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走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

過去の罪滅ぼし?

以前のブログで「悲しきA112」と題して、恐らく不動のため放置してあるアウトビアンキA112 ABARTHについてご紹介しました。そして「ブログの威力」と題して、不思議な縁でその持ち主が見つかった経緯を書かせていただいたのですが、このブログがきっかけで、ご紹介したA112は無事に新しいオーナーの許で甦生されることとなりました。

その新しいオーナーとは・・・ナンと!ALFA・DEPOTの坂野社長で、私のブログを見て「引き取りたい」とご連絡をいただいたために、トントン拍子にハナシが進み、無事に坂野さんの手許に行くこととなったのです。
聞けば坂野さんは昔、JAXの代理店に勤務されており、新車でA112を販売するという「罪深い」過去の悪行の罪滅ぼしということで、この「悲しきA112」を引き取る決断をされたそうなのですが(笑)、すでに坂野さんの手許にはもう一台のA112が永年に亙ってレストアをされているとのことですので、恐らくそのような高潔な志による動機ではなく、単に「好き」なんでしょう(爆)

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というワケで坂野さんの手許に渡った例のA112がどーなったか興味もあり、また「佇まいが良い」などと外観だけで判定した私の判断についても確かめたくなったために、久しぶりに坂野さんのお店を訪ねることにしました。
ALFA・DEPOTは春日部の国道16号線から幹線道路を少し走ったところにあります。地図を見ると都内からは遠く感じてしまいますが(苦笑)、実際に行くと意外に便利な場所です。

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ALFA・DEPOTの在庫はHPでチェックさせていただいているのですが、その仕入れはいつ見ても絶妙です(笑)。
決して高年式の低走行車ではないのですが、市場の価値とクルマの価値のアンバランスさと言うか、中古車市場の隙間をついた心憎い品揃えです。

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例えば、916Spider/GTVを例にご説明すると、この10年オチのアルファ・ロメオは市場価値としてはほぼ底値で、今後は値段すら付かなくなって行くであろう車種なのですが、一方でクルマとしての価値は・・・と言うと、基本的な初期化さえしてやればまだまだフツーに走りを楽しむことのできるモデルです。こういったモデルは仕入れ値が安いため、きちんと手を入れて売ったとしても、まだ手頃な値段で販売することができるのですが、一方で手を入れなければならないというのがミソで、そこには知識と経験が必要となります。
高年式のクルマは「右から左」に捌くことができますし、最近のモデルであれば手を入れなければならない箇所なぞ殆どないでしょう。そうなるとお値段勝負となってしまったり、ボディカラーやグレードなどを数多く揃える、所謂タマ数勝負になってしまうのですが、ALFA・DEPOTで扱うような「ちょっと旧い」イタ車は、仕入れの際にその個体の程度を見極める選択眼が重要で、加えて販売価格に見合った初期化をどの程度行うかによって、その個体に大きな差が出るのです。
ALFA・DEPOTが扱うクルマ達は、当に、「どこから買うか」というのが重要な価格帯のクルマだと思います。

そんな中にあって仕入れのコンセプトは同じでありながら、ちょっと場違いなクルマ?もありました。

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チョロQマニアには堪らないらしいのですが(苦笑)、NEW BEETLEのワンメイクレース用の車両です。
室内はダッシュボードやシートはノーマルでありながら、ちゃんとロールケージも組み込まれています。加えてこのカラーリングですので、目立つこと請け合いなのですが、それが災いしてどう乗って良いやら分からないクルマになっています(笑)
委託販売とのことですが、このままレースに出て果たして戦闘力があるのかどうかは疑問で、むしろ洒落で乗るには面白いかも知れません。

さらに場違いなのがこのポルシェで996と呼ばれるモデルです。

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私自身はポルシェにはさほど興味がないために、993とか996と言われてもナンとなく「ああアレね」程度の知識しか持ち合わせていないのですが、これは外観がGT3ルックに仕立てられており、私レベルには充分、「ハッタリ」が効く外観です(笑)

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内装の程度もナカナカで、新車の価格を考えるとこのお値段はリーズナブルだと思うのですが、残念ながらポルシェの中古車相場に関しては不勉強なので、何とも言えません。
昔は「ポルシェ500万の法則」というのがあり、どんなに安い値段でポルシェを買っても、ちゃんと走るように整備すると車両価格を含めて結局は500万円になる・・・と言われていましたが、さすがに996にまでなるとそれほどの整備代は必要ないでしょう。
このクルマも預かり物だそうで、どうやらこのボディカラーにGT3ルックというのがマイナスポイントになっているそうです。それが気にならない方にはお買い得ではないでしょうか?

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そうやって在庫車を冷やかしていると、ようやくどこかで見たようなA112がありました。しかし、私が最後に見たあのA112とは似ても似つかない外観です。もしナンバープレートが外されていたら、これが同じクルマだとは分からなかったでしょう。

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「悲しきA112」は既に蘇っていました。

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しかも驚くべきことにこのA112は間違いなく「上物」だったのです。

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住宅街に潜むお宝

新しく管理車?としてやってきたGiulia Sprintの前オーナーのお母様がタダ者ではなかったハナシは前回のブログでご紹介しましたが、そのご自宅の駐車場で2台のクルマに丁寧にかけられたカバーを無理にお願いして剥がしてもらいました。

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まず最初に出てきたのはお母様のクルマだと言うMG-GTでした!MGと言えばMGB Roadstarと呼ばれるオープンモデルが一般的ですが、これはそのRoadstarボディにファストバックルーフを加えたクローズドモデルです。日本ではさらにローバー製のV8エンジンを搭載した最もスパルタンなモデルが一般的(それでも大希少車ですが・・・)なのですが、このMG-GTはRoadstarと同じ4気筒エンジンを搭載したモデルです。そしてさらに・・・このモデルは何と!ボルクワーナ製のATトランスミッションを搭載しているのです。

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ボディカラーは微妙な色合いのグレーメタリックでその程度は抜群でした。最近でこそ日産マーチなどでこういった微妙なボディカラーを目にしますが、英国車に塗られていたBMCカラーにはビビッドな色以外にこういった微妙な色調のものが多く、オーナーのセンスが問われる部分です。
そして内装はそのカーペットまでが赤!で、ボディカラーとの組み合わせが素晴らしい個体です。
内装の造りはMGB Roadstarと一線を隔しており、そこはバンデンプラにも通じる素晴らしいウッドパネルが貼り込まれていました。

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無理を言って4人乗車で車検を取得したとのことですが、リアシートはさすがに狭く、このクルマが2座のRoadstarベースであることが覗えます。しかしそこはコーチワークの本場であるイギリス製で、そのリアシートやリアハッチの造りはとても後付設計とは思えません。
素晴らしい内装と相まって、このMG-GTが文字通りGrand Tourerとして、そのベースであるMGB Roadstarとは別格であることが分かります。

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ボルクワーナー製のATトランスミッションはその造りがしっかりしており、Giulia SprintのZF製よりも好感が持てました。もちろん試乗していませんのでそのフィーリングは何とも言えませんが・・・(苦笑)

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実は真っ先に目が行ってしまい失笑を買ったのですが、フロントライトはLucas製の3ポイントレンズが装着されていました。旧車にとってこのフロントのレンズはその佇まいに重要な役割を果たしています。イタリア車ではCarrero製のライトがオリジナルで、残念なことに日本で車検を取得する際に、右側通行のための光軸変更でKoito製に交換されてしまいます。このLucas製のライトはオリジナルでこのパーツを探し求めているオーナーも多いのです。

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ホイールはノックオフスピンナーのワイヤースポークです。何を言ってるか分からない方もいらっしゃると思うのですが(苦笑)、ノックオフスピンナーとはホイールの車軸への取り付け方のことです。
現代のクルマのホイールはスタッドボルトで取り付けられていますが、昔のワイヤースポークのホイールですと、その構造からボルト穴を開ける場所がホイール側に作れないために、センターロックという所謂車軸に直接大きなネジで締め込む方式が主流でした。現代は危険なために無くなってしまったこの方式は、走行中にこのスピンナーが緩んでくるために、定期的に締め込まなければなりません。そのやり方はハンマーでスピンナーの爪の部分をひっぱたくという方法で、ホイールをはずすときも同様です。

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エンジンはオリジナルを保ちながら、現代の道路事情に併せて近代化がされていました。英国車の泣き所である電気系はフルトラ化され、オーバーヒート対策もバッチリでした。ちょっとオーバースペックかとも思いましたが、オイルクーラーまでもが装備されており、その雰囲気を壊さずにツボを押さえた近代化には好感が持てました。

そして、驚愕はこれ一台では終わりませんでした。「ミニですよ~」と仰るオーナーにお願いしてさらにもう一台のカバーを剥がしてもらうと、そこにあったのはフルチューンのMk.1クーパーSでした!

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Mk.1という初期のミニは希少で、さらにそのチューン版であるクーパーSとなると更にレアなのですが、この個体はオーバーフェンダーを装備していました。一部のマニアからは邪道だと言われるそうですが、私自身はミニのマニアではないためにこのヤル気満々の外観は当時のツーリングカーレースを思い出させてくれるなかなか良いモディファイだと思いました。

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美しくペイントされたホワイトのボディにルーフのチェッカー塗装がアクセントになっています。聞けば、昔のMG5という整髪料のコマーシャルに使用されたとのことで、確かにMG5はチェッカー模様がトレードマークだったことを思い出しました。

MG-GTが街乗り用として仕立てられていることに対して、このミニはレーシングモディファイが施されていました。

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エンジンは通常のSU製のツインキャブレターに代えてWEBER製が装着されています。そして内装を見てビックリしてしまいました。

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そこには、ノーマルのシンプルなセンターメーターに代えてラリー用のメーター類が装備されていました。しかも使われているのはハルダ製のラリーウォッチなど、雰囲気を壊さない当時の装備そのままだったのです。
このままでヒストリックラリーに出場できる状態です。

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ホイールも定番のMINILITE製のマグネシウムホイールで、しかも履いているタイヤはAVON製というコダワリです。
このミニはあの有名なGPライダーであるワイン・ガードナー氏のご家族が所有されていたクルマだったそうですが、待乗りのMG-GTにレーシングユースのミニという組み合わせがとても素敵でした。
しかもお母様がこれらのクルマの面倒を見ていらっしゃるとお伺いして、これらのクルマが幸せに暮らしていることが良く分かりました。

住宅街の細い路地の奥にひっそりと隠れているこれらのお宝と、それを愛しているお母様との組み合わせがとてもホノボノしており、いつまでも眺めていたいと思わせてくれる光景でした。

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ご近所の名店

昨日の不摂生が祟り、いまだに復活できずにいますので、予定外のコンテンツです(苦笑)

クルマ趣味に限らず何でもそうだと思うのですが、同好の志にとっては涙が出るほど素晴らしい環境が、全くその趣味のない方にとってはどーでも良いことってあると思うのです。
その好例が私の自宅の近所のクルマ屋さんだと思います。

そのお店とは…
オートジャンクションです。

おおよそ、スパルタンな四駆のオーナーでこの店を知らない方はいないという程、そのスジでは超有名なスペシャルショップです。特にミリタリージープに関しては日本で屈指のノウハウを持っており、全国からこの店を頼って軍用車両のレストアや整備の依頼が来るそうです。
事実、このショップの禁断のシャッターの奥にはとんでもないお宝が整備を待っているのです。
このショップでは第二次大戦中のWillis MBは当たり前?で、米軍のジープであれば、戦後のM38、M151はフツーに見ることができます。さらに、Ford GPWやDodge Command Carを始め、ランドローバーの野戦救急車なんてクルマもさらりと入庫していたりします。
いずれ潜入取材をさせていただこうと思っているのですが、そのジャンクヤードにはとんでもない「お宝」が部品取りのために積み上げられている一方で、たまに停めてある"For Sale"の物件は、写真のように完璧にレストアされた個体です。

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ちなみにこのWillis MBは知るヒトぞ知る、第二次世界大戦で米軍で活躍した軍用車両です。
もちろん"Jeep"という愛称の方が遥かに有名で、戦後は四駆の総称として使用されるほどになった名称ですが、その由来は定かではなく、General Purpose(万能)もしくは Government-use(政府用)の G とホイールベース 80 インチの車両を表す識別符号の P から来た符号 GP から"Jeep"と命名されたという説と、漫画「ポパイ」に登場する「ユージン・ザ・ジープ」からという説などがあります。

そもそもの開発のきっかけは、1940年にアメリカ陸軍補給廠が、ポーランド侵攻におけるドイツ軍のキューベルワーゲン(かのビートルのご先祖)の活躍に注目し、自動車メーカーに小型軽量の多目的車両の開発オーダーを出したと言われています。各社競作となったこの車両は、最終的にはアメリカン・バンタム社が落札し、プロトタイプを製作することになったのですが、バンタム社の生産能力を危惧したアメリカ陸軍はこの設計図を公開し、Willis Overland社はWillis MAを、Ford Motor社もFord GPと呼ばれるプロトタイプを製作。3社合わせて数千台規模により実戦投入された結果、Willis MAに改良を加えたMBが正式採用されたのです。

最終的に、このWillis MBは第二次世界大戦中に、647,925台が製造され、さらにその水陸両用タイプのFord GPAも12,778台製造されるという大ヒットとなったのですが、戦場での信頼性だけでなく、その姿は、戦後進駐してきた占領軍の象徴としても敗戦国に強烈な印象を残したのです。

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余談ですが私の父は学徒出陣で徴兵されましたが、幸いなことに既に戦場へ兵士を運ぶ輸送船なぞなく、本土決戦に備え内地で陸軍砲兵として敗戦を迎えたのですが、進駐して来た米軍のJeepを初めて見たときに、「こりゃ負けて当然…」と思ったそうです。

その理由の一つはWillis MBの卓越したデザインにあります。1940年と言えば、殆どのクルマは独立したフェンダーにライトポッドが取り付けられた現代の目から見た所謂「クラッシック・カー」のカタチをしていたのに対して、Willis MBはそのグリルにライトを埋め込み、従来のどのクルマにも似ていない機能美を身に付けていたのです。この普遍的なデザインがどれほど優れていたかは、現代のJeepにもその形状が受け継がれていることからも分かります。

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実は、私もこのWillis MBのステアリングを握ったことがあります。学生時代にスキーで宿泊した赤倉高原のペンションのオーナーがこのWillis MBを所有しており、私に運転させてくれたのですが、その軽い車体と細いタイヤにより、雪道をナニゴトもなく走破できるため、面白くてスキーをせずに乗り回して遊ばせていただいたのですが、フロントガラスが取り払われていたため、とにかく寒かった経験があります。
その記憶もあり、このFor SaleのWillis MBにはちょっとソソられるものがありましたが…恐らく高くてとても買えないでしょう(苦笑)

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ちなみにこのWillis MBは極めてオリジナルに忠実にレストアされているのですが、フロントウィンドウに取り付けられた赤い矢印のパーツは何のためのものだと思いますか?
どうぞ考えて見てください。

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ごめんなさい

急な飲み会で予定していた内容でUPできませんでした(汗)
そこで…、フランス車フェチのあ・な・たにお送りする、複雑な写真をお目にかけます。
これは私の自宅近くの駐車場の光景なんですが…、
う~ん。シュールです(苦笑)
某氏の感想を是非聞きたいものです。

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シューティングブレークの粋

いつも私のブログをご愛読いただき、コメントをお寄せいただいている、山形にお住まいのこ~んずさんのブログを私も楽しみに読ませていただいています。

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こ~んずさんと初めてお会いしたのは昨年の4月だったと思います。アルファ164オーナーズクラブのイベントで那須ツーリングを企画した際に、お友達のアルファ164Q4オーナーの方とご一緒に参加されたのが初めての出会いでした。
その後、茂木の12時間耐久でお会いしたりと、距離の割には接点が多く(笑)、バーチャルとリアルの両方でお付き合いさせていただいている方です。
この方のブログは私と違い「正統派」のブログで、日々の出来事や社会問題などにも言及されており、本当に面白く拝見しているのですが、そこに書かれていた様々なワゴン改造車のハナシを読んで思い出したのが、このシューティングブレークのことでした。

以前の私のブログでご紹介したGMC Typhoonを買っていただいた方の次のクルマ選びの際にご紹介したのが、LYNX社が製造していたジャガーXJ-Sをベースに改造された、シューティングブレークでした。

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おおよそ、ワゴンと呼ばれる車種には各国で歴史と伝統があります。
それはその呼び方に表されているのですが、アメリカでは荷物とヒトを運んで大陸を横断した駅馬車にちなんで、「ステーションワゴン」と呼ばれます。この「ワゴン」という呼名が一番一般的で、やはり馬車の時代からの名残です。
一方、ヨーロッパのフランスでは「ブレーク」と呼ばれます。バカンスの国ですので、日常を「ブレーク」し荷物を積んでバカンスに出かけることから付けられた名前です。そしてイタリアでは「ジャルディネッタ」と呼ばれています。
イギリスはさすが貴族の国で、「エステート」が一般的でした。もともとは「地所」という意味で、やはり領地を見回る・・・という意味から名付けられた名前です。
ところが、更に趣味性を高めたのが、アストン・マーチンを改造した「シューティング・ブレーク」です。これは貴族が狩りをするためのクルマとしてオーダーしたことによるもので、猟犬と猟銃を積んで移動するためのクルマに特別に名付けられたものです。

さて、例のTyphoonオーナーから、そろそろ次のクルマという相談を受けたときに思いついたのが、このシューティング・ブレークでした。この方は八ヶ岳に別荘をお持ちで、さらにその時期に大型犬を飼い始めたこともあり、別荘への移動にこのシューティング・ブレークはうってつけだと思い、「こんなクルマもあるんですよ~」と軽い気持ちで紹介したのです。

もちろん、本当に買うとは思ってもいませんでしたから、まずは日本の方にありがちな、ステーションワゴン=バンといったイメージを取り除いた後に、シトロエンのXMブレークとか、ランチア・テーマ・ワゴンなどをオススメするつもりでいたのです。

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しかし、この方はシューティング・ブレークというロマンチックな名前の由来と、このLYNXのスタイリングに参ってしまいました(苦笑)

さて、ホンキで探すことになってしまったこのLYNXですが、正しくはLYNX Eventerと呼ばれています。このイベンターという名前は馬術競技の馬場馬術、耐久、障害の三種混合の競技名に由来する名前で、やはり貴族の使うクルマとして意識されたネーミングです。そしてかのチャールズ皇太子もオーナーの一人だったと言われているクルマなのですが、最大の問題はその生産台数で、LYNX社はXJ-Sをベースとしてはいるものの、その全てが受注生産で、67台を製作したのみなのです。

しかし日本には既に3台輸入されていることを突き止め、その輸入を手がけたガレージ日英の白鳥社長に相談に行きました。
当然、日本のオーナーは手放すワケはありませんので、イギリス国内で探すことになったのですが、ひょんなことからその売り物が出てくることになりました。それはイギリスのジャガー・オーナーズクラブの方からの情報で、オーナーの方はすでに他界されており、その未亡人の方から…、
「イギリスで他のオーナーの手に渡るのは忍びないが、日本で大切にしてくれるのだったら…」
という売却OKの情報だったのです。その気持ちは良く分かりましたし、おそらく生前のオーナーは大切にしていたのでしょう。しかも何台も見比べて買うようなクルマではありません。白鳥社長と送られてきた写真を見ながら、日本の道路事情に合わせたラジエーターのコア増しやら電気系統の強化策などを相談していたのですが、残念なことにキャンセルとなってしまいました。やはり中古の英車は不安ということで奥様のお許しが出なかったとのことなのですが、私も白鳥社長もこの縁をアキラメたくはありませんでした。

私たちは経験上、このようなクルマがおいそれと欲しいときに売りに出ることなどないことを良く知っていますし、その程度が素晴らしいとなると尚更です。

そして、このLYNXは日本に輸入されました。新しいオーナーは英車好きで有名な俳優F氏の関係者でした。F氏の息子さんはミュージシャンで、有名なグループのリードボーカルを担当されているのですが、その所属する音楽事務所の社長さんがF氏に感化されて購入することになったのです。

こうして無事に海を渡ったLYNX Eventerは白鳥社長のもとでリフレッシュされ、素晴らしいオーナーの許で元気に都内を走っています。私もたまに青山界隈で見かけるのですが、その姿を見かける度に、その縁を取り持つお手伝いができたことがちょっと嬉しいクルマです。

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