走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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「手慣れ」の維持 ~AIRFIX 1/72 Spitfireの製作 5~

デカールが密着したら、機体の使用状況を想像しながら再現するための手順は同じで、この機体の状態を想像してみたいと思います。

前回の零式艦上戦闘機21型は、開戦初頭で部隊配備された後に機種改編で中古機となり、練習機として内地に戻って来た機体ということから、塗装も退色していただろうと想像したのですが、このスピットファイアはBattle of Britainに投入すべく製造された新鋭機であり、経年劣化で塗装が退色するといった状態ではなかったと思われます。一方でこのBattle of Britainは激戦で、パイロットは一日に3回以上迎撃に飛び立つのは日常だったと言われています。
すなわち、基地に着陸すると燃料と弾薬を補給してすぐにまた飛び上がるといったローテーションで、とても機体の清掃などを行っている余裕はなく、エンジンの整備なども夜間に行われていたのであろうと想像できます。
従って、機体表面にはオイルや機銃発射のススなどが付着した状態を再現し、さらに慌しい整備から各部のハッチの塗装が剥れた状態を再現することにします。

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ウォッシングが終わった状態です。今回はフラットブラック2:レッドブラウン1の割合で薄めたエナメルシンナーを使いました。

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ウォッシングのシンナーが乾燥したら次はスミ入れなのですが、ウォッシングで機体の汚れは充分再現できたと思いますので、スミ入れはパネルラインのみに止めるようにし、乾燥したらエナメルシンナーを含ませた綿棒で丁寧に余分な部分を拭き取ります。

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機体上面はブラックで、機体下面はリアルタッチマーカーのブラウンでスミ入れしてみました。ちょっと煩くなってしまいましたが、機体の実感と言うよりこのキットのパネルラインの再現性が強調された結果となり、それはそれで良いのではと修正するのはヤメにしました(苦笑)

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続いてパネルラインのチッピングですが、前回の零戦よりも多くしてみました。塗料が剥れる箇所は主翼、尾翼の前縁、機銃の装填パネル、エンジン点検パネル、そしてコクピットの乗降パネルです。スピットファイアはパイロットが乗降しやすいように、左側の機体パネルの一部が下に折れ曲がるようになっています。

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最後にウェザリングですが、排気管からのスス汚れと機銃発射口と薬莢排出口からの汚れを再現して見ました。
何せ主翼には左右で8門の機銃が装備されていますので相当派手に汚れることとなってしまいました。

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さて、前回の記事で日本でテストされた米軍のP-51C「マスタング」とP-40E「ウォーホーク」について触れましたが、太平洋戦争緒戦時の米国陸軍航空隊の正式戦闘機がP-40で、あの真珠湾攻撃の際に唯一迎撃に飛び立ったのがこのP-40B型で、その後の改良版がP-40E型です。

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緒戦で破竹の進撃を果たした日本軍は、当時敵の飛行場を占領した際に無傷のP-40Eを鹵獲することに成功します。
その内の1機は内地に送られ、テスト飛行や研究用にされたのですが、一方でビルマのラングーンではその上昇力と強力な武装から、従来の日本機より迎撃能力が高いと判断され、残った鹵獲P-40Eによる臨時の防空隊が、飛行第五十戦隊の高野明中尉(陸士53期)以下4名の操縦者と整備隊で結成されました。
敵の飛行機をこうして戦闘に使用することは珍しくなく、ヨーロッパ戦線のドイツでも不時着した機体を修理して使用した例がありますが、それは敵に味方機と誤認させるための特殊な作戦に使用され、この日本の例のように通常の戦闘で使用されたのは珍しい例だと思います。しかし、残念ながら初陣の夜間迎撃では味方の飛行第十二戦隊所属の九七式重爆を誤って攻撃して不時着大破させるなどの失敗もあり、あまり活躍することなく三ヶ月ほどで解散してしまいました。

一方で内地に送られテストされたP-40Eは空戦能力では日本機に適わず、「怖れるに足らず」という結果だったのですが、唯一頑丈な機体であることから上昇力と急降下能力では優れており、仮に日本機を高空から先に発見し、急降下で一撃してそのまま降下し離脱されると、日本機では手も足も出ないことが分かり、日本でもそうした能力を持つ「局地戦闘機」のニーズが発生したのは前回の記事でお知らせした通りです。

テストパイロットという立場は偏らない冷静な分析力が求められるのですが、その結果の評価に当たっては戦時下ではどうしても味方の機種を贔屓目に見てしまい、欠点ばかりを探すようになってしまうものですが、1943年11月当時大学生だった佐々木氏(後に召集され陸軍少尉に任官)は、陸軍航空技術研究所で鹵獲展示されたP-40Eのコクピットに座る機会があり、日本機にはない防弾装備と小便を機外に排出するため操縦席に備え付けられた蛇腹状の管を見て、人間工学を配慮した設計に感銘を受けたと述懐しています。
テストパイロットとして飛行しなくても、ニュートラルな視点を持った学生であればこうした日米の用兵文化の差を瞬時に見抜くことができたのであろうと思います。

一方のP-51C「マスタング」は米国陸軍が誇る新鋭機で鹵獲するチャンスはなかったのですが、1945年(昭和20年)1月16日、中国蘇州の日本軍飛行場を機銃による掃射攻撃時に被弾後、近くの水田に不時着してしまいます。パイロットはシートベルトを自分で外すよりも早く日本兵に囲まれ引きずり出されて捕虜の身となりました。 彼はその後収容所を転々としますが、無事に生き残って最終的には札幌で終戦を迎えることとなります。

パイロットの名前はサミュエル・マクミラン(Smuel McMillan)少尉で、彼は本来の自機ではなく、たまたまオリバー・ストローブリッジ(Oliver E. Strawbridge)中尉の愛機であった「エヴァリナ」というニックネームの機体に乗って出撃したのですが、殆ど無傷であったこの機体は修理されて内地に送られテストされることになったのです。
当時の陸軍のテストパイロットであった黒江氏だけでなく、戦闘機の旋回性能・加速力などを重要視し飛行技量が物を言う巴戦を得意とした日本の陸海軍航空隊搭乗員間においても、アメリカ海軍機F6F「ヘルキャット」とならび、空戦性能でも日本陸海軍機にしばしば引けをとらない性能を見せたこのP-51Cは、自負心の強いベテラン搭乗員にさえ「なかなか手強い敵機」との評判でした。
黒江氏はこのP-51Cに乗り、味方の基地を巡回して模擬空戦を行って攻撃法の伝授をしたのですが、「味方が自信を喪失しないため性能をすべて引き出さなかった」そうです。

このP-51Cは最後にエンジンが焼きつきを起こして飛行不能になってしまいます。当然ながら予備のマーリンエンジン(ロールス・ロイス製ではなくパッカード社がライセンス生産)は日本にあるはずもなく、黒江氏は友人であった檜少佐(エースパイロットとして有名)にP-51を撃墜して不時着させてくれ・・・と無茶なお願いをします。実戦で撃墜するだけでなく、エンジンを傷つけるな・・・とは随分な要求ですが、檜少佐も快諾し実際にP-51を撃墜するのですが、伊勢湾上空であったため機体は海に沈んでしまいエンジンの鹵獲は成らなかったそうです。

それではスピットファイアの仕上げに移りましょう。
キャノピーは零戦と異なり枠が少ないものですから塗るのも簡単です。今回は面倒がらずにマスキングをして塗装しました。

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またちゃんと前部キャノピー上のバックミラーもモールドされていますので、鏡面をシルバーで塗っておきます。

プロペラは先端部を黄色に塗るのですが、発色のためにまず黄色を塗ってからその部分をマスキングテープでカバーして、残る部分をフラットブラックで仕上げるとうまくできると思います。

特筆すべきはタイヤで、イギリスの飛行場は舗装された滑走路ばかりではなく、牧草地を均しただけの臨時飛行場も多かったために、主脚のタイヤは低圧のバルーンタイヤが装備されていました。AIRFIXはちゃんとそれも再現しており、着陸時にタイヤが潰れた状態で成型されています。そして例によって組立説明書にはちゃんとその取り付け角度が指示されています(笑)。

最後に主翼下のピトー管を取り付け、コクピット後ろのアンテナマストを取り付けます。

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スピットファイアは好きな機体ですので、奮発してディスプレイベースを作って見ました。アガチス材のディスプレイベースに田宮模型の情景テクスチャーペイントの草(グリーン)を使って牧草地の飛行場っぽくします。
ディスプレイベースにベタ塗りするのではなく、わざと一部に塗ることにより、ジオラマではなくディスプレイベースであることを強調して見ました。

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このAIRFIXの1/72キットはその出来が素晴らしく、今後の新金型での開発が楽しみなシリーズです。
残念ながら田宮模型やハセガワと言った日本製の素晴らしいキットと比べると、見劣りがする部分があるのも確かですが、そのお値段(日本製の1/3)と筆塗りを前提とした深いスジ彫りには好感が持てますし、デカールはそのバリエーションはないものの、質そのものは最高ですので、作ってみてストレスを感じることはありませんでした。実は、同じく新金型の上述したP-40Bも買ってしまいましたので、そのうち機会があれば造ってみたいと思っています(苦笑)。

繰り返しになりますが、安上がりな趣味として1/72スケールの飛行機からプラモデル復帰というのはアリだと思いますので、興味を持っていただけたなら是非、試してみてはいかがでしょうか。

随分と手の感覚も戻ってきましたので、次はいよいよ本題の頼まれ物を製作することにしましょう。

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「手慣れ」の維持 ~AIRFIX 1/72 Spitfireの製作 4~

こうしてマスキングで塗り分けを行うと、塗り分け部分ははっきりとしており、しかも上に塗った塗料のエッジが立ってしまいます。今回は少しでもそのエッジを均すためと塗り分け部分をボカすために、二色混合塗料はシンナーで薄めて、面相筆で乾燥した塗料を溶かすようにエッジに沿って少しずつ塗ってみましたが、あまり効果はありませんでした。

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やはり最終的にはペーパーで均すしかないのでしょうが、そうすると表面のモールドも削ってしまう恐れがありますので、今回は我慢して次回への課題とします。
名人のフリーハンドでの塗り分けはこうしたマスキングテープによるエッジの問題もなく、やはり筆塗りの王道なのだと実感しました。

ここで下面を保護していたマスキングテープとマスキングゾルを剥がします。

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さて、以前の記事で米軍が鹵獲接収した日本機をテスト飛行し、評価したハナシを書きましたが、もちろん日本でも同様のテストを行っていました。テストの対象は敵国の鹵獲した飛行機だけでなく、同盟国であったドイツの戦闘機も参考のために輸入し、テストをしていたことは前回のBf109の記事でお知らせしたとおりです。

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さらに日本は同じくドイツの戦闘機であったフォッケウルフFw190A-5も輸入してテストしていました。それは1943年のことで、既に連合軍の反攻作戦は始まっており、危険と隣り合わせの中で海軍の潜水艦で日本まで輸送されました。この機は陸軍航空総監部で技術的な分析ののち飛行テストが行われ、その結果はメーカーの技術者も参照でき、後に五式戦闘機(キ-100)のエンジン排気の空力処理などの参考にされました。

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この五式戦闘機は、以前に記事にした三式戦「飛燕」に搭載されたダイムラーベンツDB-601液冷エンジンの生産が滞ってしまったために、急遽エンジンを空冷エンジンに替えて設計された機体で、言うなれば「やっつけ仕事」でわずか三ヶ月で造られた戦闘機でした。
設計者にして見れば、搭載するエンジンをいきなり液冷から空冷に変えろと命令されるのは、自動車で言えばフロントのエンジンをリアに積めと言われるほどの大きな変更で、主任技師であった川崎航空機(現在の新明和工業)の土井氏は最初は抵抗したそうですが、エンジン生産の遅延から一時は230機もの三式戦がエンジンなしの状態で工場に滞留するという異常事態から、設計変更を承諾せざるを得ませんでした。
しかし、正面面積の小さい液冷エンジン装備を前提に設計されたスマートな胴体に、直径の大きな空冷エンジンを取り付けることには空力上も大きな問題があり、そこでドイツより輸入され、陸軍航空審査部にて試験機として鹵獲した連合軍機と共にテストされていたFw 190A-5の排気まわりの空力処理を参考にして、太くなった機首部分と細い胴体の段差に単排気管を並べ、段差で発生する乱流を排気ガスのジェット効果で吹き飛ばすようにして、ようやく量産に漕ぎ着けることができたのですが、実際の五式戦は急造設計にも関わらず、信頼性の高い空冷エンジンのおかげで稼働率も高く、その性能も意外に優れており、「もっと早く改造していれば・・・」とパイロットは悔しがったと言われています。
実際に上の写真で五式戦とFw190のエンジンカウリング横の排気管の写真を見比べていただければ、五式戦の設計がFw190の影響を受けていることが分かると思います。

このように戦時下に輸入されたFw190により、無理して作ったDB-601エンジンの量産失敗のツケを返してもらった形となったのですが、実際にドイツでもFw190はBf109よりも性能が優れていたにも関わらず、政治的な理由からBf109の量産を優先されたことは皮肉な符合と言えるでしょう。

そして、Fw190のテストで最も有名なものが、鹵獲した米軍のP-51C「マスタング」、

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そしてP-40E「ウォーホーク」、

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及び陸軍の新鋭戦闘機であった四式戦「疾風」、

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三式戦「飛燕」

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との全力直線飛行テストで、高度5,000mで行われたこの航空史でも珍しいエアレースでは、加速に優れるFw190はスタートで他機種を引き離すものの、3分後にはP-51Cに追い抜かれ、5分後の時点ではP-51Cの遥か後方に遅れてしまい、Fw190と「疾風」が大体同じ位置に、さらに少し後れて「飛燕」、さらに後方にP-40Eという結果となりました。
エンジン別で見ると、順位はパッカード(ロールス・ロイス)マーリンエンジン、BMW801エンジン、中島航空機(現富士重工)誉エンジン、川崎航空機(現新明和工業)ハ40(ダイムラー・ベンツDB-601)エンジン、アリソンV-0710エンジンとなり、アリソン社以外は全て現在の自動車メーカーでもあるところが実に興味深い順位と言えるでしょう。
後の米軍による四式戦「疾風」のテスト結果とは異なっていますが、燃料や整備状況などで違いが出たのは当然で、自動車以上に飛行機の性能はこうした要因に大きく左右される例だと思います。

機体の塗装が終わったら、まずはデカールの貼り付けです。塗装図を見るとデカールの上にまたデカールを貼らなければならない箇所がありますので、貼る順番に注意しながら貼って行きます。前回の零戦の経験からこのデカールはマークセッターを塗ることにより密着性が高まることが分かりましたので、今回はウォッシングの前に注意書き(ステンシル)も全て貼ってしまいます。

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1/72スケールでは限界と思える程、機体に書かれた細かい注意書き(ステンシル)がデカールで再現されています。しかもその文字がちゃんと読めてしまうところが本当に凄いのですが、実際にこれらの小さなデカールを順番に貼るのはそれだけでも根気が要る作業です。
機体下面の国籍マークがないのですが、当時は様々な塗装があったようで、左右を黒と白に塗り分けた機体なんてのもありました。まあ、この翼のシルエットでは間違えようがないでしょうから、国籍マークは不要と判断されたのでしょう。

一方で、機体横の国籍マークと機体記号はオーバーサイズ気味で、塗装図のサイズで貼り付け位置を調整しても合いません(苦笑)。これはおそらくミスだと思われますので、どうしても気になる方は市販の別売りデカールを使うほうが良いでしょう。

デカールが密着したら、さらに機体表面の実感を増すための処理を行います。

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「手慣れ」の維持 ~AIRFIX 1/72 Spitfireの製作 3~

塗装のお話の前に、スピットファイアの好敵手であったドイツ空軍のメッサーシュミットBf109-E型についてのお話をしたいと思います。
この2機は実に好対照で、片や一撃離脱型の高速戦闘機、そしてもう一方は迎撃戦闘機として開発された、まるで矛と盾のような関係で、いずれ対決するのが運命のような二機でした。
メッサーシュミットBf109は1934年に開発が開始され、これも奇しくもスピットファイアと同じでした。設計者はロベルト・ベッサーで開発当初はバイエルン航空機製造という会社で、後にメッサーシュミット社に合併されたことから、当初はBf109という機体記号を与えられていました。(後にMe109と改称)

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Bf109が搭載したエンジンはダイムラー・ベンツ製のDB-601で、零戦の記事でも触れましたので詳しくはそちらをご覧いただければと思いますが、スピットファイアが搭載したロールス・ロイス マーリンエンジンとの最大の差は、燃料直接噴射ポンプ、つまり現在で言う燃料噴射装置を使用していたことです。
一方のマーリンエンジンは信頼性のある従来からあったキャブレター方式であったのですが、地上を走る自動車と異なり、航空機の場合はマイナスGがかかるとキャブレターへのガソリン供給が途切れてしまい、エンジンが息継ぎを起こしてしまうことがあったのに対して、燃料噴射の場合はそういったことがなく、スピットファイア(ハリケーンも同様)との空中戦においてこの一瞬を衝き、多くのイギリス機が撃墜されてしまいました。さらにマーリンエンジンが通常のV型エンジンであったことに対してDB-601は倒立V型で、機首に機関銃を装備するスペースを作ることができたりと、エンジン単体で見たときにはDB-601の方が優れていると言えました。

機体の性能はBf109E-3が最大速度555km/hに対してスピットファイアMk.Iは586km/hと優速で、さらに格闘性能も前述のエンジンの問題を除けばスピットファイアのほうが優れていたことに加えて、航続距離が短いためにBf109はイギリス本土上空で10分~15分程しか戦闘をできなかったことから、総合的な性能ではスピットファイアに軍配が上がったのですが、空中戦はパイロットの錬度が大きく影響し、当時のドイツ空軍はすでにベテランのパイロットが多くいたことに対して、イギリス空軍は速成の新米パイロットが多かったことから、個々の空中戦ではほぼ互角であったと言われています。

あまりに有名なエピソードとして語られている話ですが、苦戦中のドイツ戦闘機部隊を叱咤のために訪れた空軍元帥であったゲーリンクが、「何か希望は?」と各戦闘機部隊長に尋ねた際に、エースパイロットとして有名なガーラントは、「スピットファイアを配備して欲しい」と答えたと言われていますが、これは史実ではなく、実際は要望していたBf109の改良を急いで欲しいというものだったとのことです。

実はこのBf109-Eは日本にも輸入されテストされています。
Battle of Britainが失敗に終わり、ドイツが攻撃の矛先をロシアに向けていた1941年1月から6月にかけて、ドイツ・イタリアに日本陸軍の山下奉文航空総監を団長(後にシンガポール攻略の司令官)とする軍事視察団が派遣されました。
当時の日本はドイツ・イタリアと三国同盟を締結し、アメリカとの開戦を視野に入れて準備を始めていたのですが、一方でドイツはアメリカを戦争に巻き込みたくはなく、むしろ日本には満州側からロシアを攻めて欲しいと願っていましたので、この軍事視察団を受け入れて破格のもてなしをしたのですが、この際にレーゲンスブルクのメッサーシュミット工場でBf109E-3の展示飛行を見学し、実験用に輸入する話が決まりました。しかし当時、このE-3型は旧型となっており、前線ではすでにBattle of Britainの戦訓から大幅に改良されたF型が配備されていたのですが、当時のドイツは日本の航空技術をナメており、日本に売るのなら旧型のE-3で充分と判断してのことでした。

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そして同年6月にはBf109E-3型3機が神戸に到着し、岐阜県の陸軍各務原飛行場に移し試験飛行が行われました。当時の日本陸軍は格闘性能を重視しており、武装も7.7mmか12.7mm機銃2門が標準装備で、最高速や加速力などは二の次とされていました。確かに日本の戦闘機パイロットは巴戦(格闘戦を日本では「巴戦」と呼んでいました)を好み、軽快な戦闘機を第一に考えていたのです。
しかし、一方で中国戦線の経験から単に格闘性能だけでなく、重武装と速度重視の迎撃戦闘機(日本では「局地戦闘機」と呼んでいました)のニーズが高まっており、新たに開発されていたキ-44(のちの二式単座戦闘機「鍾馗」)との間で性能比較が行われたのですが、速度・加速力・上昇性能・航続距離・格闘戦能力など、全ての要素で全面的にキ-44が上回っていました。

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しかし、これで根強い巴戦至上主義の日本陸軍で採用が危ぶまれていたキ-44の正式採用が決まる一方で、「メッサーシュミット怖るに足らず」という結果となったのですが、搭載されていたDB-601エンジンは好評で、前回の零戦の記事で触れたようにライセンス生産を行うこととなったのです。
そして謎なのがこの3機のBf109の行方で、その後の消息が定かではありません。恐らくエンジンはライセンス生産時の参考としてバラバラにされ、機体はスクラップになったのではないかと思います。

さて、引き続きスピットファイアの製作に戻りましょう。胴体下面には空気取り入れ口やラジエーターなどが別パーツで用意されていますが、筆塗りの場合はなるべく平面な状態が望ましいので、これらは塗装後に改めて取り付けることにして、まずは下面色であるダックエッググリーンを塗ります。

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機首の空気取り入れ口はパーツ成型の都合上分割されていますので、その継ぎ目を溶きパテを使って埋めて整形しておきます。

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これらのパーツを取り付けて改めて取り付けたラジエーターなどに下面色を塗装します。

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上面色を塗る前にマスキングを行い、今度は上面色の塗装に移ります。
マスキングにはマスキングゾルとマスキングテープを使います。マスキングゾルは主翼下面などの塗料が垂れる部分を保護するために、マスキングテープは上面色との塗り分け部分のために使用します。

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マスキングが終わったらいよいよ上面塗装を行いますが、これまでの作業で手の皮脂が付いていますので、まずはエナメルシンナーで表面を拭いておきます。
イギリス機の場合の上面色は二色の迷彩が基本です。このモデルはダークアースとダークグリーンの二色でどちらも明度はほぼ同じですので、どちらの色を先に塗っても良さそうですが、色の定着の良さからベースはダークアースで塗ることにします。

筆塗りの場合はどうしても塗膜が厚くなってしまいますので、こうした重ね塗りは避けたいところです。そのためには別々にマスキングして塗装することにより重ね塗りを避けて塗膜を均一にする方法もあるのですが、面倒くさいのと(苦笑)、最後に塗るダークグリーンはなるべく薄めに塗ることにして今回は重ね塗りをすることにします。

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下地となるダークアースの塗装が終了しました。

次にダークグリーンの塗装ですが、ベテランのモデラーはフリーハンドで筆塗りをするそうですが、流石に私はそこまで上手くありませんので、マスキングをすることにします。

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マスキングの方法はイロイロあるのですが、まずは塗装図を実物と同じ大きさに拡大して印刷します。最近の国産キットの場合はちゃんと塗装図にスケール表示が書いてありますので、拡大/縮小倍率の設定でモデルと同じ大きさにできるのですが、AIRFIXの箱の塗装図にはスケールの表示がありませんでしたので、目分量でPC上で設定し印刷をして合わせて見るというアナログな方法を使いましたが、三回目でほぼ原寸大となりましたのでこんないい加減なやり方でも何とかなるものです(苦笑)。

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次にその印刷した塗装図を事務用のクリアーファイルに入れます。クリアーファイルは100円ショップで売っている薄手の透明なものがこれからの作業にはピッタリです。
クリアーファイルの上に両面テープを貼ると、中の塗装図が透けて見えますので、その塗り分け線をペンでなぞって、デザインナイフで切り出せば、マスキングシートの完成です。
私は油性のペンを使って失敗してしまったのですが、使用するのは鉛筆にするか切り出すマスキングシート部分にはペンの跡を残さないようにしてください。油性のペンを使用すると塗装をするときに溶け出してしまいます。

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平面図を基にに切り出したマスキングテープを立体物に貼るのはそれなりの工夫も必要ですが、機体のモールドをガイドにして塗り分け部分さえ皺にならずに貼り付けることができればまずは成功です。

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そして二色目のダークグリーンを塗装します。下地がダークアースですので、それほど厚塗りしなくても色ムラもなく塗装することができました。もともと深目に彫られたスジ彫りも塗料で埋まって丁度良い深さになりました。

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塗料が乾燥したらマスキングシートを剥がしますが、下面色のカバー部分はまだ剥がさずにおき、上面色の塗り分けのマスクのみを剥がします。
マスキングシートを使って塗り分けましたので、境目がはっきりとしており、さらに塗料の厚みが目立っています。
これらを修正し、塗り分けの境目をボカす処理を行いながらさらに塗装を続けますが、ここからは実感を高めるための塗装のフィニッシングです。

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「手慣れ」の維持 ~AIRFIX 1/72 Spitfireの製作 2~

例によってコクピットの組み立てからです。イギリス機の機内色はエアクラフトグレイグリーン(BS283)という色で、特別色として販売されているのですが、そのためだけに買うのも勿体無いので、調色して作ることにします。

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写真はハリケーンの機体内部色ですが、グレイグリーンというより「黄緑色」という感じですので、米軍機用の機体内部色にグリーンを混ぜて見ました。

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調色したときはちょっと明るすぎる感じだったのですが、ウォッシングやウェザリングをすることにより、トーンが落ちて結果オーライとなりました。

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例によって1/72スケールですので完成してキャノピーを取り付けると内部は殆ど見えませんが、折角精密に再現されていますので、ちゃんと塗装して仕上げます。

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気になったのが椅子のサイドの厚みで、ボッテリと見えてしまいますので、ナイフでエッジを削って薄く見えるようにしておきます。

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胴体側面にモールドされている機器類もフラットブラックやクロームシルバーで塗り分けますが、結構適当です(苦笑)。

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計器盤はデカールで再現されていますが、中央の射撃照準器が邪魔になりますので、予めデカールの干渉する部分をデザインナイフで切っておくと良いでしょう。

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コクピット後方の酸素ボンベまでパーツで再現されていますが、これまた完成してしまえば殆ど見えません。酸素ボンベは機体内部色で塗られていたようですが、少しでも目立てば・・・とフラットアルミで塗装して見ましたが、恐らく徒労でしょう(苦笑)。

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コクピットが完成したら胴体を貼り合わせます。説明書ではプロペラをこのときに胴体に取り付けるように指示されていますが、これからの工程で邪魔になりますので、プロペラは最後に取り付けることにします。しかし、そうするとプロペラは可動しなくなってしまいますが、プロペラが廻ることがスケールモデルにとって重要ではありませんし、かえってスピンナー(プロペラ中心のカバー)と胴体のガタの原因となったり、廻ることが破損の原因になったりしますので、固定してしまうほうが安全だと思います。

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コクピットを挟み込んだことにより合わせ目に少し隙間ができてしまいました。接着剤が乾燥したらパテを盛って隙間を埋めておきます。これからの作業ではコクピットを汚してしまう可能性がありますので、マスキングテープで保護しておきます。

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胴体の合わせ目は800番のペーパーで削って合わせ目を消します。その際にスジ彫りも消えてしまいますので、このようにマスキングテープをガイドにして、再度スジ彫りを彫りなおしておきます。

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主翼を貼り合わせる前に、主脚収納部分と主翼に装備された7.62mm機関銃の薬莢排出口の内側を塗装しておきます。
この機体の場合は主脚収納部は主翼下面色と同じなので、予めMr.Colorの26番「ダック・エッグ・グリーン」で塗っておき、薬莢排出口の部分はフラットブラックで塗装しておきます。

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このスピットファイアの初期型であるMk.1aは7.62mm機銃を8門も装備していました。
実は、第二次大戦の戦闘機の武装は各国によってその思想が異なっています。大別すると大口径機関砲を装備し、「一撃必殺」を目指すか、口径は小さくても多数の機関銃を装備し、「数撃ちゃ当たる」と考えるかのどちらかなのですが、Battle of Britainで戦ったイギリス空軍のこのスピットファイアもハリケーンも多銃装備型でどちらも7.62mm機関銃を8門装備していました。装備していたこのブローニング製の7.62mm機銃は現在も現役で使用されており、発射初速が速く弾道が低伸する(真っ直ぐに弾が飛ぶので照準しやすい)名機関銃です。そして片翼4門ずつの機銃の弾道を交差させずに扇型になるよう調整することにより、空戦機動中で機体が不安定な状態あっても、敵の進行方向に発射することにより弾幕を造ることができ、敵機がその弾幕に突っ込んでしまえば、確実に相手に損害を与えることができたのです。

これは迎撃戦闘機という要求からは理に適っており、相手を確実に撃墜できなくても損害を与えることにより、相手に爆撃を断念させることができれば、迎撃戦闘機としての役割は達成されたことになります。
事実、多くのドイツ空軍の爆撃機がイギリス上空で撃墜されただけでなく、損害を受けた機の搭乗員は機上で戦死したり、エンジンに被弾した機はドーバー海峡を渡って基地に帰還することができず、その多くが海上に不時着し失われました。こうしてドイツ空軍の爆撃機隊は消耗して行き、イギリス本土上の制空権を握ることができず、結果として侵攻作戦をアキラメさせたのですから、イギリスはこの小口径機銃の多銃装備によりこの戦いに戦略的に勝利したことになります。

対戦闘機戦闘においても、ベテランの搭乗員であれば一撃必殺も可能であったでしょうが、新米パイロットにとっては、空中戦ではそれができる射撃位置につくことすら難しく、どうしても遠くから機体が不安定なままで射撃を開始してしまうことが多く、そういった場合は機銃の弾道が定まらないために相手に命中させることは困難なのですが、こうした多銃装備の場合は、上述したように弾幕を張ることができるため、少なくとも相手に味方への攻撃をあきらめさせたり、多少なりとも損害を与えることができれば、続く戦闘飛行を断念させることができたのです。
これも少数の戦闘機で防空戦闘を行うための戦術で、弾がなくなれば着陸してすぐに補給することができる自国の領土上での迎撃戦闘に特化したことによる武装でした。しかし、やはり7.62mm機銃では破壊力がなく、後の発展型では機銃の数を減らして12.7mm機銃や20mm機関砲を装備するようになりました。

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一方相手方であったドイツ空軍の主力戦闘機であったメッサーシュミットBf109E-3型は主翼内に20mm機関砲を2門と胴体機首に7.92mm機関銃2門という装備で、どちらかというと一撃必殺型の侵攻戦闘機と言えました。
大口径の機関砲は当たればその破壊力は凄まじいものがありますが、一方で発射初速が低く弾道が不安定なことに加えて、携行する弾数が少なくなってしまい、折角相手を捕らえても弾がない・・・といったことになってしまいます。
しかし、これは戦闘機を開発する際の要求性能から決定されたものであり、メッサーシュミットBf-109は一撃離脱型の高速戦闘機を目指していたこともあり、あまり空中戦を想定していなかったことから、大口径の機関砲を装備し、一発でも命中すれば相手を確実に破壊できる威力の方を好んだのでしょう。これは当時のパイロットの希望にも沿ったものでもあり、スペイン内戦などで実戦経験も豊富であったドイツ空軍の戦闘機パイロットは、自分達の飛行技術にも自信を持っており、敵機を撃墜することに拘ったのではないかと思います。

零式艦上戦闘機もその装備する20mm機関砲の威力は絶大で、当たると確実に敵機を撃墜することができたそうですが、メッサーシュミットBf-109と同様の問題を抱えており、「ションベン弾」と呼ばれるほど発射初速の遅さから弾道が弧を描いて落ちていってしまうことに加えて、3秒も連射すると撃ち尽してしまうほどの携行弾数の少なさから、あまり評判は良くなかったと言われています。従って零戦の場合はその優秀な空戦性能により相手を追い詰め、近距離からここぞという時に短い連射でダダダッと20mm機関砲を発射するという戦闘方法で、メッサーシュミットBf-109のように高速で突っ込み、一撃すると離脱し、また上昇して索敵するという戦闘方法とは異なっていたことは、中世の騎士が馬上で槍を持った戦い方と武士の刀による戦い方の差と同じであることは、実に興味深い違いだと思います。

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胴体に続いて主翼と尾翼を取り付けます。素晴らしいのがこれらのパーツの組み合わせで、殆ど修正が必要ないほどばっちりと組みあがります。前回の記事で気になった主翼前部と胴体下部の接合部分ですが、段々と気にならなくなって来ましたので、プラペーパーを挟むのは止めにしました(苦笑)

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続いて塗装ですが、まずは下面色から始めます。

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「手慣れ」の維持 ~AIRFIX 1/72 Spitfireの製作 1~

前回の記事で筆塗りだけで造ったAIRFIX製の1/72スケール零式艦上戦闘機21型のことを書かせていただいたのですが、その新金型のAIRFIXのキットがいたく気に入ったので、懲りもせずに同じく新金型という「謳い文句」に惹かれて続けて購入してしまいました(苦笑)。

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前回の零戦ではAIRFIXというイギリスのメーカー故に「肩の力が抜けている」と評したのですが、このメーカーが新たに新金型で発売したのは、第二次世界大戦におけるイギリス空軍の名機中の名機であるSupermarine Spitfire(スピットファイア)です。
実は、私自身はイギリス機好きで、過去にも書きましたが、最初に買ったAIRFIX製のキットが1/72スケールのBoulton Paul Defiant(デファイアント)という変態駄作機でした。

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このデファイアントについてはまたどこかでご紹介したいと思いますが、普通の子供が見向きもしない機種であったことは確かで、だからこそ模型屋で売れ残って値引きされていたのですが、私自身にとっては安いから買ったのではなく、何かアヤシイ?魅力のある機種だったのです。

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イギリス人にとってこのSpitfireは特別な思い入れのある機種で、第二次世界大戦を代表する戦闘機であるだけでなく、ドイツ軍のイギリス侵攻を断念させた航空戦(Battle of Britain)の主役で、このキットもその航空戦の際に活躍したMk.1aをモデル化しています。

スピットファイアの原型は1934年にまで遡り、数々の試作の後、1936年にようやく最終試作機として初飛行を果たします。設計にあたったのはR.J.ミッチェル技師で、彼はそれまで流麗な流線型を持つ機体を設計し、世界的な飛行機レースであった「シュナイダー・トロフィー・レース」という水上飛行機のレースでフランスやイタリアとその優勝を争い、結果3度の優勝を得ていた名デザイナーです。

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彼の設計コンセプトはそのシュナイダー・トロフィー・レースに出場したS6Bをベースにしており、出来上がった試作機はその特徴ある楕円形の主翼と引き締まったボディに加えて、ロールス・ロイス製のマーリンエンジンを搭載したことにより、その外観に違わず高性能を発揮しました。

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このロールス・ロイス製のマーリンエンジンは第二次世界大戦を代表する航空エンジンで、水冷式のV型12気筒、OHC方式のカムシャフトに、吸気/排気に各々2バルブを装備した高性能エンジンで、後に連合軍の様々な航空機に搭載され第二次世界大戦を通じて使用された名エンジンです。

このエンジンを搭載したことにより、スピットファイアは迎撃戦闘機として必要な上昇力とスピードを得ることができ、また特徴ある楕円翼により軽快な運動性を発揮し、イギリス空軍の主力戦闘機として活躍することとなります。
1940年7月に始まったドイツ空軍によるイギリス攻撃の際に、このスピットファイアはまだ量産中で、主力戦闘機はHawker Harricane(ハリケーン)でしたが、

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イギリス空軍は新兵器として開発したレーダーによりドイツ空軍の動向をいち早く察知し、迎撃部隊に対して目標を指示することができたために、対爆撃機にはハリケーンの部隊を、対護衛戦闘機にはスピットファイアの部隊を振り分けることにより効率良く迎撃戦闘を行い、圧倒的に少数の戦闘機と常に基地が空爆に晒されるという悪条件の中、何とかドイツ軍のイギリス侵攻を断念させることに成功します。

このBattle of Britainはイギリスにとっていまだに語り継がれる戦いであると共に、その主役であったスピットファイアはイギリス人にとって当に「救国戦闘機」で、彼らにとっては特別な思い入れのある機種であるために、AIRFIX社もこれまで何度もモデル化しているのですが、その戦いから70周年となることを記念する意味でも、再生したAIRFIX社にとって当然のことながら真っ先に新しく設計しなおさねばならない機種で、零戦と異なり肩どころか全身に力の入った渾身の作品となっています。

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パーツ割りは前回の零戦と同様に、主翼の上半角が狂わないように下翼部分は左右繋がって成型されており、組み立てやすそうなキットです。
スジ彫りは零戦と同様に、筆塗りを前提とした彫りの深いものですが、さらに細かく機体のパネルラインが再現されています。またコクピットは1/72スケールでのプラスチックパーツの限界と思えるほど凝っており、バルクヘッドと呼ばれるコクピットの背面のパネルに加えて、酸素ボンベまでがパーツ化されています。
正直言って、田宮製の1/72の同キットと比較すると劣っている部分があるのも確かですが、クルマと同じく模型というのはCADで設計する時代になっても、その設計者の思い入れが反映されるもので、その意味ではイギリスのAIRFIX社の思い入れを感じることができるこちらのキットの方が個人的には好ましく思えます。

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デカールは一種のみで、Battle of Britainの際に最前線の基地であったBiggin Hillに展開していた第610飛行中隊(Squadron)の有名な機体を再現することができます。デカールは特に表示はなかったのですが、零戦と同様にカルトグラフ製と思われ、これでもかとばかりに細かい機体の注意書き(ステンシル)が再現されています。
これまた有名な機体ですので、数多くの別売デカールが販売されていますので、他人と違うものを・・・と考えるモデラーにとっても「選り取り見取り」だと思います。

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このキットも前回の零戦と同様に筆塗りで仕上げようと思っていますが、造り方は基本的に同じですので、細かな説明は省いて、組み立てに当たって注意する箇所や経緯を飛行機に関する薀蓄?と共にご紹介して行くことにします。

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例によって機体全体のバランスを見るために仮組みをしてみました。基本的なパーツ割りは零戦と同様なのですが、主翼上下と左右の胴体を合わせるための雄と雌の合わせがきつく、どうしても少し浮いてしまいますので、雄側のピンを削って調整しておきます。今回はパーツ同士の合わせが良かったので残しましたが、削り合わせが必要な場合はいっそのこと切り飛ばしてしまっても良いかと思います。

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パーツ同士の合わせは概ね良好なのですが、主翼全縁と胴体との合わせ目が少し大きく感じます。

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パテで埋めて補修しようかと思ったのですが、今回はプラペーパーという紙状の薄い板を使って隙間を埋めようと思います。

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このように隙間にペーパーを挟んで余分な部分を切り取って整形することにより隙間を狭くすることができます。

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それでは製作に取りかかりましょう。

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