走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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アルファ・ロメオにとってのSpiderとは

手許にやって来たLancia Themaですが大方の予想に反して大した問題もなく、日常のアシとしての役割をこなしてくれています。確かにナニゴトもないかと言うと決してそんなワケはなく、細々とした不具合は出現しているのですが、それらについてはいずれまとめてご紹介できればと考えています。

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一方で916Spiderを手放して約1ヶ月が経とうとしているのですが、手許になくなったからこそ、冷静にアルファ・ロメオにとってのSpiderとは何なのかを考えることができるようになったと思います。
私自身は115SpiderのSr.3に始まり、Sr.4を経て916Spiderを所有していました。115Spideerは全てアルファ164と並行して所有していましたので、流石に日常のアシにはしませんでしたが、916Spiderについてはファーストカーであったこともあり、ほとんど毎日アシとして乗り倒しました。

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アルファ・ロメオの100年の歴史の中で、Spiderは常にそのラインアップの中で重要な位置を占めていたと思います。特に戦後に量産車メーカーに転進した際に、Spiderというモデルはアルファ・ロメオの昔からの顧客にとっては戦前の高級車メーカーであった時代をイメージさせる特別な車種であると同時に、戦災から復興する過程にあるイタリアの人々にとっては希望と夢を感じさせるモデルでした。そして経営的には輸出モデルとして外貨獲得に寄与したモデルだったのですが、特にGiulietta SpiderやSpider Duettoは北米に輸出され好評を博しました。

アルファ・ロメオのSpiderを理解するにはこの北米マーケットがとても重要な意味を持ちます。すなわち、北米マーケットでのSpiderの販売をいかに伸ばすかがアルファ・ロメオの経営に重要な課題であり、北米の顧客のSpiderに対する期待に応えることが最も重要であったのですが、その北米の顧客はSpiderを決してスポーツカーとは捕らえはおらず、むしろ小粋でスタイリッシュなクルマで当時のアメリカ車にないエレガンスを持ったクルマであることを期待していたのです。このことが以降のSpiderのコンセプトを決定づけることとなります。

アルファ・ロメオにとってSpiderは…

(走行性能)
スポーツカーとして絶対的に優れた性能を有している必要はなく、むしろきびきび走る(走っているように感じる)スポーティイメージが必要。

(スタイリング)
ダイナミズムよりエレガンスが重要。またSecretary-carとして女性にも受け入れられる要あり。

(居住性)
コンパクトなサイズでありながら2名が余裕を持ってグランドツーリングできる快適性が必要。すなわちタイト過ぎてはいけない。

というコンセプトのモデルではなかったでしょうか。ちなみにSecretary-Carとは北米で女性が通勤に使うクルマのことで、コンパクトで運転しやすいと同時に他人と差別化できるクルマという位置づけです。かつてはVWのGOLF(北米名RABBIT)やHONDAのプレリュードがSecretary-carとして人気を博しました。

上記のコンセプトはSpider Duettoから続く115Spiderだけでなく、その次期モデルである916Spiderにも受け継がれていたと思います。何故なら結果として北米から撤退したアルファ・ロメオですが、916Spiderの開発当時は北米に投入する予定で、その開発に際しては多分に上記のコンセプトが影響していたと思うのです。
しかし一方で現行のSpiderの開発に際してこのコンセプトが生きていたかどうかは疑問で、むしろユーノス・ロードスターを契機に増えてしまったライバル車との差別化を主眼に置いているように感じます。

さて、そうした目で改めて916Spiderを見た時に、私たちがSpiderの伝統と思っている部分が多分にマーケティングによる必然的な継承であることに気づきます。

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駆動形式がFRからFFに変わっても、搭載されるDOHCエンジンがFIATベースに変わっても、その出力特性はギア比と相まって115Spiderの美点を継承しています。もちろん多分に演出という目的もあるかと思いますが、少なくともアルファ・ロメオは115Spiderの持っていたGiulia Sprintと同様のキビキビ感を916Spiderにも受け継がせたかったのでしょう。

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実際に私が所有した2.0LのTwin Sparkモデルに関して言えば、不思議とその加速感は115Spiderの2.0Veloceと似ていました。

ハンドリングも同様で、そのサスペンスション形式は全く異なっているにも関わらず、目指している方向が同じであるために、結果として115Spiderと916Spiderはとても似た乗り味となっていました。

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それは、「この位ハンドルを切ったらこの位ボディがロールして、コーナーをこんな感じで抜けるんだよな…」というドライバーの持つコーナリングイメージが同じという意味で、もちろんその限界特性は916Spiderの方が遥かに優れていることは言うまでもありませんが、これこそ真にアルファ・ロメオの開発スタッフに受け継がれてきたアルファ・ロメオのハンドリングイメージなのでしょう。

916Spiderが一番大きく変わったのがスタイリングではなかったかと思います。最終的にはエンリコ・フミアさんのデザイン力による部分が大きいと思いますが、このデザインを採用したアルファ・ロメオもそれは大英断で、25年に亘って作られた115Spiderの後継モデルであるということを考えたときに、ひと目でアルファ・ロメオであることが分かれば、次にSpiderであることは屋根がなければ自明ですので、115Spiderのイメージを引きずるより、全く新しいことをアピールするほうが得策だと考えたのでしょう。結果として未だに色あせることのないデザインのSpiderとなったのですが、一旦乗り込んでしまえばドライバーにとっては懐かしくも嬉しいSpiderの印象がちゃんと引き継がれているのです。

そのスタイリングと同様に115Spiderと全く変わったのがメカニズムです。ダッシュボードがフルトリムなのは当然ですが、メーターナセルはSr.3初期までの独立したメーターフードを連想させますし、中央の三連メーターも同様にアルファ・ロメオを良く知るオーナーにはニヤリとさせる演出です。

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こうしたイメージはちゃんと踏襲していても、エアバッグやABSといった安全装備に加えて、パワーステアリングやフルオートエアコンに加えて、オプションではありましたが電動トップなどなどの快適装備もちゃんと当時の標準レベルをクリアしていました。

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実は一番大きく進歩したのはそのスタイリングでも装備でもなく、部品及び製造品質ではなかったかと思います。以前にも書きましたが、アルファ155で導入されたロボットラインは916Spider/GTVの生産ラインでようやく安定して来たと言えます。また使用する部品もアルファ155の設計時にはアルファ75などで採用されていた部品がまだ流用されているのですが、この916Spider/GTVになるとほぼ一新されています。すなわち、部品の品質基準が変わり組立品質が変わったのですから、ここでようやく劇的に品質が向上したのです。実際に所有してみてアルファ155はその後期モデルであっても916Spider/GTVの初期モデルに比べて信頼性では劣っていたと思います。

クルマというのは一つのシステムで、一般的には30,000点から40,000点の部品の集合体だと言われています。仮に30,000点の部品のうち、29,999点の部品の耐用年数が100,000時間であったとしても、一つの部品が100時間で壊れたとすればシステム全体としては100時間で壊れることになります。
品質が安定してきたと言うのは、上記のユニット毎のもしくはシステム全体の耐久性(信頼性)が安定してきたと言うことで、このことは工業製品としての基本条件をクリアしたことになります。
そうした意味では916Spider/GTVは、1990年代のアルファ・ロメオの中で初めて工業製品として日本車を含めて他社のクルマと比較できるレベルに達したモデルであると思います。もちろんそれは優れているという意味ではなく、同じ土俵で勝負が出来るという意味でしかありませんが、それ以前のモデルは比較しようにもあたかも異種格闘技のように、アルファ・ロメオだからねぇ…と違う尺度で見なければならなかったことを思うと雲泥の差があるのです。

916Spiderはアルファ・ロメオがGiulietta Spiderから連綿と引き継いだSpiderのコンセプトを残しながら、クルマとしての品質を向上させた理想的なSpiderだったと思います。
ずっと手許にSpiderがある生活を送ってきましたので、きっとまたいつかSpiderに乗りたくなる時が来るような気がしています。

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別れの時期(とき)

私の日常のアシとして活躍してくれている916Spiderですが、恐らくSpiderのオーナーの中でこうした使い方をしている方は少ないのではないかと思います。
GTVと違ってオープンモデルであるSpiderは、ちゃんと屋内のガレージに保管されセカンドカーとして使われるケースが多く、実際の中古車事情も同年式のGTVに比べると走行距離も少なくクルマの程度も良いのがSpiderではないかと思います。私自身もそうした経歴のSpiderを中古で購入したのですが、それまでの環境と一変してファーストカーとして使い倒されたのですからSpiderにとっては随分と環境が変わってびっくりしたのではないでしょうか(笑)

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他のブランドのクルマについては良く分かりませんが、アルファ・ロメオに関して言えば年式もさることながら、走行距離からメンテナンスのスケジュールが想像できます。
私のSpiderは手許にやってきたときが走行56,000kmで、初期化としてベルト類を全て交換して乗り始めました。そして現在の走行距離が120,000kmですから、ちょうど64,000km走行したことになります。
これは二回目のメンテナンスのサイクルが到来したことを意味しており、さらに走行が100,000kmを越えたことからも今後はメンテナンス(交換)を前提としていない部品を交換していかねばならないことが予測できます。

その予兆は何となく感じられ、最近は消耗品ではない部品が経年劣化で壊れたりするようになってきました。またタイミングベルトを始めとするベルト類、テンショナー類も交換しなければなりません。
言い換えれば予定されていたメンテナンスに加えて、今後はある程度の重整備も覚悟しなければならないということになります。一方でそのリフレッシュさえしてやれば、さらに50,000km程度は引き続き気持ちよく走ることができるクルマであろうと思いますが、続けて50,000kmを走行し200,000kmを走り抜くためには相当な覚悟が必要となってくるでしょう。
つまり正にここが正念場で、その投資をするか否かの決断をこの時期にしないと、今後は壊れては治し…という泥沼に陥ってしまい、今まで投資した修理代を考えると降りたくても降りることができず、また追加で修理するという最悪の結果になってしまうのです。
それはある程度の覚悟の上で(途中からですが…)整備したかつてのアルファ164Q4のときに思い知った法則で、今回は手をつけ始めた途中でその覚悟をするのではなく、最初に予測される時点でその覚悟ができるかどうかを自問して結論を出すことにしました。

そしてその結論は、残念ですが現在の916Spiderを手放すというもので、やはりこれからの重整備は行わないことにしました。各方面からのお叱りは承知の上ですが、身近に115Spiderがあることに加えて、いくら日常のアシとは言え2台の新旧Spiderを飼うというのはあまりに非効率であろうと考えた結果です。
決して飽きたワケでも愛着が無くなったワケでもないのですが、今別れないと別れられなくなると思う気持ちがこの決断の後押しをしてくれました。
かくして916SpiderはALFA・DEPOTの坂野社長のところで行く末を決めてもらうこととなったのですが、坂野社長であればどんな形にせよちゃんと生かす途を考えてくれるでしょう。

916Spiderに関しての総括は別の機会にまとめておきたいと思っていますが、概して言えば私が過去に所有したアルファ・ロメオの中で最も手がかからなかったのがこのクルマだと思います。
もちろんどちらかと言うと地獄クルマばかりを所有して来ましたので、比べるには基準が低すぎるかも知れませんし、初めて所有するアルファ・ロメオがこの916Spiderだという方は、ひょっとしたら「こんなに手がかかるのか…」と思われているかも知れません(苦笑)
しかし、オープンカーであることやアルファ・ロメオであることを忘れて、単純に14年オチの中古車として見ても私の916Spiderは手のかからない立派なアシクルマだったと思います。

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さて、となると新しいアシクルマが必要になるのですが、実はすでにそのアシクルマの選定は終了しており、満を持してスタンバイしています。
その気になる?次期アシクルマは916Spiderよりも年上のクルマですが、ちゃんと大人が5人乗ることができ、荷物もたっぷりと積むことができる懐の深さを併せ持ったクルマです。
その出自と年齢から、これからも元気に働き続けることができるかはかなりな部分で未知数なところもありますし、正直あまり良い噂は聞かないクルマではありますが、出会ってしまったものは仕方ありませんし、もし私が迎え入れなければ不幸な結果になりかねない事態であったために迎え入れることにしました。

皆さんが期待している新しい地獄巡りとなるか、それとも意外にナニゴトもなく過ごすことができるのか、私自身も全く分かりませんが、どちらにせよ楽しんで一緒に暮らして行ければと思っています。

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純正スプリング

気温23度、湿度50%、降水確率0%。

晴れた気持ちの良い休日。一年のうちにこんな日がいったい何日あるでしょうか。

日常のアシとなっている916Spiderも、この日ばかりはトップを開け、お気に入りのJim Photogroを聞きながらいつもとは少しペースを落として首都高を走っていたときのことです。

隣にワンボックスが併走してきました。最初は全く気に留めなかったのですが、追い抜くでもなく全く同じペースで並んで走っています。私は追い越し車線を走行していたのでちょうどワンボックスの運転手と隣り合わせになる形になってしまいました。そうすると運転席の窓が開きドライバーがこちらに話しかけてきました。街中や駐車場で話しかけられることはありますが、走行中に話しかけられることはまずありませんので、びっくりしてしまったのですが…、

「ブレーキランプ切れてますよ」

「あ、ありがとうございます」

なんと、親切にも教えてくださったのですが、そのときにはどちらか片方の球切れか何かだと思っていました。
しかし良く考えて見ると、その程度のことでわざわざ併走してまで教えてくれるだろうか…と思い、急遽予定を変更して首都高を降りてチェックすることにしました。
しかし、困ったことに一人ではブレーキランプを点検することができません。ガソリンスタンドでお願いしようと思っても残念ながらガゾリンは満タンです(苦笑)
仕方ないので適当なビルの地下駐車場にクルマを入れ、壁際にテールを近づけて駐車し、壁に反射するランプの光でチェックして見ると、ナンと全てのブレーキランプが点灯していないのです。右も左もハイマウントも全てです。これは大変危険で、ヘタをすると追突されてしまいます。首都高で教えてくれたワンボックスのドライバーさんは私のクルマを後ろから見ていてその異変に気づいてくれたのでしょう。感謝一杯です。

しかし、この状態はどう考えても球切れではありませんし、ヒューズも切れていませんので電気系統とも考えられません。クルマの安全機構としてブレーキランプや方向指示器といった表示灯は重要ですから、最大限保護されていると同時に、不具合があった場合にはドライバーにちゃんと教えてくれるよう設計されている…はずなのですが、今回の件はクルマは何も教えてはくれませんでした。

このままの走行は危険なのですが、後方に最大限注意しながら主治医のところにチェックに向かったところ、原因はすぐに判明しました。

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それはブレーキランプスイッチというブレーキペダルにあるスイッチが壊れたことによるもので、ブレーキペダルを踏んだときにスイッチが入らなくなってしまったために全てのブレーキランプが点灯しなくなってしまったのです。
しかも、その機構は随分とシンプルで、バラして見るとスイッチの接点がスプリングで繋がっているだけのシロモノでした。どうやらそのスプリングが折れてしまい、スイッチングができなくなってしまったようです。

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こうして原因は分かったのですが、この部品を取り寄せなくてはクルマを走らせることはできません。道路交通法では手信号での表示も認められていますが、一体ドライバーの何割がその手信号の意味を知っているでしょうか(苦笑)
ちなみにブレーキは片腕を真横斜め下45度に伸ばすことにより表示します。


どうしたものか…と思いながら主治医とその折れたスプリングを見ていると何かが使えそうな気がしてきました。それはノック式のボールペンのスプリングとそっくりだったのです。
そのことを主治医に告げると、「あっ。ホントだ」と言うことになり早速、周囲にあるボールペンを片っ端からバラしてスプリング探しが始まりました。
しかし、日本のメーカーのボールペンのスプリングでは微妙にサイズが異なっておりうまく装着することができませんでした。

やっぱりダメか…とアキラメかけたときに、アルファ・ロメオのロゴの入った純正アクセサリーのボールペンが目に留まりました。まさかねぇと思いながらバラして見ると、なんとぴったりと合うではありませんか。
恐るべしアルファ・ロメオです。まさかスプリングの規格を共有しているとは思えませんが、かくして純正ボールペンのスプリングを頂戴し、ブレーキランプスイッチは修理完了となりました。

気になる部品代ですが、主治医との交渉によりボールペンを買って返すということで決着を見ました(笑)

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ぶら下がり地獄

一度あったことが二度あるとそれは運命を予感させる出来事なのかも知れませんが、アルファ・ロメオにとって二度同じトラブルに見舞われるとそれはもう地獄を予感させてくれる出来事です(苦笑)

以前のブログでフロントのフォグランプユニットが外れ、ハーネスのみでぶら下げたまま走行したトラブルを書きました。このトラブルそのものは部品を交換すれば終わり…というトラブルのはずでした。
がっ…しかし、それだけでは許してくれないのがアルファ・ロメオのアルファ・ロメオたる所以で、再びこのフォグランプユニットが外れてしまったのです。しかも今度は土砂降りの雨の夜というクルマの外に出るのも嫌な時でした。当然のことながら、窓を閉め切った社内からは最初のトラブルのときのようにカタカタとライトユニットを地面に引き摺る音などは聞こえず、最初に異変に気づいたのは前のクルマのボディに映る自分のクルマのライトの影が何かヘンなことに気がついたからでした。

仕方なく路肩にクルマを停車させて雨の中確認して見ると、しっかりとランプユニットは外れており、ガラスは粉々に割れてしまっていました。そしてさらに不思議なことにフォグランプの根元が折れてしまっていたのですが、大したもので各ランプは生きており、ちゃんと点灯するのには驚いてしまいました。
このユニットはフォグランプ、ポジションランプ(スモール)、ターンシグナルがセットなっているために、点灯しないと保安基準違反となってしまうのですが、点灯するのであればとりあえず応急処理をすればそのまま走行することができます。

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早速、工具箱の中から常備品であるクリアテープを使って緊急補修をすることにしました。これまた繰り返しになりますが、このテープは本当に重宝しますのでトランクに入れておくことを強くオススメします(苦笑)。
さて、前回もそうでしたがこのランプユニットは新品を手配するとなると結構なお値段です。そして前回と同様に困ったときの…で、アルファ・デポの坂野社長にお願いしたところ、またまた快く中古パーツを分けていただけることとなりました。

では、二度目の脱落の原因は何だったのか届いたユニットと見比べてチェックしてみたところ、犯人はこれでした。

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どうやらこのネジの軸受け?の金具が外れてしまっていたために、振動でネジが徐々に緩んで脱落したのが原因だったようですが、次に分からないのがフォグランプの根元が何故折れてしまったか?です。

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写真を見ていただければ分かるように、ランプの反射板(おわん状のもの)の根元に付いているランプの軸受けの部分が完全に千切れてしまっています。フォグランプユニットが外れたことによりこの軸受けに繋がっているハーネスでランプユニットがぶら下がった状態になったのは確かです。しかしハーネスの長さからすると、このフォグランプ部分にはテンションはかかっておらず、それが原因で千切れたとは考えにくいのです。
断面を良く見て見ると熱によって溶けた形跡があります。どうやら劣化したプラスチックにフォグランプを点灯したために熱が徐々に加わることによりさらに劣化が進み、そのため材質が脆くなっているところに、脱落により捩るような力が加わったために千切れたのではと想像できるのですが、当然のことながらこの部分が千切れてしまうと、仮にランプユニットそのものが脱落していなくても光軸が固定できないためユニットは交換となってしまいます。
もしフォグランプユニットを脱着するようなことがあれば、この部分の取り扱いには充分注意すべきでしょう。

最近は乗りっ放しであまり手をかけていない916Spiderですので、ちょっと反省し(苦笑)、続いて以前から気になっていたタイヤローテーションをしてやることにしました。

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916SpiderはFFでフロントヘビーですから当然ながら前輪側のほうが磨耗が早いのですが、やはり外してチェックして見ると前輪側はこの状態でした。

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こちらは左側の前輪で、磨耗の状態はきれいで満遍なく減っていますのでアライメントの異常はないようです。一方で右側前輪は…、

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内側が偏磨耗していました。一般的に左側通行の日本の場合は路面の状態から左側に偏磨耗が多く見られるとのことです。また左ハンドル車の場合はさらに左側にいつも荷重がかかっていますからその影響も出やすいと思うのですが、今回は右側の偏磨耗ですので、何か足回りの異常かも知れません。
続いてチェックした後輪の状態は何の問題もなかったために、今回は前後を入れ替えて様子を見ることにしました。

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もちろん実際に乗っていて異常を感じるようでは、即何らかの対策を講じなければなりませんが、今回は体感できるような問題がなかったため、様子を見るという曖昧な対策となりましたが、走行100,000kmを超えたようなクルマはアライメントだけではどうしようもなく、抜本的な対策を取るとなると足回りを完全にリフレッシュしなければなりません。

そろそろ今後この916Spiderとどのように付き合っていくかを決めねばならない時期に来ているようです。


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私説Spiderの時代 ~916誕生~

ユーノス・ロードスターに触発されたヨーロッパの各メーカーは慌ててオープンモデルの開発をスタートします。
メルセデスベンツはSLKプロジェクトを急遽スタートさせ、BMWはZ3を、そしてポルシェはボクスターを開発します。
はるか昔にこのマーケットから撤退したイギリスのローバーもMGブランドを復活させMG-Fを開発し、マーケットに残る過去の伝説に少しでも肖ろうとし、Fiatも124Spider以来のオープンモデルとしてバルケッタを開発します。
市場はポストバブルで作れば売れる時代ではなく、こうしたニッチマーケットにも各メーカーが群がらざるを得ない状態だったのです。

このように他社のオープンモデルがその開発の経緯から、何らかの形でユーノス・ロードスターをベンチマークにしていることに対して、アルファ・ロメオにとってSpiderはユーノス・ロードスターがあろうとなかろうと開発されるべきモデルでした。アルファ・ロメオにとって新型Spiderの最大のライバルは旧型のSpiderであり、27年間という未曾有の販売期間の後の新型Spiderは絶対に失敗が許されないモデルでした。

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ユーノス・ロードスターが市場に発表された1989年の2年前に新型Spiderはピニンファリーナのチーフデザイナーであったエンリコ・フミアさんの手によりそのスタイリングデザインは完成していました。
しかし、問題はどのプラットフォームをベースにこのSpiderを開発するのかという点で、当時のアルファ・ロメオが持つシャーシーはアルファ・スッドの後継モデルである水平対抗4気筒エンジンを搭載したアルファ33、トランスアクスルが特徴のアルフェッタの末裔であるアルファ75に加えて、ようやくSAAB、Fiat、Lanciaとの共同開発であったTipo4プロジェクトの最後に開発が完了したアルファ164の3種類で、そのどれもが新型Spiderにはマッチしていませんでした。
ここでの疑問は、一体アルファ・ロメオは新型Spiderをどのプラットフォームをベースに開発しようとしていたのかという点です。
Fiatがアルファ・ロメオを買収したのが1986年で、Fiat Tipoの発表は1988年ですから、Spiderの企画当初からTipoシャーシーを使用することは決定されていたのかも知れません。事実、エンリコ・フミアさんもデザインする上での制約はTipoシャーシーのサイズだったと述懐しています。

しかし、そうであれば何故Berlinaである155より早くこのプロジェクトを進行させたのでしょう。同じシャーシーやエンジンをベースにしたBerlina、Sprint、Spiderという3種のボディラインアップはアルファ・ロメオにとって鉄板で、Giulietta、Giuliaと続いたこのバリエーションは久しく途切れていたのですが、開発の順番はやはりBerlinaが最初で、続いてSprintやSpiderといったスペシャルモデルが続くのが一般的ではないでしょうか。
いくら脳天気なアルファ・ロメオの経営陣でも、その当時の自分たちにBerlinaとSpiderを一度に開発することなぞできないことは分かっていたのではないかと思います。
これからの私の仮説を裏付ける事実は、1992年に発表されたアルファ155のデザインがそれまでのアルファ・ロメオのデザインに全く実績のないトリノのI.DE.Aだったことです。このI.DE.Aという会社はむしろFiat御用達で、Fiat Tipoをデザインしたことで有名になった会社です。
アルファ・ロメオは何故、一番重要なアルファ75の後継セダンであるアルファ155のデザインを自社のデザインセンターでもなければ、今まで関係の深いピニンファリーナでもベルトーネでもないI.DE.Aに任せたのでしょうか。この決定はFiatにとってもリスキーであったに違いありません。

アルファ・ロメオはFiat傘下になったときに、合併効率を高めるためにFiatとシャーシーやエンジンの共通化をしなければならないことを予測していたのですが、その可能性が一番高いTipoシャーシーはアルファ・ロメオにとってどうしても気に入らない点があったのです。それはリアがトレーリングアームであることで、アルファ・ロメオはFFであろうとも自分たちが納得できるドライビングフィールを追求すべきと考えていました。事実、アルファ・ロメオ独自のFFモデルであったアルファ・スッドやその後継モデルのアルファ33でリアサスペンスションに採用した形式はワッツ・リンクとパナール・ロッドの組み合わせだったのです。Fiat Tipoのトレーリングアームはスペース効率とコストの面で優れてはいましたが、クルマの運動性という面ではアルファ・ロメオにとってはとても許容できないものだったのではないでしょうか。

アルファ・ロメオは自分たちが納得できるドライビングフィールを確保するためにTipoシャーシーのリアを改造してマルチ・リンク形式にすることを考え付きます。マルチ・リンクであれば仮にFiat Tipoのシャーシーであってもアルファ・ロメオのスポーツアイデンティティは守られると考えたからなのですが、改造設計に時間がかかり、コスト面でも割高となるマルチ・リンクは、Berlinaに最初から使うにはFiatの抵抗が大きいだろうと考えたアルファ・ロメオは、その実現のための方法として、Spiderと続くSprint(GTV)の計画をわざと先行させたのではないでしょうか。これらのスポーツモデルであれば、マルチリンク化するコストアップにも価格的に対応可能ですし、そこで開発費を吸収してしまえば、続くBerlinaにも使用可能だと考えたのです。しかもこの順番はGiuliettaの発表のときと同じで、先にSprintを発表しアルファ・ロメオのスポーツイメージを先行させ、後にBerlinaを発表することにより販売を伸ばした実績もあり、Fiatを説得できるのではないかと考えたのです。
実際、Fiatに買収されたことによりアルファ・ロメオはどうなるのかという市場の不安に対して、アルファ・ロメオが守るべきはその伝統であるスポーツイメージでした。
そう考えるとアルファ・ロメオがピニンファリーナに1987年の段階でSpiderのデザインを発注していた理由になります。

ところがFiatはその計画に納得せず、やはりBerlinaの計画を先行させるよう指示します。実際に当時の販売モデルであったアルファ75はエンジンをツインスパークにすることにより多少のリフレッシュ効果を上げたものの、アルフェッタ以来のシャーシは旧態化しており、Fiatにとってまず何とかしなければならないのは量販車種であるBerlinaであると考えたのです。
この決定はアルファ・ロメオにとっては予想していたことでしたが、それでもマルチ・リンク化を推進したいアルファ・ロメオが意地を張ったために、結果としてFiatはアルファ155の計画をFiatサイドで推進せざるを得なくなり、そのことがI.DE.Aというアルファ・ロメオにとって実績のないデザイン会社に任せることになったのではないでしょうか。そして一方で、アルファ・ロメオはアルファ155の計画を先行させるという譲歩と引き換えにSpider/GTVのサスペンスションにはリアをマルチ・リンクに改造して使用する許可を取り付けることに成功します。と言うか、アルファ・ロメオにとってこの結果も想定内の落としどころではなかったでしょうか。
しかし、あれほど嫌っていたTipoシャーシをベースにすることにより、アルファ・ロメオの原点とも言える、Berlina、Sprint(GTV)、Spiderという三種のボディバリエーションを復活させることができたのは皮肉なハナシです。

いずれにせよこのストーリーはあくまで私の推論ですので誤解なきように願います。

かくして当初のデザインから7年も経った1994年に発表された916Spiderは、アルファ155と同じFiat Tipoのシャーシーでありながらその兄弟車と異なり、アルファ・ロメオ独自のマルチ・リンク式のリアサスペンスションを持つスポーティなモデルとしてアルファ・ロメオが堂々と世に出せるクルマとなりました。
しかし、結果として発表時期がライバル車と奇しくも同時期になってしまったのは、ひとえにアルファ・ロメオのこの開発スケジュールの遅れによるもので、私の推論のように仮に社内の交渉に勝利した結果ではあっても、販売的には916Spiderの不運であったと言えます。
もし当初の予定通りのスケジュールでSpiderを開発し、しかもATモデルを加えて北米でも販売していれば、ライバル車より早く発売することができ、ユーノス・ロードスターとその市場を分け合い、アルファ・ロメオは北米から撤退せずに済んだかも知れませんし、続くアルファ155はリアをマルチリンクとしたスポーツセダンとして後のアルファ156に匹敵する販売実績を上げたかも知れません。
しかし、残念ながらその恩恵に与ったのはアルファ・ロメオではなく、メルセデス・ベンツのSLKやBMW Z3といったドイツ車勢で、彼らは後発のメリットからユーノス・ロードスターを研究し差別化を図り、ユーノスが確信的に取りこぼしたオープン2シーターのアッパーマーケットを狙って販売を伸ばしたのです。

これほどまで苦労して開発されたシャーシですが、916Spiderの最大の魅力はそのスタイリングであることに異論を唱える人はいないでしょう。
そのデザインは一見すると奇抜に見えるかも知れませんが、エンリコ・フミアさんによるとSpiderの下方にスロープしたボディラインはGiulietta Spiderをモチーフにした1950年代~60年代の典型的なフォルムで、フロントマスクの左右のエア・スクープも同じくGiulietta Spiderのフロントマスクをモチーフにしたそうです。
そしてそのボディデザインは20年が経った現在でも新鮮であり続けています。

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115Spiderから916Spiderへの過渡期は、一つの車種の単なるモデルチェンジではなく、アルファ・ロメオにとっては歴史的な転換期でもありました。そこには様々なストーリーがあったに違いないのですが、私たちがそれを関係者の口から聞くことができるのはもっと後のことでしょう。

いずれその時がきたら私のこの仮説の真偽を確かめて見たいものです。

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