走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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メッキパーツのリフレッシュ

メッキ表面に限らずツヤがなくなる原因は表面の粗化にあります。平坦な表面は光を一定方向に反射しますが、表面がでこぼこになっていると光が乱反射しツヤがなくなるのです。磨くことによってツヤが出るのはこのメカニズムによるもので、表面が滑らかになると光の反射が一定となり結果としてツヤが出るというワケです。このようにツヤ出しの理屈は全ての表面に共通なのですが、問題は何故表面がでこぼこになったのか…です。

メッキの表面がでこぼこになる原因の一つは表面の酸化です。もともとは金属表面のサビ止めのために施されたのがクロームメッキですが、メッキ面も全く酸化しないかと言うとそんなことはありません。そしてその酸化が進行すると表面が酸化膜で覆われてしまいます。きれいに一定の膜厚で酸化膜ができるとそれはそれで一定のツヤになるのですが、それは表面処理の一種として酸化させる場合で、自然の酸化は単なる錆ですので表面のムラとなってツヤがなくなってしまうのです。メッキの表面にできる場合は、一般的にこれを白ボケと呼んでいるようです。

ですので、まずはこのメッキパーツの表面の酸化膜を除去してやります。ウエスで強くこすったときに黒くなるのであれば、表面が酸化していると考えて間違いはないでしょう。
磨きには基本があり、例えそれがどんなものであろうと荒目から細目へと研磨方法を換えてやるのが普通です。ところがメッキ面の膜厚はミクロン単位と薄いために、削りすぎると下地が出てしまうのです。従ってメッキ面を完全に削り取ってしまわないように少しずつ磨くしかないのですが、そうすると手間ばかりかかってなかなか光沢が蘇ってくれません。このメカニズムを図示するとこうなります。

HOLEZERO2.jpg

従って完全に平坦になる手前までは磨きによって表面を削り、最終的に残った窪みの部分に浸透性の光沢復活剤を使って、上図のようにこの無機質の粒子でその穴を埋めてやることにより表面を平坦にし、結果として光沢が蘇るという理屈なのですが、今回私が使用したのはHOLE ZEROという商品です。

まずは最初の磨きですが、ここでのポイントは削り過ぎないことと作業性の両立です。作業性を良くしようと思うと粗く削るような研磨をしなければなりませんが、そうすると削りすぎてしまう可能性があります。では…と細かく削るといつまでたっても削れない…というジレンマに陥ってしまうのです。
そこでその両面のバランスが取れた研磨方法は?ということで今回試してみたのは台所用のクリームクレンザー、金属磨き剤(PIKAL)、そしてメッキ磨き用のNEVER DULL、最後はアルファ・デポの坂野社長ご推薦のスポンジ研磨材の四種類です。

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研磨に際してはボディを削ってしまわないように、マスキングテープで養生をして実験スタートです。こういうところをサボると作業性が悪くなってしまったりついボディの塗装面を削ってしまったりと散々な結果になりますので、「急がば廻れ」でしっかりと養生しておきましょう。

クレンザー

まずはクリームクレンザーですが、使用方法は台所での使用と同じで台所用のスポンジに水を含ませてクレンザーをつけ直線的に磨いてやります。すると泡がちゃんと黒ずんで来ますので酸化膜が削られていることが分かります。

クリームクレンザー

クレンザーは意外にメッキ表面の金属と研磨粒子の相性が良く、表面の酸化膜の除去には向いているのですが、それ以上の研磨となると粒子が細かすぎるのか作業性は悪く、このレベル以上の研磨には時間がかかりすぎることが分かりました。

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次に、PIKALですが当然のことながら仕上げには向いているのですが初期研磨には全く向いていませんでした。磨いても磨いてもはかどらず、従って今回のような重症の白ボケの初期研磨にはオススメできません。

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NEVER DULLは研磨剤を含んだ綿で必要な分量を千切って使うのですが、クリームクレンザーとほぼ同様の効果がありました。綿はちゃんと真っ黒になり酸化膜が削れていることが分かるのですが、クレンザーと同様の理由から作業性が悪く今回の作業には不向きでした。これも仕上げに使うべきでしょう。

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最後に試したのがスポンジ研磨材です。これはアルファ・デポの坂野社長のご推薦で、わざわざお電話をいただき薦めていただきましたので急遽今回の実験候補に加えさせていただいたものです。スポンジ研磨材とは研磨剤がスポンジの表面に貼り付けてあるもので、曲面になじみやすいため私も以前からプラスチックモデルの表面仕上げに使っていたものです。正直言ってこうしたサンドペーパーをいきなり使うことには抵抗があり今回の作業には考えもしませんでした。ですのでさすがに最初から粗目の番手を使用する勇気はなく、800-1000番相当の極極細目という仕上げ用の細かいものを使用することにしました。

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使ってみた結果ですが、とにかく作業性が良く、上記のクレンザーの半分の時間で同じレベルまで削ることができました。最終的に別の方法で仕上げるという前提で初期の粗磨きに使用するのであれば、これほど作業効率の良い研磨方法はないと言えます。
例えば、ちょっとくすんだ程度のメッキ表面であればこのスポンジの極極細目で磨いてからPIKARもしくはNEVER DULLで磨いてやれば充分光沢が蘇るでしょう。

ホールゼロ

しかし今回は重症ですので、このスポンジ研磨材で表面を磨いてもまだくすみは完全に消えません。その理由は最初に書いたようにまだ窪んだ部分が残っているからです。そこでHOLE ZEROを付属のスポンジにつけて塗ってやると…

ホールゼロ2

どうでしょう?完全に光沢が復活しました。正直言って理屈は理解していたのですが、実際にその結果を見るとやはりビックリしてしまいました。他の部分も見てみましょう。

スポンジ研磨後

スポンジ研磨剤で磨いた状態です。

ホールゼロ塗布後

HOLE ZEROを塗った後です。

実はこのHOLE ZEROの理屈はメッキ表面だけでなく樹脂パーツの表面の白濁にも使用できます。試しにドアノブに使用してみると…

ドアノブ1

使用前ですが、ご覧のように塗装や表面処理を施していない樹脂パーツは永年の紫外線や酸性雨などの攻撃により白濁してしまっています。

ドアノブ2

HOLE ZEROを塗るとこのようにツヤが蘇りました。塗るだけでツヤが蘇るのならこんな美味しいハナシはないでしょう(笑)。気をよくしてサイドモールにも使って見ました。

モール

この効果がどの程度持続するのかはこれからの実験ですが、今回のメッキモールのリフレッシュはとりあえずは成功と言えるでしょう。経過についてはまたお知らせしたいと思います。

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内装のリフレッシュ

先日のブログでTHEMAの内装やメッキモールをなんとかする…と書きましたが、生憎の入梅のためなかなか作業をすることができませんでした。天候に関係なく作業ができる屋根つきのガレージが手配できる方には何の問題もないのでしょうが、私のような庶民は駐車場所は青空ですから天候が悪い場合は何もすることができないのです。

そこでまずは梅雨の晴れ間を狙って内装のリフレッシュをしました。内装のリレッシュといってもシートやカーペットの丸洗いなどという大それたものではなく、白ボケて光沢のなくなった内装の樹脂パーツを磨いてやった程度ですが、一手間かけてやるだけで随分と仕上がりが違うのです。その一手間とはいきなり保護ツヤ出し剤を塗るのではなく、その下地を充分にきれいにしてしてやることです。

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私が使っているのは写真のアーマオールの製品で、おそらく殆どのカー用品店で入手できるものだと思います。
まずは、クリーナーで樹脂パーツの汚れを落とします。この時点ではまだ樹脂パーツにツヤは復活しませんが、ウエスが真っ黒になりますのでちゃんと汚れが取れていることが分かります。

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その後に保護ツヤ出し剤で磨いてやると…

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このようにしっとりとしたツヤが復活します。この要領で全てのドアや内装を仕上げて行きます。

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THEMAの内装は凝った造形なので拭き残しが出やすいのですが、これだけ表面が汚れていると拭き残しが目立ってしまいますので、コマめにタオルを隙間に入れて拭き残しのないように仕上げます。

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運転席周りは運転しているときにイヤでも目に入りますので自然に力が入るのですが、意外に気が付かないのが助手席で、運転席に座って拭き掃除をしていると、助手席から見て目立つ場所に拭き残しがあったりするものです。

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ちゃんと最後には助手席にも座って、拭き残しのないように注意して仕上げます。

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さて、青空駐車場では天候に左右されるためなかなか作業がはかどらないのですが、そんなときに使っているのがビルの地下駐車場です。特にオフィスビルの地下駐車場は休日になると閑散としており、こうした作業をするにはうってつけの場所となります。もちろん不法侵入しているワケではなく、ちゃんと時間貸し有料スペースがある駐車場に行って駐車料金を払って作業をしているので何もやましいことはないのですが、ちょっと忍び込んだ罪悪感があるのも確かです(苦笑)
万が一差し障りがあると困りますのでこの場所はナイショにしておきますが(笑)、この地下駐車場の洗車場所は実に使いやすく気に入ってしまいました。

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そしてここでの作業はいよいよご期待の?メッキモールのツヤ復活です。アルファ164も後期型のSuperにはこのメッキモールが効果的に使われているのですが、経年劣化でメッキがくすんでしまうようです。折角のアクセントとして使われているメッキモールが錆びたりくすんだりするとかえってボロく見えてしまい逆効果となってしまいます。

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1960年代以前のクルマに見られる金属部品の表面処理としてのクロームメッキはスタイリング上のアクセントとしての役目だけでなく本来の錆止めとしての目的もあったのですが、このTHEMAやアルファ164は樹脂部品にメッキされていますので純粋に装飾用としての役割しかありません。そしてそのメッキもピカピカのクロームメッキではなく、高級感を狙ったのかツヤを抑えた仕上がりとなっています。
このメッキモールを復活させるのですが、今回は試行錯誤の結果、おそらくこの手順が良いのではないか…というものをご紹介しましょう。

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永遠の0(ゼロ)

何気なく立ち寄った書店で平積みになっているこの本を見つけたときに、その題名からは内容が想像できず、単に本屋のPOPに惹かれて購入したのですが、読み始めてすぐにこの作者が只者ではないことが分かりました。

永遠のゼロ2

この小説の主人公である佐伯健太郎は秀才と言われながら四年連続で司法試験に失敗し、人生の目的を失いかけた26歳の若者です。そんな彼にアルバイトをもちかけてきたのが彼の姉であるフリーライターの慶子で、そのアルバイトとは彼らの祖父である宮部久蔵のことを調査するというものでした。
彼らの祖母の死後にそれまでずっと実の祖父だと思っていた人から、実は祖母とは再婚で、自分たちと血の繋がった本当の祖父はその宮部久蔵であると聞かされ、彼は海軍の飛行士で終戦の数日前に神風特攻隊の一員として出撃し、帰らぬ人となったことを教えられるのです。
当初の姉の目論見はこの調査を通じて神風特攻隊員のノンフィクションを手がけることだったのですが、彼ら姉弟にとって自分たちのルーツ探しとも言える宮部久蔵に関する調査は、一方で戦争を全く知らない若者が太平洋戦争と日本人を考えるきっかけにもなって行くのです。そして取材を通じて少しづつ宮部久蔵の人間像と彼の最期の秘密が解き明かされて行きます。そして二人は衝撃の真実を知ることとなるのです。

作者の百田尚樹氏は、関西人であれば恐らく一度は見たことがあるであろう深夜のTV番組、「探偵ナイトスクープ」を手がけた放送作家で、どちらかというとTVの世界に生きてきた方です。その氏が初めて小説家として書き下ろしたのがこの作品なのですが、ぐいぐいとフィナーレに向かって盛り上げていくストーリー展開はさすがに放送作家…と唸らせるものがある一方で、緻密な調査と卓越した見識をもって書かれた太平洋戦争と日本人の精神文化に関する記述は、決してそれが目新しいものではありませんが分かりやすく記述されており、ストーリー展開の邪魔をせずに自然に読み進むことができます。

特攻という言葉を知っていても、現代に生きる私たちがその本質を理解することはとても難しいことだと思います。イスラム原理主義者がアメリカの貿易センタービルに、ハイジャックした旅客機ごと突入した行為を「カミカゼ」と表現した欧米のマスコミに対して違和感を覚えた日本人は多かったのではと思いますし、一方で違和感すら覚えない日本人にとっては「カミカゼ」も「カラオケ」と同じく英語になった日本語の一つでしかないのかも知れません。

しかし作者は、死を徹底的に怖れ、生きて祖母と子供である彼らの母の許に帰るために、卓越した操縦技術を身につけて太平洋戦争の激戦を戦い抜いた宮部を通じて、当時の若いパイロットたちが決して狂信的なテロリストなどではなく、現代の私たちと同じ死生観を持っていたことを描こうとしています。

また、作者は主人公の姉に当時の日本のエリート軍人たちの本質を語らせているのですが、そのくだりは実に興味深いので少しご紹介しましょう。

(前略)

「強気というよりも、無謀というか、命知らずの作戦をいっぱいとっているのよね。(中略)
でもね。ここで忘れちゃいけないのは、これらの作戦を考えた大本営や軍令部の人たちにとっては、自分が死ぬ心配が一切ない作戦だったことよ」

「ところが、自分が前線の指揮官になっていて、自分が死ぬ可能性がある時は、逆にものすごく弱気になる。勝ち戦でも、反撃を怖れて、すぐに退くのよ」

「将官クラスは、海軍兵学校を出た優秀な士官の中から更に選抜されて海軍大学校出たエリートというわけね。(中略)個々の戦いを調べていくと、どうやって敵を撃ち破るかではなくて、いかにして大きなミスをしないようにするかということを第一に考えて戦っている気がしてならないの。」


そこには当時の日米の軍人の評価制度の違いにまで及ぶリサーチとその行動心理を考察した記述があり、本当に驚かされます。
この作品の後に続く彼の作品は戦争とは全く関係のない題材の作品ですので、そもそも彼が何故このような設定で小説を書こうと考えたのかは分かりませんが、少なくともこの小説を通じて書きたかったのは、単なる壮大な人間ロマンだけではなく、太平洋戦争の敗戦を境に日本人が変わったのではなく、日本人の本質が太平洋戦争を敗戦に至るまで続けさせ、その本質は現在に至るまで何ほども変わってはいないことを書きたかったのではないでしょうか。

今年の2月に他界した私の父は太平洋戦争中に学徒兵として大学を休学して兵役に服しました。この小説にも出てきますが、当時の大学生は現在と異なりエリートとして社会的にも扱われて徴兵を免除されていたのですが、戦況の悪化に伴い理工学部の学生以外は兵役に服することとなったのです。
「雨の神宮外苑の行進」というニュース映像で残されている悲壮感が漂う大学生の出陣式は有名ですが、父の徴兵はその翌年で特に華々しいセレモニーはなかったそうです。
父は陸軍に徴兵されたのですが、その当時はもはや父を外地へ送る輸送船もなく、高知の海岸で米軍上陸に備えてタコツボを掘る毎日であったそうですが、一方で海軍に徴兵された同級生は人間魚雷「回天」と呼ばれる特攻兵器に乗って戦死したり、沖縄に片道の燃料だけで突入した戦艦大和に乗り組んで船と運命を共にしたりしたそうです。
父によると彼らが狂信的に日本の勝利を信じて戦ったのかというと決してそんなことはなく、純粋に皇国日本が掲げた大東亜共栄という欧米人のアジア植民地支配からの脱却という理想を信じる一方で、どんなに大本営とマスコミが「負け戦」を「勝ち戦」と誤魔化したとしても戦局が日本の敗北に向かっていることは充分理解していたそうです。
しかし、皆が「白」という中で一人で「黒」という勇気がなかっただけで、それが日本人の典型的な弱さではなかっただろうかと思うのです。
父は負け戦と知りつつ、それで勝てるとは思わずに砂浜にタコツボを掘り続け、それで上陸してくる敵の戦車を防げるワケはないことを知りながら、竹槍を砂浜に挿し続けました。それはこの期に及んで自分たちにできることはそれしかなかったからやったことで、父もまた無駄だから止めようと声を上げる勇気が無かった日本人の一人であったのです。

しかし、宮部は特攻隊に志願を強要されたときに、志願しない勇気を持っていました。そして同時に生き抜くという戦い方を選択する勇気と実際にその技量を持ち合わせていたからこそ、最後まで生きて戦い抜くことができたのですが、そんな彼がなぜ最期は特攻隊として敵艦に突入することになったのかは、この小説を実際に読んだ方にだけ明かされる結末としておきましょう。

もし生前に父がこの小説を読む機会があれば何と言ったでしょうか…。

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テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学

THEMAの初期化

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大してやることもないと思っていたTHEMAの初期化なのですが、それでも乗り出して見ると細かいチェックポイントが出てきました。それでも過去の経験からすると全然大したことがないのは、このTHEMAが今までちゃんと手が加えられて来たからに他なりません。

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ひょんなきっかけから私の手許にやってくることになったので、実はこのクルマの程度については全くと言って良いほど予備知識はありませんでした。

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マフラーがセンターからリアエンドまでステンレス製のワンオフに換装されていることも知りませんでした(苦笑)。確かに20年前のイタ車のマフラーが腐っていないなぞ有り得ませんから、仮に最初は無事であったとしてもすぐに交換を検討しなければならない部分なので私にとっては有難いモディファイでした。しかもこのワンオフマフラーは形状も大人しいだけでなく音量も控えめだったのでとても気に入りました。

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こうして下回りを見てもこのクルマの程度が良いことが分かります。

さらに嬉しいモディファイはショックアブソーバーで、純正ショックからKONI製の可変のものに換装されていました。

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果たしてこのクルマのダンパーが可変である必要があるか…は疑問ですが、締め上げなければヘンに硬くなく意外にしっとりとした乗り味には好感が持てました。もし、スプリングとともにスポーツショックに交換されていたらボディはとっくにダメになっていたでしょう。
実は白状しますと、私はこの乗り味のせいで言われるまで気が付かず純正のダンパーだと思っていました(苦笑)

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初期化とは関係ないのですが、私自身がアルファ75以来歴代の愛車に引き継いでいるのがルームミラーです。
そもそものきっかけがアルファ75の後方視界の悪さで、あのトランク部分がせりあがっている独特の形状と、純正のルームミラーのサイズのせいで本当に後ろが見えませんでした。これは何とかしなければ…と後付のルームミラーを物色したのですが、サイズや視界の広さだけでなくデザインを含めなかなか気に入ったものが見つかりませんでした。数件のショップを探し回りやっと見つけたのがこのミラーで、それ以来20年に亘り歴代の愛車に引き継がれてきました。

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新しいクルマを乗り換えて真っ先にすることがこのミラーを取り付けることで、そうすることによって何となく自分のクルマになったような気がするから不思議なものです(笑)

さて、気になるチェックポイントのハナシですが、アイドリングの不安定はテスターでチェックしてスロットルボディの清掃と調整で随分と改善されました。最終的に根治させるためには各種センサーの交換が必要なのかもしれませんが、テスターで異常が出るほどではありませんので、しばらく様子を見ることにしました。

クラッチは点検してもらったのですがまだ磨耗はしておらず、もう少し私が運転に慣れてくれば気にならなくなるのではと思います。実はこうしたチェックは重要で、自分の感覚とのズレをこうして修正しておくと本当のトラブルの予兆を見分けることができるようになるのではと思います。

どうしたワケかサイズが違っていたタイヤは思い切って交換することにしました。交換するタイヤは…当然のことながらBarumです(笑)

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どうしてBarumなのか…と良く聞かれるのですが、それは単にコストパフォーマンスに優れているからだけではありません。下の写真を見ていただくと良く分かるかと思うのですが、最近の殆どのタイヤのショルダーが角ばっているのに対してBarumのショルダーは丸いのです。
初めてアルファ164Q4にBarumを履いたときに感激したのはこのあたりの柔らかさで、現代のクルマのようにボディ剛性が強くないクルマで、サスペンスションのストロークを使ってボディをロールさせることによりタイヤの接地面を確保しながらコーナリングする味付けのクルマに、タイヤの形状が変わらないグリップ重視のロープロファイルタイヤを履かせることが百害あって一利もないことが良く分かったのです。
極論を言わしてもらえればこのBarumでタイヤグリップの限界が来ても、まだシャーシーの限界ではないため滑り出しは滑らかでコントローラブルであることに対して、現代のハイグリップタイヤだと最後はタイヤのグリップで曲がっているので、それがなくなった時にはシロートレベルのドライビングテクニックでは制御不能になるのではと思います。
もちろん速いか…と言われると恐らく速くはないと思いますが、ちょっと旧いクルマを労わりながらドライビングを楽しむにはBarumはオススメできるタイヤだと思います。

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というワケで、今回もご老体を労わって(笑)、Barumを履かせることにしたのですが、乗り出してみると予想通りなかなか良いマッチングです。

これで走ることに関しては一通りの初期化を終了し、引き続き内外装のリフレッシュに移ろうと思います。

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テーマ:イタ車 - ジャンル:車・バイク

Drive & Lunch ~二宮~

この企画もしばらくご無沙汰でしたが、決してリサーチしていないワケではなく(笑)、新しい場所というよりリピートが多かったのでご紹介するようなネタにならなかっただけですので、ご期待いただいていた方には申し訳ありませんでした。

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さて、満を持して?今回ご紹介するのは伊豆は遠いけれど湘南は混むし…という方にぴったりなレストランです。そのレストランは二宮にあるBALI MODERN AURAという正統派のフレンチイタリアンを提供してくれるお店です。
実はこれからの穴場ではないかと思っているエリアがこの大磯-二宮という場所です。歴史的には政治家や財界人が居を構えた静かな住宅街なのですが、最近は代替わりによりその古いお屋敷を改築したりした隠れ家的なレストランが開店するようになってきました。聞けば昔から素晴らしいお店はあったそうで、こうした政治家や財界人の肥えた舌をうならせた料理人が都会の喧騒を嫌ってひっそりと店を構えていたそうですので、このエリアにはもともとそうした土壌があったのでしょう。
また今となっては注目されるのが交通の便利さで、クルマで行くのであれば国道1号線に西湘バイパス、小田原厚木道路、東名高速と様々なアクセスルートを選ぶことができ、夏場でも湘南エリアのように人が押し寄せないこのエリアはこれからの季節こそ敢えて出かけるにはうってつけの場所だと思います。

実は今回、私の50回目の誕生日のお祝いでこのレストランに出かけることにしたのですが、こうしたイベントに必要な演出としてサプライズという要素は重要で、おおよそこんな場所に?と思うような住宅街の、クルマがすれ違えないような路地を入ったところにこのレストランは突然現れるのですからまずその要素はクリヤーしています。

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おそらくどこかのお屋敷であったであろう敷地に建てられたこのレストランは周囲の建売住宅とは全くそぐわず、一歩足を踏み入れるとそこは別世界です。

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玄関に至る前庭には池が造られ、その池をウッドデッキで渡って行くルートが設定されています。玄関を入るとダイニングルームに続くホワイエもバリ風の造りで、広々とした心地よい空間です。

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ここまででも充分サプライズなのですが、ダイニングルームに足を踏み入れた途端に、このレストランが只者ではないことが良く分かります。目の前にはプールがあり、その奥には借景のように海が広がっています。実はレストランと海との間には西湘バイパスが走っているのですが、うまく樹木で目隠しされており、時折聞こえるクルマの音さえなければ全く気になることはありません。

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この建物と景色だけで、もはやサプライズとしては充分なのですが、その料理も期待以上に素晴らしいものでした。

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料理は素材と調理法を充分に考えつくされた正統派で、二宮という土地柄から特に海の食材を上手に使ったどれもが絶品のコースでした。
まずは、前菜ですがその内容でこれからのコース料理のレベルが想像できます。中でも鯒(コチ)のローストが絶品でした。

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モリーユ茸とリドヴォーの煮込みです。一見するとちょっとしつこいように見えますが、ソースが実に美味しくてパンにつけて全ていただいてしまいました。

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パスタは二種類から選ぶようになっていました。こちらは新キャベツと相模豚のラグーを使ったガルガネッリです。

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もう一種はアサリとバジルの冷製カッペリーニです。

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魚料理は天然のホタテ貝とラタトゥーユを詰めたキスの白ワイン蒸しで、このキスは本当に美味しかったです。

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そして肉料理はマスタード風味のシェラン産小牛フィレ肉のロティーで、実に柔らかく仕上げられていました。

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デザートは外で頂いたのですが、私にはボリュームがちょっとあり過ぎました(笑)

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もし大切なヒトと一緒に行くのであれば、内緒で予約をして決して道に迷わないようにちゃんとルートを予習をしてから訪れるようにしてください(苦笑)。単にびっくりされるだけでなく、確実にあなたの株が上がると思いますよ。

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イタ車50,000kmの法則

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手許にやってきたこのLANCIA THEMAは実は主治医であるクイック・トレーディングの長期在庫車でした。
クイック・トレーディングはメンテナンスガレージですから、元来は中古車の売買は殆ど行ってはいないのですが、このクルマはもともとがメンテナンスで入庫していたクルマで、前オーナーがクイック・トレーディングでクルマを買い替えたために、「止むを得ず」下取りで買い取ったクルマです。
しかし、このような経緯からするとこれほど素性がはっきりとしたクルマは珍しいでしょう。前オーナーは新車でオートザムから購入し、メンテナンスをクイック・トレーディングで行っていたのですから、クルマのメンテナンス歴に関して情報が不足しているということはありません。
中古車を買って初期化する際に重要なのがこのメンテナンス情報で、仮に整備記録が全て揃っていたとしても、「どこで」「誰が」整備したのかによってその信頼性も随分と変わるのではないかと思います。今回のようにメンテナンス歴に加えて、その記録も記憶も全て主治医の許にあるというクルマはそれだけで随分と安心できるものです。

以前にも書きましたが、私自身はクルマは「走ってナンボ」だと思っています。ですので雨の日や夏場に乗れなかったり、乗っていく場所を選ぶようなクルマにはあまり魅力を感じません。従ってアルファ75に始まった私の地獄クルマ?のメンテナンス経験は、全て日常のアシとして「乗り倒した」ことによるものだと思っています。そんな経験から導き出した一つの法則が「50,000kmの法則」というもので、少なくとも90年代のイタリア車に関して言えばこの法則はかなりの確率で適用されると思います。
それは、走行距離の50,000km毎にその時期にあったメンテナンスを行わなければならないという法則で、最初の50,000kmの場合のメンテナンスはその殆どが交換を前提としている消耗品と言ってよい部品なので、それさえちゃんと交換してやれば、そのクルマは日常のアシとしてそれからも何の問題もなく走ることができるのです。中古で走行50,000kmのクルマを購入する場合は、このメンテナンスを実施しているかどうかが最大の決め手となります。ちゃんとメンテナンスされており、その整備に信頼がおけるのであれば、少々高くてもその個体は「買い」でしょうし、一方で未実施の場合はそれを理由にちゃんと値切って、信頼できるメンテナンス工場に任せるのが良いでしょう。

そして、次に走行100,000kmになると二回目の消耗部品メンテナンスの実施に加えて、各部品の経年劣化による交換(リフレッシュメンテナンス)が必要となってきます。ホンキでそのクルマに乗り続けたいのであれば、この100,000kmの時点でどれだけこうした部品を交換してやれるかによってその後のコンディションが大きく変わります。もちろんいつ頃に走行が100,000kmに達したかは結構重要で、すでに製造から年月が経過し部品が製造中止になっていたりすると、どんなに乗り続けたくてもそれは不可能となってしまう場合もあります。一方である程度の部品を揃えてこのリフレッシュメンテナンスをすることができれば、さらに走行150,000kmまでは今までと同じように日常のアシとして乗り続けることができるでしょう。

この法則をベースに考えて、私自身は今回916Spiderを降りる決意をしたのですが、一方でこのLANCIA THEMAは20年オチであるにも関わらず実走行は僅か58,000kmで、同じくこの法則により、第一回の通常メンテナンスを終了している個体であったことから、次の100,000kmまでは楽しむことができるであろうと考えた末に入れ替えることにしたのです。
もちろんこの法則が100%当てはまるワケではなく、20年という年月の経年劣化に加えてTHEMA特有の弱点などはこれから思い知る?ことになるのでしょう(笑)

いくら整備済みとは言え、長期在庫車であったことからも乗り出しにはそれなりのメンテナンスが必要で、車検を取得するに際して、主治医は各部の点検調整に加えて全ての油脂類の交換をしてくれました。
後は実際に乗り出してから…ということで一旦引き取ることにしたのですが、実際に乗ってみると気になるところはちゃんと出てきました。

まずは外装です(苦笑)。やはり長期在庫というだけあって塗装の表面が劣化していました。恐らくコンパウンドで磨いてやれば見違えるようになると思いますのでお願いすることにしました。

また錆が出ているワイパーアームはみすぼらしいので中古パーツを入手して交換してもらうことにしました。

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次に気になったのがウインドウ周りのメッキモールです。このメッキモールはTHEMAのスタイリング上のアクセントになっている部分なのですが、酸化して白濁してしまっていました。これは業者に頼まずに自分で何とかしようと思っています。

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機関は主治医が随分と手を入れていたこともあり、絶好調と言って良いコンディションでした。今まであまりLANCIAのエンジンには好印象がなかったのですが、このTHEMAのエンジンには好感が持てました。もちろん車格を考えるとスポーティに過ぎるのは言うまでもなく、本来ならばもっとトルクの厚い6気筒エンジンが似つかわしいのでしょうが、個人的にはこのアンバランスが好ましく思えます。
しかし、クラッチフィールがどうも良くありません。クラッチが繋がるポイントが随分と手前ですし、発信時に1速でクラッチを繋げるとスナッチが出ます。最初は慣れれば…と考えていたのですが、どうも慣れの問題ではなさそうです。これはクラッチの交換時期か?と思い、整備記録を調べてみると30,000km時にクラッチを交換しています。レリーズの調整で治るかも…という主治医の言葉に甘えて一度点検をお願いすることにしました。

ちょっと気になっているのはアイドリングで、当初の800rpm程度のセッティングではハンチングが出ていました。気になったので少し上げてもらい現在は1200rpm程度で落ち着いているのですが、アイドリング回転としては明らかに高く、燃費にも良くはありません。センサーの不具合かも知れませんのでテスターを使って要チェックでしょう。

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頭の痛い問題はタイヤで、THEMAの標準タイヤは195-60-15というサイズなのですが、この個体はホイールがSppedline Corseに交換されており、タイヤは205-55-15という外径が一回り小さいタイヤを履いていたのです。ホイールそのものはヘタにインチアップされていないので全然構わないのですが、タイヤはいただけません。スピードメーターやトリップメーターの表示も誤差が出てしまいますし、何となく格好良くありません(笑)
ちょうどホイールアライメントをチェックしようと思っていたこともあり、この際ですのでタイヤは交換しようと思っています。

最初はこんなものか…と思っていたのですが、実際に乗ってみると妙に気になるのがシフトフィールで、どうしたものかこのクルマのシフトはリンケージがぐにゃぐにゃでまったく剛性感がありません。「糖蜜をかき混ぜるような」というと美しい表現ですが、個人的には全くいただけません。同じエンジンを搭載しているDELTAはもちろんもっとしっかりしたシフトフィールですので、この個体特有の不具合かも知れませんし調整で治るのかもしれません。もし同じモデルに乗った経験がある方がいらっしゃれば、シフトフィールについて情報をお寄せいただければ有難いです。

さらに乗っているとブロワーファンの異音が気になってきました。これからの季節には必需品であるエアコンは主治医が以前に整備したこともあり、びっくりするくらい良く効くのですが、ときどきファンから異音がするようになりました。この異音はアルファ164では有名な「鈴虫」で、ファンモーターの軸からの異音だと思われますが、アルファ164の情緒ある?音と違って、小さなジェットエンジンのタービン音のような高音が聞こえてくるため煩いことこの上ありません。これも長期在庫の弊害で頻繁に動かすようになると馴染んでくるのかもしれませんので、暫く様子を見ることにしますが、対策としてはダッシュボードをバラして注油という大工事になってしまうでしょうから、ホンキで何とかするのであればそれなりの覚悟が必要でしょう。

実は数日乗ってみた結果はこの程度で、正直言って拍子抜けしてしまいました。過去の経験から、乗り出しで出る不具合はもっと多く、その不具合箇所は何かしらある程度の初期化整備が必要なポイントを教えてくれるものなのですが、今のところは安心して外装や内装に手を入れて行けそうです。
もちろんイジワル魂のたっぷりつまったイタ車で、しかも相当な年増のTHEMAですので、安心させておいてどんな仕打ちを用意しているのか分かったものではありませんので油断は禁物です。

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Modern Furniture

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前回のブログ記事にお問い合わせいただきましたので、余談ですがオートザムでランチアを販売することになった経緯をご説明しておきたいと思います。そもそもオートザムとはマツダが1990年前後に展開した多店舗ブランドの一つです。今から思えばよくもまあ…と思うのですが、バブル期の上げ潮に乗って従来のマツダ販売に加えて、ユーノス、アンフィニ、オートラマ、オートザムという5種類もの販売系列を立ち上げ、それぞれに独自の販売車種を供給したのですから、いくらフォードと提携していたとはいえマツダ程度の生産規模ではいずれ破綻するのは必至でした。

その中でもオートザムはどちらかと言うと軽自動車中心のラインアップを販売していたのですが、それだけでは商売にならず、かといってマツダの他のモデルを売りたくても他のディーラー網との関係で売ることができないため、急遽考え付いたのが本業であるマツダ車の販売にさほど影響しない外車の並行販売で、ちょうど代理権が宙に浮いていたLANCIAとAUTOBIANCHIの販売権を取得し、これらを販売することにしたのです。かくして主力の軽自動車と並んでTHEMA、DELTA、Y10などがオートザムで販売されることになったのですが、同時期にLANCIAを販売していたガレージ伊太利亜と比べても店舗数が圧倒的に多かったことと、オートザムで売っているんだから…という敷居の低さ?から意外に販売実績があったと言われています。もちろんオートザムで買ったからといって国産車並みの製造品質があるワケはなく、イタリア車は初めて…というユーザーにイタリア車を触るのが初めて…というオートザムのサービス工場との間の悲喜劇は推挙に暇がなかったと言われています(苦笑)
しかしその悲喜劇とは別に、店頭ではあのLANCIAが日本の軽自動車と並んで販売されたのですから、そのクルマとしての信頼性はともかく、デザインセンスの差は歴然としており、もともとLANCIAを買う気なぞなかった顧客が一目ぼれしてつい買ってしまったというハナシを聞きますので、こうして人目に触れる機会を増やすことが意外に販売に貢献するのかも知れません。

LANCIAブランドのクルマはそれが小型車であってもこのTHEMAのようなアッパーミドルサルーンであってもそのインテリアに共通のテイストを持っています。それは一言で言うと「上質」というもので、「高級」とは少しニュアンスが異なっていると思います。
前回ご紹介できなかったので、このTHEMAの内装をご紹介しましょう。実はシートがレザーでなかったこともこの個体を気に入った点でした。中古車のレザーシートの場合はどうしても経年劣化で痛んでしまっている場合が多いのです。確かに大切に使い込まれたレザーはその風合いも含めて素晴らしいと思いますが、一方で高温多湿な日本の気候で放置されたレザーの痛み具合は使い込まれたそれとは明らかに異なっており、かえってみすぼらしく見えてしまうものです。

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このTHEMAの内装にはエルメネジルド・ゼニアのクロスが使われています。
エルメネジルド・ゼニアはアルファ・ロメオ設立と同じ1910年に北イタリアでテキスタイルメーカーとして創業した老舗です。会社を興した初代のアンジェロ・ゼニアから20歳で会社を受け継ぎ、現在のゼニアの礎を築いたのが二代目のエルメネジルド・ゼニアで、彼は1930年に最新の英国製紡績機械を導入し高品質な毛織物の生産を開始し、それを単に服地として顧客に販売するだけでなく、ファッシンデザイナーにも積極的に供給しゼニアのブランドとしての知名度を高めて行きました。後に彼の息子たちが経営に参画し、服地の生産から完成服(プレタポルテ)の分野にも進出し、スーツ、ジャケットからスポーツウェアまで幅広く手がけることにより、ゼニアのブランドを世界で確立することに成功します。素材の開発から縫製まで一貫して自社のファクトリーで手がけ、原毛の買い付けから、紡績、染色加工、製品化までトリヴェロの工場では一貫した自社生産が行われており、それがゼニアの高品質を維持する鍵となっています。そのゼニアが自動車の内装材を初めててがけたのがこのLANCIA THEMA向けで、その上品なブルーはシート、天井、フロアカーペットに至るまでカラーコーディネートされており、その室内空間を特別なものとしています。

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残念ながら室内の広さはアルファ164と比較してTHEMAに軍配が上がります。私がベルリーナをテストするときの基準は、自分自身のドライビングポジションで前席を固定したときに後席にどの程度の余裕があるかで、その過酷な?テストに合格したアルファ75とアルファ155に対して、その後継モデルであったアルファ156は不合格となってしまったため購入しなったのですが、このTHEMAでは合格どころか後席に私が座ってもひざ前にこぶしが二個入るほどの広さがあったのです。

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残念ながらこの年代のイタリア車のプラスチック部品はその材質も成型技術も日本の当時の標準にすら遠く及びませんが、一方でそのデザインは現代の日本車もまだまだ及ばないほど個性に溢れています。
エンリコ・フミアさんがデザインしたアルファ164も、巨匠ジゥジアーロがデザインしたこのTHEMAも、ダッシュボードやインパネを単なる機能部品としてだけではなく、一種のアーキテクチャーとして造形していることが良く分かります。もちろんあくまでも工業デザインですから、そのデザインは当時の工業技術やコストの制約を受けるのは当然なのですが、それを割り引いて見てもデザインとして素晴らしいと思います。

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例えば室内のルーバーダクトにこれほどまでに凝ったデザインをし、製造にコストと手間をかける例が日本車にあるでしょうか?

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MASSERATIの内装が誰もが理解できる伝統的な高級テイストに基づいているとすれば、LANCIAの内装はカッシーナ製の家具のようなモダンなテイストに基づいています。
フェイクウッドではなくちゃんと本物のウッド製のトリムも鏡面ニスで仕上げられたものではなく、ウッドの質感を大切にした仕上げが施されています。
もしMASSERATIの内装に落ち着かなさを感じる方でも、このLANCIAの内装にはきっと心地良さを感じるのではないでしょうか。

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LANCIAが目指す「上質」とはまさにこの落ち着きではないかと思います。その上質を追求するために、LANCIAは世界で初めて人工スゥエードであるアルカンターラやこのゼニアのような服地を内装材として採用したりして来たのですが、そのチャレンジの成果は着実に実を結んでいると思います。

このTHEMAは保管状態が良かったため、内装は20年という歳月を感じさせないほど程度の良い状態だったのですが、やはり樹脂パーツの白濁劣化があるために、初期化として手入れをして行きたいと思っています。その模様と作業のポイントはまた別の機会にお知らせすることにします。

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LANCIA THEMA Turbo16V

次のクルマについては謎を残して引っ張ろうと思っていたのですが、意外にあっさりとバレてしまいました(苦笑)
それにしてもあの写真ですぐに分かってしまうのですから、このブログの読者の皆さんも相当なヲタクではないかと思います。

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ご推察の通り次のアシクルマはLANCIA THEMAです。そもそもTHEMAがアシクルマになるのかどうか…という点では出発点から甚だ不安ではあります。本来のアシクルマは手がかからず、使い勝手が良く快適で、加えて望むならば多少はFun to Driveなクルマであるべきなのですが、最初の条件以外はクリアーしているにもかかわらず、その最初の「手がかからない」という点で相当アヤシイのがこのTHEMAではないかと思います。

LANCIAはアルファ・ロメオよりも一足先に100周年を迎えたほどの歴史ある自動車メーカーで、その設立は1906年にまで遡ります。設立者であるヴィンチェンツォ・ランチアは缶詰スープ会社の御曹司として生まれ、若い頃からモータースポーツに親しみ、一時期はFIATのワークスドライバーとして活躍するまでになったのですが、その地位に飽き足らず自らが自動車を製造するべく会社を設立したのです。初期のLANCIAで最も有名なモデルが1922年に発表されたラムダで、モノコック構造のボディに前輪独立サスペンションを持ち、先進的なオーバーヘッドカムシャフトタイプのエンジンを搭載したラムダは、現在の自動車が当たり前に採用しているこれらのメカニズムの先駆けとなったモデルでした。
後に会社を継承した息子のジャンニ・ランチアも相当なクルマ好きで、レーシングモデルを開発するために、こともあろうにアルファ・ロメオからあのヴィットリオ・ヤーノを引き抜き、V6エンジンにデファレンシャルギアとミッションが一体化したトランスアクスル方式を持つアウレリアを開発しレースに打って出るのですが、それに伴い経営は悪化し、ついに1955年に会社は倒産してしまいます。

そんなLANCIA社再建のために一肌脱いだのは建設業で成功していたカルロ・ベゼンティだったのですが、彼自身もLANCIAの一ファンで、経営的に建て直すと言うよりLANCIAを復活させることに重点を置いたために、彼の時代に「フラミニア」、「フラヴィア」、「フルヴィア」という先進的なモデルを開発したにもかかわらず、再び経営は悪化し、1969年にはついにFIATの傘下に入って再び経営を建て直すこととなってしまいます。
本来ならばこの時点でLANCIAという社名は消えてしまい、せいぜいモデル名として残るのが関の山なのでしょうが、FIATにとってもLANCIAというブランドは特別で、FIAT傘下に入ってからもストラトスや037ラリーに代表されるホモロゲーションモデルでWRCに参戦するなど、LANCIAの持つ先進的なメカニズムとスポーツイメージを継承しながらも、一方で上質な内装と乗り味を持つ高級ブランドとしての地位も確立することに成功し、FIATファミリーの中でLANCIAというブランドの「立ち位置」をうまく保つことに成功していました。

そんな中にあってTHEMAは当時のアッパーミドルクラスを受け持っていたベータとガンマの後継車種として企画され、Tipo4 プロジェクトの一車種として1984年に発表されました。
このTipo4プロジェクトと呼ばれた各メーカーが資金を出し合って、最もコストのかかる新シャーシーを開発しようというプロジェクトは、今でこそ資本提携が国際的な規模で起こっている自動車メーカーにとって当たり前のことですが、当時としては画期的な試みで、シャーシーを共有するためにホイールベースが同じになっても各社が搭載するエンジンやボディデザインで、どこまで差別化することができるかが注目されたプロジェクトでした。

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デザインしたのはイタルデザインのジゥジアーロで、Tipo4プロジェクトの内、アルファ164を除く3車種は彼のデザインによるものです。後に彼は、「全てのモデルのうち、最初にデザインしたのはTHEMAだった」と述懐しており、このTHEMAのデザインが他の二車種であるFIAT CROMAとSAAB 9000に影響を与えたのは言うまでもありませんが、もともと小型車のデザインを得意としていたジゥジアーロにとってもアッパーミドルサルーンのデザインは新しいチャレンジだったのではないでしょうか。
彼がLANCIAのためにデザインしたサルーンは何の変哲もないセダンで、その何の変哲もないところが実に理詰めに考えられたクルマでした。ドライバーを含め人がちゃんと5人乗ることができ、その5人が等しく快適で、しかも相応な荷物も積むことが出来るTHEMAは、機能美と言ってよい美しさを持つ理想的なフォルムです。
事実、市場には大好評で「紳士のクルマ」と呼ばれ、特に公用車や社用車などフォーマルな用途に用いられたと言われています。

このように外見はフォーマルなセダンですが、内装もそれに見合った仕立てで、LANCIAという高級イメージから服地で有名なエルメデジルド・ゼニアの生地を初めてシートやトリムの材料として採用するなど、その凝ったデザインと相まって独特な空間を演出していました。
また同時にLANCIAのスポーティイメージもちゃんと守られており、中味は意外にスポーティで、軽い車体に高出力エンジンを組み合わせることにより、その外観に似合わないドライビングを楽しむことができるクルマで、その最たるものが後にバリエーションに加えられた8・32で、その名前の通りフェラーリ製のV8 32Valveエンジンをフロントに搭載したモデルでした。

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私のところにやって来たのは1990年式のTurbo 16Vというグレードで、このモデルは後にDELTA INTEGRALEに搭載された2.0L DOHC 16V Turboエンジンが搭載され、しかもミッションは5MTというスポーティなグレードです。
当時の日本はバブル期であったこともあり、日本の正規ディーラーであったオートザムを通じてTHEMAは多く販売されたのですが、さすがにこのフォーマルなボディをATではなく敢えてMTで乗ろうというオーナーは少なく、殆ど残っていないのではと思われるモデルです。まあ仮にどんなグレードであってもTHEMAそのものが今や絶滅危惧種ですので希少と言えるのですが…(苦笑)

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現在はまだ初期化とダメ出しの最中ですので、ドライビングインプレッションを書くのは控えたいと思いますが、THEMAを理解する鍵の一つは間違いなくその車重ではないかと思います。
Tipo4プロジェクトの時代はまだ衝突安全基準が緩く、後に義務化されるサイドインパクトバーなどは未装備の時代でした。従ってこのTHEMA Turbo 16Vはその車重は何と1300kgに抑えられています。同じTipo4シャーシーを共有しているアルファ164も後期型になるとサイドインパクトバーが加えられ、3LのV6エンジンを搭載したSuperが1500kgを超えていたことからも、この軽さはやはり画期的でしょう。しかし一方でボディ剛性もその軽さ故に現代の同じサイズのセダンとは比べ物にならず、工場を出てから20年が経ったこの個体にも多くを望んではいけないだろうと思っていたのですが、実際に運転してみるとお世辞にも強いとは言えないまでも、916Spiderからの乗り換えのため弱いとも思えず、私にとってこの緩いボディ剛性はネガにはなりませんでした。
一方でエンジンはなかなか元気で、3000rpmを超えたあたりからブーストが効き始めるターボチャージャーは、現代の燃費重視のマイルドターボとは一線を画すパワーのためのターボで、ついついアクセルを踏み込んでしまうため、燃費には良くない結果になるとは思いますが、意思の弱い私にはやめられそうにありません(苦笑)

この個体は主治医の下でかなり整備されていたもので、乗り出しに際して徹底的な初期化が必要ではなかったのが有難く、それも手許に引き取るきっかけとなったのですが、やはりそれでも実際に乗り出して見ると気になるポイントが出てくるものです。今後はそれらのチェックと対策に加えて、引き取ってから…と思っていた内外装の仕上げを行って行きたいと考えています。

これからは周囲にある様々なアルファ・ロメオ達のことに加えて、20年オチのLANCIA THEMAはアシクルマとして機能するのか…という壮大なテーマでこのブログ記事をお届けすることになります。果たして地獄巡りが再び始まるのでしょうか…?

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別れの時期(とき)

私の日常のアシとして活躍してくれている916Spiderですが、恐らくSpiderのオーナーの中でこうした使い方をしている方は少ないのではないかと思います。
GTVと違ってオープンモデルであるSpiderは、ちゃんと屋内のガレージに保管されセカンドカーとして使われるケースが多く、実際の中古車事情も同年式のGTVに比べると走行距離も少なくクルマの程度も良いのがSpiderではないかと思います。私自身もそうした経歴のSpiderを中古で購入したのですが、それまでの環境と一変してファーストカーとして使い倒されたのですからSpiderにとっては随分と環境が変わってびっくりしたのではないでしょうか(笑)

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他のブランドのクルマについては良く分かりませんが、アルファ・ロメオに関して言えば年式もさることながら、走行距離からメンテナンスのスケジュールが想像できます。
私のSpiderは手許にやってきたときが走行56,000kmで、初期化としてベルト類を全て交換して乗り始めました。そして現在の走行距離が120,000kmですから、ちょうど64,000km走行したことになります。
これは二回目のメンテナンスのサイクルが到来したことを意味しており、さらに走行が100,000kmを越えたことからも今後はメンテナンス(交換)を前提としていない部品を交換していかねばならないことが予測できます。

その予兆は何となく感じられ、最近は消耗品ではない部品が経年劣化で壊れたりするようになってきました。またタイミングベルトを始めとするベルト類、テンショナー類も交換しなければなりません。
言い換えれば予定されていたメンテナンスに加えて、今後はある程度の重整備も覚悟しなければならないということになります。一方でそのリフレッシュさえしてやれば、さらに50,000km程度は引き続き気持ちよく走ることができるクルマであろうと思いますが、続けて50,000kmを走行し200,000kmを走り抜くためには相当な覚悟が必要となってくるでしょう。
つまり正にここが正念場で、その投資をするか否かの決断をこの時期にしないと、今後は壊れては治し…という泥沼に陥ってしまい、今まで投資した修理代を考えると降りたくても降りることができず、また追加で修理するという最悪の結果になってしまうのです。
それはある程度の覚悟の上で(途中からですが…)整備したかつてのアルファ164Q4のときに思い知った法則で、今回は手をつけ始めた途中でその覚悟をするのではなく、最初に予測される時点でその覚悟ができるかどうかを自問して結論を出すことにしました。

そしてその結論は、残念ですが現在の916Spiderを手放すというもので、やはりこれからの重整備は行わないことにしました。各方面からのお叱りは承知の上ですが、身近に115Spiderがあることに加えて、いくら日常のアシとは言え2台の新旧Spiderを飼うというのはあまりに非効率であろうと考えた結果です。
決して飽きたワケでも愛着が無くなったワケでもないのですが、今別れないと別れられなくなると思う気持ちがこの決断の後押しをしてくれました。
かくして916SpiderはALFA・DEPOTの坂野社長のところで行く末を決めてもらうこととなったのですが、坂野社長であればどんな形にせよちゃんと生かす途を考えてくれるでしょう。

916Spiderに関しての総括は別の機会にまとめておきたいと思っていますが、概して言えば私が過去に所有したアルファ・ロメオの中で最も手がかからなかったのがこのクルマだと思います。
もちろんどちらかと言うと地獄クルマばかりを所有して来ましたので、比べるには基準が低すぎるかも知れませんし、初めて所有するアルファ・ロメオがこの916Spiderだという方は、ひょっとしたら「こんなに手がかかるのか…」と思われているかも知れません(苦笑)
しかし、オープンカーであることやアルファ・ロメオであることを忘れて、単純に14年オチの中古車として見ても私の916Spiderは手のかからない立派なアシクルマだったと思います。

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さて、となると新しいアシクルマが必要になるのですが、実はすでにそのアシクルマの選定は終了しており、満を持してスタンバイしています。
その気になる?次期アシクルマは916Spiderよりも年上のクルマですが、ちゃんと大人が5人乗ることができ、荷物もたっぷりと積むことができる懐の深さを併せ持ったクルマです。
その出自と年齢から、これからも元気に働き続けることができるかはかなりな部分で未知数なところもありますし、正直あまり良い噂は聞かないクルマではありますが、出会ってしまったものは仕方ありませんし、もし私が迎え入れなければ不幸な結果になりかねない事態であったために迎え入れることにしました。

皆さんが期待している新しい地獄巡りとなるか、それとも意外にナニゴトもなく過ごすことができるのか、私自身も全く分かりませんが、どちらにせよ楽しんで一緒に暮らして行ければと思っています。

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Spiderは雨が嫌い?

さてもう一台の115Spiderですが、こちらも決して完調とは言えない状態が続いていました。
それは例のエンジンの息継ぎで、ディストリビューターキャップを交換しても完治しなかったのです。しかも土砂降りの雨の日や、その翌日になると必ずと言って良いほどエンジンが息継ぎを起こし、ついには全くかからなくなってしまったのです。
こうなると最早「様子を見る」状態ではありません。しかも性質が悪いことに晴天になるとナニゴトもなかったかのようにエンジンは始動し、快調に走るので主治医のところでチェックしてもらおうにも症状が出ないのです。

雨が降るとエンジンが始動しないので主治医のところに行けず、ようやく主治医のところに行けるようになったときにはエンジンがかかっているのですから、その症状は出ていないためチェックしても原因が分からない…という悪循環?で、最早打つ手はないか…と思われていたのですが、ようやくチャンスが巡って来ました。

それはやはり朝から土砂降りの雨の日で、その日は朝から全くエンジンがかからないという連絡を受けました。いつもは昼には雨が上がってしまい、私が点検に行ったときにはエンジンがナニゴトもなかったかのように始動するということの繰り返しだったのですが、この日は一日中雨が降り続き、私が点検しに行ったときにも確かにエンジンはかかりませんでした。しかし、「CHECK ENGINE」という警告灯は点灯せず、セルモーターは勢い良く回っています。
ということは二次側の点火系もしくは燃料系が原因で、センサー類の不具合ではないと想像できます。
点火系は前回ディストリビューターキャップを交換していますし、その後もエンジンは始動していましたからこの接点とは考えられません。

燃料系も考えて見たのですが、燃料ポンプが完全に止まってしまうことはあってもそれが復活したりまた止まってしまったりということも考えにくいですし、しかも仮に燃料ポンプのトラブルであると一瞬エンジンは始動してガス欠のような症状で停止するのが一般的です。

さてそうなるとディストリビューターに電気が来ていない…というのが有力な原因として考えられます。そして電話で主治医とこれまでの症状と原因に関しての類推を話し合って出した結論は…

「イグニッションコイルに繋がっているコードの接触不良じゃないか」

というものでした。確かに、イグニッションコイルからの電気がディストリビューターキャップに届いていないとすると、そもそもプラグに点火していないのですからエンジンが全く始動しないのは当然です。
しかも、湿気や雨によりその接触が悪くなったり断線したりするのだとすると、今までの症状についても合致します。加えて、アクセルを踏み込んだときに吹け上がりが悪くなるということは、電圧がかかった際にリークしてしまい充分な電気がハイテンションコードに流れなくなったのであろうと想像することができます。
こうして状況証拠は揃いました。

それでは…とイグニッションコイルに繋がっているコードを抜いてチェックして見ると、やはりそこに犯人が潜伏していたのです。
シリコンのカバーをめくってみると案の定コネクターが錆びていました。さらにイジっているとコネクターについている二箇所のピンの内、一箇所が千切れてしまいました。
こんな状態だと確かに接触が悪くなり電気が流れたり流れなかったりするのも当然です。

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応急処置として接点のサビを取って綺麗にし、接点復活剤をたっぷりと吹き付けてからもう一度コードを差し込むと、エンジンはナニゴトもなかったかのように始動し、アイドリングも安定するとともに回転もスムーズに上がって行きます。
このハイテンションコードは永井電子製で、修理ができるとのことですので、早速一旦主治医から何か替わりになるようなコードを借りて修理に出すことになりました。

かくして私たちを悩ませたこの謎は原因が発見され解決することができたのですが、一時は…

「やっぱりSpiderだから雨が嫌いなんだよ」

と考えて、当面はアキラメようとまでしていたのですから、実際に原因が分かってみるとなぜもっと早くチェックしなかったのかと悔やまれることしきりです。

しかし、今回の件ではこうしたトラブルシューティングでもLogical Thinkingが重要であることを再認識させられました。起こった現象から原因を仮定し、仮定した原因から起こる現象について実際の現象と比較してみながら順番にチェックして行くという作業は、決して修理工場だけで行われるものではなく、こうして主治医と離れていたとしてもオーナーが的確にその症状を伝えることができれば充分機能するのです。
問題はお互いがこうした考え方に基づいてこの検証作業ができるかどうかで、ともすれば、「取りあえず持ってきてください」で終わってしまい、結局ローダーを手配して運ぶことになるのでしょう。
日常から自分の手でメンテナンスをされている方にとっては当たり前のことかとは思いますが、私のようなシロートにとっては考えさせられるトラブルでした。

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