(撮影チェリーさん) 関東地区に住んでいる方でクルマ好きであれば、「朝箱」という言葉を一度は聞いたことがあると思います。週末や祭日の早朝に箱根をドライブすることを指すこの略語は、そもそもは誰が言い出したのかは定かではありませんが、もうすぐ「現代用語の基礎知識」に載るのではと思うほど(笑)、私たちのようなクルマ好きの間では常用語として使われています。
アルファ164オーナーズクラブ主催のこの「朝箱」が先日行われました。「朝箱」と言っても、各団体によってその集合時間はまちまちで、本当に日の出を待ちかねて・・・というグループから、かろうじて朝という寝坊組までそのクルマの性格なのかメンバーの性格なのか多種多様なのですが、アルファ164オーナーズクラブでは伝統的に早朝に集合します。
そして伝統に習い、今回も朝の6時30分に東名海老名SAに集合です。
それにしても
仕事ならば文句の一つも言いたくなるような時間 ですが、待ちかねたように皆集まって来ます。しかも今回は東京地区のメンバーだけでなく、山形や名古屋からも駆けつけてくるメンバーがいるほどの盛況ぶりです。
海老名SAを出発して厚木ICから小田原厚木道路を経由して箱根を目指したのですが、私自身はかねてよりやってみたいことがありました。
それはSpiderをカメラカーに仕立てて走行写真を撮ることで、115Spiderは後方に遮るものが全くないためにカメラカーとしては最適のクルマです。
Spiderを先頭に縦列で走行してもらい、一台づつ撮影しながら抜いてもらうという打ち合わせをして撮影に望んだのですが、皆打ち合わせどおりちゃんと車間を詰めて近づいてくれてから、イッキに追い越し車線に出てシフトダウンとともに快音を響かせ抜いて行ってくれました。
(撮影kobuさん) 箱根新道を比較的ゆっくりとしたペースで登り、芦ノ湖スカイラインに入ったときは残念なことに箱根名物のガスが出ていました。通称「ヤギさんコーナー」と呼ばれる峠のレストスペースに着いた頃にはあたり一面は霧に覆われ、とても元気に走行できる状態ではなかったのですが、私たちと同様に様々なクルマの「朝箱」組がこのヤギさんコーナーにやってきていました。
そんな中にあっても、アルファ164の集団は決して見劣りすることはありません。ロータス・エリーゼの集団や、スズキ・カプチーノの集団に混じって、コブラやらルノー・スピダーやらめったに見ることができないクルマ達もやってきているのですが、アルファ164の私たちは数で圧倒しているだけでなく(笑)、
そのメンバーから出る怪しげなオーラ?のせいもあり、結構存在感を発揮していたように思います。 何の打ち合わせもなく、自然にトランクから折りたたみイスやテーブルが出され、ガスの中で歓談タイムが始まりました。久しぶりの方や初対面の方も自然にハナシが弾むのは、箱根という非日常の場所とアルファ164を愛する仲間であるからなのでしょう。とても心地良い時間です。
今回は「私が火をつけた・・・」と誹謗されている例のマゼラーティのミニチュアカーの交換会が始まりました。ダブったミニチュアカーを持ってきて交換しているのですが、その顔は完全にコドモの顔で、微笑ましい限りではあるのですが、某氏はスミ入れペンを持参してきて私に「スミ入れしろ・・・」と強要されたのには参りました。しかも、綿棒がないから・・・と断るとどこからともなく綿棒が出て来、うすめ液がないから・・・とさらに断ると、ジッポーのオイルが出てくる始末です。毎回イベントで集まる度に思うのですが、
このメンバーのクルマの常備品は本当に異常です(苦笑)。 ひとしきりの歓談の後、お腹が空いた私たちは、仙石原のカフェジュリアへと移動したのですが、残念なことに満席状態だったので、急遽元箱根のアクアパッツァへ行くことになりました。こういった
突然の予定変更にも柔軟に対応できるところがこのクラブの素晴らしいところ です。
事実、15台もの道を知らないクルマをちゃんと目的地まで誘導するのは、誘導する方もされる方も慣れていなければまず無理でしょう。
信号で隊列が途切れたときはどうするか・・・や、分かりにくい曲がり角をどう後方のクルマに伝えるかなどは経験がものを言う、お互いの阿吽の呼吸が必要なのです。 そして無事に到着した芦ノ湖畔のアクアパッツァは素晴らしいロケーションのピッツェリアでした。
吹き抜けの天井の高いテラス席は湖に向かって開いているために、風の通りが良く、とても涼しく心地よい場所でした。
美味しいピザをいただき、記念撮影の後に解散となったのですが、別れるのが名残惜しいミーティングでした。
今回、山形から参加されたこ~んずさんやきゃつおさんのように、過去も含めてアルファ164を所有したことのない方までもがメンバーとして楽しんでいるのを見ると、とても誇らしい気持ちになるのは私だけではないでしょう。本来クラブという団体は閉鎖的なものだと思いますが、
その究極の姿は「クルマ」ではなく、そこに集う「ヒト」で繋がるクラブなのだ と思います。
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マゼラーティなんかいいよなぁ・・・とか考えながら、出勤のためにクルマを走らせていたときのことです。
どうもアイドリング時の回転数が不安定になり、エアコンが効かなくなってしまいました。コンプレッサーかエアコンスイッチか?と思いながら仕方なく運転していたのですが、途中でまたエアコンが効きだしたりします。コンプレッサーであれば復活することはあり得ませんから、おそらくスイッチだろうと思い、それであれば重症ではないのでホッとしたのもつかの間で、水温が見る間に上がって行きます。最近の朝の首都高は、ガソリン高騰の影響か交通量も少なめですので、100km程度で走っていれば何とか水温は110℃程度で落ち着いています。・・・ということは??どうやら電動ファンが動いていないという結論に達しました。
さて、電動ファンが動いていないということは、渋滞で止まってしまうとオーバーヒートは必至です。
確かに少しでもクルマが詰まって速度が落ちると見る見る水温計は上がって行きます。そして流れ始めると少し戻るという繰り返しになり、エアコンは完全に止まってしまいました。
この場合の選択肢は二種類です。まずは高速から降りて路肩にクルマを駐めてJAFのお世話になるか、なんとか会社の駐車場までクルマを持って行き、自分で点検するかです。渋滞表示板を見るとなんとか目的地までの渋滞はなさそうだったので、自走で駐車場まで走ることにしたのですが、少しでも熱量を減らそうと、まずは効かないエアコンに見切りをつけて、ブロワーファンを切りました。この時点で窓を開けても猛烈な熱気が室内にこもります。そして更に・・・最後の手段としてヒーターを最大にしてブロワーファンを最強にしました。
つまり
ヒーターでエンジンルームの熱を少しでも逃がそうという目論見 だったのですが、確かにこれで少し水温計は戻りましたから効果はあったのでしょう。
しかし、真夏の首都高で窓を全開にし、室内でヒーターを入れるというのは人間に対して絶悪で(泣)、今度は見る間に汗で前が見えなくなります。
人間が逝くのが先か、オーバーヒートが先かという状況の中でナントカ駐車場までたどり着きましたが、早速ヒューズをチェックしてもナニゴトもありません。お次はリレーかレジスターか・・・と思いながら、夜に涼しくなり首都高の空いた頃を見計らって主治医の工場まで持っていくことにしました。
主治医で点検の結果は結構悲惨なものでした。どちらが先だったのかは定かではありませんが、とにかく50Aのメインヒューズは切れていなかったものの、後配線のバイパスヒューズが溶け、リレーボックスの配線は焼け切れていました。どうやらここに負荷がかかってファンが停止し、影響でエアコンのコンプレッサーも止まったようです。
本来はリレーボックス毎の交換となるのですが、主治医は配線を作り直してくれました。こういった作業をしていただけると本当に助かります。
そしてファンが回るか・・・と思いきや、それでもやっぱりファンは回ってくれません。テスターを当てるとファンモーターにはちゃんと電気が来ていますので、
どうやらモーターがご臨終のようです(泣) ファンモーターは単体パーツでの設定はなく、ASSY交換となってしまうためにそのお値段は6万円!もします。
マゼラーティに浮気しようとした代償はこんな反乱となって降りかかって来た のです。
やれやれ・・・とアキラメてオーダーしようと思ったのですが、そこは救いの神がちゃんと手を差し伸べてくれました。万が一と思いアルファ・デポの坂野社長に問い合わせてみると、ちゃんと中古パーツを持っていてくれたのです。本来は仕入れたクルマのリフレッシュに使うであろうこういった部品を快く提供していただけることに感謝です。
かくして中古のファンユニットを入手し、修理が完了したのですが、
熱風で汗をかき、修理代で冷や汗をかくというなかなかの「お仕置き」でした。 どうやらアルファ・ロメオは簡単に浮気を許してはくれないようです(苦笑)。 クリック↓お願いします!
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不思議なものでどうしてもクルマが欲しくなるときがあるものです。
アルファ164に乗っているときはセカンドカーに食指が動くことはあっても、アルファ164を何かと取り替えたいなどとはついぞ一度も思ったことはありませんでした。それほどまでに気に入っていたクルマだったのですが、いざ別れてみると何に乗ってもピンと来るクルマには出会えませんでした。
現在乗っている916Spiderももちろん気に入ってはいるのですが(苦笑)、私の意識の中でこのクルマはあくまでもセカンドカーとして「気に入っている」ので、
現在はファーストカー不在というのが正しい精神状態 なのです。
正直、そんなに一生懸命探してはいませんでした。あれもアリだよなぁ・・・と思うクルマはファーストカーとしての実用性がなく、これもアリか・・・と思うクルマは地獄クルマという状態が続いていたのですが、以前から気になっていたクルマがありました。それは・・・マゼラーティ・ギブリです。もちろん初代ギブリであるワケはなく、ビトゥルボ系最後のモデルであるギブリⅡと呼ばれるボクシーなクーペのほうでした。
オークションサイトで何気なく見つけたこの物件は、見た途端にピンと来ました。これが普通のギブリであったならスルーしたであろうクルマなのですが、この個体は
本国仕様の2Lエンジンにゲトラグ製の6速MTを装備する、私が考えるギブリの理想形 だったのです。
ご存知のように、マゼラーティ ギブリは日本に輸入されたモデルは全て2.8Lの4ATモデルのみでした。唯一カップと呼ばれるギブリのワンメイクレース用のモデルが輸入され、これはMTモデルであったようですが、正式輸入であったのか並行であったのか定かではありません。
エンジンはV6のツインターボで、2Lエンジンも2.8Lエンジンも基本的には同じメカニズムです。
排気量の少ない分だけ鼻先も軽く、発生する熱量も小さいためオーバーヒートの心配も多少は減るのではないかと思いましたし、何より6速のゲトラグ製ミッションはアルファ164Q4と同じものですので、安心感もあります。
早速オーナーに連絡を取り、実車を見せていただきに群馬まで行くことにしました。
そのクルマは炎天下に日向を避けるべく木陰に駐車してありました。
ボディカラーはアイアングレーと呼ばれるガンメタリック色で、ギブリには良く似合っています。今の基準で見ればそのサイズはむしろ小さいと思える印象です。ギブリに限らずマゼラーティのビトゥルボ系の良いところは、そのスタイリングに分かりやすいオーラがなく、一般のクルマをあまり知らない方から見ると、フツーのセダンに見えるところにあると思います。もちろんギブリは近づいて観察するとそのブリスターフェンダーなどから「タダ者ではない」のが分かってしまうのですが、それでもリアスポイラーなどがないそのボデイはシンプルで好感が持てます。
エンジンルームを見せてもらうと、そこには紛れもないビトゥルボ系のV6ツインターボが搭載されていました。縦置きのV6エンジンに2基のターボチャージャーを搭載しており、2Lから300hp以上を搾り出すハイチューンエンジンです。このビトゥルボ系の泣き所がこのエンジンで、各所のオイルシールからのオイル漏れに加えて、その発生する熱量が多いためにゴム類の早期劣化、電装ハーネス類へのダメージなど、とにかく
「理不尽に壊れる」 元凶なのですが、この個体は若干のオイル滲みがあるものの、それ以外のゴムなどもしっかりしており、容量不足のオルタネーターも国産品に交換してありました。そういった信頼性の問題を除けば、縦置きエンジンのFR駆動というレイアウトはクルマ好きにとっては理想です。
試乗もさせてもらったのですが、まずボディがしっかりしています。そして今や懐かしい「ドッカンターボ」は4000rpm以降で、ドライバーを別世界に連れて行ってくれます。回転数を落とさずに走るためにはこの6速ミッションは必需品で、もし必要なら4000rpmの臨戦態勢で走り続けることも可能です。
この個体は貰い事故によりオフセットクラッシュをしていたとのことですが、そのダメージは全く感じられませんでした。むしろその事故のお陰で、オーナーはショックをアラゴスタに交換し、マフラーエンドをチタン製ワンオフに交換できたのですから、「不幸中の幸い」だったのかも知れません(苦笑)
マゼラーティの最大の魅力であり、泣き所でもあるのが内装 だと思います。ポルトローナフラウのレザーをふんだんに使ったインテリアと、本物のウッドを使用したパネルは、乗った途端に自分がマゼラーティに乗っていることを思い知らせてくれます。
この内装だけでもマゼラーティを持つ価値がある というものですが、一方で日本のような高温多湿の国ではレザーとウッドの寿命は短く、それこそあっと言う間にヤレてしまうのです。一度ヤレた内装は元に戻すには膨大な費用がかかると同時に、機関も前述したように磐石とは言い難いために、マゼラーティは維持費のかかるクルマで、
「新車で買って1年乗ったら、捨て値で手放す」 のが当たり前のクルマだったのです。
ところが、この個体はその内装の状態が素晴らしいコンディションでした。聞けばフロントの運転席はレカロに交換し、オリジナルシートは保管してあったとのことですし、ボディカバーをかけて屋根付きの駐車場に駐めていたために、内装のヤレは見られませんでした。しかもホワイト系の内装は一見すると、汚れてすぐダメになってしまいそうですが、日光を反射するため「意外に保つ」そうです。
確かにバックスキンを貼られたダッシュボードなど、通常なら1年で剥がれるような部分もしっかりしています。
試乗した私はすっかりこの個体が気に入ってしまいました。すでに硬化してしまってゴツゴツした乗り味のタイヤを交換してやれば、そのままアシとして使えるクルマだと思いましたが、既に試乗に来た方が2人もいるということで、即決交渉をすることは叶いませんでした。
かくなる上はオークションで落札するしかこのクルマを手に入れる方法はありません。
そして結果は・・・残念ながらダメでした。終了直前に新規に入札された業者らしき?方によって落札価格は遥か彼方へと行ってしまったのです。手放すオーナーの方にとっては良い結果だったとは思いますが、
暫くはこのギブリの残像を引きずることになりそうです(泣) さらに愛車が「浮気される」ことを察知したのか、ちょっとした反乱を起こしてくれました。正妻のアルファ・ロメオもさすがにマゼラーティには敵わないと思ったのでしょうか・・・(笑)
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先日、ナニゲなく立ち寄ったセブンイレブンで見つけてしまったのが、このラ・フェスタ ミッレ ミリア プレミアムカー コレクションでした。
"Mille Miglia"とは1000マイルの意味で、もともとはイタリアの公道レースの名前でした。1927年に始まったこの公道レースはイタリア北部のブレシアを出発し、フェラーラ、サンマリノを経由し、ローマを経てブレシアに戻る周回ルートで、その総距離が1000マイルであったことから名づけられた伝統あるレースです。参加した自動車メーカーはアルファ・ロメオ、フィアット、マゼラーティなどのイタリア勢だけでなく、ベントレー、アストンマーチンなどのイギリス。ブガッティに代表されるフランス。そしてメルセデス・ベンツ、アウトウニオンなどのドイツからも参戦し、国際レースとして定着しました。第二次大戦による中断の後、戦後復活したMille Migliaにはさらにジャガー、ポルシェ、フェラーリといった新興メーカーも参戦し、ル・マン24時間のようなクローズドコースの長距離レースではない、一般公道を用いた長距離レースとして親しまれたのですが、1957年にフェラーリが観客を巻き込む大事故を起こしてしまい、このレースは中止となってしまいました。
しかし、自分の街中を、軒先をかすめるようにして、信じられないスピードでレーシングカーか駆け抜けていくという非日常的イベントを懐かしんで、1967年にタイムトライアルレースとして復活します。これはあくまでイベントとして復活させたものであり、参加車両も現代のGTカーではなく当時のクルマで、それ以降は定期的に開催され、クラッシックカーオーナーにとって、いつかは出場してみたいレースNo.1として人気を博しています。
そして日本では、そのMille Migliaを模して、
La Festa Mille Miglia と名づけられたイベントが開催されています。
今回のミニチュアはその日本版のMille Migliaに出場したクルマをモデル化したもので、箱を細かく見ていくと、その原型製作はなんと!あの
YOW MODELLINI が出かけているようです。主宰する伊藤 洋氏はモデラーとして有名な方で、アルファ・ロメオのモデリングにかけては世界的にも有名です。これは期待が膨らむのも当然で、考えようによっては京商のマゼラーティコレクションなどよりも遥かにマニアックです。
とにかく店にある全ての箱をカゴに入れて買ってしまったのは言うまでもありません。(といっても3箱でしたが・・・)
箱の裏側を見ると、モデル化されているのは5種類でその中にはアルファ・ロメオのDISCO VOLANTEも含まれています。
勇んで箱を開けて見ると、京商よりもしっかりしたクリアケースがさらにビニール袋に包まれて出てきました。さらに期待は膨らみ、そのビニール袋からケースを取り出して見ると・・・
ん?????えっ?????う?????ええっ????? 正直、最初は声になりませんでした。これはミニチュアモデルとして失敗と言って良いでしょう。しかし、この感覚は個人的には嫌いではありません。むしろ
懐かしい感覚 でした。
私の年代が子供のころのプラモデルは箱に書かれた絵が全てでした。その箱絵が格好良いかどうかで購入の意思決定をしていた子供の頃の私は、何度も今回と同じような気分を味わったものです。
素晴らしい箱絵の零戦を買って、家に走って帰って開けて見ると、そこにはかろうじて飛行機と呼べる二つに割れた胴体と捩れた主翼、ボッテリとして曇った風防とバリに埋もれたプロペラが散乱しているだけのキットだったときのあの気持ちが蘇って来ました。
気を取り直して戦利品を見てみましょう。
まず出てきたのはベントレー6.5Lです。戦前のベントレーは現在と異なり、レーシングカー製作に定評のあるメーカーでした。そのレーシングカー製作の基本思想は大排気量大馬力エンジンで、スーパーチャージャーという過給器まで装備し、とにかく馬力で走る野蛮な?クルマでした。それでも戦前のル・マンやこのMille Migliaなどで戦績を残したメーカーです。
次に出たのがACエースです。このカタチを見て?と思った方もいるかと思いますが、イギリスの弱小メーカーであったACカーズは後に、キャロル・シェルビーに見出され、チューンしたフォードのV8エンジンを搭載して、あの有名なコブラとなったのです。このモデルはブリストルのエンジンを搭載したもので、コブラの夜明け前?のモデルです。
そして、実は今回の本命モデルがゲットできました。OSCA MT4 ベルリネッタ ヴィニヤーレというのが正式な名前ですが、こんなモデルが500円でお釣りが来る値段で手に入れられるだけでも、このシリーズの存在意義を認めても良いと思います。
イタリアにはこのOSCAやスタンゲリーニ、アバルトといった今は無き小さなメーカーが数多くありました。マニアは愛情を込めてこれらの小排気量レーシングカーを「虫」と呼ぶのですが、その中でもOSCAはレーシングカー作りには定評のあるメーカーでした。このヴィニヤーレはOSCA MT4をベースにクーペボディを架装したものですが、その特徴あるフロントグリルは現代でも通用する素晴らしいデザインだと思います。
私自身はこのOSCAをゲットしたので満足していますが、
買う買わないは皆さんの判断次第 だと思いますので、敢えてオススメはしないことにしましょう(笑)
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東京は意外に水に恵まれた都市だと思います。私の勤務先が門前仲町だから余計にそう思うのかも知れませんが、隅田川や江戸川は大小の水路を持ち、入り組んだ東京湾は埋め立てにより地形を変えてはいますが、レインボーブリッジを始めとするこれまた大小様々な橋により繋がっています。
ですので、意外に水上交通が発達しており、調べてみると水上バスやら屋形船やら
水上レジャーが楽しめる世界でも有数の都市 ではないかと思います。
私自身は学生時代にディンキーと呼ばれるヨットに乗ったり、クルーザーのクルーをしていたこともあり、船舶免許こそ持っていないものの、ボートも大好きです。
ですので、かねてより東京湾で何か遊べないかな・・・と考えて、暇なときにネットで調べていました。某氏がブログで書いているように、決して最近調べたことではありませんので、この場を借りて言っておきましょう(苦笑)
ハナシを本題に戻すと、調べる中でレストランクルーズなどの豪華船?は多く就航していることが分かったのですが、意外にクルーザーを気軽にチャーターできるところはありませんでした。確かに結婚式やパーティーなどを目的としたチャータークルーズはあるのですが、そのクルーザーはデカい上に、相当な金額ですし、豪華なフランス料理をわざわざ船の上で食べてもなぁ・・・とアキラメかけたときに見つけたのが、
マリーナリトルオーシャン という船舶免許の教習所でした。
ここは、新中川という江戸川と荒川のちょうど中間を流れる旧江戸川の支流に面した学校で、本業は船舶免許の教習なのですが、開いている時間にチャーター・クルーズをやっているところです。
従って、チャーター・クルーズが本業ではありませんので、比較的自由にコースや時間を選べるのが特徴で、一度は試してみようと思っていたのですが、なかなか機会がありませんでした。
今回、オーナーズクラブの仲間に声をかけてようやく実現したのですが、そこにやってきた仲間のクルマは奇しくも全員がオープンでした。アルファ164のオーナーズクラブにも係らずアルファ164が一台もいない…というのはご愛嬌ですが、3台もオープンが並ぶと壮観です。
それにしても、私の仲間は地図を見るのが本当にヘタで、集合場所を案内してもまず絶対と言っても良いほど見てはくれません。適当に近くまで来ると携帯電話に電話がかかってきて道案内をさせられるのが常なので、今回も覚悟をしていたのですが、やはり案の定、二人からちゃんと電話がかかって来ました。
こちらも走っているのですから、道案内はムリです・・・(泣) それでも、何とか集合し桟橋に降りていくと、そこに用意されていたボートは
ポーナム26 という26フィートのクルーザー(モーターボート?)でした。
このポーナムというボートはナンと、トヨタ製でアルミ製のハルを持つ
このクラスのボートの中ではトップクラスの性能を持ったもの です。エンジンは185hpを発生し、二重反転スクリューで前進、後進を切り替えています。最大速度は60km/hということですので、水上だと結構な速度感があるハズです。
コクピットはキャビン内にあるタイプで、普通クルーザーと言えばキャビンの上にフライブリッジと呼ばれるコクピットがあるものを思い浮かべるのですが、それに比べると質素な印象です。それでもキャビン内はエアコンやトイレも完備されており、ある程度の遠距離クルージングにも充分対応できる装備を持っています。
いよいよ乗船し出航となりました。マリーナから新中川を下り東京湾を目指したのですが、水面から橋までの高さが低く、橋をくぐるのも結構スリルがあります。高さのあるクルーザーだと満潮時には通過できないこともあるそうで、どうりで川岸の係留所にはヨットの姿はありませんでした。
何箇所かの水門を通過すると、いよいよ東京湾の入り口です。さすがキャプテンは船舶教習の教官だけあって操船マナーが素晴らしく、川岸に船が係留されている場所を通る際には、ウェーキ(曳き波)で、係留されている船を揺らして傷つけないように徐行していましたが、それ以外の場所では185hpにモノを言わせて(笑)、結構なスピードを出してくれました。
河口まで下ると、左手は千葉県で浦安のディズニーランドです。新しくオープンしたホテルも間近に見ることができます。
そして葛西臨海公園を右手に見ながら、東京湾に入って行きます。目指すは月並みですがお台場の海浜公園沖です。
ところが週末と言うこともあり、周囲は屋形船が多く、すでに船内はカラオケで盛り上がっています。
そんな屋形船をスキあらば追い抜き、航行しているとレインボーブリッジが見えて来ました。夕日はちょうど沈みかけるころで、時間的にも最高のシチュエーションです。
ところが、目指すお台場はトンデモないことになっていました。海浜公園のある場所に入るには中央に水路が仕切られており、そこから左右に分かれて停泊するのですが、そこはカラオケで盛り上がる屋形船の集団に占拠されており、その騒音と船から臭ってくる天ぷら油の臭いで、景色どころではない状態だったのです。
下の写真は陸側から別の日に撮影したものですが、当日の屋形船の数はこんなものではなく、場所によっては船も廻せないほど密集していました。
仕方なく、それでもあまり船の多くない右側(日航ホテル側)に停泊し、私たちも船上パーティを開くことにしました。今回は3組のカップルでチャーターしたのですが、飲み物係り、食事係り、デザート係りと3組がそれぞれ分担することにしました。私たちは飲み物係りだったので、楽をさせてもらいましたが、食べ物係りはなかなか豪勢な料理を持ってきてくれました。後部デッキのエンジンハッチの上がテーブルとなり、シャンパンを抜いて私たちもパーティを始めたのですが、
周囲が暗くなってくると意外に屋形船も気にならず、自分達の世界に浸ることができました(苦笑) さらにデザート係りの用意してくれたデザートにはビックリしました。それはその場で作るフルーツポンチで、何かキャビンでゴソゴソやってるなと思ったら、これを作っていたんですね。
キャプテンもフルーツポンチが出てきたのは初めてだ・・・と驚いていましたが、何かサプライズを用意してくれるそのアイディアには脱帽です。
それにしても、そんな配慮も会話も含めて、今回の参加メンバーは本当に気の置けない仲間です。 さて、お腹もお酒も充分回ったところで、お台場を後にして目指したのはディズニーランド沖でした。
今回のナイトクルージングのきっかけであった、ディズニーランドの花火を海側からタダで(笑)見ようという目論見のためだったのですが、その打ち上げ時間が迫る中、船はその快速ぶりを発揮し、打ち上げ時間前にはちゃんと最高の場所にスタンバイすることができました。
ところが、何かレーザー光線で盛り上がっている様子は窺えるのですが、待てど暮らせど花火は上がりません。ようやく数発上がったかと思ったのもつかの間で、その数発の花火以降はナニゴトもなく時間だけが過ぎて行くのです。
キャプテンに聞いてみても、「こんなもんじゃない」と言いますし、可能な限りネバったのですが帰りの時間が遅くなってしまうこともあって、今回はアキラメることにしました。最後は華々しく花火で締めくくりたかったのですが、本当に残念でした。
しかし、心配していた船酔いを誰もせず、落水事故もなく楽しく乗ることができたので、この企画はさらにパワーアップして次回を考えることにしましょう。
それにしても、意外にリーズナブルな金額でちょっとリッチな気分?で楽しめるイベントでした。
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このブログでご紹介した京商のマゼラーティコレクションは各所に波紋を投げかけてしまったようで、
「お前のブログを読んだせいで買うハメになった」 とお叱りを頂いてしまいました(苦笑)
確かに、このシリーズはミニチュアモデルを集める趣味のない方でも、クルマ好きであれば琴線に触れたようです。
ホンキで買おうとするとわざわざミニチュアカーショップに足を運んで買わなければならないこのようなマニアックな車種が、コンビニで、しかもワンコインでお釣りが来る値段で買えるのですから、私たちのようなオジサン世代が「オトナ買い」するのは理解できます。(自己弁護・・・)
私たちの世代がコドモの頃はミニカーと言えば、トミカ、マッチボックスが主流で、ダイヤペットやコーギーなどは、誕生日やクリスマスでなければそうそう買ってもらえなかったのですから、幼少の頃の物欲に火が点いてしまうのでしょう。
そういった意味ではコンビニで売る・・・というのは意外に的を得ているのかも知れません。
前回のブログで15台で打ち止めにする・・・と宣言しましたが、ちゃんと約束を守って?15台で止めることにしました。
少年のココロを忘れないオトナになるよう心がけてはいますが、分別も必要です(笑) そして重複したものを除いて追加の戦利品がこれです。
GS(グランスポルト)のシルバーで狙っていた色なのですが、どうしたことか造型が悪く、ボッテリしています。京商はデフォルメも上手いはずなのですが、この車種に限って言えば失敗作だと思います。
そして大好きなカムシンです。実はこれを狙っていたのですが、やはりシルバーはゲットできませんでした。
1973年にギブリの後継モデルとして発表されたカムシンは、ベルトーネに在籍していたマルチェロ・ガンディーニの作品です。その流麗なスタイリングにもかかわらず、エンジンはフロントに積まれており、スーパーカーブームの時にはミッドシップでなければ・・・とB級扱いされてしまいましたが、私個人は密かに好きでした(笑)
そして大本命のTipo61です。他の車種はともかく、Tipo61が取り上げられるとは思いもしませんでしたが、実は自動車史に残る名車です。
1959年にスポーツプロトタイプとして開発されたTipo61は、軽量化と高剛性を両立されるために、クロームモリブテンの鋼管を組み合わせてフレームとしたために、その異様な姿から「バードケージ」(鳥かご)という名前がついたモデルです。そしてその苦労は報われ、ニュルブルクリンク1000kmレースで2年連続優勝するなど、輝かしい戦績を残しました。
ミニチュア化する際の最大の見せ場というか特徴は、その名前の由来となったバードケージですから、そこを再現しなければTipo61として成立しません。
写真でもお分かりのように、この1/64というスケールでは限界と思える再現です。
コストに厳しいであろうこのシリーズの中で一番コストがかかっているのが、このTipo61だろうと思います。
そしてこれだけ欲しい車種が集まったのですから、「もういいか・・・」と思ってサンクスには寄らず、セブンイレブンにフツーに買い物に行ったときのことです。
ナニゲに商品棚を見ていると・・・また見てはイケナイものを見てしまったのです。
一体私はどうなってしまうのでしょう(泣)
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以前のブログでアルファ・ロメオのBerlinaデザインの哲学がアルファ156以来変わったのではないか・・・と書きました。
アルファ・ロメオに限らずヨーロッパ車のセダンデザインは基本はパッケージングでした。すなわち、5人乗りのセダンはちゃんとヒトが5人乗れ、その荷物を積むことが出来ることが前提で、そのためのエンジニアリングでありスタイリングだったのです。
今回ご紹介するALFETTAはそのことを再認識させてくれるアルファ・ロメオの名作だと思います。
本来のSport Collectionの主旨とは離れ、コンペティションモデルではないのですが、採り上げる価値のあるモデルだと思います。
1972年に発表されたALFETTAは戦前のGPカーTipo158の名前を由来に持つ、画期的なセダンでした。戦前にヨアッキーノ・コロンボが採用したエンジンとミッションを分離しリアに置くレイアウトであるトランスアクスル方式は、GPカーにとっては重量配分を前後で均等化するためでした。そして戦後になり、そのレイアウトを更に発展させたのがオラツィオ・プリーガで、ド・ディオンアクスルと呼ばれたキャンバー角度の変化しないリアサスペンスションを採用し、Tipo159としてGPウィナーとなるのですが、そのプリーガが設計総責任者として開発したのが、このALFETTAだったのです。
その革新はBerlinaにGPカーのシステムを持ち込んだことにあったのですが、それはスポーツドライビングのためではなく、
セダンとしてのパッケージを追求した ためでした。
トランスアクスルレイアウトは、縦置きのFRの問題である大きく室内に割り込むミッションケースをなくし、室内長を長く取ることを可能にしました。このことにより、同じクラスのBerlinaと比較して、画期的な室内スペースを確保することができました。特に前席をフロントに近づけることにより確保された後席の足許は広々としており、
居住性の向上には効果的なレイアウト でした。
一方でド・ディオンアクスルは、セダンという乗車人数(重量)が変化するクルマにとっても最適で、荷重が変化してもキャンバー角が変わらないという特徴は、クルマの運動性能にとっては重要な要素でした。
ALFETTAの革新的なところは、これらの
レーシングテクノロジーを起源とする技術を、一般車、特にセダンに応用し、全く異なる居住性の向上という目的に応用した ことにあります。
GPカーに採用されたレイアウトを走行性能の向上という目的に利用する例は多々ありましたし、販売促進のために、そのイメージだけでもあやかるのは効果的な手法でした。しかし、全く異なる用途に利用したところにプリーガの非凡な才能を見ることができます。
かくして誕生したALFETTAは、素晴らしい居住性と運動性能を併せ持ったスポーツセダンとして好評をもって市場に受け入れられました。日本にも伊藤忠モータースを通じて輸入され、小林彰太郎氏もカーグラフィック誌の長期リポート車として購入し、その運動性能を絶賛されていました。
しかし、いかに基本性能が優れていても製造品質が悪ければクルマとしては生き残っていかないのは当然で、当時のアルファ・ロメオの使用していた鋼板は錆びやすかったことに加えて、組み立ての粗悪さからマイナートラブルが続発し、オーナーにとってはとても長く乗り続けることはできないクルマでした。
このように技術的には優れていたALFETTAですが、その機構ゆえに製造コストは高く、ビジネスとして考えたときには最適化技術とは言い難かったのも事実です。
すなわち、室内長を長くしたいのであれば、トランスアクスルよりも横置きのFFシステムのほうが、遥かに安いコストで目的を達成できますし、事実現在の殆どのクルマがこの方式を採用しています。
歴代のアルファ・ロメオはこの最適化技術という考え方に乏しく、ともすれば贅沢とも思える機構を用いる傾向があり、結果的にそれが名車を生んだ一方で経営を圧迫した のですが、面白いもので特徴の無い凡庸なクルマを作っていたのではブランドが消滅してしまい、経営的に苦しくても特徴あるクルマを作り続けたメーカー(ブランド)はちゃんと生き残っているのですから、クルマ造りは必ずしもソロバン勘定だけではないのでしょう。
付属するミニチュアモデルは特にレースに出場したものではありませんが、レース用のカラーリングやステッカーがない分、かえってALFETTAの特徴が良く分かるモデルだと思います。
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かつてのブログでお伝えした
アルファ164のひき逃げ事件 の犯人がようやく逮捕されました。
「ひき逃げ事故を装い男性=当時(36)=を殺したとして、大阪府警交通捜査課と河内署は14日、殺人の疑いで、東大阪市菱江、無職五十川拓海容疑者(40)と同所の無職樋口亜意子容疑者(34)を逮捕した。事件当時、男性と樋口容疑者は同居しており、府警は男女関係のもつれが原因とみて追及する。」 五十川容疑者は「知らん」と容疑を否認、樋口容疑者は「昨年9月から10月ごろ計画した」と供述しているという。 (7月14日時事通信社記事による) 詳しくは、
スクーデリア・ヴェルディさんのブログ でお読みいただければと思いますが、あまりの顛末に言葉を失ってしまいました。
アルファ164が事件に係った車両だということから、このひき逃げ事件はずっと気になっていました。
当初は、単なるひき逃げ事件として始まった捜査にオーナーズクラブとしてもできる限りの協力は惜しまないつもりでした。
それは、アルファ・ロメオを愛する仲間として一刻でも早く自首をして、罪を償って欲しいという思いからだったのですが、結果として浮かび上がったのは、ひき逃げ事件ではなく計画殺人だったのです。
これには正直呆れてしまいました。犯罪を幇助するつもりはありませんし、この犯行動機はあまりに酷いと思いますが、計画殺人の犯行車両にアルファ164を使うというのは、早く見つけて逮捕してくださいと言っているようなものです。この容疑者は業者だったようですが、だとすると尚更もっと他の車両を用意できたのではないかと思ってしまいます。
繰り返しになりますが、別に犯行そのものには一切の共感も共鳴もありません。その上でこの容疑者の稚拙な犯行を見ると、怒りを通り越して情けなくなってしまうのです。
こんなバカ野郎達のために心を痛め、捜査や聞き込みで迷惑を被るであろう仲間の心配をし、グリーンのアルファ164を見かけるたびに、思わずクルマの損傷を確認するようなことをやってきたのかと思うと本当に情けなくて仕方ありません。 アルファ・ロメオが犯罪に使われるのは映画の中だけにしてもらいたいものです。
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またヒトのクルマのネタですが、自分のクルマがナニゴトもないので仕方ありません(苦笑)
今年になって彼女のSpiderの足回りをKONIに交換したのですが、そのSpiderに試乗した赤スパのオーナーから
「同じ足回りにしたい」 とのリクエストがありました。
確かにしなやかになった足回りと、彼のSpiderの草臥れたノーマルの足回りは格段に違うと言えますが、それは比較してのハナシで、単独で見たときには必要にして充分とも思えます。
こういった旧いクルマを持つと、メンテナンスとリフレッシュの方針を立てる際には
絶対評価と相対比較を使い分ける必要がある と思います。すなわち、新車と比べる方法がないのですから、絶対評価により自分の個体がクルマとしてどうか?という判断と、相対比較により仲間の同型車と乗り比べてどうか?という二種類の判断によりメンテナンスやリフレッシュを行う必要があるのです。
それまでの彼は自分のSpiderの足回りにそれほど不満があったワケではなかったのですが、実際に乗り比べることにより、「これは何とかしたい」と思ったようです。そういった意味では
試乗したのは「罪つくり」だったのかも知れません(苦笑) 一概に足回りのリフレッシュと言っても、単にショックアブソーバーやコイルスプリングを交換して終わりということではありません。スタビライザーやスイングアームなどのブッシュを始め、「乗り味」に影響を与える部品は数多くあります。まずは主治医の工場に入庫して、何を交換すべきかをチェックしてもらうことから作業は始まりました。
点検の結果、今回ショックアブソーバーの交換に併せて交換すべき部品は・・・、
●左右のスイングアーム
●フロントのAアームブッシュとカバー
●スタビライザーのリンクとブッシュ
ということになりました。ショックの交換に併せてこれらの部品を交換してやることにより、新品のショックがちゃんとシゴトをしてくれるようになるのです。
部品の抽出が終われば、次に部品の手配となるのですが、今回もアメリカのAlfissimo Internationalにお願いすることにしました。以前は様々な業者に問い合わせをしたり、実際に購入してみたりしたのですが、最近はInternational Auto Partsとの2社が殆どとなってしまいました。
以前にも書きましたが、International Auto Parts(IAP)はシステマチックにHPからオーダーを受け付けてくれ、しかも即日発送してくれますので、ともすれば日本の業者よりも早く到着することがある位なのですが、バックオーダーは受け付けてくれず、欠品の場合はオーダーできなかったり、送料が割高だったりしますので、よほど緊急の場合以外は使わないようにしています。
一方のAlfissimo Internationalはミスもやらかしてくれますが、在庫の無い部品はヨーロッパで探してくれたり、中古部品を当たってくれたりと、より人間的な応対をしてくれます。
私との付き合いは、社長のJason Minosが会社を設立してすぐ始まったのですが、しかし、このような取引ができるようになったのは最近のことで、
最初はお互いに試行錯誤の連続 でした。
それは英語でのやり取り・・・という問題ではなく、商習慣の違いであったり、個人オーダーではなくグループオーダーであることによる問題などで、問題が起こるたびに気長にお互いが話し合って解決し、現在に至っています。実を言うと、一度大喧嘩になりもう二度とオーダーはしない!というところまで発展したこともありましたが、それも今となってはお互いの笑い話になっています。
私たちが工夫の末に合意したやり方は、まずオーダーする場合は以下のようなフォームを私が作成してAlfissimoにメールし、在庫照会をしてもらいます。このフォームには部品番号や部品名称に加えて、装着するクルマの型式や年式も記入してありますので、仮に部品番号が間違っていたりした場合は、Alfissimo側でもチェックしてくれています。また、欠品の場合でも車両情報をもとに他のクルマ用の適合部品を探してもらうにも役立っています。
そして、価格や納期などの情報が入力された後にこのフォームは私のもとに帰ってきます。私は、オーダーしたメンバーにこの情報を伝えてオーダーの了承を得た後に、正式なオーダーフォームとして再び、Alfissimo宛にこのフォームを送信することによりオーダー完了となります。
出荷された際には、運送業者のHPからその荷物が現在どこにあるかが追えるように、トラッキングナンバーがAlfissimoから通知されます。併せてInvoiceと呼ばれる正式な出荷内容通知書が送られてきて取引は終了です。私は荷物が到着する前に、このInvoiceとオーダーフォームを比較して、出荷モレがないかどうか確認し、荷物が到着した際には現物を確認し、メンバーが指定した場所に其々荷物を発送して終わりというワケです。
Alfissimoが全ての顧客に対してこのやり方でオーダー受付から発送をしているかどうかは分かりませんが、
過去に問題が発生する毎に、時には喧嘩をしながら改良して現在に至っているのがこのやり方 ですので、現在のところ少なくとも私たちの間ではこのオーダーシステム的な問題に起因するミスは発生しなくなりました。
代金はこのオーダーフォームを元に為替レートを掛けて日本円で計算します。送料と関税は購入した部品の金額に応じて按分して計算していますので、重くて大きくて安いものを頼んだメンバーは少し得?をすることになりますが、殆どの部品がリーズナブルな送料だと思います。
私は「海外輸入地下組織」と呼んで、オーナーズクラブ内でこのシステムを運用しているのですが、何故、自分の部品でもないものをこうした手間をかけてオーダーしているのかと言うと、やはり「好きだから」としか言いようがありません(笑)。それでも日本で欠品と言われ、イタリア本国でもバックオーダーと言われた部品が格安で見つかったりすると、自分の事のように嬉しいものです。
さて、今回も複数のメンバーの相乗りオーダーとなりましたが、無事に全ての部品が手に入ることを祈るばかりです。
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タイトルだけ見て、「ついに買ったか・・・」と思った方には失礼しました。でも半分アタリです(笑)
確かにもう買うまいと思っても、いざ目にしてしまうとつい買ってしまうのがこのシリーズです。しかも言い訳ですが、回を重ねるごとにどんどん出来が良くなっているのです。
というワケで、7月1日から全国のサークルK/サンクスで発売されている、京商のマゼラーティコレクションを「やっぱり」買ってしまいました。
今回のラインアアップもなかなかシブい選択で、ギブリやカムシン、ボーラやメラクなどはスーパーカー世代には懐かしい車種ですし、Tipo61などは1/64というスケールで果たしてあのバードケージがどこまで再現されているのか興味がある車種です。
私個人はギブリと聞けば、1966年発表のこの初代ギブリを思い浮かべます。カロッツエリア・ギア時代の巨匠ジウジァーロのデザインで、4.7LのV8エンジンをフロントに積んでいました。同時代のフェラーリ・デイトナやランボルギーニ・ミウラと比べると地味だと言われていますが、個人的にはその3車の中では一番好きなデザインです。ただ、所有するとなると立派な「地獄クルマ」でしょう。
エキゾチックカー市場にランボルギーニ・ミウラが与えたセンセーションは計り知れないものがありました。ミッドシップ・レイアウトはこの市場で競う各社によって次々とモデル化されたのですが、マゼラーティの回答が1971年に発表されたこのボーラでした。ギブリと同様にカロッツエリア・ギアのジウジアーロデザインですが、当時のライバル車が軒並み12気筒エンジンを搭載していたのに対して、ギブリと同じV8エンジンンであったため、性能的には劣るとされ、スーパーカー小僧?にはあまり人気がありませんでした。
実用的なエキゾチックカーがこのメラクで、ちょうどフェラーリ・ディノのライバルと言って良いでしょう。
ボディデザインは同じくジゥジアーロで、ボーラのモノコックを流用して1972年に発表されました。搭載されるエンジンはシトロエンSMにも供給されていた3LのV6エンジンで、実用的なパワーと整備性が特徴でしたが、油圧システムをシトロエンのものを使用したために故障が多く、折角のサイズと実用性にもかかわらず、生存率が極めて低いモデルです。
言わずと知れたスパイダーです。内装のデザインはエンリコ・フミアさんが担当していました。歴代のマゼラーティの中でもようやく信頼性が上がり、フツーのクルマとして乗れるようになったのですが、この初期のセミオートマ(カンビオコルサ)はクラッチの焼きつきを起こしやすく、日本の渋滞では「あっという間」に壊れたそうです。
FIA-GT選手権に出場するために2004年に開発されたのがこのMC12です。フィアットに吸収されたためにフェラーリのエンジンを使用できるようになり、エンジンはエンツィオ用6LのV12エンジンを搭載しています。ホモロゲーション取得用に市販されたこのMC12は一台1億円!だそうです。
オトナの私として(苦笑)は一応15台で打ち止めにしようと思っていますが、何とかそれで全車種揃ってくれないかと願うばかりです。
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ヒトのクルマの地獄ばかり・・・とまた嫌味を言われそうですが、ようやく115Spiderのトランクオープナーケーブルが到着しました。
5月のALFA DAYの際に突然切れてしまい、折角持って行った食材が取り出せなくなるところだったのですが、結局内張りを剥がしてワイヤーを切断し、ペンチでワイヤーを引っ張るという荒業?で、なんとかトランクを開けることに成功しました。
その後は、常にペンチを車内に常備し、部品の到着を待つ日々でした。どうしてこんなに時間がかかったのか?と言うと、オーダーしたAlfissimo InternationalのJason Minosが単に「忘れていた」から(笑)なのですが、ようやく到着したケーブルの交換作業は結構大変なものでした。
115Spiderのトランクオープナーは運転席側のサイドパネルに燃料キャップのオープナーとともにそのレバーが付いています。構造は原始的でそのレバーを引くことによりワイヤーが伸び、ラッチが外れるという構造なのですが、
最近のクルマのようにソレノイドスイッチではありませんので、バッテリーが上がろうが問題なく作動するのはありがたいこと です。
しかしこの115Spiderには大きな問題があり、
フェイルセーフ機構がない のです。
通常は室内のオープナーとは別に、外側からも開けられるように鍵穴が付いているものです。アルファ・ロメオの場合はリアのエンブレムが可動式になっており、そのエンブレムをずらすと鍵穴が現れるようになっています。
しかし、このSpiderにはその機構がないため、今回のようにオープナーのケーブルが切れてしまうと、トランクを開けることができなくなってしまうのです。ソレノイドスイッチの場合はちゃんと非常用のリングケーブルが用意されているのですが、
次の手段がない・・・というのは考えもの で、今回のように荒業に出なければなりません。
ケーブルの交換は、トランク側からさながら胃カメラのように(笑)ボディ内側にケーブルを通して行かなければなりません。
最大の難関は燃料タンクの位置で、ケーブルが柔らかいと問題ないのですが、金属製のワイヤーにスプリングが巻いてあり、それがゴムチューブの中を通っているという構造から簡単には曲がってくれません。
やっとの思いで、サイドシルまでたどり着いたら、レバーに結び付けて作業は完了です。芯のワイヤーが新しいからか、部品が古いためか従来のものに比べると操作が硬く、レバーを引くのに力が必要ですが、それでもペンチでワイヤーを引っ張るよりははるかにマシというものです。
それにしても、やはり旧いクルマのため樹脂パーツが劣化しており、留めていたネジ類を一度外すと、ネジ穴が割れたりしてしまい、再びネジを閉めようとするとクルクル回ってしまい、ネジ留ができなくなってしまいます。結局一回り大きなネジに取り替えて無理やり留めてしまいましたが、DIYで作業される方はあらかじめ準備をしておいた方が良いと思います。
さて、他にも細々とした作業をお願いしたのですが、ようやく通常の手順でトランクも開けられるようになりました。夏本番に向けて準備はバッチリと思ったのですが、どうやらまたDIYのバンパー修理をやらなければならないようです・・・(泣)
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前回に引き続き、アルファ155のカタログをご紹介して行きたいと思います。
カタログ前半では機能やデザインについて説明をしていますが、後半ではかなりのボリュームを割いて、新しい生産システムについて説明をしています。
曰く、ロボットによる品質チェックと自動生産なのですが、こんなシステムはその当時の日本では10年前から導入されているものです。恐らく日本のメーカーがこのカタログを見たら笑ってしまうのかも知れませんが、
アルファ・ロメオにしてみれば画期的な新システムで、このおかげで製造品質が数段向上したことも確かです。 誇らしげに製造ラインのロボットの写真を掲載していることからも、アルファ・ロメオが従来の製造品質に関する悪評を払拭したいと考えていたことが分かります。
さらにカタログはインテリアの紹介へと続きます。アルファ75のインテリアが独創的であったことに対して、アルファ155のそれはコンベンショナルなレイアウトですが、パネルの組み付け精度は格段に向上していました。実際にアルファ75と比較するとそれは別世界で、
ようやく「フツーのクルマ」になった と言えます。
特筆すべきはシートで、このファブリックの素材といいシートの形状といい、とても座り心地の良いシートで、
こればかりは日本車が未だに太刀打ちできない部分 だと思います。椅子の文化の差でしょうか、ヨーロッパ車のシートは全体的に素晴らしく、中でも一番素晴らしいのがフランス車ではないでしょうか?
どんなに鈍感なヒトでも一度長距離ドライブをするとすぐに分かると思います。
最後にもう一度エンジン特性について触れていますが、ナンだか中途半端な編集です。
そして最後のページでアルファ・ロメオの盾をどーんと出すことにより、伝統をアピールしようとしています。しかも同じアングルで描かれた絵画(イラスト?)まで繰り返しで出すことにより、アルファ155がアルファ・ロメオの伝統の中から生まれたクルマであることを強調しています。
このようにアルファ155は市場でどのような反応を持って迎えられるか、「戦線恐々として」発表されたような感じがします。エンジニアリングの側面では明らかに過去のモデルとは一線を画す、まさに現代のアルファ・ロメオのベースとなったのがこのアルファ155で、
このモデルで確立された生産技術が後のアルファ156に生きている と言えます。
機会があれば、マイナーチェンジ後のアルファ155のカタログもご紹介できればと思っていますので、ご期待?ください。
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先日アルファ155について書いたところ多くの方から反響を頂きました。やはりまだ中古車でも現役のアルファ・ロメオに関しては関心が高いようで、私のように新車で買った方は「懐かしい」と思い、これからアルファ・ロメオを買おうか・・・と考えている方にとっては選択肢の一つとして興味があるのでしょう。
本日は、そんな皆さんに発売当初のアルファ155Twin Sparkのカタログをご紹介したいと思います。
考えてみればカタログというものは、
新車で売っていた時期しか手に入れることはできず、販売終了と共にディーラーではゴミとして処分され、オーナーも買う前には穴が開くほど読むにもかかわらず、いざ納車になってしまえば見向きもされない・・・という運命で、中古車で購入した方にはカタログなど見たこともないのが現状でしょう。 しかも、アルファ・ロメオに限って言えば、モデル発表時のカタログは力が入っているのですが、発売後のマイナーチェンジ時や限定車などのカタログは一気に手を抜かれてしまうようです。
ご紹介するカタログは新しいアルファ155の第1版で、内容もゴージャスな作りとなっています。特に見開き部をさらに1枚折り込み、開けば3面使いで表現されていたりと、従来のカタログにない手の込んだ編集がされているのが特徴です。
カタログの楽しみ方の一つは、そのクルマが新車のときにどんな売り方をしたかったのか?が分かることです。アルファ155の場合は、それまでの独自設計のアルファ・ロメオからフィアットのTipoシャーシーを共用するモデルとして生まれ変わったために、
一生懸命アルファ・ロメオのスピリットをコピーで表現しようとしています。 エンジンに関しては、この当時はまだ先代のアルファ75と同じ、8VのTwin Sparkエンジンでした。表現を変えれば、エンジンだけはアルファ・ロメオ純血のものだと言えますが、一方でいくら近代化したとは言え、ジュリアから連綿と作り続けられた旧いエンジンとも言えます。ですので、当然のことながらフォーカスはTwin Sparkシステムに当てられ、その独創性をアピールしています。
足回りはマクファーソンストラットにトレーリンクアームという特段に珍しいシステムではありません。むしろ先代のアルファ75がド・ディオンアクスルにトランスアクスルという凝ったレイアウトだったことに比べると、凡庸な・・・と言っても良いでしょう。それでも一生懸命優れた走行性能をアピールしようとしているのですが、むしろアルファ・ロメオ伝統のサスペンスション・チューニングが残されていることをアピールしたほうが良かったと思います。
わざわざ1ページを割いて5速ミッションと4輪ディスクブレーキについて説明していますが、1960年代のクルマならいざ知らず、どーなのよ?と思ってしまいますが、これほどマジメに語られるともはや素直に聞くしかありません。
デザインに関しては、Cd値0.30を誇らしげに謳っています。確かに現在の目で見ても優れたデザインだとは思いますが、当時は不評であったのはその個性の薄いデザインによるものであったことを思えば、もう少し突っ込んだデザイン論を展開していても良かったのではと思います。
突っ込みどころ満載のカタログですが、当時のアルファ・ロメオの必死さが伝わって来ます。次回もこのカタログの続きをご紹介したいと思いますのでお楽しみに。
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