雨が続いたためなかなかボディの仕上げに手を付けることができません(泣)
ご存知のようにスプレーによる塗装は空気中の湿気と密接な関係があるため、湿度が高い状態で塗装をすると、塗装が白濁する「カブリ」と呼ばれる現象が起こる可能性が高いのです。
まぁ、自分のための組み立てですので急ぐ必要はありませんから、天気が良くなるまでスプレー塗装は止めることにしましょう。

その間はそれ以外の組み立て作業を進めることにしたのですが、シャーシーの組み立ては一通り終了し、エンジンの組み立てに移ります。
実は、今回は可動式のボンネットを固定してしまう予定でいますので、完成するとエンジンは見えません。ですので、別に追加工作はおろか塗装をする必要すらないのですが、将来フルディテール加工をすることもあるかも知れません(笑)ので、一応さらっと組み立てておきたいと思います。

エンジン関係の部品のパーツ割は標準的なものですが、全体的にモールドは甘く、シャープな出来上がりにはなりそうにありません。もし
ディテールアップするのであれば使うパーツは最小限にして、残りは自作するか、別販売されているディテールアップパーツを使用するほうが現実的でしょう。実際にホワイトメタル製の250GTO用エンジンも販売されているようですが、そこまでしなくともディテールアップは可能だと思います。

私ならまず一体で成型されている6基のキャブレターを切り飛ばし、アフターパーツに置き換えます。同様にメッキパーツで再現されているエアファンネルもアルミの挽き物に置き換えです。
エンジンブロックとヘッドカバーはこのまま使用し、バッテリー、ジェネレーターなどは同じくホワイトメタル製のアフターパーツに置き換えます。それをベースに2基のディストリビューターを加工し、プラグコードのパイピングとキャブレターに繋がる燃料系のパイピング、加えてラジエーターホースなどを追加工作するだけで随分と見栄えが良くなるのではないかと思います。
なんてことを考えながらそれでも塗装して仕上げてしまうのが悲しい性ですが、あくまで素組みでの出来上がりがこの程度ですから、これからディテールアップにチャレンジされる方の参考になるのではないでしょうか(苦笑)

ちなみに塗装は適当です(笑)。使用した塗料はベースをフラットアルミとし、セミグロスブラックとフラットブラックで黒の色調を分け、実物でメッキしてあるだろう部分はクロームシルバーを塗って見ました。エキゾーストマニホールドは耐熱塗料が塗ってあるイメージでライトグレイで塗装して見ましたが、ホンキで見せるのであればもう少し工夫が必要でしょう。
ちはみに、説明書の塗装指示は全くアテになりませんので、雑誌などに掲載されたエンジンの写真などを資料として参考にしてください。

続けてこのエンジンをシャーシーに載せるのですが、ここで問題が発生しました。説明書によるとエキゾーストマニホールドをエンジンに取り付けてからシャーシーにエンジンを載せるよう指示されているのですが、それではシャーシー下部にあるエキゾーストパイプに繋げることができないのです。タミヤのキットを作っているとこのようなことはないのでつい仮組みを怠ってしまいますが、それはタミヤが群を抜いて優秀なだけで、
総じてプラスチックモデルの組み立て説明書はこんなものですので、やはり仮組みは必須です。
仕方なく片側のエキゾーストマ二ホールドを一度外してシャーシーにエンジン本体を取り付けてから再度取り付けることによりエンジン組み立ては終了です。
組みあがったシャーシーを見ると250GTOがフロントエンジンでありながら、フロントアクスルより後方にエンジンが搭載されたフロントミッドシップと呼ばれる形式であることが良く分かります。少しでもエンジンを後方に搭載することによりクルマの中心に重量物を近づけ運動性能を向上させようとする設計者の意図なのですが、それも限界に近づき、この後にコンペティションモデルはリアにエンジンを置くミッドシップの時代に突入して行くことになります。

どうせ見えないから・・・とエンジンは適当に作るつもりだったのですが、思ったより時間がかかってしまいました(苦笑)
次はコクピットの組み立てです。コクピットはドアを可動に加工しなくとも、ガラス越しに見える部分ですので、少し追加工作をして見たいと思います。
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以前のDUCATI900の際にも書きましたが、プラスチックモデルのメッキパーツというのは功罪あり、個人的にはいらないと思うパーツ処理です。
プラスチックモデルがまだ子供のものであった時代は、塗装をして組み立てるのは上級者だけで、殆どの子供はパーツをランナーからむしり取り、塗装せずに各パーツを接着して組み立てていたものです。ですので、無塗装で組み立てたときにも実感が出るように、塗装する際の下地色としては邪魔な色でパーツを成型したり、パーツにメッキをしたりしているのですが、メッキパーツの問題は2点あります。
まずは
ランナーから切り離したりバリを取るためにヤスリをかけたりする際に、メッキが剥がれてしまうという問題です。タミヤ模型のモデルはそれを最小限にするためにメッキパーツのランナーと部品との間の枝は最も細く作られ、しかも切り離す場所が目立たない場所になるよう設計されていますが、その他のメーカーのものや旧いキットではランナーからメッキパーツを切り離しただけで、その跡が目立ってしまいます。また接着する面もメッキがついていると接着剤の力が弱くなってしまい、うまく接着できません。
また、
メッキの光りすぎによりかえって実感が殺がれ、いかにもオモチャ然とした仕上がりになってしまうことがあります。では、上から塗装すれば良いのですが、メッキは塗料をはじいてしまうため、うまく塗装できないのです。

このフジミのキットも最近のキットであるにも係わらず、そのメッキは昔と同じでいかにも・・・という出来栄えで、パーツ割もランナーから切り離す場所を考えた設計とは思えません。加えて一部にバリが出ていました。これらを削るとメッキは剥がれてしまい、とてもそのまま塗料でタッチアップして誤魔化せる状態ではありませんでした。
余談ですが、プラスチックモデルの金型もその他の工業製品の金型と同様で、使い続けると痛んできます。この金型の保守も重要で、きちんと補修をしないと雄型と雌型の間に隙間が出来てしまい、そこにプラスチックが流れ込み、「バリ」と呼ばれる余分なものが部品と一緒に成型されてしまいます。
残念ながらフジミの金型はタミヤのものに比べると精度が甘く、新作であるにもかかわらず一部にバリが出ていたりパーティングラインが太くなっていたりしています。ということは製造し続けられた旧い金型だとこの状態はもっと顕著でしょう。それもプラスチックモデルですから当たり前と言えば当たり前なのですが、組み立てる側の余計な処理が増えることには違いありません。と言うか、タミヤが群を抜いて優秀すぎるのですが・・・(苦笑)
ですので、プラスチックモデルは初期ロットを買うのが鉄則で、基本的にはどんどん製品の品質は悪くなって行くものなのです。すぐに作る予定のないモデルにもかかわらず新製品を買う理由は、決してコレクションのためだけではなく、こうした理由もあるのですが、なかなか理解をしてもらえません(苦笑)
本題に戻りましょう。250GTOのハイライトの一つであるANSAの4本出しマフラーのエンドは、実物もメッキされているためにこのキットでもメッキパーツとなっています。
一方のグンゼ産業のものはマフラー本体からホワイトメタル製のパーツになっており、エンドの部分は金属磨きで磨いてやることにより素晴らしい実感を得ることができます。
最初はこのエンド部分をコンバートすることを考えたのですが、残念ながらプラスチック製のマフラーにホワイトメタルのエンドを付けるとエンド部が重くなりすぎてしまい、マフラーが折れてしまいそうなのでアキラメざるを得ませんでした。
下の写真の左側がグンゼ産業のホワイトメタル製のリアエンドです。まだ磨く前ですがこれを金属磨きで磨いてやると落ち着いた素晴らしい光沢が再現されるので残念です。

しかし、とてもメッキパーツをそのまま使う気にはなれませんでしたので、メッキを剥がす処理をして塗装により仕上げることにしました。
メッキを剥がす方法はイロイロありますが、ペーパーで削り取ってしまうのが一般的でしょう。この方法はバリやパーティングラインも削ることができるので一石二鳥なのですが、細かいパーツだとそのペーパーがけも大変です。
下の写真の左側はランナーから切り離した状態で、右側はパーティングラインをヤスリで削ったものです。メッキが削れてしまいタッチアップどころでは修正できないのがお分かりいただけるかと思います。

今回は、メッキ剥離液という秘密兵器?を使用してメッキを剥がすことにしました。
金属のように電気を通す材料にメッキをする場合は電解メッキと呼ばれる方法でメッキされるのですが、これは材料に電気を通して電位差を生じさせ金属を表面に付着させるというメッキ方法ですので、逆の電位を与えてやればメッキを剥がすことが可能です。恐らく理科の実験でやった方も多いのではないでしょうか。
しかし、プラスチックは電気を通さないので、金属分子をコロイド状になったパラジウム触媒によって表面に付着させる無電解メッキという方法でメッキされています。このメッキを剥がす場合は剥離液と呼ばれる薬品を表面に塗布してやるのですが、それが今回使用する
メッキクリーンという剥離液です。

使い方は簡単でまずは部品を動かないように固定してやり、筆で剥離液を塗ってやります。今回は全体の剥離ですので部品全体に塗ってやりますが、接着する面のみにこの剥離液を塗ってやればそこだけメッキが剥離されますので、いちいち接着面をヤスリがけする手間を省くことができます。

10分ほど放置してやればメッキが剥離液に溶け出し下地が現れてきます。この時点で塗り残した部分をチェックできますので、メッキが残っている部分に再度剥離液を塗ってやります。
メッキが剥がれたら表面に残った剥離液を水で洗ってやれば終了です。

後はクロームシルバーで塗装してやるのですが、メッキよりも落ち着いて実感が増していると思います。
250GTOの組み立てに際してはメッキパーツをそのまま使うか、剥離して塗装し直すか、その部品によって使い分けてみようと思います。
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いよいよボディの本塗装です。ピンクで下地を塗装しましたが、本塗装でイタリアンレッドを塗る前にサーフェイサーの時と同様に表面のゴミを始末しておきます。

例によって本塗装は三度に分けて行います。まずは少し遠くから軽く全体に塗料を吹いてやります。
このときは多少まだらになってもOKで、一旦乾燥させます。
二度目は最初の塗装よりもゆっくり目に吹くのですが、最初の塗装でまだらになった状態からレッド一色になるように塗装します。多少塗装面が「ゆず肌」と呼ばれるブツブツ状態でも構いませんので、再び乾燥させます。

最後は塗料が垂れてくる寸前で止める感じでゆっくりと塗装してやります。そうすると塗装した表面はこの程度の艶を出すことができます。

本来ならば最終仕上げできちんとペーパーから順番に磨きを入れるのですが、最終仕上げで用いるコンパウンド磨きだけで表面を仕上げてやろうと考えると、この「垂れてくる寸前」という塗装方法は必須なのですが、一方でこの方法は危険と隣り合わせです。
その危険とは・・・、

このように乾燥する際に塗料が垂れてしまうことがあるのです。
塗料は溶剤が蒸発することにより表面が硬化して行きます。スプレーはその塗料が粒状になって表面に張り付きますので、乾燥が速いとその粒が残ってしまいます。一方で乾燥が遅いとその粒は潰れて行きますので、硬化したときは表面が滑らかになり光沢が出るのですが、一方で乾燥が遅いため塗料が垂れてしまうリスクもあるワケです。垂れる直前で止めるという技術は何度も失敗して会得するしかないために、必ずしも成功するときばかりではありませんので、このように塗料が垂れてしまった場合はその部分を1200番から2000番のペーパーで削って滑らかにしてやります。この際に削りすぎは厳禁で、少しづつ周囲の表面の状況を見ながら削って行きます。そして再度もう一度スプレー塗装をしてやると修正完了です。
果たしてピンクで下地を作った効果はどうでしょうか。比較のためにサーフェイサーも吹かずにイタリアンレッドで塗装したグンゼ産業の250GTO(左)と並べて見ました。

実は太陽光の下で見るとその効果は歴然で、フェラーリ独特のちょっと黄味がかったレッドが再現できたのですが、蛍光灯の下で撮影するとその差はあまり分かりません。
例によって乾燥を待つ間に、他の作業を並行して進めます。組み立て説明書によると、フロントサスペンスション→リアサスペンスション→マフラー→エンジンルーム→コクピットの順に組み立てるよう指示されています。最終的にボディを被せて出来上がりとなるのですが、特段の問題はなさそうですので、指示通りに組み立てて行くことにしましょう。

フジミのプラスチックはタミヤのものと比較すると弾力性があり、ヤスリで削ったりする加工にはあまり向いていません。バリやパーティングラインはアートナイフで削り取ってやります。モールド色はセミグロスブラックですので、フレームなどはそのままでも良いのですが、「なんとなく」塗装をすることにします(苦笑)
最近作ったバイクのモデルは手を抜くところがないのですが、クルマのモデルに関して言えば、自分が「見せたい」と思わない部分は手を抜くことが可能です。今回はボディがメインですので、それ以外の場所で見えない部分はサラッと組むことにします。

ディスクブレーキも見せ場にすることはありませんので素組みでやっつけます(苦笑)

フレームもこんな感じです。キットの部品のままパーティングラインを削ったのみで、塗装して組み立てたものですが、完成したモデルを底から覗くことはまずないでしょうからこのレベルで充分です。
続いてはプラスチックモデルの最大の難敵?であるメッキパーツについて考察してみたいと思います。
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フェラーリ250GTOの最大の見せ場はそのボディラインだと思います。アルファ・ロメオTZ2、ジャガーE-Type、アストン・マーチンDB4Zagato、シェルビーコブラDAYTONA Coupeなど、この時代の美しいボディラインを持つクルマは数多くありますが、そのバランスと美しさで群を抜いているのがこのフェラーリ250GTOで、それをどこまで美しく再現できるか・・・を今回の製作ポイントにしようと思います。

まずはボディ塗装の下準備です。プラスチックモデルは射出成型と呼ばれる金型にプラスチックを圧力をかけて流し込むことにより作られています。金型は雄型と雌型からなり、最終的にこの二つの金型を外して取り出すのですが、どうしてもこの合わせ目にパーティングラインという筋が入ってしまいます。最近の精密な金型ではこのパーティングラインは殆ど目立たないレベルになりましたし、また金型を設計するときにこのどうしても入ってしまうパーティングラインをいかに目立たない場所に入るようにするかという工夫も、現在では限界と思われるレベルにまで達していますが、それでもこのパーティングラインは塗装をすると浮き上がってしまいます。
塗装のための下地作りはこのパーティングラインを完全に消してやることが重要ですので、念入りに800番の耐水ペーパーで削り取ってやります。パーティングラインは連続していますので、一箇所見つけて追っていけば必ず全てを見つけることができます。
パーティングラインを削ったら今度はボディパーツを洗ってやります。パーツの表面にはは金型から外すための離型剤というオイルが残留しています。このオイルを残したまま塗装をすると塗料をハジいてしまうので、しっかり脱脂してやる必要があるのです。
私はキッチンハイターなどの塩素系の漂白剤を使用していますが、脱脂ができるものでプラスチックを痛めない薬品であれば何でも良いと思います。
フジミのキットはエンジンが再現されボンネットが可動するようになっていますので、そのボンネットは別パーツとなっています。こうした別パーツのボディパネルは前もって仮組みをしておきます。最新のキットですのでまず考えられないことですが、稀に組み合わせが悪く、段が出来てしまったりしますので、塗装前に確認して必要ならば修正しておきます。

塗装するためにはテープで仮留めをしておきます。今回はエンジンを見せ場にしないためボンネットは接着してしまいますので、折角のボディラインを邪魔しないよう念入りに面調整をしておきます。

このモデルでは1/24スケールということもあり、完成後にスミ入れをしようと思っていますのでパネルラインを事前に深く掘り込んでおきます。使用するのはケガキ針という工具で、これを使ってラインに沿って彫刻刀の要領で掘り込んでおきます。

ここまでボディの準備ができたら、まずはプライマーサーフェイサーを軽く吹き付けてやります。サーフェイサーを塗ると表面の状態が良く分かりますので、もしパーティングラインの消し忘れがあったり、表面に無視できない傷がついていたりすれば分かりますので、再度ペーパーで磨くところからやり直しです。またサーフェイサーは足付けという本塗装の食いつきを良くする効果もあります。

サーフェイサーを吹くとボディ表面のゴミなども良く分かります。このゴミをそのままにして塗装を続けるとゴミを埋め込んでしまうことになりますので、この時点でペーパーで磨いて取り除いておきます。

今回はボディをレッドで塗装するのですが、フェラーリのレッドはその解釈がイロイロで、その色調に拘る方も多いと思います。フェラーリに限らずイタリア車のレッドはまちまちで、アルファ・ロメオのレッドとマゼラーティのレッドは明らかにその色調が異なります。
今回はタミヤのイタリアンレッドを使用しますが、実車と同様に下地にピンクを塗ることによりその発色を鮮やかにしてみたいと思います。

この時点でじっくり乾燥させ、再度ボディの状態を確認してからいよいよ本塗装です。
乾燥するまでの間に、奮発したエッチング製のワイヤースポークホイールを組むことにしましょう。

鍛造ホイールが登場する前はワイヤースポークのホイールが一般的でしたが、その中でも
高性能車にこぞって採用されていたのがイタリアのBORRANI製のホイールでした。
1922年にカルロ・ボラーニによってミラノで設立されたBORRANI社は、イギリスのB.R.W.社の意匠のもとにワイヤースポークホイールの製造を開始します。
ワイヤースポークホイールは軽量で頑丈かつ柔軟なことに加えてブレーキの冷却効果に優れており、さらにBORRANI社のセンターロック方式はホイールの脱着時間が短く、レースにおいては圧倒的な有利性をもたらしました。当時のタイヤは現在のものと異なり、耐久性に劣りパンクもしやすかったため、レース中のタイヤ交換は当たり前だったのですが、その交換時間が短いことはレースで勝利する上で重要な要素だったのです。
BORRANI社のホイールはアルファ・ロメオ、ランチア、フィアット、ビアンキ、イターラといったイタリアの自動車メーカーに採用され、レースシーンで活躍するようになります。
その後、マゼラーティ、そしてフェラーリにも採用され、フォーミュラカーにもBORRANIのホイールは装着され、8回の世界チャンピオンと、2回のマニュファクチュアラーズタイトルを獲得する成績を残しています。
後に鍛造のアロイホイールが全盛となり、ヒストリックカーのリプレイス用としてしか需要がなくなった現在もBORRANI社は製造を続けており、それまでに装着したその殆どのモデルのホイールを現在でも入手できることはスゴイことだと思います。ちなみに調べてみたら250GTO用のホイールは1本476,000円!だそうです。
今回入手したエッチング製のグレードアップキットはアルミの挽き物のリムとアルミエッチングのパーツで構成されています。それを積み上げるように順番に組み上げていくことによりBORRANI製のホイールを再現することができます。

フジミのキットに付属しているタイヤを組み合わせて完成なのですが、そのタイヤは当時のオリジナルではなく、AVON製のタイヤです。

精密に再現されたタイヤのサイズはフロントが215/70/15、リアが225/65/15というサイズですが、このAVONというタイヤメーカーもダンロップと並んでこうしたヒストリックカー用のタイヤを製造してくれる有難いメーカーです。

特徴あるノックオフのスピンナーもそのセンターの跳ね馬エンブレムもエッチングで再現されています。これなら完成した250GTOに映えることでしょう。
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ようやく頼まれ物が一段落したので、自分のためのプラスチックモデルを作ることができます(苦笑)
おかげさまでDUCATI900を作ったことで、少し手先の感覚が戻ってきました。
どんな手作業であれ、一旦身に着けた感覚を維持するためにはその作業を続けることが一番で、ブランクが開いてしまうとどうしても元の感覚を取り戻すまでに時間がかかってしまうものです。
今回は来るべき老後に備え(笑)、なるべくその感覚を忘れないように作り続けておこうと思ったのですが、やはりいきなりアルファ・ロメオに行くのにはまだ抵抗があり、リハビリとしてフェラーリ250GTOを作ることにしました。

ご存知のようにあまたあるフェラーリのモデルを通じて、今尚、「最も美しいフェラーリ」と呼ばれているのがこの250GTOです。
1961年に新たにFIAがチャンピオンシップをかけることにしたGTカテゴリーにエントリーするために開発されたのがこの250GTOで、1961年にそのプロトタイプが発表され、改良を重ねて1962年にデビューしました。ベースとなったのは250SWBで、その鋼管チューブラーフレームをさらに軽量化し、250Testarossa譲りの3.0L 12気筒エンジンを搭載し最高速度は300km/hと言われています。
その美しいボディはスカリエッティによるアルミ製で、全てが手作業による製造であったために、その生産数39台(4.0Lエンジン搭載のものも含む)のボディ形状は全て異なっていると言われています。外観上での一番大きな違いは1962年に製造された初期モデルはボディサイドのスリットが2本で、1963年のものから3本となっていることに加えて、リアのダックテールスポイラーが初期モデルはリベット留めであることに対して、1963年以降のモデルはボディと一体となっているのですが、アクシデントでボディを修復されたりしているため、必ずしも現存するモデルがこの通りとは限りません。
プラスチックモデルでは1/24スケールで旧くはフランスのエレール社(記憶ベースですが・・・)、そして永らく決定版であったグンゼ産業、イタリアのイタレリ社のものに加えて、最新作でフジミ社のものがあります。

今回は最新作のフジミのものを組み立てようと思うのですが、手許にあるグンゼ産業のものとそのボディ形状を比較して見ると、大変興味深いものがあります。
グンゼ産業のものは発売されたのが25年前になりますが、発売当時にはそのボディ形状は決定版と言われ、永らく250GTOのベストモデルとして君臨したものです。ハイテクモデルというプラスチック素材に加えてホワイトメタル、エッチングパーツなどが組み合わされたこのシリーズはその車種ラインアップが完全にオトナ志向で、現在は生産休止となってしまっているのが惜しまれるモデルですが、新しく発売されたフジミの250GTOとはそのボディ形状が明らかに異なっています。

上の写真の左側、ボンネットのない方がフジミ製で、右がグンゼ産業のものなのですが、全体的にグンゼ産業のほうがトレッドが広いことに加えて、顕著な違いは二点あり、その一つはフロントノーズの絞込みで、グンゼ産業のものがスクエアであることに対してフジミのものは先すぼみな形状です。

また、リアはグンゼ産業のものと比べて尻下がりとなっているのが違いなのですが、これらの違いにより全体的な印象としてはフジミのボディの方がスリークな形状をしています。

前述したように、250GTOのボディは各車が微妙に異なっているので、シャーシNo.を特定して再現していなければ間違いとは言えず、むしろ好みの問題だと思うのですが、こうして比較して見ると、
グンゼ産業のものが力強くグラマラスな250GTOを再現しようとしていることに対して、フジミのものはもう少し繊細な250GTOを表現しようとしているのではないかと思います。
グンゼ産業のものはハイテクモデルというだけあって、モデルのハイライトとなるボラーニ製のワイヤースポークホイールがエッチングで再現されています。ワイヤースポークホイールはミニチュアモデルの最大の問題で、どんなに繊細なプラスチックパーツであったとしても、やはりエッチング製には敵いません。


フジミのキットに付属しているプラスチック製のホイールもプラスチック製としては素晴らしい出来なのですが、ご覧の通りエッチング製に比べると見劣りがしてしまいます。
ここはグンゼ産業のホイールをコンバートしようと思ったのですが、残念なことにホイールの直径が微妙に異なっており、アキラメざるを得ませんでした。どうしたものか・・・と思っていたら、ちゃんとエッチング製のグレードアップパーツが出ていることが分かったので、それを入手することにしました。しかし流用できる他のエッチングパーツは極力使用することにして、仕上げていこうと思います。
グンゼ産業のものをツブしてしまうのは残念ですが、持っていても恐らく一生完成しないでしょうから(苦笑)、ここはフジミ製のために流用してやるのが供養というものです。

バイクのモデルと異なり、クルマの場合はどこにハイライトを置くかを考えて製作しなければいつまでたっても完成しなくなってしまいます。
250GTOの最大の特徴はやはりその美しいボディスタイリングだと思いますので、今回はリハビリということもあり(笑)、エンジンルームやコクピットにはあまり凝らずに製作にあたってはボディの塗装に重点を置くことにしましょう。
今回は自分のためのモデルですので、のんびりゆっくりと楽しませていただこうと思っています。
でもその前に・・・笹本さんの宿題を仕上げなければ(苦笑)
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