走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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地獄クルマを訪ねて…その壱

過去ログの再編集ばかりでもナンですので、新作ネタを書きますね(苦笑)
アルファ164Q4などという稀少車で地獄巡りをしていると、ついつい他人の地獄にも興味が湧いてくるものです。
そして探して見ると、世の中には私なんかが足元にも及ばない地獄を楽しんでいるで…あろう?真性のM体質の方がいらっしゃるんですね。

私の現在の主治医であるクイックトレーディングには様々な地獄クルマ(失礼!)が救いを求めてやって来ます。これから不定期ではありますが、これらの地獄クルマをご紹介して行きたいと思います。

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さて、栄えある地獄クルマの第一回目は…

ランチア・テーマ8・32

です。

このランチアというメーカーは歴史も古く、今年が設立100周年になるアルファ・ロメオと並ぶイタリアの老舗です。そしてご存知の通り、アルファ・ロメオと同様に現在は資本的には完全にFIATの子会社となっています。日本ではストラトスやデルタ・インテグラーレのラリーでの活躍からスポーツカーのメーカーのように思われていますが、実際には富裕層が乗る上質な高級車メーカーで事実、イタリアでは会社役員や政治家が好んで乗るブランドと言われています。ちなみに、FIATは大衆車、マゼラーティは貴族の乗るクルマで、フェラーリはタレントやスポーツ選手、そして金持ちのドラ息子用、アルファ・ロメオはマフィアかカタカナ職業の御用達だそうです(笑)

さて、このテーマというクルマですが、見ての通り正統派セダンです。Tipo4プロジェクトの1台(*過去ログ「アルファ164Q4とは」参照)ですので、アルファ164とは兄弟車にあたります。真横からの写真を比べて見ると、ホイールベースが同じであることが分かると思いますが、同時に一方でアルファ164がTipo4シャーシーを使いながら、いかにボンネットを薄くし、ボディ全体を薄くスマートに見せようと苦心したかということも分かるかと思います。事実、デザイナーのエンリコ・フミア氏はそのためにフロントストラットを設計し直すよう主張し、やっとのことで大幅な設計変更許可を勝ち取ったと言っていました。おっと…テーマのハナシですよね。

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テーマの発表はアルファ164に先立つこと3年の1984年で、当時のランチア・ガンマ/トレビの後継車種として開発されました。
デザインは、巨匠ジウジアーロですので、一見何の変哲もないセダンではありますが随所にその天才デザインが生きています。例えば、A・B・Cピラーの延長線がちゃんと1点で交わるところなど、セダンとしての黄金比を堅持しながらランチアのフラッグシップとしての威厳も兼ね備えた不朽のデザインだと思います。
では、なぜこれが地獄クルマなのでしょうか?

まず第一にTipo4シャーシーの剛性不足が挙げられます。おおよそ高級車にあるまじきガタピシ音はオーナーをメゲさせてしまいます。次にこの時代のイタリア車に共通する製造品質の悪さです。機械部品個々の品質に加えてその組み付け精度の悪さ、そして電気系統の脆弱さから「いつもどこかが壊れている」状態になり、そのスタイリングに惚れて購入したオーナーに早々にして乗り換えを決意させ、その生存台数は激減し現在に至っています。

発売当初のエンジンは、FIAT製4気筒ツインカムエンジンをベースにした、ターボとノンターボ。そして、PRV(プジョー/ルノー/ボルボ共同開発)のV6エンジンに加えて4気筒のディーゼルターボが搭載されていたのですが、たまにどっかキレたことをやらかすランチアは、この正統派セダンにとんでもないことをやらかしてくれました。

それは1987年。奇しくもアルファ164発表の年にランチアはこのテーマにフェラーリ308QV用の8気筒エンジンを搭載したテーマ8・32を発表しました。前述したようにただでさえアブないテーマの中で、このFIAT製エンジンだけは堅牢だったのですが、その信頼をかなぐり捨て、こともあろうにフェラーリのV8を無理やりエンジンルームにブチ込み、FFで駆動させるという荒業に打って出たのですが、発表時にはそのあまりのキレっぷりに度肝を抜かれたものです。

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じゃあこのクルマ、単にテーマをベースにしたスポーツモデルか?と言うと、全然そんなことはありません。内装はテーマのモデルの中にあっても最上級のポルトローナ・フラウ社製の皮シートに包まれ、随所に張り巡らされたウッドパネルは乗った途端に別世界です。
一方で、トランクリッドには可動式のスポイラーなんぞが仕込まれており、走行中にタダのテーマだと思ってると、突然ニョキッとスポイラーが飛び出し、「タダモノではないゾ!」というオーラを見せ付けてくれます。もっともこの可動式スポイラーは必ず可動するワケではなく、「出っ放し」だったり「引っ込みっ放し」だったりするのですが…(泣笑)

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このようにテーマ8・32の魅力はそのアンバランスとキレっぷりにあります。メルセデス・ベンツのAMGやBMWのALPINAなどとは一線を画す、まさに「羊の皮を被った狼」ならぬ

「テーマの皮を被ったフェラーリ」

なんですね。

発売時、日本はバブルの真っ只中にありましたので、私は、このクルマを新車で買った方よりも、現在維持されている方のほうが本当にスゴいと思います。これぞ走る重要文化財!是非、末代まで受け継いで頂きたいっ!と思います。

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いよいよM体質に・・・

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中古並行で怪しげな?アルファ164Q4を購入し、その部品代と工賃の高さに呆れながらいよいよ最初の車検を迎えたのですが、中古車といえども日本では新規登録のため初回は登録から3年目の車検でした。

一般の自動車ユーザーは車検時にイロイロと整備をするのでしょうが、まあ、最近の国産新車なら1回目の車検で整備するところなど何もないのかも知れません。また外国車でも最近はメンテナンスサービスが付いていますので、仮にイロイロあったとしても費用はかからずに済ませてしまっている方も多いのではないでしょうか?

ところが、私の手許に来てからというもの散々、初期化と寿命が来ている様々な部品を交換し、更に余計なエンジンオーバーホールまでやってしまったアルファ164Q4は別の意味で車検時に整備をする項目なぞなくなっていました。
車検のための予備検査と下回りのスチーム洗浄やってはい終わりというのは、全くもって正常なことなのですが、麻痺してしまった私の金銭感覚は

「えっ?それで終わり?」

と思ってしまいました。事実、「とんでもないことになる…」と覚悟して計上していた予算より遥かに少ない金額で終わる予定でした。まあ、それでも国産車でGSかなんかで1日車検でかかる金額に比べればまだまだ高いのですが(苦笑)

しかし、麻痺した私の感覚は以前から気になっていた大物に手をつけてしまいました。それは足回りのOHです。「な~んだ」と思われるかも知れませんが、以前からどうやらアルファ164Q4には最大の問題だろうと思っていたのがこの足回りだったのです。通常は自分好みの社外品のショックアブソーバーやコイルスプリングに変えて気分一新!てなもんでしょうが、電子制御てんこ盛のアルファ164Q4の場合はこのショックアブソーバーにセンサーが仕込んであり、その情報が4WDのコンピューターに伝達され、前後のトルク配分を変えるというなんだかムズカシイことをやっているため、社外品のショックアブソーバーが使用できないのです。じゃあ純正品に交換すればいいのですが、これが調べてみるとフロントが20万円!リアが15万円!ブッシュやコイルなども交換すると軽く50万仕事になってしまうのです。

車高調整機構付のアラゴスタかなんかのレーシングショックならいざ知らず、街乗り用の足回りにそれはちょっと…と思い、躊躇していたのですが、思った以上に車検が安かったので予算オーバーを承知で足回りのOHをやってしまいました。
交換した結果は素晴らしいもので、シャキッとしたクルマの挙動はアルファ164Q4の新車の姿を彷彿とさせるものでした。

「常日頃からきちんと整備をしておくと車検時に余計な出費をせすに済むんだよ」

と言い続け、日常整備で出て行く出費を何とか正当化して来たのですが、ここに至っては全く説得力がなくなってしまいました。でももうこうなったらやったもん勝ちです。

で、結局はきっちりと予算以上の金を使ってしまったのですが、これはこのクルマの地獄というより、すっかりM体質になってしまった私自身のせいでしょう。

ところがこのM体質はこの後更に地獄を求めてしまうのです…。

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ALFAROMEO DAY

地獄ネタばかりでも憂鬱になるかな…と思っていたのですが、意外?にも地獄ネタの方が皆さんのウケが良いようです(笑)
現在は過去ログを再編集してUPしているのですが、これを機に初めて読んでくれた仲間からは…

「もっと悲惨な地獄を書いてくれぇ!」

などと残酷なリクエストが来ています。もちろんネタにはこと欠かないのですが…そんなに期待されてもねぇ。

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で、ちょっと休憩で過去ログの中から天国ネタ?を出してみました。それは今年の5月に開催されたALFAROMEO DAYの模様です。毎年恒例でオーナーズクラブの仲間たちと今年も参加して来たのですが、伝統のこのイベントもなんと来年で20周年!
単一ブランドのクルマのイベントが20年も続けられるということは並大抵のことではありません。主催者やサポートしている皆さんには本当にアタマが下がります。
実は、友人がイベント事務局のお手伝いをしているのですが、長続きの秘訣は彼によると、

「特定のスポンサーに頼らないこと」

だそうです。確かにそのスポンサーに下りられてしまうと途端に運営は行き詰まってしまうのでしょうね。その分、裏方であるスタッフの皆さんの苦労は並大抵ではないだろうと想像できます。

そしてこのイベントの楽しみは単に会場だけにとどまりません。実は行き帰りの高速道路上もアルファ・ロメオだらけ…という状態になります。普段何気なくすれ違うことも多々あるアルファ・ロメオですが、今日ばかりは向かう先は同じ…ということで親近感もひとしおです。

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また、仲間と一緒に走る最大の楽しみは、自分と同じクルマの走る姿を眺めることができるところにあります。
個人的には走り去るアルファ164の斜め後ろから見える姿が最高にカッコイイ!と思うのですが、いかがでしょうか?

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そして今年のフューチャーモデルはアルファ164を始めとするアルファ・ロメオのベルリーナ(中型から大型のセダン)でした。アルファ・ロメオのベルリーナと言えば、アルファ6(セイ)とかアルファ90とかマニアックな車種の参加も期待していましたが、結果はアルファ164とアルファ166の2車種となってしまいました。しかし、他の参加者からするとアルファ164も既に稀少車?らしく注目の的であったことは正直少し意外ではありました(苦笑)
会場は例年のとおり市営球場でしたが350台のアルファ・ロメオが集まる様は壮観で、初めて参加された方は車種だけでなくその数にも圧倒されてしまいます。

余談ですが、あるオーナーズクラブメンバーの奥様が初めてご主人と一緒に参加されて、この壮観な眺めを前にして一言…
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「まあ、あなたのようなアルファ馬鹿って世の中にはいっぱいいるのね!」

実はアルファ・ロメオには客寄せのとっておきの方法があります。
それは…
「ボンネット開け」
です。
ボンネットを開けると、 すぐに見学者がやって来て覗いて行くのです(笑)
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さて、どこでも自分たちのペースで寛ぐことができる我がオーナーズクラブの面々は、今年もちゃんとクルマの前でパーティです。
これも例年のことではありますが、他の参加者からするとアットホームで凄く羨ましいこと…らしいです(笑)

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復活の日

その夜のメールは「天国通信」ではなく、やっぱり「地獄通信」でした。

「エンジンがかかりません。原因は不明ですので明日以降調査します。」

それから、イグザミナーというコンピューターテスターで検査したり、あれこれやってみた結果、どうやらカムセンサーが突然死したのでは?という結論に達したのですが、この部品が欠品中でいつ入庫するか分からないとのこと。そこで、私は別の修理工場に解体予定のアルファ164があったことを思い出しました。SOHCモデルなら万事休すですが、もしアルファ164 Super 24Vならたぶんセンサーは同じはずです。部品マニュアルを検索すると、Q4もどうやら同じ部品を使用しているようです。

この辺もイタリア車、特にアルファ・ロメオに言えるのですが、何故こんな部品が…?と思うようなものが専用品だったりして同型車でも年式が異なると同じ用途の部品でも使用できなかったりすることが多々あるのです。
主治医は中古部品を使うことには反対しました。彼にしてみてもここまで仕上げたエンジンです。自信を持って引き渡したいという気持ちはよく分かります。しかし、代車の国産車に飽き飽きして、アルファ・ロメオ禁断症状が出ていた私は、もはやいつ来るか分からない部品を待つことなどできませんでした。

祈るような気持ちで連絡を取ってみると、幸運にも解体予定車は24Vエンジン搭載モデルでした。しかしもっと幸運だったことは、何と、その日にスクラップ業者が引き取りに来る予定だったのです。とにかく部品をはずしてもらうようにお願いして、急いで部品を取りに行きました。解体予定車ですので、カムセンサーが生きているかどうかは全く分かりません。大事を取ってクランクセンサーも頂戴し、主治医のところへ戻って取り付けてみると…

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解体予定車から剥ぎ取ったカムセンサー


ブォン・・・

ついにエンジンは復活しました。久しぶりに聞く自分のクルマのエンジン音です。

こうしてやっとのことで私のアルファ164Q4は地獄から復活したのです。でも、主治医は少し寂しそうな表情をしています。

「いっちゃうんですねぇ。今度はどこをやりましょうかねぇ…。」

気持ちは分かりますが…

もう勘弁してくださいっ!

でも、復活は新しい地獄への旅立ちでもあるのです…(嗚呼)

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泥沼のエンジンオーバーホール

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ヘッド面研後…これが同じエンジンとは思えません。


踏ん切りがつかないまま始められたエンジンのオーバーホールですが、エンジンをバラして見て分かったこともあります。

まずはオーバーレヴの状況です。シフトダウンしたことによりクランクシャフト側から一気にパワーが伝わり、ヘッドを突き上げたようなのですが、そのパワーのほとんどがカムシャフトからタイミングベルト側に伝わったことと、すぐにクラッチを切ったためそれ以上のパワーが伝わらなかったことが分かりました。そしてそのことが幸いして、ピストンやシリンダーヘッドは無傷で、実際にはカムシャフトもヘッドの歪も全くありませんでした。

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無傷だったカムシャフト…ありがたや~


また、このエンジンは大当たりで、基本的な組み付けと部品の合わせが他のアルファV6エンジンと比較して素晴らしいということが分かったことも収穫でした。

「名器ですから頑張って復活させましょうね~」

という主治医の励ましはいただくのですが、毎晩のように跳ね上がる累計部品代には本当に身を切られる思いでした。
そしてついにエンジンが組みあがりました。やっとエンジンを載せるところまでこぎつけたのです。

しかし、それまでに行った作業は膨大でした。趣味でクルマを持っている方を除いて、そもそも現代のクルマでエンジンのオーバーホールなんてことをやる方はめったにいないのではないでしょうか?
当時の請求書から工賃が発生した作業を列挙して見ますと・・・

・シリンダーヘッドOH一式
・エンジンオーバーレブ修理
・テンショナーステー固着修理
・バルブ取りはすし
・左右ヘッド分解洗浄
・シリンダーヘッド面研
・バルブガイド入れ替え
・バルブガイドシステム内寸合わせ
・バルブシート研磨
・バルブすり合わせ

と記載してあります。こう書くと何か簡単そうに見えてしまうのですが、使用した部品は100点以上で、全て国内で部品が揃う国産車と異なり、イタリア本国、アメリカ、ドイツ、そして日本と八方手を尽くして部品を集めるだけでも本当に大変でした。折角エンジンを下ろしたのだからということで、併せてクラッチ、エンジンマウントも交換し、さていよいよ待ちに待った試運転となりました。

前日の「地獄通信」で

「明日はエンジンを載せて試運転をします。問題なければ週末にお渡しできます。」

とのことでしたので楽しみにしていたのですが…。

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廃車の危機

さて、意を決してボンネットを開けては見たものの…

あれっ?ナニゴトもありません。

オイルも吹いていませんし、キーをひねるとエンジンが始動するのでは?と一瞬思ったほどです。でも何となく目に入ってくる画がヘンです。間違い探しのようにエンジンをチェックして行くと、何とタイミングベルトのカバーが割れています。またテンショナーのベアリングが散弾銃のようにカバーに突き刺さっています。どうやらエンジンの中味はトンデモないことになっているようです。

しかし、動かないクルマをいつまでも眺めていてもどうなるもんでもありません。仕方なくローダー(積載車)を手配し、とりあえず宇都宮のディーラー系工場まで運んで預かってもらうことにしました。後日、再度東京まで搬送し、ヘッドを開けてみるとそれは目を覆うばかりの惨状でした。これは廃車の危機と言って良いでしょう。でも反対に当時の主治医はナンだか嬉しそうです。彼は私が絶対に直すモンだと思い込んでいます。

私 「修理代はどのくらいかかりますかね?」

主治医 「バラして調べてみないと分かりませんねぇ~。クランクもイッてるとエンジン載せ替えでしょうね。でもQ4用のエンジンは見つからないですよ。だからこれを治しましょうねっ!」

やれやれ…

こうして、なかば強引に始められたエンジンのオーバーホールでしたが、一番困ったのが
「値段が分からない」
ことでした。
使える部品は極力使うのが予算を考えると当然のことなのですが、バラしてみないと分からないことも多く、分解して、チェックして、ダメだったら部品を手配して…という順番で費用だけでなく時間もかかってしまいました。

そして参ったのが「地獄通信」というメールです。作業中は主治医からほとんど毎日メールが来るのですが、そのメールには今日の作業内容に加えて、
「今日は○○がダメです。発注すると納期は○○で値段は○○円です。どうするか返事ください」
と書かれています。バラしてしまったエンジンに今さらどうすることもできず、
「お願いします」
としか返答のしようがないのですが、段々それが大物になってくると主治医も楽しそうにメールして来るのには参ってしまいました。

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目を覆うばかりの惨状
もっと悲惨な映像が見たい方はどうぞ(苦笑)↓

【“廃車の危機”の続きを読む】

テーマ:アルファロメオ - ジャンル:車・バイク

悪魔のシフトノブ

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走行時間も終わりに近づいた頃、結構うまくS字を抜けることができた私は、このラップで自己ベストが出せるのでは・・・と期待していました。幸い前後に影響されそうなクルマはいません。

V字コーナー手前で外側のラインに寄り、ステアリングを切らずにブレーキング。2速まで落として一気にコーナーに進入し、V字コーナーを立ち上がり、加速して3速にシフトアップしようとしたとき、どういう訳かシフトカバーがノブからはずれてしまったのです。手はシフトカバーを握っているのですが、シフトノブには付いていません。えっ?と思ったのは一瞬で、ギアは2速のままレブリミットまで回ってリミッターが効いた状態です。

今から思えば、そのとき手に持ったシフトカバーなんて捨てて、すぐにシフトノブを握り直し、3速にシフトアップすべきだったんでしょうが、気が動転した私は、シフトアップをしながらシフトカバーをノブに付け直すという荒業に打って出ていました。何とか3速に入ったと思った矢先、目の前にはダウンヒルストレート手前のヘアピンカーブが迫ってきました。ここで本来ならばフルブレーキでグラベルに突っ込むべきでした。あきらかにオーバースピードです。どうせこの状況ではヘアピンを抜けることなどできないハズだったのです。

しかしはずれてしまったシフトカバーをシフトノブにはめ直すことに成功した私の手は、オーバースピードという状況のみに反応し、アタマとは裏腹に勝手にシフトダウンをしてしまったのです。

タコメーターの針は一気にレッドゾーンに突っ込みました。そしてブレーキングとの相乗効果で何とかヘアピンを抜けたクルマは無音状態に・・・。タコメーターを見ると針は左下で止まったままです。私は何が起こったのか分かりませんでしたが、まったく回っていないエンジン以外は警告灯も何も点灯しないクルマは見る見る速度が落ちて行きます。そのとき遅まきながら状況が分かってきました。そうです。オーバーレヴによるエンジンブローというヤツです。

そこからは妙に冷静になった私は、テレビで見たF-1が停まる状況を思い出していました。最後の惰性で左のコース脇にクルマを停め、イグニッションをOFFにし電気系統をすべて切り、クルマから降りました。幸い左ハンドルですからコース内に降りる必要はありません。ヘルメットは被ったまま、ガードレールの外に出て走行時間が終わるのを待っている間、手前のコントロールボックスで振られる黄旗が何故か鮮明に記憶に焼きついていました。自分のせいで振られる黄旗をクルマから降りて見ている自分が不思議な感覚で、目の前をナニゴトもなく走り抜けていく他のクルマを見ていると、寂しくて仕方がありませんでした。

走行会が終わり、コースマーシャルのレッカーがやって来ました。

係員 「どーしました?」
私 「オーバーレヴさせちゃいました」
係員 「オイルとか漏れてないですか?」
私 「大丈夫です」
係員 「パドックまで引っ張りますね」

さすがコースマーシャルの手際は見事です。普段、車高の低いクルマばっかり扱っているのでしょう。フロントのスポイラーを傷つけないようにうまく牽引ロープを調整してパドックまでの「ドナドナ」が始まりました。ロープをセットしながら係員が慰めて?くれました。

係員 「いやぁ~。走行会のドライバーさんにしては停まりなれてますね。コース上での停止手順はバッチリですよ」

私 「初めてですっ(怒)」


と答えたもののとてもフクザツな心境でした。
さて、パドックまで牽引してもらったまでは良かったのですが、意を決してボンネットを開けてみると・・・。

(またまた続く…)

テーマ:サーキット走行 - ジャンル:車・バイク

悩みのサーキット走行

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第1、第2コーナーを無難に回り、長いストレートで4速まで上げてから第3コーナー手前で減速するのですが、明らかに前方を走るプジョーより手前でブレーキングしなければうまくコーナーに進入できないことを確認。これからどの程度ブレーキングポイントを深くできるかが課題であることを確認しました。

続く第5コーナーに向かうストレートではライン取りに注意しながらいかにスピードを落とさずにS字を回れるかを練習しながら周回を重ねていきました。確かに那須と違って、4速までは各ギアできっちりとレブリミットまで回すことができるのですが、続くV字コーナーからヘアピンに続く短いストレートではラップ毎にギアの選択がまちまちになってしまい、自分の下手さ加減に嫌気がさしてしまいます。

続くダウンヒルストレートでは気持ちよくシフトアップできるのですが、あまり気持ちよく走っていると出口の90°コーナーで慌てることになります。何とか抜け出しアンダーブリッジをくぐると、いよいよビクトリーコーナーという複合コーナーを立ち上がり、メインストレートに戻ります。当然この最終コーナーをうまく抜けないとストレートでスピードが乗りません。

様々なライン取りを試すのですが、どうもこの最終の複合コーナーは苦手で、ついぞ攻略法は分かりませんでした。どうやら私の課題はV字、ヘアピン、ビクトリーコーナーというコース後半部分のようです。首をかしげながら第1セッションはこれらを確認しただけで終わってしまいました。

課題を確認するだけで終わった第1セッションでしたが、計測器を積んで走ったため各ラップタイムも発表されました。結果はシロートレベルの恐ろしさでちゃんとラップを重ねるごとに速くなっています。もちろん絶対的なタイムは大したことはないのですが、各コーナーにうまく進入できたラップやストレートでちゃんと4速リミットまで回せたラップはタイムが良く、まずはちゃんとしたライン取りとスムーズなシフトチェンジが第一歩で、ブレーキングポイントを深く・・・なんてハナシは二の次であることが良く分かりました。

パドックカフェで美味しい昼食を取り、午後の第2セッションは乾き始めた路面とまだ濡れた路面がまだらな状態で始まりました。午前の教訓から冷静にシフトタイミングをアタマに入れて…と思うのですが、やはり周囲のクルマとバトルを始めてしまいました。例の黒アルファ164QVの友人はタイムがどーこうではなく終始完全にバトルモードです。もちろんそれも走行会の楽しみ方ですので全然OKなんですが、相手構わず追い回すあの無鉄砲さはさすがです。

私はと言えば、やはりコース後半がうまく走れず、タイヤのタレもあり、コースアウトをしてグラベルに突っ込んだり、スピンしたりでだんだんメロメロになってタイムアップどころではなくなって来ました。

そして迎えた最後の第3セッションで事件は起こりました。メロメロだった第2セッションの反省から、最後くらいはきちんとタイムを詰めて結果を出したいと考えた私は、無謀にもコース後半の走行ラインの詰めの甘さをブレーキでカバーしようと考えていました。
(続く…)

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再びサーキットへ

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那須サーキットを欲求不満を残したまま走った私は、ショートコースの難しさとアルファ164のサーキットでの扱いにくさに疲れ果ててしまいました。もちろんアルファ164Q4は街乗りでは何の不満もないクルマです。また峠をちょっと攻めるくらいの走行では素晴らしいニュートラルステアを提供してくれるホントに最高のスポーツセダンだと思います。

しかし、サーキットで限界走行をしたときには、思わぬ欠点が表面化してしまいました。それは、限界でアンダーとオーバーが脈絡なく出てくるステアリングとショートコースではどのギアも吹けきってしまうクロースミッション。すぐにフェードするブレーキなど枚挙に暇がない程です。

一方の彼は、放っておくと内装を剥がしてしまいそうな勢いでサーキット走行にハマってしまいました。
そんな折に、悪魔の誘いがやってきました。Sparco Cup第2回走行会の案内です。しかも今度はもてぎのフルコース!! 恐らくめったに走れるチャンスはないでしょう。那須と異なり、もてぎはストレートも長く、コース幅も広く、レストランも美味く(苦笑)、きっとアルファ164Q4の欠点があまり出ないのでは・・・と勝手に想像してしまいました。
おそらく、件の彼のところにも案内が届いているに違いないと思っていると案の定、電話がかかってきました。

「もてぎいいですねぇ~。出るんでしょう。出ますよね。私はもうお金振り込んじゃいましたよ~」

一方主催者からも連絡が来ました。

「出ますよね~。この前参加した何名かが、打倒アルファ164とか言って準備してるみたいですよ~」

やれやれ。もう逃げられません。
私も気を引き締めて、前回の反省から、全くクルマには似合わないのを承知でレーシングハーネスを取り付けることにしました。

前回の那須サーキットでアルファ164Q4の限界時の挙動は何となく分かりました。とにかくタイヤがグリップを失いかけると、センターデフロック機能がない電子制御のヴィスコマチックが前後のトルク配分をせっせと替え、トラクションとニュートラルステアを維持しようとするのですが、その結果ステアリングが安定しなくなりクルマの姿勢を意識的に制御することが難しくなってしまうのです。
アルファ164Q4でサーキットを速く走るためには限界一歩手前を維持しながら、タイヤのトラクションが抜けないように安定走行を心がけるしかないようです。
しかしそんな繊細なドライビングができる技などあるはずもなく、自分のクルマだけでじっくりと追い込んでいくのならまだしも、他車と一緒に走っているとどうしても相手に引きずられてしまい、本来の冷静な走りができなくなってしまうのがシロートの悲しい性なのです。

事前にもてぎのHPで懇切丁寧なコース攻略法を何度も見て、イメージトレーニングをみっちり行って臨んだ走行会当日。前日に降った雨で路面はハーフウエット。決して走行には適した路面ではありませんでしたが、そこはかえって4WDには有利なのでは?とこれまた勝手な希望的観測から勇躍コースインし、いよいよ第1セッションが始まりました。

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ホイルアライメントの意地悪

「タイヤは命を乗せている」
とはどこかのタイヤメーカーのコピーですが、さらに
「タイヤはクルマの健康状態を教えてくれる」
ことも重要なタイヤの役割と言えるでしょう。

アルファ164Q4は4輪駆動です。フロントにはエンジンとミッションが載り、後輪近くにはヴィスコマチックというセンターデフが搭載されています。車検証に記載されている前軸の軸重は950kg、後軸の軸重は710kgですから、前後の重量配分は57:43ということになります。しかしこの重量バランスは静止状態の場合であって、走行中の重量配分は前後左右に常に変化しています。これらの全てを受け止めているのが4つのタイヤですから、タイヤが正しく接地しているかどうかはそのクルマの性能発揮にとって大変重要です。写真は左前輪の偏磨耗ですが、外側が片減りしてしまっています。
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ホイールアライメントとはホイールの車体への取り付け状態を設計値にすることです。一般的にはアライメント・テスターでトー、キャンバー、キャスターのそれぞれの角度を測定し、適正値に対して狂っていたら調整するという作業を行いますが、その適正値はクルマによって全て異なります。普通の量販車のデータはテスター屋さんが持っていますが、アルファ164Q4は希少車であるが故の悲しさでデータがありませんでした。仕方なく私のほうでデータをテスター屋さんに持ち込んでチェックしてもらいましたが、原因はトー角が狂ってしまっていたためにタイヤの偏磨耗が起こっていたようです。そのわずかな角度を調整するだけで見違えるほどクルマの挙動が変わったのにはびっくりしました。当然、タイヤ交換後の偏磨耗もなくなりました。

またタイヤのホイールへの組み付けも重要で、マッチングバランスといってタイヤを真円に近づけるようホイールに組み付ける作業が、タイヤの銘柄選びやホイールアライメントと同じくらい重要な作業です。私の場合は昔からお世話になっているタイヤサービスの鵜沢社長にお願いしているのですが、脇で見ていても…
「よくこんな面倒くさい作業をするなぁ」
と思うほど、何度もホイールとタイヤを組み替えてマッチングバランスを取ってくれます。

ちなみに、アルファ・ロメオに限らず輸入車の場合、メーカー出荷時にはホイールアライメントは適当で、ディーラーが納車時にきちんと調整するのだそうです。正規ディーラー車の場合は日本のディーラーでPDI(出荷前検査)時にちゃんと調整されていると思いますが、並行輸入車などは調整されていない場合もありますから、新車だから…と考えず一度チェックしてもらうことをオススメします。
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いざサーキットへ(後編)

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Sタイヤがそのパフォーマンスを発揮し、ガンガン攻め始めた相棒に対して、私はといえばピレリP-Zeroを履いてはいますが、すでにタイヤはタレはじめブレーキを残しながらコーナーに侵入することなどできなくなってしまっています。
殆ど1本しかない走行ラインをスローイン・ファストアウトで走るしかすべがありません。幸い馬力はあるので、短いストレートでプジョー106を離し、コーナーの入口で詰められるという繰り返しになってきました。一方彼はといえば・・・

「こらこら!ルノークリオV6とバトルしとるでぇ~」

相手はミッドシップエンジンの半分レースカーのようなクルマです。もうどーにでもなれってもんです。
黒いアルファ164QVは、後ろで私がそんな心配をしているのを全く知らず、目の前のシルバーのルノークリオV6を追い詰めて行きます。
でも私たちが走っているのはレースではなく走行会ですから、無理なオーバーテイクは禁止です。また遅い車は安全に進路を譲るのがマナーです。那須サーキットはショートコースですから安全にオーバーテイクできる場所はホームストレートくらいしかありません。もし前の2台がからんだとしても、とばっちりはゴメンでしたので、私は少し距離をおいて見守るしかありませんでした。
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黒いアルファ164QVはそのSタイヤのグリップ力にモノを言わせ、積極的にコーナーでも距離を詰めて行きます。当然コーナー手前ではフルブレーキですが、そのたびにタイヤスモークなのかブレーキの加熱なのか前輪のタイヤハウスから白煙が上がっています。走行時間もほぼ終わりに差し掛かったころ、ついに最終コーナー手前で前方を走るルノークリオV6がたまりかねてスピンしてしまいました。ミッドシップ故のデリケートなハンドリングが後方から執拗に迫る黒い塊に乱されてしまったのでしょうか?
かくして午前中の走行枠は終了しました。私はといえば自分の走りどころではありません。変な汗だけをかいた不本意な走行でした。

パドックに戻ると、ルノークリオV6のドライバーさんが私たちに近づいて来ました。
きっと怒ってるだろうな~と思い、謝ろうと立ち上がったとき・・・

「いやぁ~、アルファ164ってこんなに速いんですかぁ。バックミラーに黒い影が映ってちっとも離れないんであせってスピンしちゃいました。びっくりしたでしょ~。すいませんでした。」

嗚呼。何てイイ人なんでしょう。
一方、彼はと言えば挨拶もそこそこに運転席で何やらゴソゴソやってます。
そして私に声をかけて来ました。

「ねぇ。ボンネットが開かないんだけど手伝ってくれない?」

何と、激しい走りのせいで車体が歪んでボンネットが開かなくなってしまったのです。
タイヤの焦げる臭いと、ブレーキパッドの焼けた臭いが立ち込める彼のクルマのボンネットを二人でやっと開け、吹き上げたパワステオイルをウェスで拭いながら彼が私に放った言葉は・・・

「ところで走行会が終了したらコースを反対周りで走らせてくれないかなぁ。そうすれば歪みは元に戻るんじゃないかと思うんだけど・・・」


この男はひょっとしたら遅れてきたF1パイロットかも知れません。

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いざサーキットへ(前編)

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アルファ164Q4などという稀少車に乗ってしまうと、必然的にトラブル情報を求めてオーナーズクラブなどの団体に所属することになります。
そもそもは、そのオーナーズクラブの集まりで
「アルファ164でサーキット走ったらウケるだろうな~」
と口走ったことが始まりでした。

個人的にはアルファ164というセダンは日常のアシとして充分使い倒せるクルマだと思っていますので、クルマを極端に大事にする一部のオーナーズクラブメンバーに対する反発もあっての発言でした。当然、周囲は大反対ですし、
何より戦闘力なぞ全くありません。
しかし・・・アルファ164などというセダンをサーキットに持ち込み、例え速くなくても全開でブン回し、自ら楽しむことにより、常日頃から発言してきた
「クルマは走ってナンボ」
という言葉を実践できるのではと、ヘンな使命感に勝手に燃えてしまったのです。

すると不思議なことに、仲間が現れました。彼のクルマは私のアルファ164Q4に負けず劣らずの希少車、アルファ164QV(Quadrifoglio)です。私のが4輪駆動であるのに比べて、アルファ164QVはFFです。しかし、アルファ・ロメオが限定車であるが故に特別にチューニングしたV6エンジンは、吹け上がりが軽いだけでなく、そのサイズを感じさせない軽快なハンドリングで、かの小林彰太郎氏に
「これ1台で充分」
と言わしめた名車です。それを私とともにサーキットに持ち込んで走ろうと言ってくれた同志が現れたことに感激し、Q4・QVのQコンビでサーキットを編隊(変態?)走行し、周囲の度肝を抜いてやろうと共に決意し準備を開始したのでした。
初陣はSparco Cup第一戦の那須サーキット。直線の短いショートコースで重量級セダンには不利なコースです。

準備といっても私はせいぜいオイルを新しくし、タイヤをチェックしたくらいでサーキットに行ったのですが、彼の準備は半端ではありませんでした。彼はなんとSタイヤを履いてきたのです。はっきり言って走行会レベルでは反則技(笑)です。しかも、私は何度かサーキットでの限界走行の経験があったのですが、彼は初めてのサーキットです。一抹の不安が脳裏をよぎりました。持ち込んだのは貴重なクルマですから、万が一のことがあれば誘った私は寝覚めが悪いことこの上ありません。
「無理しないで」
を連発して、いざコースインとなりました。

周囲は車重が軽いクルマばかりです。どうやら、いかに上手に抜いてもらうかが安全に走行するコツのようですが、タイヤを暖めるヒマもなく飛び出したのは例の”Sタイヤ”アルファ164QVです。
ご存知の通り、暖まっていないSタイヤはノーマルタイヤよりはるかに始末が悪いのですが、彼は気にせずガンガン攻めまくります。私は何とか前に出て彼を押さえようとしましたが、私より160kg程車重が軽い彼のアルファ164QVはコーナーの立ち上がりで簡単に私を離してどんどん前に行きます。
そうこうしているうちにタイヤが温まってきたのか彼のクルマの挙動が変化し始めました。Sタイヤがグリップし始め、走行ラインも安定して来ました。それに彼が気付いたのかどうか分かりませんが、彼のクルマは明らかにコーナー手前のブレーキングポイントが深くなってきました。

「をいをい・・・ブレーキやばいんじゃないの?」

(続きは明日…)
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ヒーターコアの逆襲

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クルマの点検の基本は「火」「油」「水」「電気」と言われていますが、アルファ・ロメオも例外ではありません。ただちょっと他のクルマと異なるのはこれらの点検を綿密に行わなければならないのと、仮に行ったとしてもどーしようもないときがあることでしょう。

「水」とはもちろん冷却水のことですが、通常はリザーバータンクの水量と汚れを点検してオシマイです。皆さんも昔教習所で「始業点検」として教わったとおりですが、アルファ・ロメオの場合はさらにアッパーホース、ロワホースのゴムの劣化もチェックポイントです。国産車に比べゴムの耐久性・耐熱性が劣っているため、劣化するとゴムが硬くなり、真ん中が膨らみ「ツチノコ」状態(古いっ!)になります。こうなってしまうとゴムホースの両端のクランプが緩み、そこから冷却水が漏れ出します。永年アルファ・ロメオに乗っていますと当たり前のようにボンネットを開けたときにはゴムホースをつまみ、柔らかいかどうか確認し、定期的にクランプのネジを増し締めするようになります。

普通はこれらを点検しておくとまず安心なんですが、それで許してはくれないのがまたアルファ・ロメオです。「水」では思わぬところから襲撃に遭うことがあります。それはヒーターコアです。
ヒーターコアとは冷却水の熱を利用して室内を暖めるための装置ですが、ここにも冷却水は常時流れています。しかもヒーターコアはエンジンルームの中でも一番下に位置しているため殆ど見えません。従って日常の点検はまずできないシロモノです。

ある夏の暑い日。当然水温は100度を超え…つまり圧力が相当かかった状態で都内を走行していました。
何となく室内が臭いはじめ、そのうちエアコンの噴出し口から霧状の生暖かい蒸気が噴出し、それはやって来ました。一瞬のうちに室内はクーラントの独特の臭いで充満し、フロントガラスは真っ白になり、エアコンは全く効かなくなりました。
あわててクルマを路肩に停め、ボンネットを開けてみるとリザーバータンクは空っぽ。路面にはクーラントの湖ができていました。そうです。冷却水の温度が上昇し、圧力が高くなりすぎたため一番弱い部分であるヒーターコアを破ってしまったのです。
通常はヒーターコアに繋がるゴムホースの劣化による破れがほとんどなのですが、私の場合はヒーターコアそのものも破れてしまったようです。こうなったらいくら冷却水を足しても、漏れる一方で走行は困難です。それでも走らない訳にはいかないので、夕方涼しくなり、交通量が減ってくるまで待って、工場へ廻送することにしました。
道中はコンビニを見つけるたびに停車し、水を買っては足すという繰り返しでやっと工場まで辿り着いたのですが、同乗者に水を買ってくるように頼んだらエビアンを抱えて帰ってきたのにはびっくりしました。

私:「六甲のおいしい水で充分なのに・・・」

同乗者:「だって外車だから外国の水のほうが良いかな~と思ったんだもん」

私:「・・・・」


ちなみにラジエーターに緊急で水を補給するときにはなるべく添加物のない水を足すようにしましよう。鉄分やミネラルはカラダにはよいかも知れませんが、ラジエーター内部の腐食の原因になったりウォーターポンプを傷めることになりますよ。

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恐怖のタイベル

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、アルファ・ロメオに搭載されているV6エンジンは、
「世界一官能的なV6エンジン」
と呼ばれています。このエンジン、起源は1979年にアルファ6(セイ)に搭載されて世に出たのですが、最後はヘッドが24バルブ化され排気量も3.2Lまで拡大され、現在のGM製のブロックを使用した新エンジンにバトンタッチしました。以前に乗っていたアルファ155V6はこのエンジンの2.5L SOHCを搭載していましたが、アルファ164Q4は排気量は3.0Lでヘッドは24バルブ化されています。

このように長寿なエンジンですが、エンジンそのものの馬力やトルクは決して優れているわけではありません。では何故このように永年にわたって使われてきたのでしょうか?
それは、このエンジンの特性が優れているからだけでなく、何よりも回転フィールやそのサウンドがアルファ・ロメオというクルマにマッチしており人間の感性に訴えかける魅力を持っているからに他なりません。正直、アルファ・ロメオに魅せられたヒトの中には、
「エンジンを買ったらボディがおまけに付いてきた」
と言い放つ方もいる程です。

このように説明すると良い点ばかりの素晴らしいエンジンかと思ってしまいますが、そうは行かないのがイタリア車で、最大の欠点がタイミングベルトです。タイミングベルトとはカムシャフトを同調させてバルブの開閉のタイミングを取るためのベルトです。アルファ・ロメオの4気筒エンジン(これも名機で長寿エンジンでした)はベルトではなくチェーンでしたが、
伝統のアルファ4気筒エンジン

アルファ・ロメオに限らず現在の殆どのエンジンがチェーンの重さと騒音を嫌って、ゴム製のベルトでタイミングを取っています。実はこのベルトが曲者で、突然「切れる」ことがあります。切れるとどうなるかって?
最悪はバルブが曲がりエンジンヘッドを全部交換するハメになります。しかもそれは突然やってきますから、まったく予防のしようがありません。経験のある工場は3万キロから4万キロで交換することを薦めていますが、前述したように予兆があるわけではありませんから、こまめに点検するしか方法はありません。またベルト交換の際にはテンショナーと呼ばれるベルトの張りを一定に保つ部品も併せて交換する必要があります。
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写真は私が遭遇したとても珍しいケースで、何か硬いものを路面から拾って、それが偶然ベルトケースの中に飛び込み、ギアに噛み込んだ末にちょうどベルトの真ん中を突き破って外へ出て行ったものと思われます。ちょっとズレていたらベルトが切れて大事になっていたでしょう。
ちなみに現代の国産車のタイミングベルトは10万キロやそこらでは切れたりしませんのでご安心を…。
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止まらないっ!

初期投資が結構効いた?中古並行のアルファ164Q4はとても満足できる走りでした。まず4駆がでしゃばらない終始ニュートラルステアのドライビングフィールは、これまで乗っていたアルファ155V6
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とは全く異なるものでした。当時の殆どの方がそうでしょうが、DTMでの活躍に刺激されて購入したアルファ155ですが、あのスポルティーバ仕様の足回りのセッティングはガチガチで、FFフィール丸出しの従来のアルファ・ロメオから比べると、およそかけ離れたクルマでした。もちろんそれはそれで楽しかったんですが、正直それなら別にアルファ・ロメオじゃなくても・・・という思いがあったのも事実です。ところがどうでしょう。アルファ164Q4に乗ってみると、当時のアルファ・ロメオの開発者の想いがビシビシ伝わって来ました。

「FR作りたいよぉ~」

もはやFFでしか開発を許されない環境にあって、4WDは限りなくFRに近づけるための手段ではなかったでしょうか?事実、ヴィスコマチック(Q4の4WDシステムの名前)はコンピュータ制御でこそありますが、100%FRにもなります。高速でのバツグンの安定性と、ワインディングでそのサイズを感じさせないクイックでニュートラルな乗り味は、アルファ164Q4にしかない、でも間違いなく従来のアルファ・ロメオの乗り味でした。

ところが、些細な問題もありました。車重が1.7トンもあるためブレーキが効かないんです。国産のハイパフォーマンスカーがこぞってブレンボの4ポッドなんぞを装着し、ガツンと効くのに比べ、アルファ164Q4のそれは「じわ~っ」と効き始め、いつまでたっても止まらない(ちょっと大げさ?)んです。

こうなったら何か対策を講じなければ・・・と考えてフロントのブレーキディスクをブレンボ製に、リアをタロックス製に交換してみました。もちろんそれに併せてブレーキパッドはよりパフォーマンスの高いフェロード製に交換したのは言うまでもありません。さらに例の「じわ~っ」というブレーキフィールを少しでも改善するために、ブレーキホースをステンレスメッシュのものに交換もしました。もちろん希少車ですから既製品なぞあるはずがありません。仕方がないのでワンオフ(特注)で作ってもらうしかありませんでした。

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で、結果はと言いますと…まあ気持ちの問題でした(笑)
周囲からの「またそんなことに金を使って!」という非難の声には、

「動かないのは安全だけど、止まらないのは命にかかわるからねぇ…」

と答えてかわすしかありませんでした。

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最初の洗礼

納車になってほどなく、自分がやっぱりトンデモないクルマを買ってしまったことを思い知らされました。
しばらく乗って感じたことが「クラッチが重い」だったのですが、当時の主治医は
「そんなもんですよ」というお約束?のコメントでした。しかしどう考えてもおかしいと考えた私は点検を依頼することにしたんですが、結果はやはりクラッチの交換となってしまいました。最初は軽く考えていたんですがほどなく主治医から連絡がありました。

主治医「クラッチ交換するにはエンジン下ろさないとダメなんですが、どーします?」

私「は? なんでクラッチ交換するのにエンジン下ろすんですかぁ?」

主治医「私も最初はそんな気はなかったんですがね。ほらミッションが6速でしょ。デカいんでどーやっても抜けないんですよ。で、どーせエンジン下ろすんだからいろいろ交換しときましょうよ。工賃も安く済みますし。」

まあ、中古車メンテの基本はまず初期化ですし、
「工賃が安く済む」という言葉にクラっと来てこの際…とお願いしたら出るわ出るわ、タイミングベルトに始まり、挙句はラジエーターまで交換することになってしまいました。結局、納車1ヶ月点検で総額50万円!!!の出費(大泣)

日本ではアルファ164はV6エンジン搭載モデルしか販売されていませんでしたが、本国イタリアでの主流モデルは4気筒の2.0ツインスパークエンジンです。つまり設計段階では4気筒エンジンを前提にフロントスペースをデザインしたと思われるんですね。もちろんV6エンジン搭載までは
「想定の範囲内」(笑)であったんでしょうが、6速MTまでは考えてはいなかったのでしょう。補器類の取り回しを含め、デカいミッションケースを収めるために相当無理をして押し込んでいます。つまり整備性なんざ何にも考えてはいないモデルなんですね。これから先が思いやられる出来事でしたが、この
「無理やり」というキーワードはこれからの様々なシーンでオーナーをイジめることになるのです。
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アルファ164Q4とは・・・

日本で販売された当時はバブル期でもあり、結構見かけることも多かったのですが、最近は殆ど街で見かけなくなってしまったアルファ164。現在では中古車としても底値はおろか値段も付かない状態にあります。
そのアルファ164の中にあって、さらにアルファ164Q4とはどんなクルマなんでしょうか?ご存じない方に簡単にご紹介したいと思います。


1987年、不振に喘ぐアルファ・ロメオは起死回生のフラグシップモデルであるアルファ164をついにフランクフルトショーで発表する。当初はFRレイアウトで開発をスタートしたアルファ164であったが、その開発期間にアルファ・ロメオ社はイタリア産業復興公社(IRI)の支配下におかれ、結果として自社でのシャーシー開発ができず、ランチア(テーマ)/サーブ(9000)/フィアット(クロマ)との共同開発プロジェクト、いわゆるTipo4プロジェクトに参加するしか開発の継続ができなくなり、その結果として開発途中でFFレイアウトへと設計変更を余儀なくされてしまう。

しかし駆動方式こそFFに変更になったものの、当初の計画より受け継がれたピニンファリーナ(メインデザイナーはエンリコ・フミア氏)の優美なそのスタイリングは市場より好評をもって迎え入れられ、また発表直前の1986年、フィアット傘下の民間企業となったことにより、従来からの問題であった製造品質も改善され、まさに
「新世代のアルファ・ロメオ」としての象徴的な存在となり、好調なセールスを記録し始める。

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【“アルファ164Q4とは・・・”の続きを読む】

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引っ越してきました!

初めまして!
某ブログに掲載しておりましたがこちらに引っ越してくることとなりました。今までの記事を順次UPしていきますが、過去記事ばかりでもナンですので、合間に近況などもお知らせして行きたいと思います。

でもまずはアルファ164Q4購入のきっかけから…

それは1999年のことでした。
当時新車で購入して乗っていたアルファ155V6に何の不満もなく、ブレーキ、タワーバー、マフラーとお約束のモディファイも一段落したときのこと、ふと見た雑誌の広告で出会ってしまったのがこのアルファ164Q4でした。

思えば当時のディーラーであったCORNESに定期点検に行った折に、ショールームに鎮座していたのがアルファ・ロメオのフラッグシップであったアルファ164Q4だったのですが、確か乗り出しで750万ほどしたと記憶しています。
当然買えるはずもなかったのですが、担当のセールスは私が買いそうに見えたのでしょう。慌てて彼は駆け寄って私にこう言いました。

「このクルマだけはやめてください。私はお客様と末永いお付き合いをさせていただきたいのですが、もしこのクルマを買われたらそれができなくなる気がします。」

そして今、セールスが売るのを躊躇う?ほどのアルファ164Q4が中古とは言え、何とか手の届く値段で売りに出されていたんです。どう考えても理性は「止めろ!」と言っていますが、今を逃すとこのミステリアスなクルマを手に入れる機会はないと思ってしまい、気がつけば下取り査定の交渉を始めていました。

今から思えばあのときにあの雑誌さえ見なければ(笑)、私の人生でこんな未曾有の経験をすることはなかったのですが、出会ってしまったものは仕方がありません。

誰に聞いても「買ってはいけない」と言われているアルファ・ロメオの中古並行輸入車、しかもアルファ164Q4は果たして買ってどうだったのでしょうか?これからその一部始終をご紹介していきたいと思います。
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