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走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

自動車メーカーのアイデンティティ

出張中に立ち寄った本屋で、今日がCAR MAGAZINE誌の発売日だったことを思い出しました。どれどれと買い求めて仕事を終えて、帰りの新幹線でナニゲにページをめくっていると、目に飛び込んできたのがALFA164、しかもQ4でした。

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しばらく、愛車であるALFA164Q4に関しては書いていなかったのですが、それはひとえにナニゴトもなかったからです(苦笑)。
現在は日常のアシとして1996年式のアルファSpider2.0TSと、この1995年式のアルファ164Q4を交互に乗っているのですが、Spiderに乗るとその軽さから来る身のこなしに、
「やっぱりクルマは軽いが一番!」
と思い、アルファ164Q4に乗り換えると、
「コレコレ…やっぱりアルファのV6はええなぁ」
と思ってしまうのは身勝手と思いつつ、甲乙つけ難い両車の魅力を楽しんでいます。


さて、今日発売のCAR MAGAZINE誌の「追憶車景」という連載コーナーに特集されたアルファ164Q4ですが、ついに、このコーナーに載るようになったかという感慨はともかく、森口将之氏の論評はさすがで、久しぶりに雑誌で取り上げていただいたアルファ164Q4の記事を堪能させていただきました。
是非、書店でお買い求めになることをオススメいたします(笑)

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その記事を読んで考えさせられたのは、自動車メーカーのアイデンティティというテーマです。アルファ・ロメオは現在はフィアット資本の傘下にあります。また近年、各国の自動車メーカーはダイナミックに資本再編が進んでいるのはご存知の通りです。しかし、クルマ好きにとって大切なことは、そのメーカーがどこの資本であろうが、そのメーカーが作ってきた、また作りたいクルマが作れているのかの方が重要だと思います。

個人のブログですので、好き勝手を言わせていただきますと、アルファ164Q4はアルファ・ロメオのエンジニアが純粋に当時の環境下で、
「作りたいクルマを勝手に作った」
最後のモデルではないかと思います。
そこにはマーケティングという「売ってナンボ」の価値観も、親会社のセグメンテーションという「ご都合主義」も介在しない、アルファ・ロメオというメーカーに連綿と培われてきた、「自分たちの求めるクルマ」をどう具現化するかという一点に集中したエンジニアリングの成果が顕れています。

私たちが、その自動車メーカーを独立したブランドとして認められるか否かは、この哲学にも通じる独自性を持っているかが最大の要因で、エンブレムや販売網ではないことが、日本でのLEXUSブランドの曖昧さを見ると良く分かると思います。
ロータリーエンジンを作り続けている限り、マツダは仮にその社名がなくなろうともマツダですし、ELISEのようなクルマを作り続けている限り、LOTUSはどこの資本下であろうとLOTUSであり続けるのだと思います。

そう考えると、現在のアルファ・ロメオは作りたいクルマを作っているのでしょうか?
アルファ・ロメオというブランドは、決してマーケットセグメントの中で語られるものではなく、アルファ・ロメオのファンを納得させるモデルを出しながらも、たまに良い意味で裏切り、賛否両論を巻き起こしながらも、年月が経った後に、
「あのモデルはアルファ・ロメオの新しい時代を切り拓いたモデルであった」と賞賛され、歴史に残るクルマを私たちに残し続けたメーカーだと思います。

残念ながら、私にはアルファ159もブレラも新型Spiderもアルファ・ロメオが本当に世に出したいと思っているモデルには思えません。
8Cコンペティツィオーネにしても、アルファ・ロメオが単に自分たちが、「作りたいから作った」のではなく、どこかファンに媚びているのでは?と思ってしまうのです。
それは別にエンジンがどーのこーのとか、オリジナルデザインがどーのこーのといった瑣末な問題ではなく、アルファ・ロメオが現在の環境の下で、精一杯自分たちの好きなことを出来ているのか?ということなのです。

アルファ・ロメオにはいつか私の度肝を抜くモデルを出して欲しいものだと思いますし、またきっと第二のSZ(ES30)やアルファ164Q4のようなモデルを出してくれることを信じています。

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