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走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

ALFA ROMEO Sport Collection 66

ようやく80台で終了したこのシリーズですが、本日ご紹介するのはアルファ・ロメオの戦後の高級車である2600シリーズの中のSprintと呼ばれるクーペです。

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戦後1900シリーズの成功で高級車の少量生産メーカーから量産車メーカーへの転進に成功したアルファ・ロメオでしたが、そのエンジンはDOHC4気筒のみでした。確かに戦前は6C、8Cと多気筒エンジンを惜しげもなく開発していたのですが、それも少量生産故の手作り然としたものに加えて、コストを無視したハイチューンエンジンであったために、量産車に搭載するには不向きなエンジンでした。

2600シリーズの起源は1958年に遡ります。1950年に発表された1900シリーズのデザインを一新するために、その4気筒エンジンやメカニズムはそのままに、ボデイをリデザインして発表されたのが2000シリーズでした。
この2000Berlinaは1900シリーズのホイールベースを90mm延長して大型化させBerlinaを少し高級路線に振ったモデルで、イタリアの戦後復興の速度にあわせたモデルだったと言えます。外見もメッキパーツを多用したそれは当時のアメリカ車の影響を受けたデザインでした。

そしてこの2000シリーズはそれ以降のアルファ・ロメオのボディラインアップの定番となる、Berlina、Sprint、Spiderの三種類のバリエーションで発売されました。1900シリーズと同じホイールベースのトゥーリング製のSpiderがBerlinaと同じく1958年に、BerlinaとSpiderとの中間となるホイールベースを持つベルトーネ製のSprintが1960年に発表され、この定番三部作となったのですが、このベルトーネデザインのSprintは、以降の大ヒット作となるGiulia Sprintのデザインに大きく影響するのです。

滑らかな曲線で構成されたボディラインと+2ながら4シーターとして充分通用するキャビンスペースを持つフォルムは後のGiulia Sprintのデザインに受け継がれ、若きジゥジアーロによって完成されます。
テールは当時最新の理論であったコーダトロンカに従って切り落とされ、そして同時代のGiulietta SSと同じくフェンダーラインがリアのタイヤハウスから延ばされてスピード感を演出しています。
この現代でも通じるクーペボディは1960年当時は最先端で、まるで未来のコンセプトモデルがそのまま発売されたかのようだったでしょう。

そして2000シリーズは1962年に2600シリーズへと発展を遂げることになります。エンジンは戦後初の直列6気筒DOHCエンジンで、Sprint/Spiderはウェーバーキャブレターを3基搭載し、145hp/5900rpmに高められており、最高速度も200km/hを達成していました。
Sprintに関して言えば、そのボディデザインも一部手が加えられてボンネット上にメッキで装飾されたエアスクープが加えられています。

アルファ・ロメオの最高級モデルとしてこの2600シリーズは、Giulietta→Giuliaへの発展とは別に、1969年に至るまで製造し続けられました。しかし販売台数はその高価格故に少なく、戦後のアルファ・ロメオがもはや高級車メーカーではなく、むしろ高性能な量産車メーカーとして認知されたことを裏付けていると思います。
しかし一方で、この時代に2600シリーズを愛車にすることは特別で、「分かっている粋人」の証であったのではないでしょうか。

付属するミニチュアモデルは1968年のBologna-Passo間の公道レースに出場したモデルです。

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リアスクリーンの崩壊

それはあっという間のデキゴトでした。いつものようにリアスクリーンの真ん中に折れ目を入れてトップを畳んだときに「パリッ」という音と共に、リアスクリーンはいとも簡単に割れてしまいました。
最近でこそ、ソフトトップでもガラス製のリアスクリーンが増えて来ましたが、軽いのと扱いが楽なのは断然ビニール製です。しかしガラス製に比べると湿度で曇ってしまったり、傷がついて曇りやすいという欠点があります。そしてビニール製の欠点の最たるものが今回の「割れ」ではないでしょうか。確かに考えてみれば真夏の炎天下では60度以上になり、真冬の凍結時は零度以下。そしてさらに紫外線に晒され続けるのですから、その材質から考えると寿命は短いのは仕方ないのかも知れません。
少しでも長持ちさせるために、幌を畳む際にはきれいに折れ目がつくように、リアスクリーンの中央部に手で窪みをつけて畳むのは鉄則なのですが、それでもビニールが劣化してくるとだんだん硬くなってしまい、最後には今回のように割れてしまうのです。

修理はするにしても、このままではトップを閉めることはできないので、まずは応急対策です。
休日の出先ということもあり、本格的な補修材料なぞ手に入るはずもありませんので、何とか間に合わせのもので補修することにして、スーパーマーケットの文房具売り場で見つけたのが、書類を入れるファスナーのついたビニールケースに荷造り用の透明テープでした。このビニールケースは材質が適度な厚みと柔らかさを持っているために、切りやすく貼りやすいという応急補修用には最適な材料です。

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まずはビニールケースの端をはさみで切って解体します。欲しいのはビニールの部分ですので、ファスナーの部分は切り飛ばしてしまいます。そして割れたスクリーンの上から当ててみて、割れた部分が隠れるようにしてビニールテープで貼り付けてしまいます。
トップの開閉は難しくなってしまいましたが、とりあえず閉めたままならば走行できますし、雨風もしのぐことができます。材料費は500円もかかりませんでしたので、応急処置としては合格でしょう。

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当面はこれで走行に支障はなくなりましたので、いよいよリアスクリーンの交換です。
ePERで調べてみたところ、純正部品でリアスクリーンのみの設定があるようです。これはソフトトップのクルマにはとてもありがたいことで、115Spiderなぞはリアスクリーンが割れてしまったら幌全体を張り替えることになってしまいます。ところがこのたかがビニール製のリアスクリーンが62,000円!!もするのです(泣)

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このお値段を見た時点で純正部品での交換はアキラメることにしました。いくら素材が特殊であっても、こういった化学製品は日本製のほうが優れているに決まっています。
ところがイロイロと当たってみたのですが、なかなかリアスクリーンだけを張り替えてくれる業者が見つかりません。そしてやっと見つけたのが、「とい・かあ・らんど」という滋賀県の業者で、お値段も27,300円とリーズナブルです。
早速お願いすることにしたのですが、当然滋賀までクルマを持ち込む訳には行きませんので、リアスクリーンを外して宅急便で送ることにしました。

916Spiderのリアスクリーンは3種類の留め方で取り付けられています。まずは幌を閉めた状態で室内から上辺のファスナーを外します。

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次に両サイドはマジックテープで止められていますので、それをバリバリと外し、幌骨の左右二箇所にホック留されているゴムバンドを外します。

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最大の難関は下辺の部分で、幌骨に念入りに(苦笑)ビス留されていますので、そのビスを外して行きます。
中央部のビスはネジ山が六角形でヘキサゴンレンチで外れるのですが、両端の幌に隠れたネジだけはどういう訳かトルクスドライバーという星型の特殊なものでしか外せないようになっています。

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どうしてここだけがトルクスなのかさっぱり分からないのですが、無理矢理ヘキサゴンレンチで緩めようとするとネジ山をナメてしまいますので注意が必要です。
私のリアスクリーンはそのディーラーのステッカーからすると、新車のときから一度も交換されていないと思うのですが、これまたどういう訳かネジのワッシャーが2枚だったり1枚だったりしていました。恐るべしアルファ・ロメオの製造工程(外注?)です。

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ようやくリアスクリーンが外れました。これを滋賀に送って張り替え作業をお願いしたのですが、出来上がりが楽しみです。
ところが当然ですが、作業をお願いしている間はリアが素通し状態となってしまいます。
意外に走っている間は風も巻き込まず、暖房も効くのですが、駐車中は無用心ですし、雨は容赦なく降り込んできます。
当面何とか塞ぐしかありませんので、ホームセンターで300円/mと一番安いテーブルクロス用のビニールを買ってきました。

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適当な大きさにカットして、下部は先ほど外した幌骨のネジを利用して固定しましたが、問題は両サイドと上部です。
実はテープで留めたりホチキスで留めたりしたのですが、やはり走行中に外れてしまいます。
所詮応急処置ですので、あまり幌をイジめたくありません。一番安全な方法は、ちょっと見苦しいですが、事務用のダブルクリップで幌のリップの部分とビニールを挟み込んで留めるという方法でした。
下の写真は、内側から綺麗にテープで留めてご満悦だったときのものですが、この後走行中にすぐ外れてしまいました(苦笑)

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さて、今度は帰ってきたリアスクリーンの取り付けです。果たして出来栄えはどうなのでしょうか…。

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思わぬ事態

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昼食場所は秘密工場から程近い木更津の住宅街の中にありました。
そこはROSSINIというイタリア料理店だったのですが、恐らく地元の方でなければ絶対に知らないであろう場所です。

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(撮影えんどろんさん)

駐車場は私たちのSpiderで満杯になり、近所の方はナニゴトか・・・と総出で出てきて、びっくりして写真を撮るという事態になってしまいました。確かにクルマに興味のない方からすると、オープンカーであるだけで、もうすでに特別で、それがアルファ・ロメオとなれば、もはやスーパーカー(苦笑)の範疇に入るのではないかと思います。実際の中古車価格が国産の軽自動車を新車で買うより安いことは、この際だから黙っていることにしましょう(苦笑)

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お店はこじんまりとした一軒家で、私たち全員でほぼ満席となるレストランだったのですが、サラダもパスタもとても美味しく、デザートもついたランチは1500円というお値段からしても、東京では考えられないお値打ち価格でした。こういった場所をセッティングできるのも幹事さんの力量で、クラブメンバーのネットワークのなせる技だと思います。

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もはやスケジュールなど半ば忘れた私たちはのんんびりとランチを楽しみ、幹事さんに急かされながらいよいよツーリングへと出発したのですが、私たちは時間の都合もあり、残念ですが途中で引き返すことになってしまいました。

それにしてもこのようなツーリングイベントに参加したのは久しぶりで、よく考えると昨年のアルファ164オーナーズクラブの秋のクラブラン以来です。
ツーリングイベント成功の秘訣を私なりの経験から考えて見たいと思います。

・要所要所で時間調整ができること。
 多くの台数で走る場合は、信号待ちによる迷子、トイレなど各車に様々な事情が発生します。全行程の地図を配布するのは当然なのですが、地図が見れない(苦笑)参加者もいますので、とにかく次のCP(チェックポイント)を都度説明し、確実にそこで合流できるようにしておくのが良いと思います。

・ツーリングだけでなく「お楽しみを」加える。
 今回は秘密工場見学やランチ、そしてゴルフコースでの休憩など、CP(チェックポイント)でのお楽しみが盛りだくさんでとても良かったのですが、ともすれば走って終わり・・・となってしまいがちですので、到着する目的をもったツーリングプランを立てるのが良いと思います。しかし、幹事さんの準備は大変なんですが(苦笑)

・副幹事を用意しておく
 どうしても当日は幹事さんの負担が増えてしまうものです。全行程とスケジュールを把握している副幹事さんをお願いしておき、隊列が崩れてしまったときや、車両故障などに対応できるようにしておくのが良いと思います。916Spiderだとあまり心配はないのですが、旧車のツーリングなどの場合は、工具と応急部品を積んだクルマが参加していると心強いものです。

てなことを考えながら、途中離脱して帰途に着いたのですが、今回のツーリングでは思わぬ事態が起こってしまいました。

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さて、どーしたものでしょうか(泣)

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畑の中のお宝

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やっと辿り着いた工場の近くの農道の脇に皆のクルマを駐めて、歩いて行った工場は、おおよそ工場とも思えない外観でした。板金工場は工場の前にスクラップ寸前のクルマが置いてあったりしてどちらかというと雑然としているものなのですが、シャッターが半分閉められたその場所は、民家のちょっと大きなガレージといった佇まいで、どちらかと言うとトラクターやらの農機具置き場の体でした。

ところがシャッターを開けて最初に目に飛び込んできたのが、総アルミボディのランチア・フルヴィア・スポルト・ザガートだったのです。
ご存知の方はその凄さが分かると思うのですが、もともとのフルヴィア・ザガートのボディを全てアルミで作り替えているのです。そのボディラインといい、フロントライト周りのデリケートな造形といい、とても常人の仕事とは思えません。
聞けば、この板金工場はご主人一人で作業されているとのことで、さらに驚いてしまいました。しかしこのクオリティであるならば、Tipo33/2のような貴重なクルマの板金をお願いしたオーナーの判断は正しかったと思います。

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どの業種の工場にも言えることだと思いますが、設備や建物が立派かどうかは別にして、掃除が行き届いているかや工具の収納など、品質が優れた工場はそういった手入れが行き届いているものです。チリ一つない工場の床と整然と片付けられた工具に、このご主人の几帳面さとその技術力を見た思いがしました。
聞けば請われてイタリアに出張したりもするそうで、日本のというより世界でも貴重な職人さんなのでしょう。

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フルヴィアの隣には素晴らしいコンディションのES30が佇んでいました。一体これの何を修理するのかと思っていたら、これはご主人の愛車だそうです。正直、こんなに行き届いたES30を見たことはありませんでした。新車以上のコンディションのES30は恐らく、買って大事にされて来ただけでなく、ご主人の手でそのいい加減なボディパネルの建てつけを修正されたのではないかと思います。それほど佇まいの良いES30でした。

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(撮影えんどろんさん)

そしてさらにその隣のビニールカバーがかけられた車両にもビックリしました。それはジュリエッタSSだったのですが、それは塗装を終えて細部の仕上げに取り掛かる前の段階でした。ジュリエッタSSはそのボディの全てが曲面で構成されており、ベルトーネデザインの美しいフォルムが特徴なのですが、そのテロッとした塗装面が美しくまるで新車のような仕上がりでした。

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そして驚愕の車両は工場の一番奥にありました。それはアルピーヌA110なのですが、オーバーフェンダーを装備し、GITANESのスポンサーカラーを纏ったワークスカー仕立てです。
近づくまではてっきりレプリカのコスメティックカーだと思っていたのですが、それはナンと!ホンモノのワークスカーだったのです。
日本の木更津の畑の中でアルピーヌA110のワークスカーに出会えることが、にわかには信じられませんでしたが、じっくりと細部を観察することができました。

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(撮影えんどろんさん)

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レジスターナンバーもワークスカーそのままで、恐らくヨーロッパから日本に上陸して間もないクルマなのでしょう。ボディはその歴戦の傷跡がそこここに見受けられます。これからこのFRPボディを補修するのでしょうが、ここなら安心してこの貴重なクルマを任せることができます。

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エンジンはゴルディーニチューンの1800ccです。ウェーバーのツインを装着してリアにマウントされています。

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フロントのスペースには燃料タンクが装備されているのですが、付けられているプレートにCORSEの文字が見て取れます。

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過酷なラリーで走行するためにリアのショックはデュアル化されています。

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もはや悶絶ものの光景だったのですが、さらりと置かれている何の変哲もないフィアット126も良く見るとGIANNINIチューンエンジンが載っています。

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個人的にはこの工場に一日中いても充分なのですが、ツーリングなのでそうも行かず、現地案内人にこれからも引き続き偵察を続け、何かお宝に変化があれば教えてもらえるように頼み、後ろ髪を引かれる思いで工場を後に、昼食場所に向かうことにしました。

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Club the Spider 房総ミーティング

クラッチを新装して快調になった916Spiderで、Club the Spiderの面々と房総に行って来ました。
私は現在、アルファ164オーナーズクラブとこのClub the Spiderという916Spiderのオーナーズクラブに所属しているのですが、アルファ164Q4を手放してしまってもアルファ164オーナーズクラブに所属し続けているのは、事務局という役割があるからだけでなく、そこに集まる仲間が私にとってかけがえのないものになっているからです。
こういったクルマのオーナーズクラブに限らず、営利目的ではない団体は当初の入会するきっかけが何であれ、行き着くところは「ヒト」になってしまうのではと思います。

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(撮影ESタケさん)

さて、Club the Spiderも全国規模で活動しているオーナーズクラブですが、そのクルマの性格上、年齢層も若い方?が多く、若干ジェネレーションギャップを感じることもあるのですが(苦笑)、それでも共通するクルマ好きのせいか、気がつけばそんな違和感もなく打ち解けているのが不思議です。
集合時間もこの2つのオーナーズクラブは好対照です。アルファ164オーナーズクラブはこのテのミーティングの際には早朝に集合します。おおよそ仕事でもこんな時間には起きないだろうという信じられない時間に集合し、午後3時頃には解散するスケジュールで実施されるのですが、それには理由があります。
もちろん渋滞回避というのが最大の理由ではあるのですが、アルファ164というクルマの性格上、家族連れのメンバーが多く、その休日を丸々1日潰してしまうのは好ましくないからなのです。家族を置いて一人で参加するメンバーも、夕方には自宅に帰って家族との時間が持てますし、家族連れで参加するメンバーも、帰りに買い物など家族単位での行動も可能なため、伝統的に早朝集合となっています。
一方で、Club the Spiderのほうは、カップルでの参加が多いため、あまりそういったことに気を遣う必要はないようです。
従って、今回はアクアラインの「海ほたる」に午前10時!に集合して、木更津で昼食。そして房総半島をツーリングという企画でお誘いいただいたのですが、折りしも木更津在住のアルファ164オーナーズクラブのメンバーから秘密工場?発見の情報があり、急遽スケジュールに追加していただき、そこを皆で訪ねることにしました。

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吹く風は冷たいものの、晴天に恵まれ午前10時の海ほたるは駐車場満車という表示が出ていましたが、実際にPAに入ってみると結構駐車スペースもあり、駐車場入り口で今回の幹事さんの奥様が誘導してくださったこともあり、すんなりとクルマを停めることができました。
集合時間も出発時間も当初のスケジュールから遅れるのは両方のオーナーズクラブ共通のようで、(私もその元凶でしたが…)列を成して海ほたるを出発したのは予定時間を過ぎていましたが、そのまま木更津に上陸し、第二集合地点に到着です。

こういったミーティングの醍醐味は、自分と同じクルマ同士で連なって走ることができることです。日常街中ですれ違ったりすることはあっても、連なって走ることなどそうはありません。ましてやアルファ164や916Spiderは生産が終了したクルマですので、減ることはあっても増えることはないのです。
オーナーの方の中にはヒトと話をするのが苦手だったり、そんなにクルマに詳しくないから…と遠慮する方もいらっしゃるかと思うのですが、もっと気楽に走ってる自分と同じクルマを見たいから…という動機だけでもこういったミーティングに参加してみる価値はあると思います。
入会していなくてもビジターということで歓迎してくれると思いますし、仮にそうでないクラブであれば、入会したとしてもそれほど居心地は良くないと思います。
幸いなことに、私が所属するこの二つのオーナーズクラブは、新人にはとてもフレンドリーで、実際に今回が初参加という方も何人かいらっしゃったようですが、いつのまにか打ち解けて和気藹々としたムードでクルマのことやら、それ以外の?世間話も楽しんでいたようです。

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ここで現地案内人のアルファ164オーナーズクラブのメンバーとも合流し、秘密工場への道案内をお願いしたのですが、この秘密工場とは板金工場で、事前の情報ではTipo33/2 DAYTONAが入庫しているとのことでした。このTipo33/2は日本で1台のみのクルマで、しかもナンバーを取得し公道を走ることのできる稀少車中の稀少車です。以前のALFAROMEO DAYにオーナーの郷さん(ル・マンで有名なチーム郷の代表)によって持ち込まれたクルマそのものが、板金塗装で入庫しているとのことだったのですが、木更津の農道で案内人が道に迷ってしまい、狭い農道をグルグルと彷徨った末にやっと着いたおおよそ工場なぞありそうにない集落の奥にある板金工場には、残念なことにすでにTipo33/2の姿はありませんでした。

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どうやら板金修理が完了し既に出庫した後だったのだそうですが、そんな失望が吹っ飛ぶほど、この工場にはとてつもないお宝が入っていたのです。

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スプリングの反乱?

ブレーキパッドの交換で主治医に入院した916Spiderですが、結果、ディスクもろとも交換となってしまったことは前回のブログでお伝えしたとおりですが、その入院の際にアイドリング時にエンジンルームからシャカシャカ音がするのを見つけてしまいました。

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アルファ・ロメオに限らず、クルマからのこういった異音は必ず何らかの不具合を意味します。それは部品の消耗を教えてくれたり、脱落しかかった部品を教えてくれたりしますので、トラブルの初期に出るこういった音を見逃す(聞き逃す?)と、もっと重症になって、入院期間が長くなったり治療費が嵩んでしまうのは人間の病気と全く同じなのです。

エンジンルームからの異音は様々な理由が考えられますが、その音の種類と場所からだいたいの原因は特定できるものです。タイミングベルトプーリーの磨耗やファンベルトの滑りなどは分かりやすい音ですから気をつけて聞けばすぐに分かります。
しかし、今回のシャカシャカ音はベルト側ではなくギアボックス側から聞こえてきます。
そして、アイドリング時に断続的に聞こえるその音は、特に走行に影響がないだけ不気味ですらあるのです。
考えられる可能性はギアの破損…と脅かされながら、ちょうど良い機会なのでクラッチを交換することにしてミッションケースを開けてみることにしました。併せて持病と化しているバランサーシャフトのオイルシールも交換です。

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するとフライホイール側からワッシャーが出てきました。こんなものは本来ここにあってはイケナイ部品です。しかもこのワッシャーが中で踊っていたらしくフライホイールを固定するボルトのアタマを削ってしまっています。

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そしてクラッチを外してみると、愕然とすることにクラッチスプリングが一本外れているではありませんか!
主治医も首をかしげるばかりで、通常はこのスプリングが折れて外れることはありません。
不幸中の幸いだったのは、スプリングがギアボックス側に外れずにケース側に外れていたことで、もし逆であればギアを破壊してしまったでしょう。
どうやらこれがシャカシャカ音の犯人だったようです。アイドリング時はニュートラルですからクラッチ盤は密着しておらず、そのためにスプリングが中で跳ね回り、シャカシャカと音が出ていたのでしょう。
一方でギアを繋いだ状態ではクラッチ盤は密着して回転しているので音は消えていたということになります。そのためにナノゴトもなく走行できたのでしょうが、それは単に幸運であったとしか言いようのないことです。

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大事をとってミッションケースもチェックしてもらったのですが、これまた幸いなことにダメージもなく、クラッチ交換とシール交換を行って終了となったのですが、一歩間違えると大惨事になりかねないトラブルでした。

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さらにドライブシャフトブーツの亀裂も発見したために交換となったのですが、こういった駆動系からの異音は、重大事の可能性もありますので、ナニゴトもなく走行できるからと点検を後回しにすると、出先で不動となって立ち往生するハメになっていたかも知れません。

ドライブシャフトブーツ

脳天気に那須にドライブなんかしている場合ではなかったのかも知れませんが、結果クラッチを交換して完治することができました。
突貫工事で?修理にあたってくれた主治医に感謝です。

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Spiderでマジメにドライブ2(後編)

那須高原も箱根や蓼科と同様に、個人の博物館やら美術館やらが乱立しているエリアなのですが、特に那須高原一帯は実にアヤシゲな博物館が多く、是非とも入ってみたいとまでは思わなくても、何かチャンスがあれば…と思って通り過ぎていた場所が何箇所かありました。
そのうちの一つが那須クラッシックカー博物館なのですが、今回ようやく訪ねることができました。

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入館料オトナ1000円を支払い、恐る恐る中に入るといきなり目に飛び込んで来たのが、1985年にアメリカで製作されたAERO CARなるクルマでした。排気量400ccでドミノピザの宅配用に製作されたそうですが、こんなものがいきなり展示してあるのですから、先が思いやられます(笑)

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しかし、中に入ると意外に?展示車はマトモです。どちらかというとポストヴィンテージ以降のクルマを中心に満遍なく・・・といった感じのラインアップですが、じっくり見るというよりサラッと見て回るほうが健全かも知れません。

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あまりウンチクを垂れても仕方がないので、車両解説は最小限にして各々のクルマを見て回ったのですが、今回の個人的な目玉はこのアルファ・ロメオ2600Spiderでした。

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アルファ・ロメオが1900シリーズの成功から、さらに富裕層の顧客を獲得し、北米への輸出を狙って開発したのがこの2600シリーズで、1900シリーズが4気筒DOHCエンジンを搭載していたのに対して、新規に直列6気筒エンジンを開発し、往年の6Cシリーズを知っている顧客に対してアピールすることを狙ったモデルです。このSpiderはカロッツェリア・トゥーリング社がそのボディをデザインし、戦前の富裕層に向けた特別仕立てのコーチワークを再現しようとしたモデルです。また北米の顧客もターゲットになっていたためにメッキによるデコレーションが細部に施されているのも特徴なのですが、その6気筒エンジンが納まった長いボンネットラインとバランスされたリアの伸びやかなラインが魅力的なクルマです。
2600シリーズはアルファ・ロメオのハイエンドモデルとして永らく生産されたのですが、その絶対数は少なく、このSpiderも稀少車と言って良いモデルです。
展示車全体は正直、あまり管理状態が良いとは言えないのですが、このアルファ・ロメオはその中にあっても良い部類で、少し手を入れてやれば走行可能なように見受けられました。

お昼は以前にオーナーズクラブのミーティングでお邪魔した那須PS GARAGEで取ることにしました。
ここは展示してあるクルマを見ながら食事ができるレストランなのですが、さすがに連休中とは言え、この天気だったためか客もまばらで、お陰さまでのんびりと食事を取ることができました。

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展示してあるクルマは相変わらずの顔ぶれですが、先ほどのクラッシックカー博物館と異なり、こちらの車両はすぐにでも走行可能なように見えます。このあたりが、「博物館」と「GARAGE」の違いなのでしょうか(苦笑)

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食事の後に帰路についた私たちは、東北自動車道で東京に向かったのですが、これまた全く渋滞もなく、夕方には都内に戻ることができました。

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今回のドライブは都内から日帰り可能な二箇所を組み合わせて、1泊2日の旅程にしましたが、往復のドライブもイベントと考えれば充分楽しめるコースだと思います。
気候の良い時期に(笑)、ツーリングをメインに行ってみてはいかがでしょうか。

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Spiderでマジメにドライブ2(中編)

雪景色の露天風呂と美味しい食事を堪能して次の日の朝、起きてみると天気は快晴なのですが、外はとんでもないことになっていました。
雪国にお住まいの方からすると当たり前のことなのでしょうが、東京で暮らしているとたまに雪が降っても一方で溶けていくために、積もる量はたかが知れています。しかし、雪国では一旦降り始めるとそれは融けることなく降り積もり、夕方から降り始めた雪は一晩でも結構な積雪になり、周囲の環境を一変させてしまうのです。

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泊まったホテルは駐車場が手狭なために、通常はホテルから離れた駐車場所にホテルの駐車場係りの方によってクルマを移動させるのですが、私たちのクルマは夏タイヤだったこともあり、ホテルの玄関横の駐車スペースに駐めてありました。それでも降り積もる雪が減るわけでもなく、クルマの上の雪は30cm程度になっていました。ホテルから出る道も昨日は何とか道路が見えていたのですが、もはやチェーンなしで走行はできません。

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仕方ナシにSpiderにチェーンをつけることにしたのですが、今回手配したチェーンは通常の金属製のラダーチェーンです。実はこういったチェーンは適合チェックがあり、装着時に車体に当たったりしないかどうか、メーカー側でチェックしているのだそうですが、当然のことながら916Spiderに関しては、そんなチェックをしてくれているワケはなく、購入時に装着できるかどうか保証ナシ…と言われていました。事前の目視では「大丈夫でしょう」ということで積んできたのですが、果たして大丈夫かどうか保証はありませんので、大事をとってジャッキアップして装着することにしました。

これまた持論ですが、最近のゴムチェーンは乗り心地も良く、装着も簡単になっているために、平気でスピードを上げて走っているクルマを見かけますが、これはとても危険な行為だと思います。
ゴムチェーンは金属チェーンに比べると明らかにその性能は劣っており、またちゃんと装着していないと突然外れてしまったりするので、緊急用と割り切るべきでしょう。ですので、多少装着が面倒でも一番安心なのがこの金属製のラダーチェーンだと思っているのですが、一方で金属製のチェーンは正しく装着しないと、タイヤハウスに当たったり最悪は千切れたりするので、チェーンのコマが捩れたりしないように、またコマ数を調整してタイヤにフィットするように調節しながら取り付ける必要があるのです。

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学生時代はスキーに行く際には、どういうワケか仲間のクルマのチェーンまで着けさせられたり、チェーンを持って途方に暮れている女の子のグループを見つけては、「親切に」取り付けてあげたものですが、それも大昔のことで、コツを思い出しながらの作業でしたが何とか取り付けることができました。幸いにボディにも干渉することなく走行できそうです。

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500メートルほどの脇道を通り、メインストリートに出ると路面の雪は殆どなくなっていました。恐らくクルマの通行量が多いのと、ちゃんと除雪をしてくれたのでしょう。走っているクルマの中にはノーマルタイヤのものも結構いるようです。
お土産を…と入った手作りハムの店を出たときに、あまりの天気の良さにオープンにすることにしました。
タイヤチェーンを付けたSpiderをオープンで走らせるという、ストイックなのか快楽的なのか良く分からない光景は、きっと周囲のクルマには理解されないだろうと思いながらも、いざ走り出して見ると意外に快適で、街路樹から落ちてくる雪にさえ気をつければこれは病みつきになりそうなドライブです。

しかし、折角苦労して取り付けたチェーンは、雪のない道では30km/h以上はスピードが出せないのと、その振動でとても乗り続けられたものではありません。チェーンをシャリシャリ鳴らしながらオープンでゆっくり走るマヌケさに加えて、チェーンが切れてしまう恐れもあります。本当は脇道に入って那須高原を探検しようと思っていたのですが、脇道には入らないことにして、早々にチェーンを外すことにしました。

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これで安心してオープンドライブを楽しむことができます。
そして、那須高原には行きたい場所がありました。それは那須クラッシックカー博物館という何ともアヤシゲな博物館で、前を通ることがあってもなかなか中に入る機会がなかったところです。ということで続きはまた次回ということにさせてください。

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Spiderでマジメにドライブ2(前編)

新旧に係らずSpiderに乗っていらっしゃる方はご存知だと思うのですが、実はSpiderに最適な季節は冬なのです。
もちろん、春や秋も気持ちの良いドライブが楽しめるのですが、冬晴れのピンと張り詰めた冷気の中、ヒーターを目一杯効かせて楽しむオープンエアドライブは、さながら半身浴のように快適なものなのですが、見ているヒトにはM体質のガマン好きな変人に見えるようで、あまり評判はヨロシクないようです(苦笑)

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最近はアシクルマに成り果ててしまい、あまりちゃんとドライブに連れ出してやれなかった916Spiderですが、ここは一念発起?して少しロングツーリングに連れ出してやることにしました。
実は、私はこう見えて水族館好きで、以前から気になっていた水族館が「アクアマリンふくしま」という福島県小名浜にある水族館でした。

この水族館を知ったきっかけはTVのニュースで、世界で初めて生きて泳いでいるシーラカンスのビデオ撮影に成功した…というものでした。水族館の役割として展示は当然のこととして、飼育技術の向上だけでなく、学術的な研究は必要不可欠だと思うのですが、どうも日本の水族館はこの学術的な研究においてはあまり成果が上がっていないような気がします。(私の知らないだけかも知れませんが)
その点、このアクアマリンふくしまは展示、飼育技術、研究のバランスの取れた水族館で、世界の水族館ベスト5に入る水族館とのことでしたので、是非行ってみようと思ったのですが、ただ行って帰ってくるだけではつまらないので、那須で温泉に・・・という1泊2日のツーリングで出かけることにしました。

東京からのルートは首都高→常磐自動車道(いわき湯本IC)→県道14号線→県道66号線→アクアマリンふくしま到着というもので、時間的には2時間30分程度のドライブです。しかし、最大の問題は天候で、事前の天気予報はなんと雪!とのことでしたので、急遽お世話になっているタイヤ・サービスにお願いしてタイヤチェーンを用意してもらい、アタマの中で20年以上前のチェーン装着の記憶を思い出しながら出発することにしました。アルファ164Q4ではスタッドレスタイヤを履いていましたので、タイヤチェーンを履くのは学生時代のスキー以来です。

出発したのが3連休初日ということもあり、多少の渋滞は覚悟して出たのですが、冬の常磐自動車道はガラガラで、むしろ平日のほうが混んでいると思います。
空いているのは結構なことなのですが、道路収支として考えたときにこの常磐自動車道は確実に赤字でしょう。
天候は曇りで北上するにつれて薄日も射してきました。どうやら雪は杞憂に終わるかも・・・と思いながら、予定通りに昼過ぎには最初の目的地である水族館に到着です。

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天気予報が悪かったのか、この冬場に東京から北国の水族館に来るヒトはいないのか、駐車場のクルマは地元のナンバーが殆どで、東京から、しかもソフトトップのクルマで来るような客は私たちだけでした(苦笑)

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アクアマリンふくしまの基本方針は、展示する魚は自分達で獲ってくるということだそうで、自前の運搬車を持っています。学芸員の方は漁船に乗せてもらい実際に捕獲に行くそうですが、そんなところもこの水族館に好感を持った理由です。
水族館は期待に違わず、素晴らしいものでした。興味のある方は是非訪れていただければと思いますので、詳しい内容は紹介しませんが、圧巻はこの水槽で2階部分からは水面近くを回遊する魚を見ることができ、さらに下からは海底近くを泳ぐ魚に加えて、水面を泳ぐ魚を下から見上げることができます。

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群泳するいわしの大群を下から見上げる機会はそうはないでしょう。

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この水槽を見るだけでも、遠くここまで走ってきた甲斐があると言うものです(笑)
しばし、二人で見とれてしまいましたが、他の水槽にはさりげなく秋刀魚が泳いでいたりします。秋刀魚も飼育が難しい魚で、あまり成功例がないそうです。ただ、他の見学者も口にする感想が、「うわぁ美味しそう…」というのは正しいリアクションではあるのですが、どうしても食べられる魚が泳ぐ水槽が生簀(いけす)に見えてしまうのは日本人の悲しい性なのでしょうか。

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確かに、魚を見ているとお腹が空いたので(笑)、早速港の市場の食堂でお昼を食べることにしました。持論ですが、こういった漁港で一番美味しい・・・だろうという食堂は、ロードサイドの洒落たおみやげ物屋兼食堂よりも、ちょっと汚い(失礼!)地元の漁師さんが通う店であろうと思います。そのセオリーに倣って市場食堂という漁港の食堂に入ってみたのですが、確かにお客さんは一杯で、美味しい昼食にありつくことができました。

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午後になって天気も怪しくなってきたので、小名浜を出発し今晩の宿泊地である那須に向けて出発です。那須へはさすがに一般道だと時間がかかるので、常磐自動車道を北上し、いわきJCTから磐越自動車道を走って郡山経由で東北自動車道を南下するルートにしたのですが、磐越自動車道を走っていると雪が降ってきました。まだ積もるまではいかないのですが、早く那須に着かないと路面が心配です。

那須ICを降りたときには降り始めた雪はだんだん強くなり、ホテルに入る脇道はうっすらと雪が積もり始めています。それでも何とか夏タイヤのままホテルの駐車場に滑り込んだのですが、もう少し到着が遅れていたら、チェーンを履かないとホテルには行けなかったでしょう。

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そもそも、ソフトトップのSpiderでノーマルタイヤのまま2月の那須高原に行くという行為が、無謀と言えば無謀なのでしょう(笑)
ホテルの駐車場係の視線が「やれやれ・・・」と言っているように見えたのは、きっと気のせいではないと思います。

そして一夜明けて、その「やれやれ…」を実感することになったのです。

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見果てぬ夢

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大げさなタイトルですが、アルファ164のミニチュアモデルがやっと発売されました。

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それもオモチャ然としたものではなく、あの定評あるMinichampsの1/43スケールというコレクションの王道スケールでです。
すでにこ~んずさんのブログでも紹介されているのですが、その出来はMinichampsクオリティと呼ばれる素晴らしいものです。

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このMinichampsはPauls Model Art社のブランドなのですが、世界に先駆けて中国で生産を始めたこの会社のミニチュアモデルは、発売された途端にミニチュアカーコレクターのみならず業界に一大センセーションを巻き起こしました。
それは一般的なダイキャストモデルの価格でありながら、ハンドメイドモデルのクォリティを備えていたのです。中国での安い人件費と元来手先が器用な労働力に支えられて、Minichampsブランドは絶大なセールスを記録します。
そして、その結果として従来からの地元生産の零細メーカーは淘汰され、ミニチュアモデルは完全に二極化してしまいました。それは、各社がMinichampsの成功に倣って始めた中国生産による精密なダイキャストモデルと、さらにクオリティを上げた超絶仕上げのハンドメイドモデルです。もはやBBRなどのレジンキットメーカーの完成品でも、ヘタをするとダイキャストモデルに劣る場合もあるのです。

そして、発売されたアルファ164は後期型のSuperボディをモデル化しており、グレードは3.0V6-24Vで、恐らく一番似合うであろうダークブルーメタリックのボディカラーを纏っています。
アルファ164のファンの間では賛否両論あるのがこのSuperと呼ばれるグレードで、前期型のエンリコ・フミア氏のオリジナルデザインを信奉する方からは、ともすれば邪険に扱われてしまっています。

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発表は1993年で、アルファ164のオリジナル発表が1987年ですので、6年後のモデルということになります。変更点の主なものは、衝突安全対策で強化されたボディと、ドア内側のサイドインパクトバーの装備です。外観は腰下のプレートと前後バンパーが新デザインとなっています。内装はすでにFLと呼ばれる過渡的なモデルで変更済だったのですが、インパネのデザインが一新されています。前期型のチョコレートのようなボタンはデザイン的には素晴らしいのですが、デザインしたエンリコ・フミア氏も認めているように、操作性は良好ではありませんでした。通常のタッチボタン(ピアノキータイプ)に変更されたインパネ周辺は、大型化された液晶モニターとともに、随分とフツーになったとも言えますが、まだまだ個性を放っているデザインだと思います。
エンジンはトップグレードでは、V6-SOHCの12Vに加えて、最終的には4カムの24Vが加わり、アルファ・ロメオ伝統のV6エンジンの最終形となりました。
全体的にゴージャスになったSuperはその後5年もの間生産され、1998年に製造が終了しましたが、クルマとして見たときにこのSuperボディもそれはそれで、なかなか秀逸なデザインだと思います。

アルファ・ロメオのフラッグシップモデルとして10年間君臨した?アルファ164なのですが、そのミニチュアモデルは殆ど言って良いほどなく、あまり出来の良くないTOGIの1/23やマイナーなメーカーからのものに留まっていました。それならレジンキットは…と言うと、アレザンやプロバンス・ムラージュなどから発売されてはいましたが、いかんせんその数は少なく、昨今のアルファ・ロメオのミニチュアモデルブームに取り残されていたのがこのアルファ164でした。今回発売されたMinichampsのモデルでようやく陽の目を見たと言えるのですが、こうなると人間の欲は際限がなくなり、前期型のQV(Quadrifoglio)も出して欲しいとか、ノーマルの前期型も出して欲しいとか思ってしまいます。

残念ながらアルファ164のミニチュアモデル化は私にとって見果てぬ夢でしたので、もはや冷静にこのミニチュアモデルの造型を評価できません。なので、ただただ形になっているだけで素晴らしいと思ってしまうのですが、それでも特筆すべきはガラス周りのモールの再現で、最近のMinichampsはこういったディテールの表現とメッキパーツの質感が格段に向上したと思います。
今後はMinichampsの定石で、色変えバージョンやら警察車両などのバリエーションが展開されるのでしょうが、こうなったら「前期ボディ」が発売されることを願って止みません(笑)

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東京の雪

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毎年、一度か二度は東京にも雪が降るのですが、地球温暖化の影響かここ2、3年はそれほど積もることはありませんでしたが、さすがに昨日は都心でも積もってしまいました。
こ~んずさんのように雪国で生活されている方にとって、道路の積雪は当たり前の冬の光景なのかも知れませんが、東京に住んでいると、その雪化粧は日常の景色を一変させてしまいます。もちろんその寒さを別にすれば、都会のゴチャゴチャとした景色は格段に美しく変わり、普段見慣れた町並みが何だか新鮮に見えるのは、唯一雪の良いところかも知れません。

しかし、都心の交通機関にとって雪は大敵で、雪が止んだ今日になっても路面凍結による高速道路の通行規制や、電車のダイヤの乱れやらで混乱が続いているようです。
確かに、写真のような路面になってもスタッドレスタイヤを履いているクルマは稀で、宅配便のトラックなどがチェーンを巻いているのみで、タクシーも殆どがノーマルタイヤで雪道を走行していました。

特に酷いのが大型四駆のドライバーで、都心では良く見かけるポルシェ・カイエンやらレンジローバーなどは、全くスピードを落とす風でもなく、ヘタをするとタクシーを煽って走るようなマナーの悪い運転が目立ちました。
こういった4WDのオーナーは勘違いをしているようなのですが、雪道で一度滑り出したならば、四輪駆動は何の意味もありません。しかしオーナーはどうやら無敵(笑)だと思っているフシがあり、かえって嬉しそうにいつもと同じ速度と車間で運転しています。かくして私のような多少なりとも雪道を知っているドライバーは、車重2tを超える巨体に後ろから追突される恐怖に怯えながら、バックミラーに大きく写る四輪駆動車を見ては肝が縮む思いをするのです。

そして、殆どのドライバーが実行していないのがクルマの屋根の雪下ろしです。クルマの上に積もった雪が走行中に落ちたら、後続車が危険であるばかりでなく、ブレーキを踏んだときにはフロントガラスが一瞬にして、自分のルーフから滑り落ちてきた雪で一杯になってしまうのですが、どうやらそんなことは考えてもいないのでしょう。

駐車場も雪かきをしているヒトは殆ど見かけません。たまに見かけるとホースで水を撒いて雪を溶かしている有様です。その水が翌朝凍って駐車場がスケートリンクのようになるのを想像できないのでしょう。

雪国では当然のこととして守られているこれらの危機管理や他車への配慮が、東京にはありません。私は関西出身で雪国育ちではありませんが、前職の仕事柄から新潟へ出張する機会が多かったため、自然にこういった知識が身に付くようになったのですが、単にマナー違反で済む問題ではなく、「雪国の知恵」の中には、守らないと他人を傷つけてしまうようなものもあるのです。

マスコミも雪が降って転んだヒトばかりを映すのではなく、ちゃんと啓蒙活動もして欲しいものです。

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日本最古の鉄橋

新年の計に書きました新しいコンテンツですが、毎度トラブルネタだのマニアックな変態クルマ(失礼)だののご紹介ばかりではあんまりなので、ちょっと趣向を変えて私自身がクルマで訪ねる、マイナー(メジャー?)なスポットやらレストランやらをご紹介したいと思います。
むしろこちらのほうが正統派のブログネタだと思うのですが、フツーでは面白くないので、できるだけマニアックな視点は保ちたいと思っています。
もちろん不定期の掲載となりますので、次回は…?というご要望はご容赦願いますね(苦笑)

さて、今回取り上げたテーマは「橋」です。最近は「ヲタク」が市民権を得て、以前ならば他人にはなかなか言えないような種類のヲタクが、堂々とテレビなぞに登場して本当にビックリさせてくれます。
先日も「工場マニア」なる集団の存在を始めて知りました。彼ら(彼女ら)はカメラ片手に化学コンビナートなどの配管や蒸留塔が乱立する工場を眺めて歩いているようです。夜景がきれいな工場だの、この場所からの眺めが良い・・・だのとお互いの探してきたスポットを集団で訪ねて廻っているとのことですが、その工場に勤務している社員からすると「…?」だと思います。
また、「団地マニア」なる集団もいるようで、写真集まで出ているとのことですので、どうやらどんなものでも、その筋の方々にかかればヲタクネタとして脚光を浴びることができるのでしょう。

今回、訪ねたのは私が勤務する会社の近くの「八幡堀遊歩道」です。ここは名前の通り、運河を埋め立てて遊歩道にしている場所なのですが、そこに取ってつけたように鉄橋が架かっています。以前から気になっていたのですが、どうやらその鉄橋は由緒正しい鉄橋とのことでしたので、ランチのついでに見に行ってみました。場所は以下の地図を参考にしてください。

八幡堀1

八幡堀2

ご承知のように東京の下町と呼ばれる江東区、墨田区界隈は隅田川から運河が縦横に走り、物流の拠点として栄えたエリアなのですが、最近はどんどん埋め立てられてしまい、その名残も減りつつあります。それでもまだ様々な史跡が残っており、文化財として保存しようとする動きがあるのは好ましいことだと思います。特に明治以降の近代に関して言えば、日本はその保存に熱心ではなく、ともすれば再開発や区画整理などでどんどん潰されてしまっているのが残念です。

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「八幡堀遊歩道」には、さながらコマンド部隊のようにカモフラージュされた猫やらが潜伏していて微笑ましいのですが、この遊歩道には最大の目玉?である鉄橋が架かっています。
鉄橋と言ってもヒトが一人歩けるほどの幅しかない短い橋なのですが、この鉄橋は正式には「元弾正橋」と言います。
一見すると何の変哲もない鉄の橋なのですが、この鉄橋は日本で初めて国内生産の鉄で作られた橋なのです。

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橋の説明パネルの文章を引用してご紹介すると・・・

「八幡橋は、東京市で最初に架けられた鉄橋である。
長さ15.2m、幅2m 単径間アーチ橋の形式をとる。アーチは鋳鉄製で5本の直材をつなぎ、その他の引張材は錬鉄製の鋳錬混合橋である。
もとは京橋区(中央区)の楓川に架けられていたものである。経緯については、「八幡橋新橋来歴」に詳しく記されている。
この橋は明治11年(1878年)、東京府の依頼により工部省赤羽製作所で製造された。はじめは弾正橋と称していたが、大正2年(1913年)の市区改正により新しい弾正橋が架けられたため、元弾正橋と改称された。
さらに、関東大震災後の帝都復興計画により廃橋となり、昭和4年(1929年)、現在地に移設された。冨岡八幡宮の東隣りであるため、名称も八幡橋と改められた。
現存する鉄橋としては最古に属するものであり、また、菊の紋章のある橋としても有名である。
鋳鉄橋から錬鉄橋に至る過渡期の鉄橋として、近代橋梁史上貴重なものであるとともに、独特な構造手法を用いて施工してあり、技術史の上でも価値の高い橋である」
(江東区教育委員会)

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だそうです。とにかく重要文化財である橋を「歩いて」渡れるというのもスゴいことですので、下町散策のついでに立ち寄られてはいかがでしょうか。

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次回はもう少しアシを延ばしてみようと思っていますのでご期待?ください。
いつもは取れただのモゲただのという地獄ネタ(最近はちょっとご無沙汰ですが)ばかりを書いているのですが、それにしてもなんて正統派のブログネタなんでしょう。
出来ればこういったドライブガイドのようなものばかりを書いてみたいものです(苦笑)

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