fc2ブログ

走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

ボディケアの秘密兵器

DSC02459-1.jpg

以前のブログ記事で洗車設備のない場所での洗車についてご紹介しましたが、例えガソリンスタンドなどの洗車機を使っていなくても、どうしてもいつの間にか小さな傷がボディについてしまうものです。
私自身はそれほど気にならないのですが、ガラスコーティングをしたクルマなどと比べて見ると、どうもボディの艶が見劣りするようになって来ました。特に緑スパのような濃色車の場合はその差が顕著で、一生懸命ワックスをかけてもどうもしっくり来ませんでした。かと言ってコンパウンドで塗装の表面を削るのは抵抗がありますし、別に日焼けや退色で塗装表面が傷んでいるワケではありません。

こういった場合にとっておきの秘密兵器?があります(苦笑)。それはエターナルという塗面光沢復元剤なのですが、以前に主治医から紹介されてその仕上がりに感激したケミカル剤です。
残念なことに916Spiderの場合はシルバーですので、それほど見た目の効果はありませんでしたが、ソリッドカラーの緑スパには効果があるだろうと考えて使ってみることにしました。

DSC02452-1.jpg

このエターナルというケミカルは広義にはコンパウンドなのですが、最大の特徴はその研磨粒子の細かさにあります。その研磨粒子はナノサイズ(1mの1億分の1)のファインセラミックで、説明によると通常のコンパウンド粒子が野球ボールだとすると、このエターナルの粒子はパチンコ玉の大きさだそうです。この細かい粒子により塗装面を痛めることなく光沢を復元する・・・というのがうたい文句なのですが、どんなに細かい粒子であっても塗装面を削ることには違いありませんから、常用は疑問符がつきますが、その攻撃性はコンパウンドが含まれたワックスなどと比較しても数段少ないであろうと思われます。

では、良いことだらけかと言うと、最大の問題は傷の深さへの対応力で、一般的には深い傷を消すためには多く塗装面を削らなければならず、それを一度にやるためには研磨剤を硬く大きくしなければならないという当たり前のジレンマに直面するのです。
つまりエターナルは浅いスリ傷や目には見えないような表面のデコボコを研磨して、結果として光沢を出すというもので、深く付いた傷消しには効果がないということなのです。
従って、ワックス感覚で使用するのが良いと思うのですが、そうすると今度は作業性が気になるところです。

DSC02451-1.jpg

実際にいつもの通りバケツ洗車でまずはクルマを洗います。そしてセーム皮で水分を拭き取るところまでは通常の洗車と同じです。
次にいよいよワックスの替わりにエターナルでボディを磨いていくのですが、イロイロと試してみた結果、一番良いやり方は、右手でエターナルをつけたウェスで磨き、左手で乾いた綺麗なウェスを持ち、交互に磨いて行くやり方でした。サイトを見ると専用スポンジなども用意されているようですので、そちらを使ったほうが作業性は良いのかもしれませんが、とにかく細かく、少しの面を磨いては拭くというのがポイントのようです。また、このエターナルはヘッドライトの樹脂レンズ面やソフトトップのビニール製のリアにも使用できますので、一緒に磨くとびっくりするほど綺麗になりました。

ウェスと言えば、最近はもっぱら洗車用には工業用ウェスを使っています。これはメリヤスの端切れで、ホームセンターなどで袋に入って売っています。お値段も安く、カー用品店などで売っている使い捨ての不織紙に対してちゃんとした布なので遥かに使いやすいと思います。

DSC02453-1.jpg

写真はトランクリッドを磨いたものです。左面が使用後で右面が使用前です。写真では良く分かりませんが、建物の写り込みが全然違いました。気をよくしてボンネットを磨いてみると・・・

DSC02454-1.jpg

この空の映り込みを見るとその仕上がりが分かっていただけるのでは?と思います。

正直、もっと拭き取りの作業性が悪いのかと思っていたのですが、通常の液体ワックス程度ですので合格だと思います。

実は、もっと早くこのエターナルを使おうと思っていたのですが、登場が遅れたのにはワケがあります。それは家庭用として使っていたからで、FRPの浴槽、ホーローの鍋や洗面台をこのエターナルで磨くと見事に綺麗になるのです。また水道の蛇口などのメッキも同様に、水垢がついてくすんでいても、磨くとピカピカになります。

決して宣伝してくれと頼まれたワケではありませんが、一家に一本エターナル!と言っておきましょう(笑)

クリック↓お願いします!
b_01.gif

スポンサーサイト



テーマ:メンテナンス&ケア - ジャンル:車・バイク

住宅街に潜むお宝

新しく管理車?としてやってきたGiulia Sprintの前オーナーのお母様がタダ者ではなかったハナシは前回のブログでご紹介しましたが、そのご自宅の駐車場で2台のクルマに丁寧にかけられたカバーを無理にお願いして剥がしてもらいました。

DSC02440.jpg

まず最初に出てきたのはお母様のクルマだと言うMG-GTでした!MGと言えばMGB Roadstarと呼ばれるオープンモデルが一般的ですが、これはそのRoadstarボディにファストバックルーフを加えたクローズドモデルです。日本ではさらにローバー製のV8エンジンを搭載した最もスパルタンなモデルが一般的(それでも大希少車ですが・・・)なのですが、このMG-GTはRoadstarと同じ4気筒エンジンを搭載したモデルです。そしてさらに・・・このモデルは何と!ボルクワーナ製のATトランスミッションを搭載しているのです。

DSC02436.jpg

ボディカラーは微妙な色合いのグレーメタリックでその程度は抜群でした。最近でこそ日産マーチなどでこういった微妙なボディカラーを目にしますが、英国車に塗られていたBMCカラーにはビビッドな色以外にこういった微妙な色調のものが多く、オーナーのセンスが問われる部分です。
そして内装はそのカーペットまでが赤!で、ボディカラーとの組み合わせが素晴らしい個体です。
内装の造りはMGB Roadstarと一線を隔しており、そこはバンデンプラにも通じる素晴らしいウッドパネルが貼り込まれていました。

DSC02438.jpg

無理を言って4人乗車で車検を取得したとのことですが、リアシートはさすがに狭く、このクルマが2座のRoadstarベースであることが覗えます。しかしそこはコーチワークの本場であるイギリス製で、そのリアシートやリアハッチの造りはとても後付設計とは思えません。
素晴らしい内装と相まって、このMG-GTが文字通りGrand Tourerとして、そのベースであるMGB Roadstarとは別格であることが分かります。

DSC02439.jpg

ボルクワーナー製のATトランスミッションはその造りがしっかりしており、Giulia SprintのZF製よりも好感が持てました。もちろん試乗していませんのでそのフィーリングは何とも言えませんが・・・(苦笑)

DSC02434.jpg

実は真っ先に目が行ってしまい失笑を買ったのですが、フロントライトはLucas製の3ポイントレンズが装着されていました。旧車にとってこのフロントのレンズはその佇まいに重要な役割を果たしています。イタリア車ではCarrero製のライトがオリジナルで、残念なことに日本で車検を取得する際に、右側通行のための光軸変更でKoito製に交換されてしまいます。このLucas製のライトはオリジナルでこのパーツを探し求めているオーナーも多いのです。

DSC02435.jpg

ホイールはノックオフスピンナーのワイヤースポークです。何を言ってるか分からない方もいらっしゃると思うのですが(苦笑)、ノックオフスピンナーとはホイールの車軸への取り付け方のことです。
現代のクルマのホイールはスタッドボルトで取り付けられていますが、昔のワイヤースポークのホイールですと、その構造からボルト穴を開ける場所がホイール側に作れないために、センターロックという所謂車軸に直接大きなネジで締め込む方式が主流でした。現代は危険なために無くなってしまったこの方式は、走行中にこのスピンナーが緩んでくるために、定期的に締め込まなければなりません。そのやり方はハンマーでスピンナーの爪の部分をひっぱたくという方法で、ホイールをはずすときも同様です。

DSC02441.jpg

エンジンはオリジナルを保ちながら、現代の道路事情に併せて近代化がされていました。英国車の泣き所である電気系はフルトラ化され、オーバーヒート対策もバッチリでした。ちょっとオーバースペックかとも思いましたが、オイルクーラーまでもが装備されており、その雰囲気を壊さずにツボを押さえた近代化には好感が持てました。

そして、驚愕はこれ一台では終わりませんでした。「ミニですよ~」と仰るオーナーにお願いしてさらにもう一台のカバーを剥がしてもらうと、そこにあったのはフルチューンのMk.1クーパーSでした!

DSC02430.jpg

Mk.1という初期のミニは希少で、さらにそのチューン版であるクーパーSとなると更にレアなのですが、この個体はオーバーフェンダーを装備していました。一部のマニアからは邪道だと言われるそうですが、私自身はミニのマニアではないためにこのヤル気満々の外観は当時のツーリングカーレースを思い出させてくれるなかなか良いモディファイだと思いました。

DSC02431.jpg

美しくペイントされたホワイトのボディにルーフのチェッカー塗装がアクセントになっています。聞けば、昔のMG5という整髪料のコマーシャルに使用されたとのことで、確かにMG5はチェッカー模様がトレードマークだったことを思い出しました。

MG-GTが街乗り用として仕立てられていることに対して、このミニはレーシングモディファイが施されていました。

DSC02432.jpg

エンジンは通常のSU製のツインキャブレターに代えてWEBER製が装着されています。そして内装を見てビックリしてしまいました。

DSC02428.jpg

そこには、ノーマルのシンプルなセンターメーターに代えてラリー用のメーター類が装備されていました。しかも使われているのはハルダ製のラリーウォッチなど、雰囲気を壊さない当時の装備そのままだったのです。
このままでヒストリックラリーに出場できる状態です。

DSC02433.jpg

ホイールも定番のMINILITE製のマグネシウムホイールで、しかも履いているタイヤはAVON製というコダワリです。
このミニはあの有名なGPライダーであるワイン・ガードナー氏のご家族が所有されていたクルマだったそうですが、待乗りのMG-GTにレーシングユースのミニという組み合わせがとても素敵でした。
しかもお母様がこれらのクルマの面倒を見ていらっしゃるとお伺いして、これらのクルマが幸せに暮らしていることが良く分かりました。

住宅街の細い路地の奥にひっそりと隠れているこれらのお宝と、それを愛しているお母様との組み合わせがとてもホノボノしており、いつまでも眺めていたいと思わせてくれる光景でした。

クリック↓お願いします!
b_01.gif

テーマ:旧車 - ジャンル:車・バイク

新しい管理車

あれよあれよという間に身近に来ることになってしまったGiulia Sprint 2000GTVですが、オーナーの赴任の都合により見学から1週間で引き取ることになってしまいました。
勝手に乗っていけば・・・とも思うのですが、この友人の頼み方が絶妙で(苦笑)、仕方なく工具と牽引ロープを積んで伴走することとなりました。

DSC02443.jpg

台風を避けて・・・と日程を変更したことが災いして引き取り当日は生憎の雨模様でした。折角のGiuliaを雨の中に廻送することは気が進みませんが、先方の都合もあるので仕方ありません。新しいオーナーである友人の運転で雨の環8を一路、主治医のもとに走り出したのですが、生憎の渋滞と雨でキャブレターの調子を崩しはしないか・・・と気が気ではありませんでした。
途中で運転を替わり、私も運転する機会があったのですが、確かに程度は抜群で、甘いブレーキを調整するだけで取り敢えずは乗れるのではと思うほどでした。ノンパワーのステアリングの感触は以前所有していた115Spider Sr.3と全く同じで、走り出してしまえばその重さは全く気になりませんでした。アクセルレスポンスは良く、踏み込むとエンジンは豪快に吹け上がりグイグイ加速していくのは、2000ccエンジンであることと、ATのギア比がマッチしているからでしょう。

DSC02444.jpg

無事に主治医の許に到着して改めて観察して見ましたが、その佇まいはなかなかのものです。特にドアなどの各パネルのチリが合っているためにそう見えるのですが、Giulia Sprintに限らずドアが大きく重いクーペタイプの旧いクルマはドアが下がって来るために、それだけでボロく見えてしまうのです。もちろん、そんなものは修正すればすぐに治る部分ではあるのですが・・・(苦笑)

DSC02446-1.jpg

Giulia Sprintの外観で重要なチャームポイントはフロントからリアにかけての2本のフェンダーラインだと思います。ボディサイドのプレスラインに加えて両脇に切り立ったエッジがあるのですが、事故でブツけたり、レストアでヘタな板金をしたりするとこのエッジが綺麗に再現されません。それは私のようなシロートでもじっくり観察すると分かるもので、この2本のラインがビシッと決まっていることが、その佇まいの重要なポイントだと思います。

DSC02445-1.jpg

リアのトランク上部も同様で、このラインがGiuliaの微妙な曲面をシャープに見せるアクセントとなっていることが分かります。それにしても巨匠ジゥジアーロは天才です。

DSC02447.jpg

雨足が強くなってきたので、ガレージに引き入れてさらにチェックをして行きます。全体的な外観は素晴らしいのですが、細かい部分には傷があります。これらはフツーに乗っていれば付いてしまう傷ですし、現代の鋼板と異なり当時の鋼板は粘性が弱く、ちょっとブツけただけですぐに傷がついてしまいます。

DSC02449.jpg

一番目立つのが右リアのあて傷ですが、最近流行のデントリペアで十分対処できるレベルです。

DSC02450.jpg

左後ろ上部にもドアのあて傷と思われる窪みがありました。115Spiderの場合も同様なのですが、このような曲面にドア傷をつけられると、本当にガッカリしてしまいます。ドアのエッジは鋼板が折り返されており、そこでブツけられるとちょうど鋭利なハンマーで叩かれたのと同じダメージを受けることになります。駐車場などで平気で隣のクルマにドアをブツけるヒトを見かけますが、特に隣が旧車の場合は気をつけたい行為です。

DSC02448.jpg

右ドアにはタッチアップされた跡が残っていますが、色味が異なるために目立ってしまっています。

今後はまずはメカニカルな部分を重点的に初期化することになりますが、一段落したらこういった外観も手を付けたい部分です。

そして余談ですが、このGiulia Sprintの前オーナーの方のお母様が失礼を承知で言わせていただければタダ者ではありませんでした。ご自宅に最初にお伺いした際には115Spiderと916Spiderの2台でお邪魔し、引取りの際にはさらに見学者としてJunior-Zまで参加してお伺いしたのですが、一番目を輝かせて出て来られたのはお母様の方でした(笑)。
聞けば、以前はGiulia Sprint 1300Jに乗ってらっしゃったそうで、ご子息である前オーナーもそのGuliaで運転の練習をしたそうです。

そしてご自宅にある2台のクルマがこれまた驚愕の垂涎モノだったのです。

クリック↓お願いします!
b_01.gif

テーマ:アルファロメオ - ジャンル:車・バイク

チューニングの方向性

チューニングと聞けば、殆どの方がクルマの性能をアップさせることを想像するのではないでしょうか。
ところが言葉通りの意味からすると、「整える」という意味ですので、必ずしも性能アップだけではなく、バランスを整えることも正しいチューニングではないかと思います。

DSC02425.jpg
DSC02457.jpg

しばらく前のことですが、友人の赤スパ(以前は「奈良スパ」と呼んでいましたが、彼女の緑スパと区別するためにこれからは「赤スパ」と呼ぶことにします)用に海外から部品を調達しましたが、それは足回りのリフレッシュを目的としたものでした。
私も彼も同じ意見なのですが、115Spiderのチューニングの方向性は決して走行性能をアップさせるのではなく、たとえ速くはなくとも、しなやかでむしろ柔らかい足回りを追求することだと思っています。何故なら115系のSpiderが設計された当時は、現代のような扁平ハイグリップタイヤなぞ存在せず、タイヤグリップに依存するような足回りの設計はなされていなかったからです。
そしてボディ剛性も同様で、当時のアルファ・ロメオはタイヤに頼らず、サスペンスションのトラベルとタイヤショルダーの捻れでタイヤの接地面を確保しながら、最後はボディを捻らせコーナーを抜けるというセッティングが施されており、それが最もアルファ・ロメオらしいスタイルではないかと思うからです。

それを追求するには、硬いショックアブソーバーとウレタンブッシュに交換し、ホイールサイズを上げ、扁平タイヤを履かせるという現代車のチューニング方向とは正反対の方向に向かったチューニングが必要となります。
彼が選んだショックアブソーバーは緑スパと同じ、赤KONIと呼ばれる最も柔らかなショックアブソーバーでした。同じではつまらないから・・・と他の銘柄をそれとなく薦めてみたのですが、緑スパに試乗した彼は、そのしなやかな足回りを余程気に入ったのか、絶対赤KONIと言って譲りません(苦笑)。

同時に主治医でチェックしてもらったスイングアーム、フロントのAアームブッシュ、スタビライザーリンクとブッシュを交換するために、部品を調達し入庫させることとなりました。

080824_17.jpg
080828_01.jpg

聞けば115系の足回りの交換は結構大変で、スプリングのトラベルが長いために、それを縮めて装着するのがヒト苦労だそうです。

080828_03.jpg

毎度のことですが、硬化したブッシュ抜きは難行で、主治医にはいつもメイワクをかけてしまっています。

080824_18.jpg

それでもツボを得た部品交換によりリフレッシュされた足回りは絶妙で、特に段差を越える際の突き上げが柔らかくなり、下りの緩いカーブでのノーズの沈み込みが随分と気持ちよくなりました。
しかし、この劇的とも言える変化は決して、足回りのリフレッシュのみによるものではなかったのです。彼はその乗り味を追求するために、さらにタイヤを往年のサイズに戻してしまいました。

DSC02426.jpg

日本で販売された115Spider Sr.4は本国ではオプションであった15インチホイールに185-60サイズのタイヤを装着していました。これがこのクルマには限界とも言えるサイズで、正直言って乗り味を随分スポイルしてしまっていたのですが、彼が購入したクルマはノーマルの14インチホイールを履いていました。これだけでも充分良かったのですが、彼はさらにタイヤサイズをダウンさせてしまいました。

装着したタイヤは165-80サイズで、タイヤ外径が変わってしまうのも厭わず、このサイズをチョイスしたのは偏に柔らかい足回りを追求したためだったのです。
スピードメーターが甘く表示されるようになったという弊害はあるものの、足回りのリフレッシュとの相乗効果でこの乗り味を手に入れたのですから、その弊害は許せる範囲では・・・と思います。

ここまで手を入れると、もう一箇所気になるところがありました。それはシートの破れで、運転席の座面のサイド部分が切れてしまいました。この箇所は最も弱い部分で、乗降の際にテンションがかかることに加えて、ジーンズなどの金属ホックなどが当たると切れてしまうのです。

s-IMG_0899.jpg

何とか補修をと言われ紹介したのが、GOOD REPAIRSというシートや内装をリペアする工場でした。従来のやり方ですとこういったシートの破れは張り替えるしか方法がなく、それはコストが高いためにアキラメるしかなかったのですが、このシステムは部分的に補修をしたり、シートを染め替えたりすることにより内装をリフレッシュする技術で、作業時間も短く、コストも安く済むのが特徴です。
結果は、単に破れた箇所を補修するだけでなく痛んだアンコ(クッション)も取り替えてくれ、完璧とも言える仕上がりとなりました。

s-IMG_1023.jpg

購入してすぐの初期化に加えて足回りをリフレッシュし、さらに内装をリフレッシュし…と彼の赤スパはどんどん良くなって行きます。ひょっとしたらすでに新車以上?かも知れません(苦笑)

クリック↓お願いします!
b_01.gif

テーマ:アルファロメオ - ジャンル:車・バイク

アリかナシか・・・?

DSC02380-1.jpg

日本だけでなく世界的に3ペダルのクルマは瀕死の状態だそうです。確かにクラッチペダルのついた新車は最近殆ど見かけなくなってしまいました。以前のヨーロッパではAT車は身体に障害を持つドライバーのためのものという認識があり、健常者は老若男女を問わず3ペダル車を運転するのが当たり前だったのですが、最近はセミオートマも含めて2ペダル車の普及速度は凄まじく、大型セダンのみならずコストにうるさいコンパクトカーにまで及んでいるのが現状です。
もちろん技術の進歩も大きな要因です。同じ2ペダルであっても昔のATと現在のATは雲泥の差で、シフトスケジュールは人間の感性をも数値化してプログラミングされていますし、理屈は複雑すぎて良く分かりませんが、多段ミッションのシフトスピードももはや熟練した人間のスピード以上です。
それでも、3ペダルが私たちのようなクルマ好きに根強い人気があるのは、私たちがクルマを運転していることを実感させてくれるからなのでしょう。

DSC02379-1.jpg

今回ご紹介するGiulia Sprint2000GTVはなんと!オートマチックトランスミッションを装備しています。しかもそれは後から載せ替えられたものではなく、純正で200台のみ製造されたもので、おそらく日本では1台のみであろうと思われる個体です。

DSC02383-1.jpg

ご存知のようにGiulia Sprintは今尚、アルファ・ロメオの代表作と言って良いモデルで、Bertone時代の巨匠ジゥジアーロデザインによるそのクーペボディは、後席にもちゃんとオトナが乗ることができる素晴らしい居住性を有しています。
1963年に発表されたGiulia Sprint GTはマイナーチェンジ毎に排気量をアップし、最終的には2000GTVとしてファイナルモデルとなります。
今回見ることができた1975年式の2000GTVは新車でオーストラリアにデリバリーされたもので、現地ではワンオーナーでずっと大切に乗られてきたものです。しかもオーナーはご婦人で、整備はディーラー任せであったことが幸いして、その殆どがオリジナルを保っている素晴らしい個体でした。

DSC02382-1.jpg

この個体は現地駐在の日本人に購入され日本にやってきたのですが、オーストラリアの乾燥した空気のもとでは錆の心配がなかったボディも、高温多湿の日本のことを考え、下回りを重点的に錆対策を施したそうです。また弱っていたブレーキ周りを一新し、ATであることから日常のアシとして女性にでも運転できるように整備したとのことでしたが、その素性の良さは素晴らしいものがありました。と言うか、多かれ少なかれ何らかの改造を加えられた個体しか見たことがない私にとって、このオリジナル状態のGiuliaはATであることを除いても興味深いものがあり、私の従来からのGiuliaに対するイメージを一新させてくれるものがありました。

DSC02370-1.jpg

エンジンルームは適度な使用感があり、個人的には磨き上げられたものより好感が持てました。プラグコードなど消耗品は交換されているようですが、おそらくオーバーホールなどの重整備はされていないと思われます。

DSC02378-1.jpg

キャブレターは残念ながら不人気のデロルトでした。新車時は加えてWEBER、SOLEXの3種が装着されていたのですが、現在はオーバーホールキットのないデロルト製のキャブレターはその多くがWEBER製に換装されています。

DSC02371-1.jpg

最大のポイントはこのATです。オリジナルのATですのでちゃんとコンソール部分も専用に改造されており、その処理には全く違和感がありません。どうやら2000BerlinaのATトランスミッションを流用しているようですが、そのZF製のATはシフトショックも少なく、中間トルクの太い2000ccエンジンのせいもあり、一旦慣れてしまえば全くフツーに運転することができるそうです。また、現代の電子制御のATと異なり、機械式であるため信頼性も高そうです。

DSC02376-1.jpg

インパネ周りもオリジナル状態を保っています。ステアリングは純正装着のパーソナル製のウッドでリペアされた形跡もありませんでした。唯一といって良い改造箇所はライトスイッチでインパネ右下にスイッチを新設していました。メーターの走行距離は何と!たったの38,500kmしか指していませんでしたが、これまた実走行とのことでした。

DSC02377-1.jpg

内装はアイボリーのビニールで素晴らしいコンディションでした。ヘッドレストのステーは木製!です。

DSC02375-1.jpg

サイドミラーにはちゃんとアルファ・ロメオのマークがあるタイプです。後付のリプロダクト品にはこのマークのないものもありますが、こちらがオリジナルです。

DSC02373-1.jpg

ホイールはスチール製ですが、センターキャップの欠品もなく、使用年数を考えれば素晴らしいコンディションでした。

DSC02374-1.jpg

ボディサイドにはBertoneのバッジが付きます。これはどういうワケか右サイドにのみ付いていたのですが、それが正しいのかどうか分かりませんでした。

これからGiulia系を購入しようとする場合は、まずボディのコンディションが最優先です。メカニカルな部分はいくらでも交換することができますが、ボディが腐っているとその修復には膨大な時間とコストがかかってしまいます。一口にボディの腐りと言っても、その錆の進行具合はパッと見ではなかなか分からず、いざ購入して塗装を剥離してみると穴だらけ・・・というハナシを良く聞きます。
ボディの錆びる箇所はある程度特定することができます。タイヤハウスの裏側、サイドシルの継ぎ目、ジャッキポイントのフレーム、そしてトランクルームなどですが、これらの殆どは雨水が溜まりやすい箇所で、ここが錆びているとそれ以外の場所にも錆が進行している可能性が大・・・ということになります。
この個体の場合は日本に来てからこういった箇所を重点的に錆対策を施したということもあり、全く問題はありませんでした。特にトランクを開けてスペアタイヤを抜いて見ても大きな錆は見当たりませんでした。

DSC02385-1.jpg

確かに現オーナーから頂戴した下回りの写真を見ても、特に大きな問題は見当たりませんでした。

無題-スキャンされた画像-01
無題-スキャンされた画像-03

さて、ボディのコンディションが良好で、オリジナル状態をキープした個体ということになると、それだけで充分、「買い」と言えるのですが、唯一の問題がこのATです。確かに日本で唯一の稀少車ではあるのですが、Giulia Sprintというクルマに果たしてATはアリなのか・・・私自身は答えを出せないでいます。
ただ、実際に助手席と後席(私が背筋を伸ばして乗ることができました!)で試乗した感想は、オリジナル状態のGiuliaは街乗りのクルマとして見たときには良い意味でフツーでした。

おおよそGiulia Sprintが欲しいという方は、購入する際に段つきだ、バンパーレスだ、GTAルックだとどちらかと言うとレーシングモディファイに走りがちではないでしょうか。そしてさらに新車以上にピカピカに磨き上げてイベントの際のみにガレージから引っ張り出して乗る・・・といった使い方が多いのではと思います。このようにどうしてもGiuliaというと構えてしまうのですが、この個体はそんな気構えは全く不要でした。唯一現代のクルマと異なる点は、パワーステアリングとエアコンが装備されていないこと位で、ドライバーも同乗者も自然と笑みがこぼれるような、これほど乗り心地の良いGiuliaは初めてだったのです。
全くヤル気のないGiuliaをATで肩肘はらずに日常のアシとする生活はちょっと素敵だなとも思わせてくれたのがこの個体でしたし、一方でヤル気満々のレーシングモディファイに魅かれる自分がいることも確かなのです。

ところがどうやらこの答えはじっくりと考える時間があるようです。今回の取材?は購入を前提とした見学試乗だったのですが、以前からクルマの整備を私に丸投げする悪いクセのある友人が、このGiuliaを衝動買い(笑)してしまったのです。
どうやらこれから初期化を含めて、このGiuliaとも付き合わねばならないようです。愛車である916Spiderでいくら天国を味わっても、2台の115Spiderに加えてGiulia Sprintの面倒まで見ることになれば、地獄巡りが始まることは必至です(苦笑)

さてどーなることやら・・・。

クリック↓お願いします!
b_01.gif

テーマ:アルファロメオ - ジャンル:車・バイク

世界一の朝食

DSC02369-1.jpg

最近の調査によると日本のサラリーマンが朝食を摂る割合が増えているそうです。しかし、その朝食の中味はコンビニのパンやファーストフード店のモーニングメニューが多く、決して充実した朝食とは呼べない内容のようです。
かく言う私も、なるべく朝食を摂るようにはしていますが、調査結果の多数派と同様で、なかなかちゃんとした朝食を食べてはいません。
そんな中でマスコミに紹介された「世界一の朝食」というフレーズが耳に残っていたのですが、そのbillsというお店が湘南の七里ガ浜にオープンしているので、出かけることにしました。

DSC02356-1.jpg

このレストランのオーナーシェフであるビル・グレンジャー氏は1993年にオーストラリアのシドニーでレストランをオープンし、そのシンプルで自然の素材を生かした料理は盛り付けにも工夫がされており、たちまち人気のレストランとなります。特に彼の拘りであり、その人気の火付け役となった料理がスクランブルエッグとリコッタパンケーキで、トム・クルーズやキャメロン・ディアス、レオナルド・ディカプリオなどのハリウッドセレブにも「世界一の朝食」と絶大な評価を得た料理とのことです。
その料理を日本で食べることができるのですが、果たして日本人の肥えた舌にも「世界一の朝食」なのかどうか・・・が今回のドライブのポイントでした。

DSC02358-1.jpg

朝食と言いながらレストランのオープンが9時からという点がちょっと難点なのですが、そのオープン時間に合わせて都内を出発しました。9月の湘南はそれまでの渋滞がウソのようになく、すんなりと目的地に到着したのですが、そこは七里ガ浜に面した素晴らしいロケーションでした。ここで朝食を食べるだけで充分世界一とまでは行かずとも、日本一くらいは言っても良いかと思われるのですが、マスコミに取り上げられたせいか、レストランのオープン前から客が並んでいる状態でした。しかしありがたいことに、席をお願いするとおおよその時間を告げられて、それまではレストランの前で待機している必要はありませんので、海辺に遊びに行ったりして時間を潰すことができます。

DSC02357-1.jpg
DSC02361-1.jpg
DSC02367-1.jpg

今回はテラス席をお願いしたのですが、2Fということもあり、少しクルマの音が煩いものの、海に面しているために見晴らしも良く、このレストランの特等席ではないかと思います。
オーダーしたのは当然、スクランブルエッグとリコッタパンケーキです。スクランブルエッグにはトッピングを追加で選ぶことができます。今回はガーリックマッシュルームとベーコンを加えてみました。
さて、その味のほうですが、このスクランブルエッグは一度は食べてみる価値があると思います。
世界一かどうかはともかく、確かに今まで一度も味わったことのないスクランブルエッグでした。

DSC02364-1.jpg

一方のリコッタパンケーキですが、こちらは好みの問題もあるかと思いますが、私には「ふ~ん」という程度のものでした。もちろん決して不味いわけではないのですが、日本人にとっては朝から甘いパンケーキはちょっとお腹にはヘビーかも知れません。

DSC02366-1.jpg

駐車場ですが、建物にも有料駐車場があり、警備員が常駐していますのでセキュリティはこちらのほうが良いと思いますが、海に面しているのは七里ガ浜の公共駐車場ですので、こちらに駐車したほうがお値段も安いと思います。

DSC02368-1.jpg

皆さんも早起きして出かけてみてはいかがでしょうか。

クリック↓お願いします!
b_01.gif

テーマ:ドライブ - ジャンル:車・バイク

愛憎のフィアット

DSC02350-1.jpg

蓼科で行われたアルファ164オーナーズクラブの全国ミーティングは無事に終了したのですが、やはり年々、アルファ164での参加者が減少傾向にあるのは少し寂しい気がします。
しかも、稀少車という点では逆転現象が起こっており、200台限定で販売されたQV(Quadrifoglio)やQ4といった本来の稀少モデルが逆に多く、ノーマルモデルであったLやSuperといった車種を殆ど見かけなくなってしまいました。今回も参加したアルファ164の中でLは1台のみで、残りはQVやQ4ばかりでした。アルファ164の現役オーナーであってもその稼働率は下がっており、修理中のために代車で参加・・・という方もおり、ますますアルファ164は稀少車になりつつあります。
そんな中で、代車で参加されたメンバーのクルマを見て度肝を抜かれました。それはアルファ164なぞ足許にも及ばない稀少車だったのです。

DSC02340-1.jpg

FIAT131 ABARTH RALLYと呼ばれるこのクルマは、ファミリーサルーンであったFIAT131 ミラフィオーリをベースに製造されたラリーコンバージョンモデルです。1976年のジュネーブショーで発表されたこのラリー専用モデルは、それまでのFIAT124 ABARTH の後継モデルとしてWRC(World Rally Championship)に参戦することになります。このFIAT124 ABARTHはFIAT124 Spiderというオープンモデルをベースにしていたのですが、その軽量な車体とABARTHチューンの高出力エンジンのおかげもあり、1973年から1975年の3年連続で年間タイトル2位を獲得していました。そしてダントツの1位に君臨していたのが、あのランチアストラトスだったのですが、1974年にデビューしたランチアストラトスはご存知の通り、ラリーの歴史において初めての専用車(Purpose Build Car)でした。すなわち、ラリー専用車としてホモロゲーションを得るためだけの生産しか行われなかったため、どんなにWRCで勝利を重ねても、販売そのものには結びつかなかったのです。

DSC02341-1.jpg

ランチアも傘下に納めていたフィアットとしては、WRCに市販車を改造して参戦し、そのベースモデルのスポーティイメージを高め、販売に結び付けたいと考えていたため、ストラトスがどんなに勝ちまくってもその旨味はなく、フィアットはランチアにワークス参戦を中止させ、このFIAT131 ABARTH RALLYに注力することにします。このことにより、ストラトスファンからは憎まれている存在なのですが、このFIAT131 ABARTH RALLYの戦闘力も素晴らしいものがありました。

DSC02342-1.jpg

FIAT131 ABARTH RALLYの製造にあたっては、同じくFIAT132用の1995cc4気筒エンジンにABARTHが煮詰めたFIAT124用の16バルブツインカムヘッドを合体させ、ボディはベルトーネが担当するという複雑な製造方法が取られ、まずはグループ4のホモロゲーションを取得するために400台が生産されました。初陣は1976年のエルバラリーで、M.アレンのドライブによりデビューウインを飾ります。その後も1981年までの間に通算18勝、メイクスタイトル3回獲得という輝かしい成績を残し、ラリーはグループBカーと呼ばれるモンスターの時代に移って行ったのです。

当初はホモロゲーション用に製造された131 ABARTH RALLYですが、市販を望む声は多く、結局は市販バージョンも1000台が製造されたと言われていますが、この市販バージョンは簡単にラリーカーに改造することができたため、多くのプライベーターが後年もこのFIAT131でラリーに参戦し続け、その戦闘力の高さを証明し続けました。

DSC02345-1.jpg

さて、今回蓼科にやってきたこのクルマは、聞けばセミワークスチームがレッキ用に使っていたクルマらしいとのことです。
レッキとは練習走行のことで、ラリーでは予定されているコースを事前に試走し、ペースノートと呼ばれるナビゲーター用の資料を作成します。このペースノートにはカーブの曲率や路面の状態などが細かく記載されており、実際のSS(Special Stage)では、ナビゲーターはこのペースノートを読み上げながらドライバーに指示を出しているのです。
実際にこのレッキ用のクルマが市販バージョンであったのか、CORSAと呼ばれるチューニングバージョンであったのかは分かりませんが、いずれにせよ貴重な個体であることには変わりありません。

DSC02346-1.jpg

エンジンルームは見ての通りヘッドが磨きこまれており、そのコンディションの良さが窺えます。

DSC02348-1.jpg

そして、キャブレターはWEBERの45Φが2基装着されており、ファンネルのみの吸気口であることもあり豪快な吸気音を奏でてくれます。

DSC02349-1.jpg

手を入れるべきところはちゃんと近代化されており、安心して乗れる個体であることが分かります。

DSC02351-1.jpg

コクピットにはロールケージがありますが、乗降にはきぎぎり支障のないレベルです。メーターパネルはノーマルの131と同じで、時代を感じさせますが、単独メーターが連装されている様はなかなか良い眺めです。

DSC02343-1.jpg

ホイールは垂涎のクロモドラとアバルトのダブルネームです。このマグネシウムホイールだけでもスゴイ価値があるのです。

DSC02344-1.jpg

ミラーもビタローニのカリフォルニアンがちゃんと装着されています。実は、こういったパーツの総合形がクルマの佇まいの良さを形成していると思います。

DSC02353-1.jpg

CピラーにはABARTHのバッジが付きます。好きなヒトには堪らないのでは?と思います。

DSC02354-1.jpg

エクストラランプもこのFIAT131 ABARTH RALLYの特徴ですが、ヘッドと共にちゃんとキャレロ製です。

DSC02355-1.jpg

プレートからもこの個体が由緒正しいものであることが分かります。

カラーリングは1980年のモンテカルロラリー出場車を模したものですが、カッティングシートとハンドペイントの組み合わせが絶妙でした。
こういったクルマは部品がないため維持が大変・・・と言われているのですが、FIAT131に関しては量産車であったこともあり比較的良好?ということでした。では、ABARTHチューンのエンジン関係は?と聞くと、後のランチア037 RALLYのエンジンと共通だから大丈夫・・・という答えが返って来ました。う~ん。このオーナーは私なんかよりずっとM体質なのかも知れません(笑)

実は、私自身このクルマが大好きです。いつか機会があれば所有したいと思っていたのが、このクルマですので、本当に興奮してしまいました。事実、唯一手許に残している自作のプラモデルもESCI 1/24のFIAT131 ABARTH RALLYなのです。

006_7.jpg

こちらは、1/43のものですが、ミニチュアカーでも気がつけば手許に来てしまうのは、きっと将来の縁を願っているのかも知れません。

AlfaRomeo Sports Collection 058
AlfaRomeo Sports Collection 059

オーナー自身は1/1のオモチャですよ・・・と笑っていましたが、この姿を街中で見かけたらクルマを知らない方でも相当ビックリするのではないでしょうか(笑)
このオモチャにはやられました。

クリック↓お願いします!
b_01.gif

テーマ:イタ車 - ジャンル:車・バイク

秋のクラブラン

DSC02339-1.jpg

アルファ164オーナーズクラブのイベントが無事に終了しました。
主催する側だったため、自分で写真を殆ど撮ることができなかったのですが、いずれクラブのHPには公式レポート?がUPされるでしょうし、参加された方々のブログで詳細は語られていますので、私は自分自身の参加レポートを書かせていただこうと思います。

昨年は参加する側でしたので当日に蓼科入りしたのですが、今回は主催する側のため前夜祭から参加することにしました。
実はこのクラブイベントの本当の醍醐味は前夜祭にあると言われており、例年は下品で自堕落な飲み会が延々と続くために、新規メンバーは呆れ果て、同伴した奥様や彼女は眉を顰めるというとても楽しい宴会なのですが(笑)、最近はそれでも少し大人しくなったようで、なんとか看過できるレベルになったと思っています。

その前夜祭に参加すべく出発したのですが、たまたま横浜で所用があったために、他のメンバーと合流せずに単独で保土ヶ谷バイパス経由で八王子ICから中央道に乗ろうとしたのが間違いの始まりでした。
土曜日の夕方ということもあって、保土ヶ谷バイパスは大渋滞でとてもそのまま中央道には辿りつけないと判断した私は、仕方なく横浜町田ICで東名に乗り、御殿場から山中湖を抜けて大月経由で中央道に合流することにしました。ところがこれが大当たりで渋滞の方向とは逆であったために海老名SAから2時間で諏訪ICに到着することができました。

目指す蓼科パークホテルに到着し、前夜祭の会場であるコテージに入ったときはすでに宴はたけなわでした。と言うより、ただの飲んだくれ状態のオヤジ集団と化していたのですが、どういうワケかテーブルの中央にはレトロな両手鍋が鎮座しており、そこには美味しい芋煮が用意してあったのです。
前夜祭は全て自分達の持ち込みで行うため、例年は浴槽に氷を入れた水を張り、ビールを冷やしたり様々な工夫が凝らされるのですが、カセットコンロに鍋を持ち込んだメンバーは初めてでした。その後はパスタ鍋でラーメンを作ったりとだんだん飲み会なのか単なる自炊なのか分からなくなって来ました(苦笑)が、流石に疲れてしまったために私は早々に切り上げることにしました。

DSC02336-1.jpg

翌日は前夜の雨がウソのような快晴でした。直前の天気予報から雨を覚悟していただけに、この天気は本当にありがたかったです。イベントの成功は半分が天気・・・と言われる通り、5月のALFA ROMEO DAYのように雨に降られてしまうと様々な準備も台無しになりかねないのですが、日頃の「私の行い」が良いせいか(笑)、集合時間には日よけのパラソルが必要なほどとなりました。
当日組も続々と集まって来ます。いつも会っているメンバーも、1年ぶりに再会するメンバーも、初めましてのメンバーも皆、自然に打ち解けてくれるので主催する側には大助かりです。

受付時に名札を配っているのですが、この名札も単に名前が書いてあるだけでは面白くないので、少しデザインをして見ました。そして恒例のタイムラリーの出走番号を名札に記載することにより、スタート順を確認してもらおうという配慮もしてあるのですが、これらは永年やってきた反省から改良されたもので、こうしたイベントを継続して行ってきた故のノウハウでもあります。
タイムラリーのドライバーズミーティングを始めると、皆さんの目が少し真剣になってくるのが微笑ましいのですが、それでもスタートまでの間に渡した地図を真剣に見るヒトあり、地図なんかそっちのけで歓談するヒトあり、各々が楽しんでいるのが見て取れます。

DSC02337-1.jpg

タイムラリーの結果を素早く集計するためには、会場にPCを持ち込み、あらかじめ出走順を決めてスタート時間をExcelに入力して準備をしています。この準備により単にゴール時間を入力するだけで走行時間が計算され、基準タイムとの差が表示されるようにしていますので、全員のゴールと同時に順位が確定します。これも名札と同様に永年やってきた反省から編み出した方法です。

全員がスタートしてしまうと静かな時間がやって来ます。小一時間の間はのんびりと過ごすことができるはずなのですが、それでも中間チェックポイントからの連絡などが入るために居眠りをするワケには行きません。そして山間から聞きなれたエグゾーストノートが聞こえてくるといよいよゴールラッシュがやってきます。
大抵は数台が固まってゴールして来ますので、ストップウォッチを止めてタイムを入力する作業でてんてこ舞いになります。その間にも迷子の連絡(笑)やらで一転して大忙しの時間となるのですが、ゴールしたメンバーの顔を見ていると、今回のコース設定に満足してもらったのが分かります。
帰ってきた出走者が、「あそこは迷いそうになったよな・・・」とか、「道を間違えただろ~」とか楽しそうに話しているのを聞くときが、私にとっても一番楽しい時間です。下見を含めて様々な準備が報われる瞬間でもあるのです。

今年は意外な?出走者が上位を占めることになりました。ミスコースが少なかったのと、私の基準タイムがメンバーの日常の走行パターンに近かったためだろうとちょっと反省しています(苦笑)。来年は・・・おっとまだナイショにしておきましょう(笑)

そして昼食時にタイムラリーの表彰式を行い、続いて不用品オークションが始まるのですが、例年この両方の司会をやると自分の食事時間がなくなってしまいます。今年はオークションの司会を支部長さんが自発的に(笑)やってくれたために、のんびりと食事をすることができました。

オークションを済ませ、記念撮影をするために駐車場に向かうと、先ほどまでの晴天がウソのように大粒の雨が落ちてきました。山の天気は変わりやすいのですが、本当にイベントの間だけ晴れた一日でした。そして早々に帰路についたのですが、中央道は大渋滞に加えて大雨洪水警報が出る有様で、帰りのルートについて考え込んでしまいました。結局、行きの成功体験から大月ICから御殿場へ抜けることにしたのですが、今度は東名高速も大渋滞です。かくなる上はと箱根を越えることにしたのですが、雨と落雷で道路封鎖寸前の箱根を越えてやっとの思いで小田原まで来たときには、雨も小止みになっていました。西湘バイパスから横浜横須賀道路経由で帰ったのですが、本来ならばこんなルートで蓼科から東京に帰ることはあり得ません。
でも、個人的にはこの帰りのルートが一番楽しかったのですから、クルマ好きにはつける薬はないのでしょう(苦笑)

以前にも書きましたが、イベントの成功は楽しんでくれる参加者と、楽しんでいる参加者を見るのが楽しい主催者によって成り立っていると思います。今回のイベントはその道中も含めて楽しませてもらいました。

そして個人的な収穫はもう一つあったのですが、その件はまた別にご紹介したいと思います。

クリック↓お願いします!
b_01.gif

テーマ:イベント - ジャンル:車・バイク

アルファ・ロメオの風景

SeasideSr4.jpg

アルファ・ロメオに乗っている方は、多かれ少なかれそのスタイリングに惚れた方が多いのではないでしょうか。確かにその性能やドライブフィールも選んだ決め手の一つであると思いますが、それ以上にアルファ・ロメオがスタイリッシュでお洒落でなければ選ばなかったのではと思います。

最近でこそ随分一般的になったアルファ・ロメオですが、以前はよく「このクルマはなんですか?」と聞かれたものです。そして少しクルマ好きの年配の方だと、昔のジュリアのハナシなどを嬉しそうにされるのですが、そうでない方も、「やはり日本のクルマとは違いますね」と感心されたりしました。
よくアルファ・ロメオは乗り手を選ぶ・・・などと言われますが、私自身はヒトに聞かれて、「アルファ・ロメオに乗ってます」と答えたときに、「らしいですね」と言われるとちょっと嬉しくなったりします。それは20年近くアルファ・ロメオばかりに乗り続けた結果、少しではありますが、ようやくアルファ・ロメオが似合うようになったのかな・・・と思える瞬間です。

アルファ・ロメオに乗るようになってから、そのクルマをどんなシチュエーションで走らせるか?ということに気を遣うようになったように思います。そしてクルマの写真を撮る機会が増えて行きました。それまではスナップ写真の背景にクルマが写りこむことはあっても、クルマのみの写真を撮る機会なぞは殆どありませんでした。それがアルファ・ロメオに乗るようになってからは、クルマの「写真映り」を気にするようになったのですから、やはり私自身もアルファ・ロメオのスタイリングにも惚れているのだろうと思います(苦笑)

アルファ・ロメオのスタイリングは流麗という表現で表わされることが多いのですが、実際に写真を撮ってみると、似合う背景が異なっていることに気がつきます。例えば同じSpiderでも115系のSpiderと916系のSpiderではそのスタイリングが映える風景は異なります。
下の写真は、私が以前所有していたSr.4のSpiderを桜の下で撮ったものです。

Spider2006Spring 013

115系Spiderは桜や緑といった自然が良く似合います。それは自然の中にスタイリングが埋没するのではなく、かえって互いが引き立つという相乗効果を生み出すデザインだと思います。
ところが916系Spiderを同じ撮影場所で撮ってみると、

916Cherry.jpg

違和感を感じてしまうのです。それは同じく個性的なスタイリングでありながら、916系は個性が強いため、自然物の中では浮いてしまうのです。もちろんボディカラーなどの要素もあるかと思いますが、916系は近代建築や無機的な背景の中で際立つデザインではないかと思います。

そんなことを考えるときにヒントとなるのが広報写真です。ご存知のように広報写真とはメーカーがそのクルマを最も際立たせるアングルと背景で写真を撮り、プレス用やカタログ用に提供するものなのですが、その写真にはスタイリングを表わすものと、使用するシチュエーションを表わすものがあります。115系のSpiderの広報写真で印象的なものは、やはり女性やカップルがドライビングしているもので、アルファ・ロメオはDuettoの時代からSpiderをスパルタンなスポーツカーとしてではなく、洒落たライフスタイルにマッチしたクルマとして販売したかったのだろうと思います。

適当な広報写真の例が見つからなかったのですが、下の広報写真はSr.4のスタイリングを強調するものです。モノクロ写真ではありますが、やはり背景は森に設定されています。

SpiderOffitial

では、アルファ164は?と言うと、自然よりも都会が似合うクルマだと思っています。私の好きな撮影ポイントは新宿の新都心とお台場でした。

164Citihall.jpg

そして後年になって、アルファ・ロメオの広報写真を入手したのですが、その背景に選ばれていたのはやはり無機的なコンビナートでした。

20061114212215.jpg

皆さんの愛車の似合う背景はどんなものでしょうか?もしそれがメーカーの広報写真に似ていれば、スタイリングコンセプトをちゃんと理解しているということになるのではと思います。

クリック↓お願いします!
b_01.gif

テーマ:アルファロメオ - ジャンル:車・バイク

ALFA ROMEO Sport Collection77

本日ご紹介するのは8気筒エンジンを搭載したTipo33のある種の完成形とも言えるTT3です。
ヨーロッパでは戦前から公道レースが数多く開催されていました。と言うより、もともとレースの原点が公道レースであり、後にクローズドサーキットで開催されるようになったレース専用のGPカーによるものとは別に、もっと身近であり、しかも非日常のスピードで目の前を駆け抜けるのがこの公道レースの醍醐味であると言えるでしょう。

33TT

特にイタリアでは伝統ある公道レースが数多く開催されていました。ブレシアをスタートする1000マイルに及ぶ周回コースで争われるミッレ・ミリアが有名ですが、クローズドコースと公道の両方で争われるジーロ・デ・イタリアやシチリア島の周回コースで争われるタルガ・フローリオも公道レースとしては伝統と格式あるレースでした。
前述しましたが、この公道レース最大の魅力は、日常自分達が走っている道を、これまた日常自分達が乗っているクルマで出場できることで、事実、数多くのプライベートエントラントが自らのマイカーで出走していました。もちろんこれらのエントラントは優勝争いに加わることはできず、優勝争いはワークスや準ワークスにより特別にチューニングされたレーシングカーにプロドライバーが乗って争われたのは言うまでもありません。
それは、あたかも現代の市民マラソン大会のようなもので、例え同じコースを走るとは言え、トップグループはプロのアスリートによって占められているのと同じです。

公道レースでは自分達が日常生活で走っている道であるが故に、トップクラスのレーシングカーの常軌を逸した速さと、それを駆るドライバーの神業が実感できます。私自身も自分で茂木や富士を走ってみて初めて、F-1の速さとF-1パイロットの凄さが実感できたのです。

そしてその公道レースの中で最も過激だったのがタルガ・フローリオです。

1965年に排気量1.6LでスタートしたTipo33は新開発のV82Lエンジンを得て実践に投入されます。スポーツプロトタイプというカテゴリーに投入されたTipo33はクラス優勝を重ねて行くのですが、総合優勝はポルシェやフェラーリの大排気量モデルに及ばず、悔しい思いをしていたアウトデルタは排気量を3Lに拡大したTipo33/3を1969年に投入します。しかしライバルは5Lもの排気量を持ち、CANAMレースとかけもちで参戦していたのに対し、エンジンの信頼性と軽量故のブレーキング能力に優れたTipo33/3は善戦しますが、排気量に基づくパワーの差はなかなか埋めることができませんでした。それでも、1971年タルガ・フローリオ、ブランズ・ハッチ、ワトキンス・グレンで優勝し、年間メイクスランキング2位を獲得したのは、ライバルを考えると素晴らしい成績で、Tipo33がいかに優れていたかを物語っています。

ハナシをタルガ・フローリオに戻しましょう。このレースは、シチリア島北西部の山岳路の一周72キロのコースで開催されたレースで、その第一回は1906年と伝統ある公道レースです。
そのコースは295ヶ所にも及ぶコーナーがあり、路肩にはセーフティスペースなぞ全くなく石壁で囲まれていました。路面も特別な舗装ではなく滑りやすくバンピーで、コースアウト即クラッシュというおおよそレースができるような道ではありませんでした。それでもル・マン24時間、モンテカルロ・ラリーと並ぶ格式あるビッグイベントとして単にイタリアだけでなく、世界中のエントラントがこのシチリア島に集まって来たのですから、そのレースがいかに魅力的であったかが分かります。
死と隣り合わせであるからこそ、それは一種の麻薬のように観客もエントラントをも魅了したのでしょう。
そして、このレースはなんと1977年まで続けられます。終了のきっかけはもちろん事故で、クルマの性能がどんどん向上し、さすがにこのような公道をホンキでレースすることはできなくなってしまったのです。
それでもこの公道レース復活望む声は絶えず、ヒストリックイベントとして復活し、現在に至っています。その出場車は当時のクルマと限定されてはいますが、それでも画像で見るとそのスピードは常軌を逸しており、細かい事故は絶えないそうですので、やはりエントラントをホンキにさせる何かがあるのでしょう。

付属するミニチュアモデルは1972年のタルガ・フローリオを2位でフィニシュしたTipo33TT3のモデルです。タルガ・スペシャルとも呼べるショートホイールベースに加えて、路面の状態に合わせて僅かに車高を上げた姿をうまく再現していると思います。

DSC01610.jpg
DSC01611.jpg
DSC01612.jpg
DSC01613.jpg

いつか機会があれば、私もこのコースを走ってみたいものです。そうすれば当時のドライバーが如何に凄かったかを実感できるに違いありません。

クリック↓お願いします!
b_01.gif

テーマ:ミニカー - ジャンル:車・バイク