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走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

アルファ164Q4の真相

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私もその一人だったのですが、このクルマに惚れこんでいるアルファ164Q4のオーナーの方々にお叱りを受けるのを承知で敢えて書きますが…、

「アルファ164Q4は半熟製品であった」

と思います。

そもそもViscomaticはスポーツ4WD向けに開発された当時としては画期的なシステムでした。アルファ・ロメオはアルファ33でパートタイム式の4WDシステムは経験済でしたが、本格的なフルタイム4WDは初めだったため、実績のあるオーストリアのシュタイヤープフ社と共同開発することにしたのです。
Viscomaticはその理屈はあまりに難しいので省きますが、トルク配分をフロントからリアまで自在にアナログで振り分けることができるシステムでした。また、その制御はメカニカル制御ではなく、コンピュータによって行われていたために、センサー技術の進歩により、より精密に制御することができ、またコンピュータプログラミングにより様々な設定が可能という、今後の様々なモデルに対応するシステムであったと言えます。

そして個人的な感覚値で言えば、このViscomaticシステムが受け止めることのできるパワーには相当余力があっただろうと思っているのです。
おそらく、設計時に想定していたパワーはMaxで300hp程度ではなかったでしょうか。
理由は、アルファ164Q4に搭載された230hpのV6エンジンでサーキット走行を含めて20万キロ走行しても、Viscomaticそのものはナニゴトもなかったからに他なりません。これは通常で考えると過剰品質とも思える耐久性です。もちろん仮にViscomaticシステムが逝ってしまうとその部品代合計は250万円!とあり得ない金額になってしまうのですが…(苦笑)

アルファ・ロメオが当初Viscomaticを開発した際には、今後のハイパフォーマンスモデルに搭載することを考えていたのでしょうから、その想定パワーが高かったことは当然だと言えるでしょう。ですので、アルファ164Q4では「必要充分以上」の贅沢なシステムだったと考えます。

本来であれば、このようなシステムを載せる場合は最初からシャーシーを含めて最適化した設計を行うものです。同時代に開発されたR32のスカイラインも当初から4WDシステム搭載を見込んで設計されていたと思います。なぜならプレス金型を使用して製造するシャーシー製造においては、その形状を変えるということは、殆ど新設計することを意味するのです。

それでも新モデルを開発できなかったアルファ・ロメオは「仕方なく」アルファ164を改造するしかなかったのでしょう。価格を含めてアルファ・ロメオの当時のラインアップの中ではアルファ164しか、Viscomaticを搭載して「売れる」モデルはなかったのです。従ってエンジンもV6の3Lが限界でした。どんなにチューニングしても、当時の制御技術では230hpはその実用性を考えると限界で、ノーマルのアルファ164からの重量増に対しては明らかにパワー不足でした。仕方なく、アルファ・ロメオは更なる重量増を招くにも係らず、クロスレシオのギア比としたゲトラグ製の6速MTを搭載し、ドライバーに極力そのパワー不足を感じさせないようにしたのでしょう。すなわち、アルファ164Q4で絶賛されたシステムは、対処療法の泥縄式選択の結果であったと言えるのです。

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そしてその対処療法もコストの問題から中途半端に終わってしまいます。その速くなった重い車体を止めるブレーキシステムの改良までは手が回らなかったのです。かろうじてリアブレーキを他のアルファ164と異なりベンチレーテッドにしたのみで、キャリパーの性能そのものは全く他のアルファ164と変わらなかったのですから、ノーマルのアルファ164でも「止まらない」と言われたブレーキは、アルファ164Q4では更に「止まらない」ブレーキとなってしまいました。どれだけ4WDにより安定した走行性能を実現しても、「止まらない」クルマは安心してトバすことはできません。

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Viscomaticの悲劇は、このシステムを前提に最適化設計をされたシャーシーに搭載されなかったことだと思います。アルファ164Q4に乗ってみて感じたのは、このViscomaticはそれほどポテンシャルを秘めたシステムであったということなのです。

アルファ164Q4の日常域での濃厚な乗り味は、この過剰品質に支えられていると言えます。そして限界領域で見え隠れするトリッキーなトルク変動は、アルファ164のサスペンスションの限界が低いことから来る、センシングシグナルの問題ではないかと思います。
繰り返しになりますが、もしViscomatic搭載を前提に最初からシャーシーを設計し、サスペンスション、ブレーキを新規に設計していたならば、限界領域ででも濃厚な乗り味が続く、素晴らしいスポーツモデルが出来上がっていたでしょう。

誤解して欲しくはないのですが、私はアルファ164Q4が中途半端なダメクルマだと言っているのではありません。Viscomaticを得たことにより、常用域での弱アンダーステアを維持してコーナーを曲がっていく感覚。特に高速道路での緩い下りのコーナーをハーフスロットルで駆け下りて行くときに感じるあの安定した独特の感覚は忘れられません。
Viscomaticはアルファ164を最高級のスポーティサルーンに変身させました。もし1台しかクルマを持てないとしたら、アルファ164Q4は現在でも最良の1台と言えます。

私にとってアルファ164Q4はアルファ・ロメオのチャレンジ精神が詰まった「最後の」アルファ・ロメオでした。それはアルファ・ロメオ伝統のドライブフィールを再現するために新しいチャレンジを行い、最後の意地で世に出した、当にアルファ・ロメオの魂だったと思います。

次回は8年間所有して感じたアルファ164Q4のメンテナンスに関するポイントについてオハナシしたいと思います。

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アルファ164Q4の総括

アルファ164Q4と別れてから4ヶ月が経とうとしています。
そしてようやく、私が所有した8年間は、殆ど毎日と言って良いほど一緒に過ごしたこのクルマに関して、少し冷静に考察できるようになって来ました。
今回は私なりに理解したアルファ164Q4というクルマについて書いてみたいと思います。

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ちょうど日本ではバブル期に発売されたアルファ164は、イタリア車好きだけでなく、メルセデス・ベンツやBMWという「当たり前」の選択に厭きた購買層までも巻き込み、その500万以上という価格にもかかわらず、結構な台数が販売されました。しかし、最近では殆ど街中で見かけることはなくなってしまい、オーナーズクラブでは当たり前の(笑)、アルファ164もALFA ROMEO DAYなどのイベントですら珍しがられてしまうのが現状です。

特にQV(Quadrifoglio)やQ4などという稀少車に至ってはまず日常で出会うことはありません。ところが、これらの稀少車はオーナーズクラブでは当たり前?で、現在クラブで登録されているQVはナンと40台!にも達し、Q4ですら16台が登録されているのです。クラブメンバーは100人ですので、半数以上のオーナーがQVもしくはQ4を所有していることになります。
もちろん、これは稀少車ゆえにオーナーに大切にされていることの証であるのですが、一方でこれらのモデルが大切にするに値する魅力を持っているためでもあります。

では、私が人生の中で一番長く所有し、もちろん一番走行距離を重ねたアルファ164Q4とはどんなクルマだったのか…というオハナシをしたいと思います。

そもそもアルファ164Q4とは1994年に追加されたアルファ164の一グレードであったのですが、その構造はとても同一モデルとは呼べない代物でした。
1991年のジュネーブ・ショーで発表されたアルファ・ロメオのコンセプトモデルであった「プロテオ」に搭載された全く新しい4WDシステム"Viscomatic"を搭載したモデルとして発表されたQ4は、むしろこのViscomaticを搭載するために設計されたと言っても良いほどの改造が加えられていました。
すなわち、アルファ・ロメオはこのViscomaticを世に出すためであれば、そのプラットフォームはアルファ164である必要はなかったのではないかと思うのです。

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本来ならばプロテオそのものの市販化が前提で、親会社のFIATが4WDシステムはLANCIAと共有するという判断をしたために、それが叶わなかったからこそ、アルファ・ロメオは発表から7年が経過し、初期の好調だったセールスが一段落した、どちらかと言うとモデル末期のアルファ164を大改造してまでも、このQ4を無理やり発表したのだと思います。
もし、新型車としてプロテオがこのViscomaticを搭載して発表されていれば、その後のアルファ・ロメオの上級車種(グレード)は、そのハイパフォーマンスエンジンのパワーを受け止める器としてこのViscomaticが標準となったと思われます。またそれは、当時のアルファ・ロメオが考えていたスポーツモデルは4WD…という方針にも合致していました。

そもそも、この考え方は当時のアウディ・クワトロの活躍が影響していたと思われます。アルファ・ロメオのエンジニア達は自分達の考えるハイパフォーマンスモデルはFF形式ではムリだと考えていたのでしょう。かと言ってFIAT傘下に組み入れられた以上、今後は独自でシャーシー開発はできそうにありません。だとすると、少しでもFRに近いアルファ・ロメオらしい走行フィールを追求すると、それが行き着く先は、FFをベースにしたスポーツ4WDしかなかったのだと思います。

かくして、日産1台が限界で、作れば作るほど赤字だったと言われるアルファ164Q4は世に出ることとなりました。そして、そのパフォーマンスと走行フィールは絶賛されたのですが、このViscomaticはこのモデル限りでそれ以降のモデルに搭載されることはなかったのはご存知の通りです。
そして、それはアルファ・ロメオのエンジニア達も分かっていたことであり、むしろ最初からこのモデルのみ…という覚悟で設計したのではないかと思います。そう考えるとこのアルファ164Q4の量産を前提としていない細部の設計も理解できます。

それでは私が考えるアルファ164Q4のドライブフィールは?というオハナシはまた次回にさせていただきたいと思います。

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ALFA ROMEO Sport Collection 59

本日ご紹介するのは1900シリーズの白眉と言える1900SSZ(Super Sprint Zagato)です。

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1950年に発表された1900Berlinaの成功が戦後のアルファ・ロメオの大転換のきっかけになったことは以前の1900Berlinaのご紹介の際に書いたとおりなのですが、アルファ・ロメオは戦前の少量生産の高級車メーカーとしてのイメージをどうやって守るかも考えていたのだと思います。
確かに、Berlinaのスタイリングは凡庸であり、特にアルファ・ロメオであることを主張してはいませんでした。しかしながらそのメカニズムは明らかにライバルのセダンを凌駕しており、そのDOHCエンジンによる走行性能は、「羊の皮を被った狼」と言えるものでした。

従って、その走行性能に見合った本来の姿であるクーペボディをSprintとして発表することは必然であったのではないでしょうか。
ところが、Sprintを買う顧客層は激減しており、採算を取ろうと思えば価格が高くなってしまい、一方でイメージリーダーとして採算を度外視すれば経営を圧迫するという厳しい環境の中にあって、Sprintを発表する最大の理由は、アルファ・ロメオは例えどんな環境にあってもアルファ・ロメオであり続けることを顧客にアピールする必要があったことに他なりません。

かくして、アルファ・ロメオはその1900Berlinaのシャーシーを利用して、各カロッツェリアにボデイ製作を依頼します。製作したカロッツェリアは、トゥーリングを始めとし、ピニンファリーナ、ベルトーネ、ギア、スタビリメンティ・ファリーナに加えてザガートといった面々で、その中でも、ザガートが製作したこのSSZ(Super Sprint Zagato)はそのスタイリングの美しさから1900SSの中でも最高傑作と言われています。

Sprintはberlinaのホイールベースを2500mmに短縮し、エンジンをツインキャブに換装したために、Berlinaから10hpアップした100hpとなり、車体重量が100kg軽くなったために最高速度は180km/hを達成していました。この性能は当時の基準から考えると素晴らしいもので、Sprintのボディデザインと相まって、ようやく性能に見合った外観を手に入れたと言えます。
そして、1953年にはエンジン関係の小変更が実施され、排気量UPとともに出力を115hpとし、車名をSuper Sprint(SS)と変えて発売されました。

結果、1900シリーズの販売はBerlinaが17244台、Sprint系が1803台という大ヒットとなったのですが、特筆すべきはSprintの販売台数で、Berlinaの10%の台数は大善戦と言えると思います。
その中でもこのSSZは、SSの中でも一番多くのレースに出場したモデルなのですが、個人的にはそのスタイルは流麗すぎてあまりレースには馴染まないと思います。

付属するミニチュアモデルは1955年のミッレ・ミリアに出場したものですが、ツートーンに塗り分けられたボディカラーはその流麗さを強調しており、さらにレースカーらしくなくなっていると思いますが、いかがでしょうか?

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お漏らし地獄リターンズ

公私共に多忙の上、風邪を引いてしまい更新が思うに任せませんでした。毎日ご訪問くださって、「まだ更新してないな…」とがっかりさせてしまった皆さんには本当に申し訳ありませんでした。
さて、更新していないということはナニゴトもなかったのかと言うと実はそんなことはなく、久しぶりにちょっとした地獄を味わっていました。

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それは予兆がなかったのではなく、完全に予測できた事態でした。クーラントの減りが早くなり、駐車場の下に染みができていたのですが、私が真っ先に疑ったのはホース類の接合部でした。
ホースは常日頃から定期的に摘んで点検していましたし、硬化による変形もチェックしていました。それでも漏れるということはロアホースの接合部か、考えたくはありませんがラジエーターの腐食が考えられましたので、早速、主治医に持ち込んでチェックしてもらいました。
すると案の定、一番嫌なラジエーターの腐食が見つかってしまったのです。いくら初期化をしてナニゴトもなく使い倒していたとしても、考えてみれば10年選手のクルマですから、ラジエーターの寿命というのは全くもって自然なことです。

ところが気休めでブチ込んで見た漏れ止め剤が効いたのか、一旦は漏れが止まってしまいましたので、暫くはこれで…と安心したのがいけませんでした。
すっかり忘れて、調子に乗ってエンジンをブン回して朝の首都高を走っていると、周囲のドライバーが私を振り返って見ています。

「おおっ!そんなにSpiderは格好良いのかぁ~。それともオレが格好良いのかぁ~」

なんておバカなコトを考えていると、いきなりボンネットから白煙が上がり、水温計の針が見る間に右に動いて行きます。

どうやらラジエーターから盛大にクーラントを漏らしながら走っていたのを皆が見ていたようです(泣)
しかし、渋滞が始まった首都高の上ですからそう簡単に路肩に止めるわけにも行きません。幸いなことに走っていると何とか水温は安定していますので、これ以上渋滞に捕まらないことを祈りながら、だましだまし会社まで走ることにしました。
ところが首都高を降りた途端にスピードが落ちたために、水温はイッキに上がり始め、バックミラーで後方を見るとクーラントの帯を路面に曳いています。
ギリギリセーフで事務所に滑り込み、ボンネットを開けて見ると見事にリザーバータンクは空っぽになり、先日見つけたラジエーターの腐食部分から最後のクーラントが滴り落ちて、Spiderはついに果ててしまいました。

こうなると自走は不可能ですし、その日は主治医のクイック・トレーディングは定休日でした。藁をも掴む思いで、ALFA・DEPOTの坂野社長に電話をしてみると、有難いことに早速ローダーで救出に来てくれました。
さて、アシはどうしようか…と考えていると、これまた有難いことに彼女がSpiderで事務所まで迎えに来てくれることとなりました。

こうして皆さんのお陰で、2日後には新調したラジエーターで復活したSpiderは、またナニゴトもなく通勤のアシとして走ってくれているのですが、アルファ164Q4と離れて暫くナニゴトもないクルマに乗っていたお陰でどうやらカンが鈍ってしまったようです。
もう一度、気を引き締めてSpiderと向き合わなければなりません。

やはりアルファ・ロメオはアルファ・ロメオです…。

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ALFA ROMEO Sport Collection 58

本日ご紹介するのは56番目でご紹介した1900Berlinaに続く、Giulietta Berlina T.I.です。

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1900シリーズがアルファ・ロメオの戦後の量産車メーカーへの大転換を成し遂げたモデルであったのですが、このGiulietta Berlinaはその成功を不動のものにしたモデルであるということが言えます。
アルファ・ロメオはこのGiuliettaシリーズを販売戦略を立てて発売したと思われます。それは、最初に量販がそれほど見込めない、Giulietta Sprintを発表したことから窺えます。
1954年のトリノショーで発表されたこのGiulietta Sprintは1300ccという小排気量ながら、先代の1900シリーズに遜色ない性能を備えており、一方で価格は1900シリーズの2/3という、アルファ・ロメオファンにとっては夢のようなモデルでした。

そして、ベルトーネのデザインした流麗なボディと相まってSprintとしては異例な販売数でスタートします。そしてそのインパクトが浸透したときを見計らって、翌年の1955年にいよいよ本命のBerlinaが発表されたのです。
販売戦略として、先にスポーツモデルを発表し、「その流れを汲むセダン」としてスポーツセダンを発表するやり方は、その後も各社の販売戦略として採用されますが、全てがうまく行ったとは限らないのは面白いことだと思います。
アルファ・ロメオというメーカーの持つスポーティ・イメージが根底にあったからこそ成り立った成功だったのではないでしょうか。

結果としてSprintの5倍もの販売実績を上げた、「本命の」Berlinaでしたが、そのデザインはSprintやSpiderと異なり社内デザインによるもので、どちらかと言うとコンベンショナルなものでした。1900Berlinaの流れを踏襲したそのデザインは、当時の他社のセダンと比べてもそれほど個性的ではなく、デザインとしては凡庸であったと言えます。しかし、その真価はアルファ・ロメオであることで、それはすなわちスポーツ・セダンであることなのです。初期のGiulietta Berlinaは53hp/5500rpmを発揮するDOHCエンジンを搭載しており、ライバルのセダンに比べても充分以上のパフォーマンスを発揮していました。
これこそ、アルファ・ロメオのBerlinaの最大の特徴で、そのバックミラーに映るおとなしい外見から侮っていると、その姿は見る間に大きくなり、気が付けば抜き去られてしまった他社のスポーツクーペに乗るドライバーは数多かったでしょう。

さて、1900Berlinaと同様にGiulietta BerlinaもパフォーマンスUPを望む声に応えて、1957年にT.I.が発売されます。Berlinaでありながら、それがアルファ・ロメオであるが故に、多少の扱いにくさは我慢しても、その能力UPを望むユーザーは多いのです。T.I.は初期のSprintと同じチューンのエンジンを搭載し、65hp/6100rpmから最高速度155km/hを発揮し、当時のハイパフォーマンスカーの基準であった100マイルカー(160km/h)に肉迫します。
Giulietta BerlinaもSprintと同様に初期型を750系、後期型を101系と呼ぶのですが、初期型のグリルはSprintと同様にシンプルなものであったのですが、後期型のグリルはメッキがパネルが細かくなりゴージャスになって行きます。またサイドマーカーも単なる丸いライトからメッキバーと組み合わされ装飾的なものに変更されています。

付属するミニチュアモデルはGiuliettaの中での最後期の101系T.I.をモデル化しており、1962年のモンテカルロ・ラリーに出場したものです。
まだ、当時のラリーは一般市販車によって争われていた時代で、ラリーコースを駆け抜ける様は、見物するものにとっても自らのクルマでチャレンジしたくなる光景だったでしょう。

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ALFA ROMEO Sport Collection 57

一体いつまで続くのか…とコレクターを恐怖のドン底に陥れていた(笑)このコレクションもどうやら80台で打ち止めとなるようです。
80台のラインアップを見ていると、まだ「何でアレがないんだ…」と思う車種もありますので、このアルファ・ロメオというクルマはまだまだ奥深いものが残されています。
しかし、このようなシリーズがなければ、同じクオリティのミニチュアモデルでこれらの80台を揃えることは不可能に近いので、このコレクションはそれだけでも価値があると思います。
最終的には、皆さんにも見ていただけるようにどこかに展示できればと思っていますので、その際には是非直接見てアルファ・ロメオの歴史を感じていただければと思っています。

さて、本日ご紹介するのはGiulia TZなのですが、これは以前にご紹介済みの車種で、今回はその色替えでの再登場です。

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簡単に成り立ちをおさらいしておきますと、1962年のトリノ・ショーで発表されたこのTZ(Tuborale Zagato)は、それまでのSZと異なり完全にレーシングユースのための斬新な設計が盛り込まれたモデルでした。
SZと同じZagatoのデザインによるボディを纏っており、一見するとSZ2と呼ばれたSZのスタディモデルに外見は似ていましたが、その構成は全く異なるものでした。鋼管スペースフレームと呼ばれる細い鋼管を組み合わせたボディの構造はその製造コストは別にして、車体の軽量化のためのもので、アルミ製のボデイパネルと相まって、結果660kgという車重を達成していました。

これだけでも斬新なのに、更にそのボディ形状はZagato得意の航空機力学の応用により、空気抵抗を減少させるためにコーダ・トロンカと呼ばれるリアエンドを切り落とした形状とされていました。またSZ2などのモデルでの経験から、そのリアエンドはリップ状に跳ね上げられており、単に空気抵抗を減ずるだけでなく、ダウンフォースをも発生させていたと言われています。このヘンのことは後には理論的に解明されるのですが、当時はそんな理論はなく、経験的な手法で選択されるしかなかった時代です。すなわちチャレンジしたものだけが得ることが出来る偶然による産物だったと言えるのです。

メカニズムもSZから進化し、ブレーキはそれまでのドラム式から4輪ディスクブレーキとなり、リアサスペンスションもリジットアクスルからダブル・ウイッシュボーンへと変更されました。
またエンジンも2基のウェーバー45DCOEへと拡大され、9.7:1の圧縮比から112hp/6500rpmの最高出力を発揮させることに成功しました。
クルマを速くする王道の要素である、軽量化と高出力化に加えて優れた空力特性とハンドリングに寄与するサスペンスションシステムに加えてストッピングパワーまでも増したのですから、TZはこの1600ccクラスでは無敵のクルマとなりました。

加えて、特筆すべきはその生産台数で、製造開始の1963年から1967年の4年間で112台ものTZが生産されたのです。
たった112台?と思われるかもしれませんが、鋼管スペースフレームという、金型を使ってプレス機で量産できない、一台一台が手造りに近い構造のクルマが112台も量産されたということは驚くべきことで、その手間(コスト)は計り知れなかっただろうと思います。それでもこれだけの数が量産されたのは当然、買った顧客がいるからで、その顧客のほとんどがその高性能に惚れこみ、サーキットユースを前提とした…言い換えれば乗り心地は後回しのクルマを喜んで高額で購入したことを意味するのです。

アルファ・ロメオが最もアルファ・ロメオであった一つの時代であっただろうと思います。

付属するミニチュアモデルはその顧客のプライベーターが1967年のムジェロに出場したモデルです。

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Ferrari Museum of Art

あまりにも有名な御殿場のFerrari Museum of Artに行って来ました。その昔、フェラーリ博物館とポルシェ博物館に加えてスポーツカー博物館と3箇所に分かれていた松田コレクションですが、現在はこの御殿場と都内の西麻布の2箇所に分かれているようです。
建物を含めたこの環境は、私たちのようなクルマ好きが夢見る究極のガレージ・ライフと言える場所で、大好きなクルマとそれにまつわるコレクションに囲まれて過ごしたい…という夢を叶えてくれる環境です。

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混む前に…と開館直後に到着したのですが、往路は天気は悪くオープンには出来ませんでした。しかし、半日過ごした後はご覧の通り箱根近辺は雲がなくなり、素晴らしい天気となり、オープンエアドライビングが楽しめました。夕方に都内に戻ったらまだ雨が降っていましたので、都内を脱出して正解だったようです。

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館内に入るとそこは「オトナのオモチャ箱」です。誤解を恐れずに言うならば、ここは見るヒトの知識レベルによって全く違った印象を持つ場所だと思います。こういった趣味の世界の造詣が深いヒトほど、その「お宝」の価値を理解することができるのです。訪れる際は自分で勉強するか、ヲタクのガイドと一緒に行くことをオススメします(苦笑)

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その理由は「玉石混交」で、実車に加えて時計、ポスター、オブジェ、ミニチュアカーなどがとても整然とは言えない状態で展示されており、うっかりするとスゴイ「お宝」を見逃してしまうからなのです。
例えば、ブラーゴのミニチュアカーと一緒にハンドメイドの高価なミニチュアモデルが展示してあったり、ポスターか…と思って通り過ぎようとすると、そこにはシューマッハーのサインがあったりするのです。
どうやら、オーナーの松田さんの思い入れを基準に展示されているこれらの展示物を見ていると、それが高価であるからとか、価値があるからとかで選ばれた品々ではなく、単なるクルマ好きのヲタク(失礼)の大スケール版と言ったほうが適当だと思います。
ヨーロッパにはこのような個人の博物館(美術館)が多く存在し、それらはやはりオーナーの思い入れを基準に展示されていますので、松田オーナーもかねてよりそんな博物館に憧れを持っていたのかも知れません。

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私は、展示車もさることながらこれらの「小ネタ」に釘付けになってしまいました。
それらの見落としてしまいそうな「お宝」解説をしようかとも思いましたが、それは訪れる楽しみを奪ってしまうことになりますので、是非機会があれば実際に訪れてみてはいかがでしょうか。

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ALFA ROMEO Sport Collection 56

本日ご紹介するのは、待望の?1900T.I.で、この1900の成功がなければ、現在のアルファ・ロメオはなかったと言っていいモデルです。

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1943年の2月、8月、10月と三度に亙り連合軍の爆撃を受けたポルテロにあったアルファ・ロメオの工場は、完全に廃墟となってしまいました。
戦争が終わり、何とか復興をなしとげたポルテロの工場は航空機や船舶用のエンジン工場として稼動を始め、自動車生産を再開したときも、戦前の6Cシリーズを中心としたモデルを製造するしかありませんでした。
ところが、戦後になって自動車を購入する階層は大きく変貌を遂げていたのです。それまでの富裕層は戦争によって疲弊し、マーケットは一気に縮小してしまっていました。
一方で、生活のための自動車はトラックを始めとして圧倒的に不足しており、自動車は大衆のためのものとしての可能性が大きくなってきていました。その答えがフォルクスワーゲンのビートルであったりシトロエンの2CVであり、FIAT500であったのですが、その底辺を支える小型車の上級モデルを必要とする新中産階級と言われる購買層も確実に増えてきていたのです。

アルファ・ロメオはそれまでのカスタムメイドの高級車路線からこの中産階級に向けた量産車メーカーとして転進することにし、新たなモデルを開発します。1950年のパリ・サロンとロンドン・ショーでお目見えしたこの新しいアルファ・ロメオはセンセーショナルなものだったろうと思います。現代の基準で言えば、ちょうどロールス・ロイスが2000ccクラスのセダンを300万円台で発表したようなものだと言えば、お分かりいただけるでしょうか。確かに当時のアルファ・ロメオはそれほどのメーカーであったのです。

アルファ・ロメオは量産効果とコスト低減のために新しいチャレンジを強いられました。初のモノコックボディに加えて、ダブルウイッシュボーンのサスペンスションもDOHCエンジンも厳しいコスト制限の中で選択されました。アルファ・ロメオは新しい購買層がアルファ・ロメオに何を求めているのかを分かっており、もしこの新しいモデルが彼らを失望させてしまうようなことがあれば、二度と自動車メーカーとしては復興できないことを覚悟していました。

こうして発表された1900Berlinaは90hpを発揮するDOHCエンジンを搭載し、車重1100kgから最高速度150km/hのスポーツセダンとして好評をもってマーケットに受け入れられます。
アルファ・ロメオはその高性能のブランドイメージを、見事に量産車に転換することに成功したのです。
それでもアルファ・ロメオは安心しませんでした。翌1951年に発表されたクーペバージョンのSprintにはこのエンジンをさらにチューンした100hpのエンジンを搭載し、そのエンジンをまたBerlinaにも搭載し、T.I.(Touring International)として発表したのです。
この開発パターンはその後のGiulietta、Giuliaにも踏襲され、現代に至るまで購入者を悩ませることになるのです。

付属するミニチュアモデルは1954年のミレ・ミリアに出場したモデルですが、そのマルーンというシックなボディカラーがおおよそレースには似合いません。
しかし、レースカーとしてはともかく、当時からアルファ・ロメオのBerlinaはシックな色調がよく似合うと思います。

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先日の「アルファ164生誕20周年記念パーティ」でのエンリコ・フミアさんのプレゼンテーションにこの1900も登場しました。彼はアルファ164のフロントグリルのデザインモチーフとしてこの1900のマスクを使用したそうです。確かに、センターの盾の左右に同形のエアスクープを配したところは、アルファ164のボンネット下のエアスクープにも受け継がれています。

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アルファ・ロメオがその盾のグリルとエンブレムを受け継ぐだけでなく、そのデザインもモチーフとして次世代のモデルに引き継がれている好例だと思います。

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365本目のブログ

今日のこのブログ記事でちょうど365本目となります。毎日の更新の積み重ねによる通過点とは言え、感慨深いものがあります。
そもそも書き始めたきっかけは、当時のブログを管理している企画会社の事業撤退でした。ブログも閉鎖されるということでしたので、折角書き溜めた過去の記録を一旦避難させようと書き始めたのが始まりでした。
従って最初は、単に文章をコピーして写真をリサイズして…という作業のみだったのですが、コピーしているうちについつい文章をリライトしたり、構成を変えたりし始めてしまいました。
元来、文章を書くのが好きなので、いざ過去の自分の文章と向き合うと、気に入らないところがどんどん出て来てしまうのです。
そして、コピーしているウチに追加で文章を書きたくなってしまいました。思えば、ここで止めておけば良かったのですが、気がつくと毎日更新するようになっていました。過去のブログのコピーなぞ半月で底をつきました。こうなると新ネタを書くしかありません。

毎日ブログを書くことに決めた私には、それでも当初からこのブログというものに対してちょっとした偏見がありました。
日記なんて極めてパーソナルなものをネットで世界中に晒す?ことに対する抵抗感と、それを嬉々として書く人たちの自己顕示欲?に対する嫌悪感です。しかし、実際に書き始めてみて気づいたのですが、毎日一つのテーマで文章を書くという作業が、意外なことに脳を活性化させ、ストレスを解消してくれるのです。そして読んでくれている方がいることが励みになり、過去に日記なぞ1ヵ月と続いたことのない私が、こうして1年間書き続けることができたのですから面白いものです。
このブログを読んでいただいている方の中には、私のような「ブログなんて…」という偏見をお持ちの方はいらっしゃらないとは思いますが、自分にはムリと思っている方も、是非書き始めてみることをオススメします。

さて、毎日書こうと決めた私には、ブログに対する自分なりの考え方がありました。それは、「ちゃんと読んでもらえるもの」を書くことでした。そもそも自己満足のために書く日記ですから、それが読み難かろうと、面白くなかろうと知ったことではないのですが、私はエラソーにブログに新風を…なぞと考えてしまったのです。それは多重連載というスタイルで、幾つかのテーマを並行して書き続けることにより、新聞小説のような毎日同じ話が続いていくのではなく、違ったテーマのシリーズが入れ替わりでUPされるというコンセプトでした。そしてなるべく一話完結にしようと思ったのですが、おかげで文章量がブログとしては異様に増えてしまいました(苦笑)。

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そうして最初に新ネタとして書き始めたのが「地獄クルマを訪ねて」というシリーズでした。このシリーズの最初の構想は、雑誌に出てくるようなクルマ紹介ではなく、オーナーがいるクルマをオーナーの思い入れを想像して書くというものでした。実は、地獄クルマで取り上げさせていただいたクルマ達のオーナーの方を私は存じ上げてはいないのです。ですので、数あるクルマの中からこのクルマに乗るオーナーは、何故そうまでして維持するのか…と想像しながら書くことが、そのクルマの魅力を皆さんにお伝えすることになるのではないかと考えたのです。
このシリーズはこれからも続けたいとは思っているのですが、もっとオーナーに近づいて見たいという思いもありますので、今後はオーナーインタビューなんてのも面白いかも知れません。

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自分のクルマのメンテナンス日記は当然、皆さんの興味を惹いたことと思いますが、ちょうどコレクションを始めた「ALFA ROMEO Sport Collection」シリーズでミニチュアモデルをご紹介しようと思ったのは、決してミニチュアモデルを紹介したかったのではなく、このシリーズを通じてアルファ・ロメオというメーカーがどんな風にクルマを作って来たかをお伝えしたかったからなのです。ですので、記事の殆どは実車の説明と、その時代背景に費やしてしまうこととなりました。
実車について書くためには下調べをしなければならず、その過程で私自身が随分と勉強させていただきました。
また、ミニチュアモデルに関しては必ずしも精密なものが良いのではなく、味わいも含めてその「造型の妙」をお伝えしたつもりです。

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また、エンリコ・フミアさんとの親交から書かせていただいた彼によるデザイン論の聞きかじり(笑)も、クルマのデザインとは…というテーマでは皆さんのみならず、私自身にとってもとても興味深いものとなりました。
デザイナーのざっくばらんなハナシを直接聞く機会は少ないと思いますので、ブログネタとして意識しながらフミアさんとハナシをすることにより、随分興味深いハナシを聞き出すことができました。ただ、その全てを書けないのが残念ではありますが…(謎)

この他にも幾つかの連載を並行して書いてきましたが、1年を機に右枠のカテゴリーを細分化し、バックナンバーとして過去ログを見やすくして行こうと思っていますので、改めてお読みいただければと思っています。
このように雑誌のような編集方針で書かれたブログは珍しいのではないかと思います。編集長とカメラマンとライターを一人で兼ねるという作業は結構な仕事量ではありますが、365本のブログは、私にとっても記録として貴重なものとなっています。
これからも毎日更新はムリにしても、密度の濃い?記事を書いて行こうと思っています。また連載の新シリーズも現在企画中ですのでご期待?ください。
今後とも応援よろしくお願いします。

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正解発表!

思ったより難しかったのか(笑)、常連の皆さんが続々リタイアする中で行われたアクセス50,000のイベントでしたが、そのクイズの正解を発表したいと思います。

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実は50,000アクセスを達成したのが、私のPCの時計で11月10日の14:49でした。そして正解を送っていただいた初めての方の受信時間はナンと14:56だったのです。
ということは、問題の写真を見ただけで何も調べず、迷いもなくスラスラと解答を書かれた…ということになります。
これは驚くべきことで、日頃の研鑽?のタマモノと言えるでしょう。

まず①番ですが、AlfaRomeo Giulietta Spiderです。密かにワナを仕掛けたのですが、誰も引っかかってくれませんでした。そのワナとはボンネットのエアスクープだったのですが、その部分をわざと隠して、もしかしたらGiulia Spider?と悩ませようと思ったのですが…失敗でした。

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②番は本当はサービスカットでした。特徴のあるリアのエアスクープとダブルバブルと呼ばれたルーフの二つのコブからFiat Abarth 750だとスグに分かるはずです。

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③番も素直に答えれば、すぐにAlfaRomeo Giulietta Sprint Zagatoだと分かるハズです。ひねくれた方だと、ひょっとしたらSprint Veloce Zagato?と疑ったかも知れませんが、そんなレア車の写真は持ってません(苦笑)

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④番は皆さん苦戦していました。正解はLancia Flaminia Sport Zagatoでした。特徴のあるフロントライト周りから分かるかな…と思いましたが、カルトな方ほど迷ってしまったようです(笑)

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最後の⑤番はイタリア車好きの皆さんへの挑戦で、正解はLister Jaguarでした。悔しいことに正解された方は、Lister Jaguar Knobbly 1958と完璧に答えられてしまいました。

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ということで、正解者はkobuさんでした。大変失礼ながら、私はkobuさんがこれほどまでのクルマ好きとは思いませんでした。私なんか足元にも及ばない立派なヲタクですっ!

kobuさんのためにココロを込めて記念品を作りたいと思います(苦笑)

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Access 50,000

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近づくにつれて皆さんの息遣いが聞こえてきそうなほど、産みの苦しみ?のゆっくりとしたカウント運びとなりましたが、おかげさまで50,000アクセスを達成しました。
それにしてもこんなに多くの皆さんに読んでいただけるとは思ってもいませんでしたので、本当に感激しています。
改めてありがとうございました。

キリ番の度に何とかお礼を…と思い、様々な企画で皆さんにアワードを差し上げていますが、その企画も当初からエスカレートし、40,000アクセスの際にはついにクイズと一緒に楽しんで?いただくようになってしまいました。
そして今回も前回と同様にクイズを出題しますが、キリ番でアクセスされていなくてもご覧いただいている皆さんにチャンスがありますので、どうぞ奮ってご応募をお待ちしております。

さて、今回の問題ですが…月並みですが車種名クイズとしました。以下の写真の車種名をメールで私までお送りください。当たり前ですが、コメント欄に書き込んでは他の方に見えてしまいますからダメですよ(笑)
車種名は正式なものでなくても構いませんが、写真の車種が特定できなければ不正解とさせていただきます。例えば…AlfaRomeo Giuliaではダメで、Giulia Sprint 1750GTVと書いていただければ大正解で、少なくとも1750GTVと書いていないと不正解ということです。

正解された方の中で、一番早く送っていただいた方を当選とし、11月7日のブログでご紹介したように、"LANCIA MARTINI STORY"と題した、ミニチュアモデルのディスプレイを差し上げたいと思います。完成まで暫くお時間をいただくことと、着払い送料をご負担いただくことをご了承ください。

メールの送り先は…、

510190@alfa164.com

です。
では問題ですが、難しいでしょうか…(笑)

①これは簡単ですね

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②名前をきちんと答えてくださいね

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③これも中休みといったところでしょうか

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④難問でしょ?

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⑤これは難しいでしょうからサービスカットにしました(笑)
ちなみにイタリア車ではありませんよ~

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さぁみんなで考えよう~(古いっ)

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中古車を買ふと云ふこと

ALFA・DEPOTの坂野社長と初めて出会ったのは、私が走行距離が延びてきたアルファ164Q4の温存を考え、当時のアシクルマであったSpider Sr.4の買い替えを考えていたときでした。

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通勤にも使うアシクルマですから、コンパクトで燃費もそこそこで維持費もかからないことが前提条件なのですが、加えて乗って楽しいことも重要で、結局これらの条件で考えると、排気量は2.0L以下でエンジンは4気筒のイタ・フラ車を中心に探すことになってしまいました。

そんな中で見つけたのがGTVの2.0TSというモデルでした。ご存知のように日本に正規輸入されたGTVは2.0LでもV6のターボエンジン搭載車でしたが、本国での販売の主流は1.8L~2.0Lの4気筒モデルでしたので、この並行で輸入された2.0TSは私にとっては魅力的な個体でした。
早速、試乗の連絡をしてALFA・DEPOTを訪ねたのですが、残念なことにタッチの差で売約済となってしまっていました。
しかし、私はその展示場で見たALFA・DEPOTの品揃えにちょっとビックリしてしまいました。

以前にも書いたのですが、10年オチのイタリア車の場合は走行50,000キロの個体だと、買った途端に重整備を伴うメンテナンス時期がやって来ます。一方で70,000キロの個体だと前オーナーがそれを行っているでしょうから、かえって安上がりの場合もあるのです。
展示場にあった916系のSpider/GTVやアルファ155といったクルマ達は、正直言って新古車のようなバリものではありませんでしたが、前オーナーの下で健全に走り、ちゃんとメンテナンスされてきた「佇まい」の良い個体ばかりでした。
路面店でアルファ・ロメオを販売する場合は、「客寄せ」のために相場より高い値付でも、なるべく走行距離の少ない個体を並べるものですが、私はこの通好みの品揃えに一発でヤラレてしまったのです(笑)。

中古車は新車と異なり、「一物一価(いちぶついっか)」です。だからこそ面白いのですが、その一台一台が異なるクルマの中からこの一台!を選ぶ作業は確かにタイヘンです。
しかし、通販の商品や自動販売機で買うものと異なり、それがどんなクルマであれ、最終的にはヒトから買うわけですから、
「クルマを見る前に売っているヒトを見ろ」
とは、けだし名言だと思います。
私は、この品揃えから坂野社長のアルファ・ロメオに対する愛情を感じ取ることができました。そして彼の、手頃な値段でちゃんとしたアルファ・ロメオに乗ってもらおうという「気持ち」を理解することができたのです。

気が付けば在庫車であったシルバーのSpiderに試乗していた私は、これまた気が付けば殆どクルマを見ることもなしに、次期アシクルマとして当初の選択肢になかったこのSpiderを購入していました。
そのときの私にとって、既にクルマ選びのための情報は全て得ていましたから何の心配もありませんでした。
クルマの説明も今更聞く必要もありませんし、程度に関しては試乗すれば分かります。相場も知っていますからそれが安いか高いかの判断も出来ます。
ですので、この個体を仕入れてきた坂野社長を理解できたときに、私に必要な全ての情報は揃ったと言えるのです。

その坂野社長が従来の越谷店に加えて春日部店を開店することになりました。今後は春日部店に注力するとのことですので、何かお祝いを…と申し出たところ、リクエストはミニチュアモデルのスペシャル・ディスプレイを…との答えでした。
この遠慮のない(笑)人間関係が素晴らしいのですが、加えてGTVとSpiderをディスプレイして欲しいとのことでしたので、奮発して手持ちのコレクションの中から1/43で揃えることにしました。

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どうせなら後期型で…と思い、先日ご紹介したDeAgostiniのSpiderとMinichampsのGTVを選んでみました。どちらもボディカラーは赤で、モデルの出来そのものも何とかバランスするレベルです。
お店に飾りたいとのことでしたので、今回は柔らかなイメージの円形のディスプレイベースにして見ました。
そして、新しくデザインしたというALFA・DEPOTのロゴマークを送ってもらい、この円形のディスプレイベースにマッチするようにエンブレム風にリデザインしました。

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坂野社長はこのブログの読者でもありますので、きっとご覧いただけているとは思いますが、どうでしょう?気に入ってくれるでしょうか…(不安)。

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素敵な人々

アルファ・ロメオなどというクルマに永年乗っていると、本当にイロイロな皆さんにお世話になることになります。と言うかむしろ、それが楽しみというか財産になっていることも確かなのです。

オーナーズクラブの仲間達は、同じクルマに乗っているというだけが共通点の繋がりでありながら、何十年来の親友のような付き合いをしています。そしていつの間にか、クルマのお付き合いを超えて私の人生の取ってかけがえのない人々になっています。
その仲間とは違った意味で密接に係りあうのが、販売店や整備工場の方々ではないでしょうか。そして、実はこういった方々とうまく人間関係が築けなければ、クルマの楽しみも半減してしまうのではと思います。

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私が初めてアルファ・ロメオを購入したのはコーンズ・モータースの営業のYさんからでした。Yさんは飄々とした人柄で、どんなことにも動じない方でした。初めて体験するトラブルに慌てて連絡しても、いつもと変わらぬ静かな口調で、

「その程度で済んで良かったですね~。他のお客さんなんか…」

と、より悲惨なケースを説明されるものですから、随分と気が楽になったと言うか、教育されてしまいました。
思えば、新車が壊れるという体験はそれまでの国産車ではなかった経験でしたので、腹が立つと言うより慌てるほうの気持ちが強かったと思います。このYさんのお陰で、どんなトラブルに遭遇しても、この程度で済んで良かったと、少々のことには動じない強靭な精神?とポジティブ・シンキングを身に着けることができました。

私がYさんとお付き合いした時期は、ちょうどバブル末期ということもあり、国産車やドイツ車からアルファ・ロメオに乗り換えるというコーンズ・モータースとしても初めて接する客層を相手にしていた時期でした。そこにはYさんを始めとする営業の皆さんが思いもよらぬクレームが寄せられていました。
Yさんによると、あるクラウンからの乗り換えの客は、アルファ164を購入し、早速左右のパワーウィンドウの速度が違うというクレームを持ち込んできたそうです。
Yさんを始めとするサービスの面々は…、
「運転席の方が使用頻度が高いので、モーターが馴染んで速くなってる」
というスゴい言いわけで追い返したそうです。

また、Spider Sr.4のATを買った若い女性は、パワーステアリングをゴリゴリと据え切りし、駐車場に入れる際にもまだ前に動いているのに強引にリバースに入れ、あっという間に壊してしまい、クレームでAT乗せ換えとステアリングラック交換となったそうです。その期間はナンと納車から2週間後で、コーンズ・モータースの販売したSpiderの中でも最短記録となりました。

そして、最近はすっかりご無沙汰してしまっているのですが、アルファ164Q4を購入したアレーゼ・トレーディングのI社長もユニークな人柄でした。この方は、「さぁどーですか?安くしときますよ」とクルマを売るようなセールストークは殆どしません。でも、お店で世間話をしながら、いつの間にか気が付けば彼からSpiderを買ってしまっていたりと、随分様々なクルマと出会わせていただきました。
結局、I社長からはアルファ164Q4だけでなく、Spider Sr.3、Sr.4と3台ものアルファ・ロメオを買うことになってしまいました。

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そして現在の主治医であるクイック・トレーディングの寺島社長を始めとする皆さんです。現在の主治医の皆さんには本当にお世話になっていますので、いずれ改めてご紹介したいと思っていますが、私にとっては失礼ながら、お店と客という関係を超えた大好きな方々です。

そして、一番新しくお付き合いが始まったのが、ALFA・DEPOTの坂野社長です。
私はこの坂野社長から、中古車の買い方を改めて教わることができました。
坂野社長とのステキな話はまた次回に書きたいと思います。

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Access Awardの豪華賞品?

1周年記念と50,000アクセスの記念品ですが、考えた末に秘蔵のミニチュアモデルをご提供したいと思います。

そのミニチュアモデルとは…"LANCIA MARTINI RACING HISTORY"と題した、1/64のLANCIAのモデルです。
このミニチュアモデルは素晴らしい出来で、1/64というスケールを感じさせません。下の各モデルの写真を見ていただけると良く分かると思うのですが、各スポンサーの小さなステッカーの文字までちゃんと読むことができるのです。そのサイズを考えるとこれはスゴいことだと思います。
このシリーズの中から以前、30,000アクセスの記念品として、LANCIA 037 RALLYとDELTA INTEGRALEを使用したのですが、今回は自分のために取っておいたモデルを使用することにしました。

それでは、各モデルについてご紹介しましょう。
まず最初は、個人的に大好きなBETA MONTECARLO Gr.Bです。
このBETA MONTECARLOについては、以前のブログでご紹介しましたので、詳しくはそちらをお読みいただければと思いますが、他のランチアがラリー用であるのに比べて、このBETA MONTECARLOのシルエット・フォーミュラ版ははロードレース用のクルマです。
その大きく張り出したフェンダーがめちゃくちゃ格好良く、私の世代にとってこのスタイルは堪らないのではと思います。

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そして、次はDELTA S4です。そもそも普通の市販車で争われていたWRCも、ストラトスのようなRALLY専用に開発したクルマの登場により、どんどんエスカレートし、1980年代になるとWRCでチャンピオンシップのかかったカテゴリーは、ついにGr.Bと呼ばれる少量生産車にかけられるようになってしまいます。すなわちそれは、とても市販できないようなハイパフォーマンスカーを作ることができることを意味します。そして登場したこのDELTA S4は外見こそ、DELTAのイメージを残していますが、その中身は全く別物でした。
そして、その留まることのないハイスピード化はついに観客を巻き込む大事故に発展し、WRCにおいてGr.Bの時代は終わりを告げることになります。

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そして、DELTA INTEGLAREの時代がやってきます。WRC本来の姿であるロードカーによるラリーという原点に戻ったと言えるのですが、それでも市販車をチューニングしたと言うより、ラリーのために作ったクルマを市販したと言っていい、このINTEGRALEは勝ちまくり、結果としてランサーエボリューションやインプレッサSTIなど、同様のアプローチで設計されたラリースペシャルがラリーを席巻するようになります。

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現在のLANCIAは、ラリーに限らずモータースポーツ界から全くと言ってよいほど姿を消していますが、過去においてはこのようにMARTINIカラーのLANCIAが輝いていた時代があったのです。

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この3台をディテールUPし、並べてお馴染みの飾り台にディスプレイして記念品にしたいと思っていますので、どうぞ奮ってご応募ください。

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ブログ引越し1周年&Access Award 50,000

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早いもので、昨年の11月12日にこちらのブログに引っ越して来てから1年が経とうとしています。
それ以来、勢いで毎日更新をして来ましたが、元々はおおよそブログ本来のスタイルである日記的なものが全くと言ってよいほどない、こんな能書き満載の状態になるとは思ってもいませんでした。その「能書きブログ」を書き始めたときも、すぐにネタ切れになるだろうと自分自身でも思っていたのですが、全くと言って良いほどネタに困らず、結果として1年365本の大長編ブログとなってしまいました。
考えてみれば、自分自身のどSなクルマ達との格闘の記録だけでなく、身の回りにあるアルファ・ロメオを始めとする「ちょっとヘンなクルマ達」に加えて、社歴100年になろうとするアルファ・ロメオに関する様々な話題などを取り上げて来たワケですから、365本程度は「なんてことない」のかも知れません。

私自身はこのブログを書くにあたって、自分自身の日常に関して書く気は殆どなく、読んでいただける皆さんが、「へぇ~」と面白く読んでいただけるよう心がけて来たつもりだったのですが、お陰さまで初めてお目にかかる方からも、「楽しみに読ませてもらってます」などと声をかけて頂けるようになりました。
しかし、一番勉強になっているのは私自身で、ブログを書くために資料を漁ったり、再度読み直したりしている内に、改めて気づかされたり、誤解の記憶を正したりすることができました。

一応、自分自身に課した課題として1年間は毎日更新と決めていましたが、1周年を期に不定期更新とさせていただければと思います。そうは言っても、毎日の更新が生活習慣病となってしまっていますので、どーなることやら全く分からないのですが…(笑)

で、1周年記念と近づいてくる50,000アクセスの記念イベントですが、前回と同様にキリ番とクイズのコンビネーションにしようと思います。
ただ、前回の問題は簡単すぎた…というお叱りと、やはりキリ番がないと…というご不満の両方を解消するために(苦笑)、50,000アクセス達成後にクイズの問題をUPすることにします。そのクイズの正解を誰よりも早く送ってくださった方にアワードを差し上げたいと考えています。
今回の記念品は1周年記念ということもあり、今までにない豪華版?を考えていますので(それでもたかが知れている?)、ご期待ください。

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40,000 Access Award の仕上げ

イベントの準備やらで忙しく、大変遅くなってしまいましたが、ようやく40,000アクセスの記念品に手を付けられるようになりました。

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例によってアガチス材の木製ベースにウレタンニスを塗ってベースを作成します。もうこの作業は何度か行ったので要領も良くなり、乾燥の時間をきちんと取れば最終磨きをしなくても鏡面のツヤが出せるようになりました。

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例によってネームプレートを作って見ました。今回の題材はフェラーリですので、エンブレムも一応データで取り込んでみましたが、アクセントになって中々格好良く仕上がりました。

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次に、ミニチュアモデルの組み立てですが、キットの部品構成はこんな感じで、最低限のパーツ割りです。
素組ではあんまりですので、しばしキットのまま見ていたのですが、250GTOの最大のアクセントはリアの4本出しマフラーだと思います。このANSA製のマフラーは本当に格好良く、フェラーリと言えば4本出し?と言われるほど現在のフェラーリでも一般的ですが、やはりこのANSA製が一番だと思います。

残念ながら、1/64スケールというサイズの問題からこのマフラーは丸棒でモールドされていますので、今回はこのマフラーに穴を開けて見ようと思います。ステンレスパイプで置き換えることも考えたのですが、パイプを使用したディテールアップは前回のランチアのアンテナ線の加工でご紹介しましたので、今回はピンバイスという精密加工用のドリルを使用して穴を開けることにしました。
用意したのは1mm径のドリルで、それをピンバイスにセットします。

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いきなりドリルで穴を開けると中心に当たりませんので、デザインナイフで一旦中心に傷をつけ、その窪みをガイドにしてドリルを当てて穴を開けて行きます。このマフラーの地色は黒ですので、改めて塗装しなくてもちゃんと開けた穴は目立つようになります。

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いかがでしょう?左がキットそのままで、右が穴あけ加工後です。随分とイメージが変わるのがお分かりいただけるでしょうか。こういった加工をするにも、この京商のミニチュアモデルはキットになっているので、本当に有難いと思います。

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いよいよ組み立てですが、タイヤが回るのはベースに固定するときに不便ですので、接着剤で固定してしまいます。
使用する接着剤はコンビニでも売っているクリア系の接着剤ですが、細かいところを接着しますので、爪楊枝を使用して少量をシャフトに塗りつけます。その際には爪楊枝を回して接着剤をつけるとうまく行きます。

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あとはボディとシャーシーを付属のネジで留めて出来上がりです。

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写真で見ると、1/64という大きさが分からない程、よく出来たミニチュアモデルだと思います。なかなかこのアングルで実車の250GTOを見る機会はないと思いますが(どんなアングルでも見る機会はない?)、4つのタイヤを覆うフェンダーを基本にボディをデザインしたのが良く分かります。現在もこの250GTOが「最も美しいスポーツカー」と言われるのももっともです。

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しかし、暫く見ていると若干タイヤが大きいかな…と思えて来ました。フェンダーの膨らみも少し大きめにディフォルメされているようです。しかしスケールを考えると、このくらい大げさな?ディフォルメのほうが、250GTOらしさが表現されて良いのかも知れません。

ディスプレイ台に配置してみました。う~ん。自分で言うのもナンですが(笑)、格好良いです。

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大変お待たせしてしまいましたが、このミニチュアモデルをみやさんにお送りしますので、お受け取りくださいね。

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ALFA ROMEO Sport Collection 55

本日ご紹介するのは、最近どんどん気になり始めてきたGiulietta Sprint Veloceです。

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この美しく小さなクーペはベルトーネのデザインで1954年のトリノ・ショーで発表されたのですが、1900シリーズの例にもれず、セダンとSpiderボディも後に発表されています。注目すべきは、Giuliettaシリーズの最初にこのクーペが発表されたことで、順番からすると、続くBerlina(セダン)はSprint(クーペ)のセダン版という位置づけで、アルファ・ロメオの販売戦略が見え隠れします。
さらに戦略的だったのがその価格で、1900シリーズの2/3に抑えられ、いかに排気量が1300ccと小さいものであっても性能的には先代の1900シリーズと同等というコスト・パフォーマンスに優れたGiuliettaは、当然のごとく爆発的なセールスを記録します。

Sprintをデザインしたのはフランコ・スカリオーネで、そのボディサイズは全長3980mm×全幅1595mm×全高1320mmとコンパクトでありながら、2+2シーターとしては充分な広さが確保されていました。これがベルトーネのデザインするクーペの伝統として、後々のGiulia SprintやAlfetta GTを経て現在のAlfa GTにまで受け継がれる、「大人が4人乗れるクーペ」の起源ではないかと思います。

さて、販売も好調にスタートしたGiulietta Sprintですが、早くもアルファ・ロメオはそのSprintをチューンしてしまいます。発表から2年後の1956年に、それまでの排気量1290cc挟角80度4気筒DOHCエンジンをイジり始めるのです。
このエンジンは当時の市販車には有り得ないほどの贅沢なものでした。一例を挙げますと、エンジンブロックはアルミ合金製でしたし、カムシャフトはデュプレックス・ローラーチェーンで駆動され、燃焼室は半球形とレーシングカー顔負けのスペックだったのです。
ストック状態でも65hp/6000rpmで11.0kg-m/4000rpmという1300ccエンジンにして見れば現代でも充分な性能を発揮していたエンジンを、40DCOEのツインチョークウェーバーに変更し、90hp/6500rpmまでパワーアップさせたのです。
Sprint Veloce(速い)と呼ばれたこのモデルの車重895kgに90hpのパワーは一級品で、最高速度も180km/hと大排気量車に引けを取らないハイパフォーマンスぶりは、さしずめ現代のスカイラインGTに対するGT-Rと言ったところではないかと思います。

このGiulietta Sprint Veloceには前期型と後期型があります。前期型は1958年までの製造で一般的には750系と呼ばれています。後期型になってエンジンに耐久性向上のための小変更が加えられ、外観も新たにベルトーネに入社したジゥジアーロによって一部手直しが行われました。この後期型は101系と呼ばれているのですが、現在見かけるGiulietta Sprintはこの101系が圧倒的に多く、750系でも外観はともかくエンジンは101系のものに換装されている個体も多いようです。
個人的には外観は750系の方がシンプルで好ましいと思うのですが、走行性能やメンテナンスのことを考えると101系のエンジンに換装するのはアリだと思います。

付属するミニチュアモデルは1960年のSanto Stefano Gambarieに出場したクルマですが、すでに101系が発売されているにも関わらず750系で出走していたのには何か意味があったのでしょうか?

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こちらが女神湖に来ていた101系のフロントグリルです。750系に比べてグリルの格子が細かくなっているのがお分かりいただけるかと思います。

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Press Kit

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自動車メーカーが新車を発表する際や、モーターショーなどのPrsee Dayなどでマスコミ向けに配布する資料がPress Kitと呼ばれるものです。このキットには新車や目玉車種の紹介に加えて、マスコミが使用する写真やイラストなどの素材も含まれています。
このPress Kitを利用してマスコミは記事を書くことになりますので、試乗車が各国に配置され各マスコミが独自の試乗記事を書けるようになるまでは、各誌ともこのネタを使う以外には方法はないことになります。従ってその内容は充実しており、写真などはちゃんと紙焼きのすぐにでも印刷原稿として使えるものが用意されています。

当然、マスコミ向けにのみ配布されるものですので、一般の私たちが入手することは困難なのですが、一方で用済みになると捨てられてしまうのもこれらのPress Kitの運命でもあります。私たちが入手できるのはそれらの用済みのPress Kitを自動車ジャーナリストが廃棄せずに、オークションや古本屋に出す場合や、メーカーの廃棄資料の中から幸運にも救い出されたような場合に限られてしまいます。

若干、業務連絡っぽくなってしまうのですが。私の手許にはアルファ164の発表時のこのPress Kitと1988年のトリノショーの際のPress Kitがありますので、その中から面白い素材をご紹介したいと思います。
大変遅くなってしまっているので申し訳ないのですが、この素材の中から前回のアクセスアワードの特別賞としてsiikenさんとこ~んずさんに複製を額装して差し上げたいと思います。

ご両人は恐れ入りますが、どの素材が欲しいか番号をお知らせください。

①アルファ164 3.0V6スケルトンイラスト
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②3.0V6エンジンスケルトンイラスト
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③アルファ164 3.0V6公式写真
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④アルファ164 2.0Twin Spark公式写真
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⑤アルファ164TD公式写真
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⑥Spider2.0 Quadrifoglio公式写真
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展示車の選定

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「アルファ164生誕20周年記念パーティ」の企画段階から、会場にクルマを展示することは当然のこととして考えていました。ただ、全員のクルマを展示するはムリなことは当然でしたし、第一、全員がクルマで来てしまうとお酒を飲むことができませんから、パーティが成立しません。

クラブではメンバー各々が、自分の愛車に思い思いのモディファイを加えていますが、外観ではあまり改造された車両は少なく、せいぜいホイールを替えたり、ショックアブソーバーやコイルスプリングを交換して車高を下げたりするのがせいぜいです。
それでも、発表から20年が経過していますので、オリジナル状態を保ったクルマは少なく、むしろオリジナル状態を保つことのほうが多大な労力を要すると言ったほうが適当だと思います。

10年に亙り製造されたアルファ164は、数度のマイナーチェンジを受けています。代表的なモデルとしては、初期型の164Aに始まり、164L及び164QVまでが前期モデルと言えます。
過渡的な中期モデルとしての164FLを経て、164Q4及び164QV/24Vに至り、それと並行して外観が大きく変更された164Super12V/24Vの後期モデルで製造が終了したのですが、この代表的なモデルをオリジナル状態で展示するのが当初の目標でした。
実際に、アルファ164の全てのモデルを集めることができるのは私達オーナーズクラブをおいて他にはできないことですし、大切に維持してきたオーナーにとっても、この晴れ舞台は思い出に残ることだろうと思います。

しかし現実は厳しく、実際に集めることができたオリジナルモデルは164A、164QV、164Q4、164Super24Vの4車種でした。しかし、164QVに関しては初期のテスト製造モデルもメンバーが所有していたため、2台を展示することになりました。

そして展示車に関しての説明文を書くことにしたのですが、生憎の豪雨で、殆ど見ては頂けませんでした(泣)
その内容をご紹介したいと思います。
説明文の順番は写真上の左側からの順番です。

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これらの車両はオーナーが大切に維持してきた素晴らしいコンディションのクルマばかりです。ですので、晴天の下にじっくりと見ていただけなかったことが残念だったのですが、その中で特に私自身にコダワリがあったのが初期の164Aでした。

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このクルマはメンバーの間で転売され、現在は関西在住の3人目のオーナーの下で元気に活躍している個体なのですが、そのオリジナル度は抜群で、私も2人目のオーナーから借りて乗った際に、そのコンディションに感激した記憶があります。
加えて、ボディカラーがエンリコ・フミアさんが最初にデザインスケッチを画いたときのイメージカラーであったシルバーであることも好ましい点で、実際にCar Graphic誌主催のイベントでエンリコ・フミアさんがトークショーに出演した際に依頼を受けて展示した車両でもあります。

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今回はオーナーが仕事の都合で参加できなかったため、ムリをお願いして、執行部メンバーのIさんに借りて乗って来てもらったほど、どうしても展示したかった車両でした。

これほどコダワリを持って集めた展示車両ですので、充分見ていただけなかったことが本当に残念でしたが、それでも最後にオーナーの皆さんへのお礼としてエンリコ・フミアさんにお願いして一台一台にサインをして頂きましたので、多少のお礼にはなったのではと思います。

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想定外の台風

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まさか季節外れの台風が来るなどとは全く想像していませんでした。何度かレストランと打ち合わせに足を運んだ際にも、私の頭の中には、秋晴れの晴天の下に誇らしげに円形に並んだアルファ164とそれを囲んで談笑する参加者のイメージしかありませんでした。
確かに、雨が降ったらどーしようか?とも考えましたし、レストランとの打ち合わせの際にも話題にはなりましたが、それでも想定したのは秋雨レベルの雨で、暴風雨は全く想定外でした。

朝、祈るような思いで見上げた空はやっぱり雨で、天気予報は台風の接近に伴い、昼過ぎから雨風ともに強くなるとのことでした。最近は当たらない週間予報と異なり、当日の予報ですからこれは覚悟を決めるしかありません。
彼女を迎えに行って10時過ぎに会場入りしたのですが、既に手伝ってくれる執行部のメンバーは会場に来ており、私と同様にうらめしそうに空を見上げていました。

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それでも準備は着々と進み、参加者も続々と集まってきました。いつも集まっている面々、本当に久しぶりの面々、そして今回が初めての新メンバーがそれぞれ和気藹々と談笑している姿だけで、このパーティは成立したな…と思いました。
それにしても、ドレスコードでジャケット着用と指定したこともあり、普段見慣れたメンバーの面々も今日ばかりはちゃんとジャケットを着て参加してくれています。ただ、一部どう見てもヤ○ザにしか見えないのもいましたが、笑っているのでかろうじてセーフでしょう(爆)

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そして、クラブの創設者にして初代会長のN氏の乾杯の音頭によりパーティは幕を開けました。
晴天ならばレストランの外に出て談笑してもらう予定だった会場はさすがに参加者全員が入るとすし詰め状態ですが、皆ありがたいことにそれも楽しんでくれているようです。

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(撮影:チェリーさん)

いよいよ最大の目玉であるエンリコ・フミアさんのプレゼンテーションが始まりました。ちょっと前置きが長い(笑)のもいつもの彼なのですが、どんどん本題に入ると皆、引き込まれていきます。この模様はDVD化していずれメンバーには紹介しようと思っていますが、その内容は当初の予想以上で、初めて明かされたデザイン・ストーリーだったと思います。
そして、感銘を受けたのがデザインの連続性で、過去のアルファ・ロメオのモデルをモチーフにしながら全く新しいデザインを生み出し、さらにそれがデザイナーが変わっても次世代のモデルに引き継がれていく様でした。
それは、アルファ・ロメオという歴史のあるブランドが、単にその社名とエンブレムだけの連続性ではなく、ちゃんと各モデルにそのモチーフがあたかもDNAのように受け継がれていることなのです。
如何にエンリコ・フミアさんだけでなく、歴代のデザイナーがこのアルファ・ロメオというブランドを愛し、その過去のモデルをリスペクトしているかが良く分かるプレゼンテーションでした。

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(撮影:おてつさん)

そして、例のケーキカットは現在の各支部長さんにお願いしました。初代会長から運営を引き継いだときに一番心配したのが、地方のメンバーへのフォローでした。東京にいるメンバーは比較的いつでも会う事ができ、イベントも行いやすいのですが、地方のメンバーはなかなかこういったイベントに参加することもままなりません。そんな中で、各支部長さんは悩みながらもメンバーを取り纏めてくれました。その思いを日常から聞いていただけに、今回のパーティは各支部長さんへの感謝の気持ちも込めたつもりでしたので、このケーキカットは私にとってはとても感銘深いものでした。

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(撮影:チェリーさん)

モーターショーの準備でここのところ毎日3時間しか寝てない…というFAGJの広報本部長のサラ・セレリさんも遅れて駆けつけてくれました。事前にプレス・リリースで案内をしたことが功を奏し、CAR and Driver誌、Car Magazine誌、CG誌に加えてミニカーファン誌も取材に来てくれました。

本当に多くの方々に支えられてここまで来ることができました。私たちがなぜここまでアルファ164とアルファ164を介して集まった仲間を愛するのかを再発見できたイベントでした。
気が付けば、雨が全く気にならなくなっていたのは私だけではなかったと思います。

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(撮影:チェリーさん)

さて、お約束した各モデルの車両紹介プレートは明日紹介したいと思います。

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