックの項目ですが、次回はいよいよSZ/RZの弱点とも言える部分に迫ることにしましょう。

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LANCIA Storatos HF 製作記2

私は自分自身をモデラーとしては平均以下だと思っています。
世の中にはそれがどんなジャンルであっても名人と呼ばれる方がいらっしゃるもので、それがプロであろうとアマチュアであろうとその方々に比べると、自分の技量は情けなくなるくらい劣っていると思うのですが、それでも製作し続ける原動力は、単なる「ヘタの横好き」以外の何物でもなく、自己満足の追求でしかありません(苦笑)。
それでもこうしてちょっとした製作上のコツや、不器用を補う秘密兵器?などをご紹介することにより、今までプラスチックモデルを手にしたことがなかった方や製作から離れて久しい方に、「あの程度ならオレにだって…」と思っていただければと、敢えて下手を晒しています。ブログを漁っているとモデル製作に関する記事は数多くあり、皆さん本当に素晴らしいテクニックを持っていらっしゃるので、そうしたフィニッシュを期待されている方は是非ともそちらをご覧いただければと思っています(泣)。

さて、泣き言はこのヘンにして、Storatosのボディの下地処理をしていきましょう。その昔はランナーから切り取った跡をヤスリで削る程度で、どんどん組み立てて行ったのですが、塗装を美しく仕上げようとするとこの下地処理は欠かせません。特にカーモデルやバイクモデルのように艶を意識したフィニッシュを求める場合は特にこの下地処理の工程は重要で、ここで手を抜くと確実に塗装の仕上がりに差がついてしまうのは実車の板金塗装と同じです。

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まずはパーティングラインのチェックです。前回の記事でも書きましたがプラスチックモデルの場合、このパーティングラインはどうしても成型時に残ってしまいます。最近のキットではかなり目立たなくなっていますが、それでも実物にないこのラインは消さなければなりません。写真で分かりやすいように線を描いてみましたが、パーティングラインは必ず一本のラインで繋がっていますので、目立つ場所を起点にして追っていくと探すことができます。
ボディ表面は耐水ペーパーで磨いて行きますが、本塗装前にはサーフェイサーで下地塗装をしますので、その前段階では800番から1000番の二種類のペーパーを使います。同時にエッジに残るバリも処理しておきます。この際に注意しなければならないのは、必要なモールドまで削ってしまわないことで、ドアノブなどモールドで再現されている部分は注意してペーパーが当たらないようにします。また、ボディのエッジも削って丸くなってしまわないように気をつけなければなりません。
同時にパネルラインのスジ堀りが少しダルな印象があったので、「モデリングスクライバー」というスジ堀り用の工具を使ってホリを深くしてやりました。

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組立説明書によるとルーフのアンテナを取り付ける穴やサイドミラーの穴は幾つかのバリエーションに対応するために自分で開けるよう指示されていますので、1mmφのピンバイスで前もって穴を開けておきます。

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また、エッチングパーツに置き換える予定のキャッチピンのモールドも削り取ってしまいます。今までは金属製の一般的なヤスリを使っていたのですが、今回は模型店で薦められた「ヤスリスティック」なる製品を使って見ました。これは耐水ペーパーをプラスチックの板に貼り付けてあるもので、ある程度の撓りもあるために使いやすい優れモノでした。

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また、キャッチピンは0.4mm径の真鋳線で再現しますのでそれを取り付けるための穴を0.5mmのピンバイスで開けておきます。穴を大きめに開けるのはこれからの塗装で穴が小さくなってしまうためです。

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ボディの表面を800番のペーパーで削った段階でリアのオーバーフェンダーを取り付けます。少し削り合わせをしただけでそのフィッティングはなかなかのものですが、やはり少し隙間が開いてしまいます。

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その隙間を埋めてやるために「溶きパテ」と呼ばれるパテを筆で塗ってやります。この「溶きパテ」は通常のペースト状のパテと異なり粘度のある液状のパテで、こうした狭い隙間を埋めるのに適しています。液状ですので固まったときには「肉痩せ」してしまうのですが、何度かに分けて塗ってやることにより隙間を埋めることができます。

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リアスポイラーは削り合わせをしても結構な隙間が開いてしまいます。さすがにこの隙間は溶きパテでは埋められませんので、通常のラッカーパテを使用します。最終的には耐水ペーパーで表面を研磨しなければなりませんので、その際にスポイラーの脇にモールドされているエンジンフードの開閉ノブにパテが付くのを防ぐためと、研磨の際に削れてしまうのを防ぐためにマスキングテープで養生をしておきます。私の場合はパテをそのまま塗らず、一旦ラッカーシンナーで薄めて粘度を調整しています。特に隙間を埋めるためには硬すぎると隙間にうまくパテが入っていかず、研磨した際にポロリと取れてしまうことがありますので、その時の隙間に応じてこの粘度調整はかかせません。
そんなときに重宝するのがお弁当用のアルミ箔カップで、安価でどんどん使い捨てにできるのでこのカップでパテを薄めています。またこのカップはちょっとした量の塗料を薄めたり調合したりする際にも使えますので本当に便利です。

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パテを塗りこんである程度乾燥したら、余分なパテをラッカーシンナーをつけた綿棒やティッシュで拭き取ってやります。こうすることにより固まってから研磨する際の手間を減らすことができます。

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私は拭き取り用のティッシュにはキムワイプという産業用のワイパーを使っています。これは工場内で光学機器や精密部品などの掃除に使われているもので、吸湿性に優れているだけでなく、パーティクル(繊維のホコリ)が出ないという優れモノです。もともとは産業用ですので一般には入手できず、買うとなったらカートン単位となってしまい、個人で使うには一生かかっても使い切れない量でしたが、最近ではネットショップや模型専門店で一箱単位で小売もするようになったので随分と入手しやすくなりました。

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パテが乾燥したら耐水ペーパーで余分なパテを削って行きます。今回の塗装ではこのスポイラーとボディの繋ぎ目は塗り分け線上になりますのでそれほど神経質になる必要はありませんが、同じ色で塗る場合は繋ぎ目が完全に消えるまでパテを盛っては削りを繰り返すことになります。リアハッチにモールドされているラインは削ってしまわないように写真のようなブロックに耐水ペーパーを巻きつけて削ってやります。このブロックはカー用品店の補修材料コーナーで見つけたのですが、好きな大きさにカットすることもできるのでとても便利です。またスポンジやすりも同様に効果的ですので使って見て使いやすい方で作業すると良いでしょう。

ボンネットのルーバーの処理もこの段階でやっておきます。400番の耐水ペーパーを帯状に切り、それを二つ折りにしてルーバーの隙間に差し込むとうまくルーバーを削ることができます。

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その後に1000番の耐水ペーパーでボディ表面を磨いてやり、いよいよ第一回目のサーフェイサーの吹きつけを始めます。

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地獄クルマを求めて・・・

すでに地獄巡りを楽しんでいらっしゃる方には二種類あると思います。
それは当初は地獄クルマでも何でもなかった愛車が年月を共に過ごすうちに地獄クルマとなり、それでも離れ難いためにオーナーの体質がどんどんとM体質になっていく場合と、最初から地獄クルマと分かっていながらその魅力に抗いきれず、飛んで火に入るように地獄クルマを求めてしまう天性のM体質の場合です。

私の友人でありこのブログネタを随時に提供してくれる赤スパ乗りのR君ですが、彼の「数ある性癖の一つ」がこの地獄クルマ欲しい病であり、一定の潜伏期間を経て定期的に発症するタチの悪い慢性病です。そして彼の場合は発症すると一人で治療に勤しむことはせずに、周囲の健常者を巻き込むというタイプの病人で、どんなに隔離しようとしても病室を抜け出してしまう悪質な入院患者のように、地獄クルマの候補を私にメールで送りつけ、その見立てから初期化の部品の調達までやらせようとする実にはた迷惑な病人なのです。

そんな彼が現在の赤スパを手に入れた際の経緯も過去の記事で購入するまでのいきさつを三回に分けて、「新しい患者」「Spiderの買出し」「地獄の陸送大作戦」と題して書かせていただきましたが、その後もこの病気は猛威を振るい、さらに日本で一台のAT仕様のGiulia Sprintを買うという暴挙に及びました。その時も突然の発症で、同じく「アリかナシか…?」「新しい管理車」で記事にさせていただきました。もちろん買って終わりであればまだ平和なのですが、買ってからのメンテナンスにもたっぷり引き込まれ、自分の愛車以上のエネルギーを注ぐことになってしまいました。

そんな彼もようやく落ち着き、Giulia Sprintを仲間の許に嫁がせて、完璧な初期化が終了しトラブルフリーとなった赤スパとの蜜月を楽しむかと思いきや、またもや突然メールが届きました。これまたいつもの彼のパターンなのですが、何の前触れもなく突然候補車を見つけては見学の段取りを「終えてから」メールして来るのです。
そしてまたもや発症した彼の持病は、今までの中でも最強!の地獄クルマを見つけてしまいました。

それは…

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Alfa RZ

そうです。「見てて天国、持ってて地獄」と言われる?ES30の中でもRZという希少なオープンモデルを見つけてしまったのです。
先日の房総ツーリングでRZオーナーのZAGATORさんに感化されたのかと思いきや、それ以前から気になっていたとのことで、今回の物件を発見するに至ったのですが、RZの全生産台数はたった278台で、その内日本にあるRZはせいぜい20台+αという希少車ですので、まずはシリアルNo.からこの個体の素性を調査することにしました。

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するとナンと!灯台下暗しとは良く言ったもので、この個体は先日の房総ツーリングでお世話になったZAGATORさんの初号機であることが分かったのです。しかもそのRZを輸入したのはクイック・トレーディングだったのです!。と言うことは、必然的に現在のオーナーは三代目の方であることも分かりました。しかし、最大の問題は現オーナーが購入するときに二代目のオーナーから聞いた、「フロントに修復歴がある」という一言でした。詳細については分からないという状況が、より一層ミステリアスな好奇心を掻き立ててくれます。
最終的には実車をチェックすることによりその修復の状態を確認するしかないのですが、ZAGATORさんからの情報と現オーナーからの情報によりこの個体の履歴が明らかになって来ました。

シリアルNo.042のこのRZは1995年3月にクイック・トレーディングにより新車で輸入され、ファーストオーナーであるZAGATORさんに納車されました。そして1998年の後半までに27,000km走行し、二代目のオーナーに譲渡されましたが、このオーナーは2006年8月まで所有し、その8年間の間にはわずか4,800kmしか走行しませんでした。しかしこの二代目オーナーが所有している間に何らかの事故によりフロントを修復しているようです。そして2006年8月に現オーナーに譲渡され、このオーナーも現在までの5年間で3,500kmしか走行しなかったため、現在の走行距離は35,350kmとなっています。
これらの履歴からすると、二代目/三代目のオーナーは殆ど走らせずにメンテナンスだけしていたことになるのですが、RZというクルマの性格と両オーナーがクルマを複数台所有していたため、日常のアシとしては使用されず、かと言って買ったまま放置されていたワケではなく、いつでも走行できるようメンテナンスを受けながら保管されていたという理想的な状態で現在に至っているのです。

かくして実車検分前に調査しておく内容はほぼ判明し、いよいよ実車を見ることになったのですが、頼もしい助っ人が同行してくれることとなりました。それはこの個体が日本の道を走ることになった仕掛け人?であるクイック・トレーディングの寺島社長で、たまたま見学場所が近所であったこともあり一緒に見てくれることとなったのです。寺島社長は数多くのSZ/RZを輸入されただけでなく、現地でその生産現場も見ていらっしゃるとのことですので、これほど心強い助っ人はありません。しかもR君が購入した暁にはそのメンテナンスを担当することになるのですから、いい加減な見立ては自らの身を滅ぼすことになってしまいます(苦笑)
かくして、オーナー予備軍のR君に加えて、メンテナンス担当の寺島社長、部品調達担当の私という利害関係者軍団(爆)が実車を見に行くこととなりました。

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待ち合わせ場所から程近い倉庫にそのRZは潜んでいました。実はこの保管場所も重要で、そこはガレージではなく倉庫で、風通しも良く湿気が溜まりにくい環境でした。残念ながらオーナーにはお目にかかれなかったのですが、どうやら聞けば相当数のクルマを保有しているコレクターの方で、殆ど乗る機会のないこのRZを含め5~6台!を整理しようとしているとのことで、当日はこれまでメンテナンスを担当していたガレージの方が立ち会ってくださいました。ところがこのガレージもイタ車のメンテナンスでは有名なガレージで、寺島社長とも旧知の仲だったこともあり、実車の検分なぞ必要ないほどの情報をお聞きすることができてしまいました(苦笑)

実は希少車を購入するかしないかの決め手はこうした人のネットワークであり、どんなに履歴を調べて実車をくまなくチェックしたとしても、実際にそのクルマに関係した人々からの情報に勝るものはなく、またそういった人々の信用からそのクルマの程度は分かってしまうものなのです。

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そして実際に見せてもらったこの個体は予想通り素晴らしいコンディションでした。確かに現オーナーからの説明どおりボンネットに小さなクラックと線傷がありますが、そんなことは気にならないほど全体的な塗装の程度は素晴らしい状態でした。これが仮に湿気の多いガレージでカバーをかけられたままの保管であったなら、FRPのボディ表面はゆず肌状態となり、最悪の場合は塗料が浮き上がり、ポロポロと剥がれるような状態になってしまうのです。この個体の幸運は前述したようにこの保管場所であり、しかも定期的にメンテナンスガレージのスタッフが面倒を見てくれていたことにより、素晴らしいコンディションに保たれていたことだと思います。

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そして気になっていた修復歴の状態ですが、フロントのフレームには特に修復した跡は見当たらず、それほどの大事故ではなかったようです。考えて見ればSZ/RZの外装パーツはその殆どが欠品で、もし完全に外装をリプレイスしなければならないような事故であれば、恐らく廃車となっていただろうと思われますので、こうして実在しているということはそれほどの事故ではなかったことが想像できます。
確かに写真のようにフロントフェンダーの取り付け部分は雑に見受けられますが、オリジナルもこんなもん(笑)ですので、仮に修復していたとしてもそんなに雑な扱いを受けたとも思えませんでした。

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コクピット周りも素晴らしい状態で、すぐにヤレると言われるシートも新車かと見間違うほどでした。初代オーナーのZAGATORさんがモディファイした部分もちゃんと残っており、事前情報で聞いていたステアリングポスト上の警告灯やフットレストに加えて、リアの消火器や高価な室内保管用のカバーもちゃんと残されていました。

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幌の状態もRZのようなオープンモデルにとっては重要なポイントで、痛んでいて張り替えるとなると相当な出費を覚悟しなければなりません。この個体に関しては倉庫保管であったこともあり全くと言って良いほど痛みはありませんでした。

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ES30のためにKONIが開発した車高調整システムは決して単なるギミックではなく、段差を乗り越えたりスロープを通過する際にフロントスポイラーを傷つけないために必須の装備なのですが、これが不具合を起こすと部品の調達はほぼ不可能であるためにチェックが不可欠な箇所ですが、この個体は何の問題もなくスムーズに動きました。

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エンジンはもちろん一発始動で、例のトランスアクスルという構造から来るドライブシャフトからの振動もありませんでした。ただセンターマフラーに恐らく錆による穴があるようで、排気音が勇ましくなっていました。

さて、履歴がはっきりしており、クルマの状態も申し分ないとなれば後は維持できるか…というメンテナンスを含めた環境問題ですが、実は意外にこの最後の段階で躊躇してしまうことがままあるものです。
私の周囲の仲間はこのR君に限らず、クルマ道楽に関しては百戦錬磨で、今さら見たことも聞いたこともないクルマなぞまずないですし、仮に一目ぼれでクルマを選んだとしてもそれは単なる一目ぼれではなく、数多くのクルマを見てきた経験からの一目ぼれで、その「佇まい」からある程度はそのクルマの状態を見極めることのできる目利きばかりです。
不思議なもので女性に関しては何度も失敗を繰り返し学習しない輩でも、ことクルマに関してはちゃんと「見送る勇気」を身につけているのです(爆)

今回のR君はそれまでとは異なり最後の判断に少し躊躇していました。まるで絶世の美人を紹介され、彼女を知る友人からの評判も良く、会って見たら性格も良いことが分かり、あとはお付き合いを申し込むだけなのに、この場に及んであれこれと気に病んでなかなか踏み切れないという、今どきの草食男子(笑)のような心理状態になってしまったのです。R君の名誉のために付け加えておきますが、こと女性に関してのR君は立派な肉食です(爆)
こうなると不本意ながら背中を押してやるのも仲間としての勤めです。何度かのメールでのやり取りの後に、R君はこの個性的な?絶世の美女を手に入れる決心をしました。
これからR君はこの美女との蜜月をたっぷりと堪能するのか、はたまた美女故の気まぐれに振り回されるのかは神のみぞ知るですが、たっぷりと傍でその顛末を見ることになりそうです。

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地獄クルマを訪ねて ~その拾壱~ (追補)

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高級車の内装は圧倒的にレザーとウッドが使われていることはご存知の通りです。しかし、レザーシートとウッドパネルがあれば高級か…というと実は全くそんなことはありません。確かにファブリックシートにウレタン樹脂の内装よりもコストはかかるでしょう。それをもって高級と言うのであれば高級かも知れませんが、そこに文化と哲学がなければ単なる成金趣味になってしまい、その結果は上質感のない「下品な内装」と切って捨てられる運命となってしまうのです。

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まずはシートですが、ヨーロッパ車のシートと国産車のシートは出来が違うと言われます。確かに実際に座ってみると明らかに座り心地が違いますし、一番大きく差がつくのは長距離を走ったときの疲れ具合で、ヨーロッパ車のシートではその座面の圧力分散が絶妙で、どこか一箇所に圧力が集中しお尻が痛くなってしまうようなことはありません。私自身はかつて椎間板ヘルニアから坐骨神経痛を患ったことがあり、本当に辛い思いをしたのですが、自宅の安物の椅子ではすぐに痛くなってしまい、唯一何とか座っていられたのが当時の会社で贅沢と言われながら採用したSteelcase製の椅子と、同じく当時の愛車であったAlfa155のシートでした。それ以来、わずかの時間でもそのシートに腰掛けるとだいたいのことが分かるようになりました。

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このQuattroporteのシートは一度座ると降りたくなくなる程で、惜しげもなくたっぷりとクッション材が使われた座面の張りが絶妙で、それは単なる沈み込むだけのシートではなく、ちゃんと走行中に体をホールドしてくれるシートです。
出来の悪いシートはその表面がコノリーであろうがポルトローナ・フラウであろうが出来の悪いシートでしかありません。
ヨーロッパ車のシート全般に言えるのですが、正しい姿勢で腰をシートの奥まで着けて背中全体をシートバックにあてた状態で座った時が一番リラックスできる状態で、ルーズに腰かけた方がかえって座りが悪くなってしまうのですが、この辺りも長年の椅子の文化が影響しているのでしょう。

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Quattroporteはショーファードリブンですが、オーナー自身がステアリングを握るケースも想定しています。従って後席の居住性はもちろん、ドライバーズシートも決して手を抜いてはいません。後のマゼラーティに共通するウッドパネルですが、このQuattroporteはまだ控えめです。しかし、後世のマゼラーティの方が多分に演出的になっただけのことで、むしろこのQuattroporteのウッドの使い方の方が遥かに贅沢です。例えば、

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ダッシュボード上のトレイは全てウッド張りとなっています。そして当たり前?にセンターコンソールはウッドです。しかもそのウッドパネルはちゃんと一枚板から切り出されたもので、途中で継いだりしたものではありません。

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この贅沢なセンターコンソールを邪魔しないためか、サイドブレーキはドライバーズシート横に取り付けられています。

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天井のトリムも厚手で上質なファブリックが使われています。こういう手触りのファブリックを見てしまうと、現代のクルマの内装が、例えそれが上等なアルカンターラであってとしてもチャチに見えて来ます。

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室内のレザーはあきれるほど贅沢に使われています。現代のクルマではロールスなど極一部の高級車を除けばこれほどの室内はないでしょう。

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全てのトリムはレザーで設えられています。それはシートバックポケットも同様で、現代のクルマのレザーはそれが高級車と呼ばれるクラスのクルマであっても、シートの座面はレザーで背面は同色のビニールレザーという仕立てが一般的なのです。
殆どレザーと見間違うほどのフェイクレザーは、例えそれが画期的な技術により作られていたとしても、どこまでいっても模造品でしかなく、「ほら、分からないでしょ?」という技術でしかありません。

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このQuattroporteはこうした仕立てが一般的だった最後の時代の高級車で、あらゆる室内のトリムがレザーで仕立てられており、それは全て職人の手作業によるものです。こうしたコーチビルドは遠く馬車の時代から連綿と受け継がれてきた職人技によるもので、それが惜しげもなくつぎ込まれているのがこのクルマなのです。

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単に荷物を入れるだけのトランクルームにも一切の手抜きはありません。これまた上質のフェルトでフルカバーされたトランクルームはレザー製のカバンを収納するためのもので、一切の突起物がなくカバンに傷をつけないための配慮が行き届いています。

高級とは文化であり、文化とは無駄そのものであり、コストや耐久性などという合理性とは対極に位置しているものだと思います。
従ってその合理性が入り込んだ途端に、その高級は見せかけだけのものとなってしまい、文化は崩壊してしてしまいます。
このクルマを持つということは、その真の高級を理解することであり、ロールスやベントレーなどの世間が認める高級車ではなく、それがマゼラーティのQuattroporteⅢであるが故に、なかなか世間からは認められない「密室のシングルプレイ」(笑)のような変態行為なのかも知れません。

この芳醇なシングルプレイを楽しむことができるオーナーは数少なく、私のような凡人はいつまでもそのプレイをこっそりと盗み見し続けたいと思います。

(追補)の追補
足回りを撮影する機会がありましたので、追加でご紹介します。このサイズのクルマには珍しいダブルウイッシュボーンの構造がお分かりいただけるかと思います。

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