fc2ブログ

走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

伝統の復興

2010Geneve-001.jpg

この記事がアップされるときには無事に閉幕しているのですが、今年80回を迎えた通称ジュネーヴ・モーターショーと呼ばれるサロン・アンテルナショナル・ド・ロト (Salon International de l'Auto) は近年まれに見る素晴らしいショーだったと思います。
もともと自動車産業のないスイスのジュネーヴで何故こうしたモーターショーが開催されたのかと言うと、まさにその自動車産業がなかったからで、欧米の各メーカーはそのリベラルな開催環境を好んで新型車やコンセプトカーの発表の場としてこのジュネーブを選んで来たのです。

このようにモーターショーはその開催地に応じて棲み分けがされていたのですが、近年はモーターショーのパワーがどうしても販売が見込める消費地に偏りがちで、上海の活況に対してデトロイトや日本のモーターショーは参加する企業そのものが激減しているのが現状です。しかし、今回のジュネーヴは少なくとも展示車両においてはその過去の伝統が蘇ったようなショーだったのではないでしょうか。
特にアルファ・ロメオを取り巻くカロッツェリアに関して言えば、近年明るいニュースがなかったために心配していたのですが、ピニンファリーナとベルトーネの両カロッツェリアは今回のショーにアルファ・ロメオを題材にしたコンセプトカーを発表し、その成果は素晴らしいものがあったと思います。

2010Geneve-002.jpg

それに対して少し残念だったのは、アルファ・ロメオ自身にインパクトが足りなかったことです。今年はアルファ・ロメオ設立100周年なのですから、記念モデルとか何かあってもよさそうなものなのですが、あちこちで発表され最早食傷気味の8C Competizione Spiderの展示も今さらの感が拭えません。どうせなら噂の8C Cometizone GTAなんかを実車で発表してくれると良かったのですが…(苦笑)

2010Geneve-003.jpg

その中でも最大のインパクトはGiuliettaの復活でしょう。数えて三代目となるGiuliettaですが、初代の大成功から二代目はその名前にあやかろうとアルファ・ロメオが経営的に苦しい時代に復活させたモデルでした。
アルファ・ロメオにとってGiuliettaは特別な名前だと思うのですが、今度の三代目Giuliettaに関して言えば、違う名前でも良かったのでは…と思います。

2010Geneve-004.jpg

フロントマスクはMiToと同様に8C Competizioneをイメージしたフェイスに統一されています。アルファ・ロメオのファミリーフェイスはフロントエンドの先端につけられたスクデット(盾)とアルファ・ロメオのエンブレムだと思うのですが、それ以上に各モデルに共通したイメージを与えようとしたデザインコンセプトがこの8Cフェイスだと思います。以前の同様のコンセプトはジウジアーロデザインのBreraフェイスで、マイナーチェンジしたアルファ156、147に始まり、Brera、159、Spiderという三車種に共通したイメージを与えていました。
正直言って、個人的にはあまりこのデザインコンセプトは好きではありません。Breraフェイスに関して言えばまだサイズ的にBreraと同じような大きさのモデルばかりでしたからまだ破綻はないのですが、この8Cフェイスについては個々のモデルにそのデザインを採用する必然性があまりなく、また実際のデザイン処理にも無理があるように感じます。

2010Geneve-005.jpg

それはGiuliettaのリアからのスタイルを見るとはっきりと分かります。リアビューは何の制約も受けていないため素晴らしくまとまったデザインだと思います。某四駆で有名な日本車のリアビューにどこか似ていることはさておき、アルファ145以降のハッチバックのデザイン・アイコンである楔形に切られたリアガラスはアルファ・ロメオのみならず以降のハッチバックに多大な影響を与えたデザインです。
サイドはもはや定番になりつつある大胆なプレス処理のサイドラインと、アルファ156で採用された一見すると2ドアに見えるリアドアのノブを隠す処理など、近年のアルファ・ロメオの成功したデザインディテールをうまく受け継ぎながら纏め上げているあたり、流石と思わせてくれるのですが、フロントに関して言えばこの8Cフェイスの制約からどうもしっくり来ないのです。

加えてアルファ・ロメオにとってGiuliettaがどういうモデルであるべきか…が今ひとつ良く見えて来ないのですが、本来であればMiToがアルファスッドの後継車としてアルファ・ロメオのコンパクトレンジを担っているとすれば、Giuliettaはその名前のイメージからGiuliaよりも下のレンジですので、現在のラインアップの中では受け持つレンジが非常にニッチになってしまうような気がするのですが、世界のアルフィスタの感想はどうなのでしょうか。

しかし何より嬉しかったのが、経営破たんしたベルトーネのコンセプトカーが展示されていたことではないでしょうか。
昨今のイタリアのカロッツェリアが、軒並み経営危機に瀕していることはご承知の通りです。特に生産設備を持つ大規模なカロッツェリアは、元来自分たちがデザインしたスペシャルモデルの製造を受注することにより、そのビジネスを伸ばして来ました。そしてその製造ができない零細なカロッツェリアは淘汰され、一方で現在生き残ったカロッツェリアはその生産設備が経営の足かせになり、ザガートもベルトーネも会社としては倒産し、そのデザイン部門のみが何とか生き残っているのが現在の状況です。
そんな中にあってベルトーネのコンセプトカーは自身の危機的状況を微塵も感じさせない、むしろぶっ飛んだコンセプトデザインでした。

2010Geneve-008.jpg

ベルトーネの作品は明らかにコンセプトデザインで、これをそのまま市販車に…というのは無理でしょう。そういう意味では当に「コンセプトモデル」なのですが、そのクルマからは「ベルトーネは元気だよ!」というメッセージが溢れているように感じました。

2010Geneve-007.jpg

このサイドパネル全体がドアとなってハネ上がるというデザインは実現には相当ムリがあると思いますが、小利口で現実的なコンセプトモデルばかりが目立つ昨今、昔のような真のコンセプトデザインには拍手を送りたくなります。

2010Geneve-010.jpg

それにしても見ているとどんどん格好良く見えてくるから不思議です(笑)

2010Geneve-009.jpg

2010Geneve-011.jpg

そしてもう一社のピニンファリーナなのですが、この作品には一目見て「やられて」しまいました。

クリック↓お願いします!
b_01.gif

スポンサーサイト



テーマ:イベント - ジャンル:車・バイク