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走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

入院します

タイミングが悪く、400,000アクセスを達成したお祝いの最中ではあるのですが、入院することになってしまいました。と言ってもそれがクルマであれば、本来のこのブログのネタになるのですが、残念ながら我が身のことですので、あまり喜んでばかりもいられません(苦笑)

入院といっても緊急のものではなく今回の入院は予定されていたものでした。
私の心筋梗塞を起こす原因となった3本全ての冠状動脈の梗塞の内の1本は昔からのもので、どうやらずっと梗塞していた状態のようでした。そして前回は残る2本が塞がってしまったために緊急入院/手術となったのですが、その際に手術を実施したのはその2本のみで、この古くからの1本は改めてということになっていました。この1本は完全に梗塞しているのですが、恐らく塞がった状態でも普通に生活していたために、一旦体力を回復させてから改めて手術という判断をされたのだろうと思いますが、できれば一度にやってしまいたかったというのも本音です(苦笑)

前回の術後の体調は…というと、処方された薬が当初身体に合わず血圧のコントロールに苦労したことと、多少疲れやすいことはあるものの、何とか体調は戻ってきたかなという頃合であったので二度目の手術には適当な時期なのかも知れません。
今回の手術は前回と同様に、正式には「経皮的冠状動脈形成術」というもので、成功率は70%から80%とのことですから、それなりのリスクは伴うもののこれで3本の動脈が全て貫通するのであれば、長い目で見れば必要な手術なのだろうと思います。

というワケで突然で恐縮ですが、書き溜めた記事も底をつきましたので(苦笑)、しばらくこのブログはお休みさせていただこうと思います。
まだまだお伝えしたいこともあるのですが、今回の400,000アクセスを一つの区切りとして個人的には充電期間とさせていただければと考えています。
もちろん400,000アクセスのご連絡をいただいた方には退院後になってしまいますがちゃんと記念品をお送りいたしますのでご安心くださいね。

長い間ご愛読いただきありがとうございました。飽きっぽい私ですが皆さんのご声援に支えられてここまで続けることができました。
どこかで再びお目にかかることがあるかも知れませんが、その際にはまたご愛読をよろしくお願いいたします。

最後に皆さんの愛車との生活が豊かなものでありますようお祈りしています。


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テーマ:ひとりごと - ジャンル:車・バイク

The 100th Anniversary Celebration

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昔から企業30年説というのがあり、それは平均的な企業の寿命は30年で、それを超えて生き残る企業は何らかの進化や革新を遂げているというものです。もちろんその寿命を超えて成長を続ける企業は数多くありますが、確かにそれらの企業も引き継いでいるのは社名だけでその業容は創業時から全く異なっていたり、組織変革を成し遂げて生まれ変わった末に現在の姿があったりで、必ずしも創業のままずっと存続している企業はないでしょう。

自動車産業を見たときにも今まで数多くの企業が創業しては消えていきました。現在存続している会社よりも圧倒的に消えていった会社の方が多いのですが、そう考えると今年100周年を迎えるアルファ・ロメオは厳しい自動車業界の中にあって奇跡的な会社ではないでしょうか。
さきほどの30年説をあてはめて見ると、確かにアルファ・ロメオは1910年に創業してから経営破たんによる国有化とFIATグループへの統合を経て現在があるのですから、二度(三度?)生まれ変わったと考えるべきで、決して順風満帆な100年ではありませんでした。

このようにアルファ・ロメオの歴史を見ると、数ある自動車メーカーの中でも極めて波乱万丈な歴史を持つ会社であることが分かります。むしろ、これが他の国の他の会社であったなら当の昔に消えて無くなっていたのではないかと思います。
アルファ・ロメオにはそのブランドを残したいと思う魅力があり、世界中にそのファンがいるからこそ100周年を迎えることができたので、決して100年に亘り利益を出し続けたからではないのです。

だからこそ、この100周年を祝うために世界中のアルファ・ロメオファンが「自主的に」様々なイベントを企画しているのでしょう。本国での100周年の模様が伝えられるにつれ、日本でももっと盛大に何かできないのかと思っていたところ、5月のALFAROMEO DAYに続いて先日の東京コンクール・デレガンスの会場でインポーター主催の「正式な」イベントが開催されました。

しかし、何だかちょっと物足りないと思っていたのは、その二つのイベントが100周年を祝うためだけのものではなかったからかも知れません。ALFAROMEO DAYは100周年でなくても毎年開催されていますし、正式なほうのミーティングも誰もが参加できるものではなく、参加者限定のイベントでしたし、どちらかと言うと東京コンクール・デレガンスに間借りしたようなイメージがあったのです。

そんな折に聞こえて来たのがこのイベントの情報で、それはアルファ・ロメオオーナーの方が「自主的に」企画したイベントで、しかも100周年をお祝いするためだけに開催されるとのことでした。
イベントの名前はA.L.F.A.100周年記念イベントinソレイユの丘というもので、当初の参加目標200台という控えめな数字は早々にクリアし、最終的にはもっと多くのクルマが集まるのではないかと思います。

このイベントのオーガナイズの素晴らしいところは、そのきめ細やかな盛り上げ方で、通常はイベント概要の発表から申し込み受付をして当日を迎えるのが一般的であるのに対して、参加者を順番にWebで紹介したり、増えていく協賛企業をどんどん追加したりして当日に向かってうまく盛り上げているのです。こうしたイベントの運営方法は参考にさせていただきたいなと思いますし、実際にどんどん増える参加者からもこの誘導方法が功を奏しており、このイベントが成功するであろうことが確信できます。

ということで、私も参加させていただくことにしました。最終的に何台のアルファ・ロメオが集まるのか定かではありませんが、まだまだ申し込みを受け付けているようですので、興味のある方は是非参加してみてはいかがでしょうか。

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テーマ:イベント - ジャンル:車・バイク

Toward the Access 400,000

Toward the access 400000

先日たまたま390,000アクセスを自ら踏んでしまったのですが、そうこうしているうちに400,000アクセスが近づいて来ました。
最近のペースで行くとだいたい毎日が平均400アクセスですので、8月25日前後に達成するのではないかと思っています。

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毎回このAccess Awardの記事を書く度に同じことを書いているので恐縮ですが、
よくもまあこんなブログをこれほどまでに多くの皆さんにお読みいただけていることが本当に信じられないのです。
自分では、一人でも多くの皆さんに読んでいただこう…とはあまり考えずに好き勝手書いているつもりですが、結果としてのアクセスカウンターはやはり気になります(苦笑)

しかも最近は解析ツールを使った分析が興味深く、特にキーワード検索というどのような検索キーワードでこのブログがヒットしたのかという分析をとても興味深く見ています。

「アルファロメオ」や「アルファ・ロメオ」という検索キーワードでヒットするのは当然でしょうし、実際に検索キーワードの上位に来るのですが、一方で「アルファロメオ 地獄巡り」という検索ワードで来られた方は、このブログを探されていたのか、それとも「アルファロメオ」と「地獄巡り」という二つのキーワードで一体何を調べようと思っていたのか実に興味深いものがあります(笑)
また、「アルファロメオ 故障 エンジン不動」なども良く見かける検索キーワードなのですが、仮にこのブログをお読みいただいたとしてもどれほどお役に立つことができたのか甚だ疑問です。無事に復活されたことを願って止みません。

このようにいつもお読みいただいている読者の皆さんに加えて、何か調べものをしている中でたまたまこのブログにお越しいただいた方も毎日のアクセスカウンターに含まれているのでしょうから、何かしら有益な情報を…とも思うのですが、何せこのようなウダウダと能書きを書き連ねているブログですので、願わくば何か参考にしようなどとは思わずに、楽しく読み飛ばしていただければと思っています。

そんな読者の皆さんと今回も400,000アクセスを楽しみたいと考えて、豪華賞品?を用意しようと思っています。とは言ってもスポンサーがあるワケでも何でもありませんので、あまり期待されても困るのですがその賞品は後ほど発表させていただくこととし、まずはアワードの応募方法をご説明したいと思います。
以前にも参加された方にはクドいと言われるかも知れませんがお付き合いください。

応募に際しては400,000アクセスカウンターが表示されている画面の画像をメールでお送りください。
このアクセスカウンターはその日のユニークアクセスのみをカウントするように設定されています。従って一日に同じPCから複数回アクセスしてもカウンターは上がりません。すなわち、その日の最初にアクセスした方が400,000アクセスを達成され、その後にすでにアクセス済みの方が再びアクセスされてもカウンターは上がりませんので、同じ400,000アクセス画面を何人もの方が見る可能性があるのです。

ここまでの説明でお気づきかと思いますが、ということは400,000アクセス達成後に初めてアクセスされた方にはチャンスはありませんが、達成前にアクセスされた方には頃合を見て再アクセスすればチャンスはあるということです。
仮に400,000アクセス画面を送っていただいた方が複数人いらっしゃった場合は、それらの方全てに記念品をお送りしたいと考えていますので、皆さんどしどしご応募ください。

画面の送り先は

510190@alfa164.com

です。お祭りですのでどうぞお気楽にご参加くださいね。

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地獄クルマを訪ねて ~その九~

一部のマニアックでフェチな読者の方から絶大な支持をいただいている「地獄クルマを訪ねて」と題したシリーズ記事ですが、もともとは私なぞ足許にも及ばないほどの地獄巡りを楽しまれている?オーナーのクルマをご紹介するという趣旨で書き始めたシリーズ企画でした。しかしそうそう変態?なオーナーとクルマに出会えるはずもなく、最近は開店休業というか取材対象車待ちという状態が続いており、このシリーズは存続の危機?に晒されていました。

さてどうしたものか…と考えていたのですが、ちょっと趣旨を変えてオーナーカーだけでなく、次の変態オーナーを待っているクルマもご紹介して行くことにしました。
考えて見れば地獄巡りを楽しむためには地獄クルマと出会わなければなりませんから、この記事をきっかけに潜在的にそういった性癖があった方がカミングアウトし、晴れて変態オーナーとして世に出るのは実に素晴らしいことではないでしょうか(笑)

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さて、新たなオーナーを待っている地獄クルマの第一弾でご紹介するのはアルファ・ロメオSpider Sr.3です。
なぁ~んだと思われる方はすでに立派な変態で、20年以上前のイタリア車を平気で買って乗るという行為は堅気のクルマ好きの方には相当な変態行為ではないかと思います。
115系Spiderに関しては様々なジャンルで記事にしてきましたのでその成り立ちなどの説明は省かせていただきますが、今回ご紹介するこの個体はSr.3というところが実にフェチなところです。

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ご承知のように115系SpiderはDuettoからSr.4まで大別すると4種類のモデルがあるのですが、全てのモデルを通じて一番人気のないのがこのSr.3だと言われています。何故人気がないかと言うと、それはひとえにこのエアロディナミコと呼ばれる後付のスポイラー類で、特にリアエンドの樹脂製のスポイラーはピニンファリーナの最高傑作の一つと言われるこのSpiderの伸びやかなフォルムを文字通りスポイルしていると言われました。
このマイナーチェンジは当時はスタイリングが旧くなったSr.2のフェイスリフトとしては一定の効果があったそうですが、それはあくまでこうしたエアロパーツが流行していた間だけのことで、これらのパーツが本当にSpiderの空力に影響を与えるはずもなく、単なる見かけだけのエアロパーツはすぐに飽きられてしまい、ゴテゴテして格好悪いと言われ敬遠されるようになってしまいました。
そして、エンリコ・フミアさんデザインによる次期916Spiderの計画が延期されたことにより、その悪評たらたらのエアロディナミコを取り払ったSr.4により、115系Spiderは有終の美を飾ることができたのですが、現在の目で改めて見たときに本当にこのSr.3は当時言われたほど醜悪か?と言うと意外にそうでもないと思います。

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私自身も最初に購入したSpiderはこのSr.3でした。その理由はSpiderの中で一番安かったからに他なりませんが(苦笑)、それだって立派な長所です。しかも、Sr.3には北米仕様のインジェクションモデルとは別にヨーロッパ仕様ではキャブレター仕様を選ぶことが可能でした。今から20年前とは言え、平成の時代の新車がツインキャブを装備しているなど他に例を知りませんが、アルファ・ロメオ伝統の4気筒DOHCエンジンをツインキャブレターで味わうことができたのがこのSpider Sr.3だったのです。そして私もそのキャブレター仕様のSpiderでアルファ・ロメオのDOHCエンジンを堪能させてもらいました。
おりしも当時は日本に正式にアルファ・ロメオが再輸入されはじめた時期で、日本に正規で輸入されたSpider Sr.3はフロントとサイドにさらにスポイラーをつけたVeloceと呼ばれる最上級仕様で、さらに北米仕様と同様にインジェクションモデルでしたから、Spiderをキャブレターで乗りたいと考えるオーナーはヨーロッパから並行で輸入するしかありませんでした。

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今回クイック・トレーディングに入庫したこのSr.3は1988年式というSr.3の最終仕様であるとともに、その希少なヨーロッパ並行モデルのキャブレター仕様です。
当時のアルファ・ロメオが装備していたキャブレターはウェーバー、ソレックス、デロルトの3種類で、性能的には大差はなかったのですが、現在はオーバーホールキットの供給問題などからウェーバーに換装される例が多いようです。この個体はとにかくオリジナル性が高く、おそらく純正装着であったソレックスのキャブレターが付いていました。さらについやってしまうスポーツクリーナーなどへの変更もされておらず、きちんと純正のエアクリーナーを装備しています。

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日本仕様のVeloceと異なるのはエンジンがキャブレター仕様であるだけでなく、サイドスポイラーなどはないスリークなスタイルも魅力です。そしてキャブレターに次ぐ魅力はこのタイヤサイズにあります。Veloceはオプションの15inchホイールを装着していましたが、ノーマル仕様はこの14inchサイズでした。15inchはSpiderのボディ剛性にはギリギリで明らかにオーバーサイズでしたので、この14inchホイールはそのデザインも含めて魅力的な装備です。

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115系Spiderの初期化に関しては何台かお手伝いをしましたが、最初からここまで出来上がったクルマは久しぶりに見ました。聞けば前のオーナーは相当手を入れたそうで、実際にその成果は佇まいに表れています。幌もきちんと張り替えられていますし、リアのビニールも美しい状態です。

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トランクは殆ど使った形跡がありませんし、ちゃんとトノカバー(これまた使った形跡がありませんでした)も揃っています。

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室内もヘンな改造はされておらず、ステアリングもノーマルのままです。ちなみにSr.3のステアリングはノンパワーアシストですが、据え切りはともかく少しでも動いていれば意外にその重さは気になりませんでした。特に中速でコーナーリングをする場合は、このほうがステアリングフィールがしっかりしていた記憶があります。
ステアリングを交換するのであれば、自分の腕力と相談して決めるべきで、ステアリング径を小さくすれば当然ながら重くなります。

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シートも破れ等は見当たらず、ブラックのビニールレザーに赤ステッチというお洒落な仕様です。後のSr.4のシートのセンター部分はアルカンターラですが、新しいうちはともかく経年劣化が激しいため、かえってオールレザーのこのシートの方が好ましく感じます。ただこのビニールレザーは破れ易く、ジーンズの鋲などで傷をつけるとあっという間に切れてしまいます。ただし張替えは比較的安価ですし、海外にはすっぽりと上からシートに被せるタイプのカバーもありますから服装なぞ気にせずにガンガン乗ったほうが精神衛生上も良いでしょう。

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オーディオに関してはツイーターをダッシュボードに取り付けてあったりと工夫の跡が見られますが、この辺りは次のオーナーの好みでどうにでもなる部分でしょう。ただ個人的な意見を言わせてもらえば、115系Spiderに関しては、ボディやダッシュボードからのガタピシ音に加えて外部からの音も煩いため、オーディオに凝るだけムダなような気がします(苦笑)


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マフラーはエンドが定番のANSA製に交換されています。リフトアップして底を見たわけではありませんが、恐らくセンターとフロントはノーマルでしょう。

それにしてもここまで綺麗なSr.3は久しぶりに見ました。お値段は相談とのことですが、初期化が必要な中古車の常識で、爆安物件を買ってから払う整備コストを考えると、恐らく充分リーズナブルなお値段になるのではと思いますので、変態の世界を覗いて見ようという初心者の方?にはお勧めの物件だと思いますよ。
詳細については直接クイック・トレーディングに問い合わせてみてください。その際にこのブログを見た…と言っていただくと…最初から変態として応対してくれることでしょう(爆)

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灼熱のConcours d'Elegance~その伍~

Modern Classicと名付けられたClass-Dは1961年から1975年までのモデルです。私にとってはClassicとは呼べない年代ですが(苦笑)、考えて見れば30年以上経っているのですからもはや立派なClassicでしょう。

1961年 MERCEDES BENZ 190SLです。
190SLは名前を300SLから取っていますが、実際は全くの別物でした。そのネーミングと300SLほどの高性能ではなかったことがかえって幸いして、扱いが楽な190SLは空前のヒットとなりました。

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その190SLの由来となった300SLも会場に展示されていました。

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そしてその隣は現在によみがえった300SLとも言えるSLS AMGです。新旧のSLがこうして並んでいる姿は圧巻ですが、クルマから発せられるオーラのような威光はオリジナルである300SLのほうが勝っていたように思います。

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しかし、このクルマばかりはオーラのレベルが違っていました。それはSLR マクラーレン・スターリングモスです。

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お値段は1億円!。しかも世界で75台しか生産されないという超限定車で、加えてマクラーレンSLRのオーナーにしか販売されないというエクスクルーシヴがテンコ盛りのクルマです。

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さて気を取り直してClass-Dの出場車をご紹介しましょう。
1962年 PRINCE Skyline Sports Convertibleです。
1960年代以降に多く見られたイタリアのカロッツェリアとのコラボレーションの魁となったのがこのPRINCEのSports Convertibleです。ミケロッティのデザインによる美しいConvertibleはSkylineの中でも希少中の希少なクルマですが、当時の日本でこんなクルマを買える購買層なぞ殆どなかったために、多分に試作的な意味合いが強いモデルだったのでしょう。その細部の仕上げもとても採算が取れるとは思えない仕上がりでした。
ベスト・レストア賞を受賞したのは当然でしょう。

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1964年 ALFA ROMEO Giulia TZです。
もはや何も言うことがないモデルです。この個体は昨年のCoppa di Tokyoに展示されていたのと同じクルマですが、そのコンディションは素晴らしく、仔細に眺めればTZのボディが実に複雑な曲面で構成されていることが良く分かりました。
ダイナースクラブ・ベスト・オブ・ザ・パブリック賞(一般投票による優勝車)を受賞したのですが、一般の方が見ても素晴らしいコンディションであったということでしょう。

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1966年 DE TOMASO Vallelungaです。
私も初めて見たのですが、そのコンパクトなボディサイズとカロッツェリア・ギアによるスタイリングはとても魅力的でした。デ・トマソはイタリアの自動車メーカーの中でも波乱万丈なメーカーでしたが、それ故に残念ながら今はもうこの世にはありません。このクルマはその希少性からかクラス三位を受賞しました。

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1966年 HONDA S800です。
コンクール・デレガンスに出品されることに少し違和感を覚えたのも確かですが、こうして並べて展示されていると周囲の名車達に全くひけを取ってはいませんでした。特にこの個体はホンダR&Dでフルレストアされたとのことで、そのコンディションは素晴らしいものでした。

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1966年 FERRARI 275GTB/4です。
個人的には250GTOよりもクルマとしては美しいと思っているのがこの275GTBです。確かにコンペティションモデルとしては250GTOのほうが遥かに有名ですし、その生産台数からも希少であることは確かなのですが、こちらのピニンファリーナによるデザインのほうが伸びやかなフォルムであると思います。その存在感故にクラス一位を獲得したのも尤もだと思います。

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1968年 MASERATI Ghibliです。
発表当時はDaytonaやMiuraのライバルとして比較されたGhibliですが、巨匠ジゥジアーロのデザイン力は流石で、こうして間近に見ると直線と曲線が微妙に組み合わされ、力強さとエレガンスを併せ持ったフォルムを形成しています。恐らく見る角度や見るヒトによって、あるときは優雅なクルマであったり、スパルタンなクルマに見えるのではないでしょうか。そしてGhibliの魅力はまさにその多面性にあると思います。

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1970年 TOYOTA 2000GTです。
ロータスを参考にしたと言われているX型バックボーンフレームや当時のヨーロッパの様々なGTカーの影響を受けたと思われるスタイリングではあるものの、その全てが純粋に日本の技術で造られた2000GTは日本の自動車史に残る名車であることには変わりないでしょう。面白いことに単体で見るとバタ臭いスタイリングもこうして他のクルマと並べて見るとちゃんと日本車に見えるから不思議です。

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1971年 LAMBORGHINI Miura P400Sです。
注目という意味では一番人気だったのでしょうが、さすがにMiuraに投票するのは憚られたのか無冠に終わりましたが、そのコンディションはコンクール・デレガンスに出品されるに相応しいものでした。クルマについては私なぞが語る必要はないと思いますが、そのメカニズムの先進性だけでなく、ガンディーニのボディデザインももっと評価されて良いのではと思います。

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1973年 FERRARI 365GTB/4 Daytonaです。前回に引き続き特別審査委員長を務めたレオナルド・フィオラバンティの代表作なのですが、歴代のピニンファリーナのデザインによるフェラーリの中でも特異な存在ではないかと思います。それは単にエレガントなだけでなくダイナミズムと融合したスタイルであることで、後のフロントエンジンフェラーリのスタイリングに多大な影響を与えたモデルであると言えます。クラス二位を獲得したのは決して審査委員長に気を遣ったからではないでしょう(笑)

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1973年 MERCEDES BENZ 600 Pullman Limousineです。
異色の出品車と言ってよいでしょう。770Kグロッサーメルセデスやマイバッハの流れを汲む戦後のメルセデスですが、どうしてもヒトラーの愛車のイメージが見え隠れしてしまうのはクルマにとっては悲劇でしょう。それでも純粋にクルマとして見たときには極めて先進的で、ロールスやディムラーの独壇場であった高級リムジンの市場において、メルセデスが単に伝統あるプレステージだけでなくテクノロジーでもリードすることができたのがこのPullmanだったと思います。

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1975年 MASERATI Boraです。
スーパーカー世代には堪らないクルマだと思いますが、冷静にそのメカニズムを見ると当時のマゼラーティの親会社であったシトロエンのハイドロ技術が採用され、実に恐ろしい仕立てとなっています。スーパーであったのは残念ながらその性能ではなく外観だけで、ジゥジアーロによるボディデザイン故に評価されているモデルではないでしょうか。

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1975年 FERRARI 365GT4/BBです。
高級スポーツカーマーケットで一人勝ち状態であったフェラーリをある意味で震撼させたのがランボルギーニ・ミウラで、そのミウラ・ショックに対する回答がこのフィオラバンティがデザインした365BBでした。時代はミッドシップでなければスーパーカーとして成立できないほどで、もはやフロントエンジンのDaytonaでは顧客を満足させることはできなくなっていました。

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五回に亘りご紹介した東京コンクール・デレガンスですが、会場に足を運ぶことができなかった皆さんに少しでも、「行った気」になって頂けたなら幸いです。

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灼熱のConcours d'Elegance~その四~

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戦後を代表するClass-Cは1946年から1960年に製造されたモデルのクラスです。メカニズムとしては既に確立した自動車ですが、スタイリングに関してはまだ戦前と戦後が混交した過渡期の時代だったと思います。

1947年 ALFA ROMEO 6C2500 Freccia d'Oroです。
特徴的なリアビューを撮影するのに夢中になってしまい、フロントからのショットを撮り逃してしまいました(苦笑)。
アルファ・ロメオの戦後の復興は戦前からのこの6C2500をベースにボディをリデザインし改良を加えて販売することから始まりました。車幅を広げギアをコラムシフトとし、クーペボディでありながら前後列で6人乗車が可能となっているのですが、その車幅故に日本の道では「極めて運転しにくい」クルマだそうです。

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1948年 CISITARIA 202 SC Coupe by Pininfarinaです。
素晴らしいコンディションで鈍いシルバーのボディが照りつける太陽に輝き、実に魅惑的な色をしていました。
その先進的かつ美しいPininfarinaデザインのボディは、MoMAにおいて自動車として初めての永久展示品となりました。このクルマがクラス三位を受賞したのも当然でしょう。

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1948年 MASERATI A6GCS Sr.1です。
実にユニークな形をしたクルマですが、F2マシーンをベースにサイクルフェンダーとライトを装備して公道を走れるようにしたのがこのA6GCSで、きっと凄まじい乗り心地だったでしょう。

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1949年 JAGUAR MarkⅤ D.H.C.です。
戦後JAGUAR初のモデルがこのMarkⅤなのですが、あまりに旧態然としており戦前のモデルかと思ってしまいますが、前輪は独立懸架となっておりちゃんと改良が加えられています。このモデルはD.H.C.(Drop Head Coupe)と呼ばれトップが開くようになっています。

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フロントにずらりと並んでいるのはイギリスの各種オーナーズクラブのクラブバッジやJAFに相当するロードサービスの会員バッジです。こうしたバッジもイギリスならではで、その出来栄えの良さに思わず写真を撮ってしまいました。

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1949年 MASERATI A6-1500 Coupe by Pininfarinaです。
高性能GTとして企画されたマゼラーティ初のモデルがこのA6-1500です。Pininfarinaのボディが実に美しく、エレガント・クローズドカー賞を受賞しました。

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1950年 ROLLS-ROYCE Silver-Wraith D.H.C. by Freestone & Webbです。
戦前のWraithはROLLS-ROYCEの中でもコンパクトなモデルだったのですが、戦後になってSilverが頭につくとPhantom系の後継となり最上級モデルに格上げされました。この珍しいフリーストーン&ウェッブ製の2ドアドロップヘッドクーペは戦前のスポーティなWraithのイメージを残しており、しかも世界で一台のみとのことでエレガント・コンバーチブル賞を受賞しました。

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1950年 ROLLS-ROYCE Silver-Wraith Limousine by Hooperです。
上と同じSilver-Wraithながら全く異なるコーチワークのため、別物に見えるのが実に興味深い対比です。
フーパー社が架装したこのボディはナンと7シーターでそのボディカラーのせいもあり荘厳というよりエレガントに見えます。

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1954年 MORETTI 750 Sport Zagatoです。
MORETTIは1991年に廃業してしまったそうですが、FIATベースの特装車の製作をメインとしながらもこのような自社製のクルマも製作していました。ZAGATOがデザインしたボディはサイドの塗装で"Z"が表現されています。

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1954年 BENTLEY R-Type Continental by H.J.Mullinerです。
ROLLS-ROYCE傘下にあったBENTLEYの最高傑作と言われているのがこの R-Type Continentalです。H.J.マリナーは有名なコーチビルダーですが、この伸びやかなサイドラインは本当に美しく、改めて見て気に入ってしまいました。そう思ったのは私だけではないようでちゃんとクラス二位を受賞しました。

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1955年 O.S.C.A MT4-Tipo 2ADです。
O.S.C.A.はマセラーティ兄弟が興した会社ですが、その中でもMT4は様々なボディバリエーションを持つレーシングスポーツです。このボディは他MT4の中でも特段に美しく乗り逃げしたくなる一台でした。そして、エレガント・レーシングカー賞を受賞しました。

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1955年 PORSCHE 356 Speedsterです。
356はPORSCHEの中でも911と並んで有名なモデルですが、このSpeedsterは生産期間も短いことから希少なモデルです。ボディ製作はPORSCHEではなくコーチビルダーであるロイター社が行っていました。

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1956年 LANCIA Aurelia B24 Convertibleです。
LANCIAの歴史の中で5本の指に入る名車がアウレリアですが、そのシャーシーにPininfarinaがデザインしたConvertibleボディを被せたのがこのモデルです。
1950年代のヨーロッパのボディデザインはその主要な輸出先であったことも影響してアメリカの影響を色濃く受けており、ボンネット上のエア・スクープなどは現代の目から見るとちょっとオーバーデコレイト気味かも知れません。しかし流石はPininfarinaで全体のフォルムは素晴らしく、エレガント・スポーツカー賞を受賞しました。

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1957年 ALFA ROMEO 1900CSS Coupe by Touringです。
戦後に量産車メーカーとして転進したALFA ROMEOが初めて発売したモデルが1900シリーズですが、その中でも最も高性能なバージョンがこのSprintです。Sprintの標準がこのトゥーリング社のボディで、後のBertoneデザインのGiulietta Sprintに大きな影響を与えました。その意味では重要なモデルでクラス一位を獲得しました。

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1957年 ALFA ROMEO Giulietta Sprint Veloceです。
上記の1900Sprintに影響を受けたと言われていますが、当時のBertoneのデザイナーであったあのフランコ・スカリオーネのデザインは全く破綻のない素晴らしいデザインです。後にジゥジアーロがマイナーチェンジを担当し、Giuliaに繋がるデザインとなったのですが、商業的に大成功を納めた初代Giuliettaは、そのデザインにおいても後のALFA ROMEOに大きな影響を与えることになります。
背景に三代目となる新型Giuliettaを写しこんで見たのですが、その対比はいかがでしょうか。

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1958年 BENTLEY S1 Continental Saloon by H.J.Mullinerです。
先ほど紹介したBENTLEYの傑作であるR-Type Continentalの後継モデルがこのS-Typeなのですが、同じくH.J.マリナーのボディを身に纏っています。伸びやかなボディラインはそのまま残されているのですが、グラマラスという点では少し大人しくなってしまいました。

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1960年 JAGUAR XK150-3.8S Roadsterです。
1950年代からのJAGUARのXKシリーズの最終モデルがこのXK150です。生産されたその大半がD.H.C.やF.H.C.であったため、このRoadsterモデルは希少で珍しいものなのだそうです。

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さて、次回はいよいよ1961年以降のクラスをご紹介することにしましょう。

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灼熱のConcours d'Elegance~その参~

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Class-Bの年代である1931年から1945年は第二次世界大戦という歴史上の区切りのために、一口で「戦前」と括られてしまい、何かとても旧い時代のように捉えられていますが、現代の内燃機自動車の基本的な技術の殆どが確立された時代です。

1931年 ASTON MARTIN International Le-Mansです。
戦前のASTON MARTINは現在の高級スポーツカーというよりももっとコンペティション寄りのメーカーでした。
当時のライバルはブガッティやベントレーで、こうしたモデルを購入するユーザーは自らがレースに出場するためにクルマ選びをしていました。まだレースがプロフェッショナルドライバーのものではなかった旧き良き時代です。

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1932年 FORD Model-A Cabrioletです。
T型フォードは世界初の量産モデルとしてあまりに有名ですが、その後継モデルがこのA型で、そのバリエーションの一つがこのCabrioletです。

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1932年 AUBURN 851 Speedsterです。
戦前のアメリカを代表するスポーツカーがこのオーバーンです。その美しいスタイリングは自動車史に残るだけでなく、様々なクルマのデザインに影響を与えたのですが、このSpeedsterのスタイリングの最大の特徴がこのボートテールと呼ばれるリアのスタイリングで、走り去るクルマの後姿として最も美しいと称されるモデルです。これまた当然のことながらクラス一位を獲得しました。

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1934年 ROLLS-ROYCE PhantomⅡ Continental Sports Saloon by Thrupp & Maberlyです。(右側)
Class-Aの項でご紹介しましたが、ROLLS-ROYCEのPhantomというモデルはROLLS-ROYCEの最上級のモデルとしての位置づけなのですが、これはその第二シリーズのモデルでしかもContinentalというGT(グランドツアラー)モデルになります。ボディを製作したコーチビルダーであるスラップ・アンド・メイベリーはイギリスのコーチビルダーの中では老舗とのことですが、不勉強のためにあまり知りませんでした。

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1935年 AUBURN 12 Speedsterです。
先ほどご紹介したオーバーンのエンジンが8気筒であるのに対して、このクルマはナンとV型12気筒エンジンを搭載しています。当時の高級車市場は多気筒エンジンがブームでしたが、これらのエンジンは航空機用エンジンの技術と根本的に同じで、第二次世界大戦における日米の工業力の差を如実に表しています。

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1936年 LAGONDA LG45 Rapideです。
この名前はいずれもASTON MARTINに引き継がれましたが、もともとのラゴンダ社は独立した自動車メーカーでした。Rapideという名前のこのオリジナルモデルはW.O.ベントレーを主任技師として開発された高性能モデルです。

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1937年 DATSUN Roadsterという日本のモデルです。
722ccエンジンを搭載して量産されたモデルですが、そのサイズや性能はともかくRoadsterボディのデザインは良く纏まっており、同時代の海外のモデルとこうして並んでも遜色は無く、このクラス三位を受賞しました。

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1937年 ROLLS-ROYCE PhantomⅢ Sedanca de Ville by Hooperです。
今までの説明から難しいと言われているROLLS-ROYCEのモデル名も規則性がちゃんとあることがお分かりいただけたのではと思います。PhantomⅢですから最上級モデルの第三シリーズということになります。PhantomⅢの最大の特徴は当時の流行でもあるV12気筒エンジンを搭載していることなのですが、このV12気筒エンジンと聞くと思い出すのが傑作航空機エンジンであるマーリンエンジンでしょう。第二次世界大戦の連合国にもしこのROLLS-ROYCEのマーリンエンジンがなければ、戦争に勝利することができなかったのではとまで言われている技術がこのPhantomⅢには詰まっているのです。ボディ製作はコーチビルダーの名門フーパー社によるもので、クラス2位を受賞しました。

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1938年 BMW 327 Cabrioletです。
昨年のコンクールに出品されたBMW328の発表後にデビューしたのがこの327で、328がスポーツモデルであったのに対して、この327シリーズはグランドツーリングカーという位置づけでした。そのスタイリングは実に先進的かつ洗練されており、河岸のイギリス車のスタイリングと比べると一時代違っているように見えます。

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1939年 ALFA ROMEO 6C2500 Corsa (Tipo256)です。
富士スピードウェイで開催されたVitale Italiaで初めて見たのですが、こんな希少なモデルが日本にあることそのものが実に驚きでした。1939年のイタリアでのレース規定により過給器が禁止されたためにノーマルアスピレーションの6気筒2500ccエンジンを搭載したモデルがこのTipo256でした。残念ながら第二次世界大戦が勃発してしまったためにレースどころではなくなり、ミレ・ミリアも開催が中止されたために華々しい活躍の場を失ってしまった悲劇のクルマでもあります。

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1939年 ROLLS-ROYCE 25-30Hp Wraith Faux-Cabriolet by Van Voorenです。
ROLLS-ROYCEのモデル名を紹介してきましたが、これまでのPhantomと異なりWraith(レイス)はROLLS-ROYCEのラインアップの中でも小型レンジを担当しており、ベイビーロールスと呼ばれていました。
このモデルはそのレイスの中でも珍車で、フランスのコーチビルダーであるVan Vooren社がそのボディを製作しています。しかも資料によるとCabrioletに見える屋根は固定式で、「開くように見せかけただけ」だそうです。
何故そんなボディを製作したのかは定かではありませんが、技術的にもコスト的にも何のメリットもないでしょうから単なるイタズラ心だったのかも知れません。

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さて、少しづつ現代に近づいて来ます。次回はClass-Cという1946年から1960年までの出場車をご紹介しましょう。

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灼熱のConcours d'Elegance~その弐~

会場で一番大きなホスピタリティテントの中に入ると寒いくらいに効いた冷房が迎えてくれました。
そして正面に展示されていたのが、

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INFINITI ESSENCEという日産のコンセプトカーでした。チーフデザイナーはあの中村史郎さんで昨年3月にジュネーヴショーで発表されたモデルです。
そのスタイリング全体は新旧の様々なFRスポーツモデルに共有されたロングノーズ/ショートデッキの伸びやかなラインを持ちながらそのディテールは随所に独自性を表現しています。個人的にはちょっとゴテゴテし過ぎかなとも思うのですが、コンセプトモデルですから様々な実験的手法が試されているのでしょう。

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インテリアも左右で異なるなどこれも実験なのでしょうが、家具屋のショールームのようであまり好きにはなれませんでした。
 
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ラゲッジルームにはスーツケースが造りつけられていました。そのことそのものは決して新しい手法ではありません。しかし、こうしたクルマの購買層が実際にそのクルマを購入する動機は、単にスタイリングだけでもありませんし、性能だけでもなく、そのクルマ全体としての伝統と格式を含めた「立ち位置」だと思います。
ですので、こうした仕掛けにはスケドーニであれエルメスであれ、何かブランドがそれに関わることが重要なのかも知れません。

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テントの奥にはあのバット・モービルが展示されていました。

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恐らく見学者の子供向けなのかも知れませんが、一番見入っていたのは「オトナ」でした(苦笑)

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それにしてもエグい形ですが、実際に撮影では走行したのですから、クルマとして成立しているのでしょう。もしこのままで登録できるのであれば欲しい方も多いのではないでしょうか…。

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さて、随分と涼むこともできましたので、いよいよ覚悟を決めてコンクールの参加車両を見に行くことにしましょう。
ご紹介するのは実際に見た順番ではありませんが、分かりやすいように各クラス毎にします。
どうもこのブログをご覧いただいている皆さんは、こうしたイベントの紹介記事では各車の詳細な解説を期待されるので困ってしまいます(苦笑)が、何とか頑張ってご紹介して行きたいと思っています。

コンクールは4つのカテゴリーに分かれており、それぞれのクラスの中での審査と総合審査により様々な賞典が設定されています。
まずはClass-A Vintageと呼ばれる1910年から1930年までに製造されたクルマ達です。

1909年 La Licorneというクルマです。Licorneとはフランス語でユニコーン(一角獣)のことで、La Licorneはそのユニコーンをエンブレムとして1901年から1950年まで自動車の生産を続けたメーカーです。何となくド・ディオン・ブートンに似ていると思っていたらこのクルマはド・ディオン・ブートンのエンジンを搭載したモデルでした。

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1921年のBetley 3Litre Tourer by Gairnです。このクルマはBentleyが初めて製造したモデルで、この個体は現存するBentleyの中でも5番目に旧く、しかも製造されたときのボディがそのまま残されていることからトータルでは世界一旧いBentleyと言われている個体だそうです。最もオリジナル性が保たれているクルマということで日本クラッシックカー賞を受賞しました。

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1924年 Bentley 3Litre Speed Modelです。タイサンの千葉社長が所有している有名なBentleyで、様々なイベントに出場していますので、走行しているこのクルマをご覧になった方も多いでしょう。

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1926年 Bugatti Type 37Aです。Type37は直列4気筒1.5Lエンジンを搭載しており、さらにこの37Aはスーパーチャージャーを装備してGPマシーンと同等の性能を発揮したと言われています。日本に限らずクラッシックブガッティの人気は近年さらに増しており、日本に新しくやって来るクルマも増えているそうです。いずれも丁寧にレストアされているのが特徴で、このクルマはクラス3位を受賞しました。

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1927年 Rolls-Royce Phantom Ⅰ Tourer by Bakerです。有名なシルバーゴーストの後継モデルとして発表されたのがこのPhantomで、その後もPhantom Ⅱ,Ⅲ…とPantomはロールスの最上級モデルとして君臨し続けます。

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1930年 Rally ABCというクルマです。Rallyは戦前のフランスの自動車メーカーで、戦前のフランスは中小のスポーツカーメーカーが乱立するスポーツカー王国でした。このRally ABCはそのナンバープレートからも分かるように1932年!に日本に輸入され戦禍を生き延びて来た個体です。こんなクルマが日本にあることを私たちは誇りに思うべきでしょう。2010年度の最優秀賞であるベスト・オブ・ショウを受賞したのは当然だと思います。

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もう一台参加していたのが1930年 Bugatti Type35TCです。35TCは直列8気筒エンジンにスーパーチャジャーを装備した最強モデルで、このクルマはクラス2位を受賞しました。

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次回はClass-B Classicと呼ばれる1931年から1945年までに生産されたクルマのクラスからご紹介しましょう。

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