走ってナンボ

アルファ・ロメオを始めとする「ちょっと旧いイタ車」を一生懸命維持する中での天国と地獄をご紹介します。

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Giulia Sprintのお目覚め

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随分と朝晩は涼しくなり、クーラーのないGiulia Sprintは夏の間は冬眠ならぬ夏眠をしていたようなのですが、そろそろ出番となるようです。確かに昔はクルマにクーラーなぞは装備されておらず、子供の頃にタクシーの窓に書かれた「冷房車」という文字がやけに眩しかったことを憶えています。

日本に正規輸入されたGiulia Sprintにはオプションで日立製作所製のクーラーが装備されていましたが、もともとクーラーのコンプレッサーを取り付けることを前提としていないエンジンには結構な負担となっていたようで、あまり冷えない割りにパワーロスが大きく、決して評判の良いものではありませんでした。
現在、日本国内を元気に走っているGiulia達の殆どは正規輸入車ではなく、中古並行で海外から輸入されたものでしょうから、クーラーを装備しているGiuliaは希少だと言えます。
そしてこのATのGiulia Sprintも当然のことながらクーラーの装備はありませんので、オーナーに「根性無しっ」と文句を言っても夏眠をむさぼるのは仕方ないのかも知れません。

そしてようやく夏眠から醒め?そろそろGiuliaを走らせてやろうと主治医に点検をお願いしたところ、ウォーターポンプからの水漏れが発見されてしまいました。
ご存知のようにウォーターポンプはラジエーターで冷やされる冷却液をエンジンに循環させるためのポンプでその内部には常に冷却液が入っています。
その冷却液のメンテナンスを怠ると、沈殿物やら塩害やらでラジエーターの腐食だけでなくウォーターポンプも傷めてしまうことになります。

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Giulia Sprintのエンジンは30年に亘り製造されたご長寿エンジンで、アルファ・ロメオを代表するエンジンとして定評があるのですが、搭載されたモデルにより特にその補器類の仕様は異なっています。このGiulia Sprintは希少なAT仕様ですので、常識がそのまま通用するとは限りませんので現物を確認して部品を手配することにしました。

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幸いなことにウォーターポンプは一般的な他のGiulia Sprintと同じ部品でしたので、国内で入手することができました。国内調達の部品は海外調達に比べて部品単価は割高ではあるのですが、単品の場合は送料や時間を考えると決して高いとは言えず、むしろ注文して翌日に届くことを考えるとリーズナブルだと思います。

そして部品を手配し、いざ交換・・・となったのですが、永年交換していなかったためにスタッドボルトが錆びて固着してしまっており、その脱着には苦労をかけてしまいました。
こうした旧車は現代のクルマに比べると構造がシンプルで、交換作業はし易いと言えるのですが、それは錆びたり腐ったりしていなければ・・・というのが前提で、現代のクルマのつもりで簡単に取り外そうとすると、ボルトが腐って山がなくなっていたり、ネジが固着して折れてしまったりとメカニックに思わぬ苦労をかけることになります。しかしこれも経験で、あらかじめ分かって作業をするのと、知らずに途方に暮れるのでは全くその後の対応が異なるのは言うまでもないでしょう。

さて、外したウォーターポンプですがそれは悲惨な状態でした。

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ホースを繋ぐパイプの部分は冷却液の不純物により腐食が進んでいました。またインナーの部分もご覧の有様です。これでは冷却液を送るにも抵抗が増してしまい、結果としてポンプに負担をかけ、オーバーヒートの原因となってしまいます。

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交換したウォーターポンプは見た目にも美しく、これで一安心ですが、やはりクーラー装備を前提としていないエンジンはこうした冷却系もその熱量を前提に設計されているため、後付でクーラーを装備したりすると思わぬところに負担をかけてしまい、部品の寿命を縮めることになると思います。
このGiulia Sprintのウォーターポンプが腐食するまで保ったのは、クーラーも装備せずチューンもしていないノーマルエンジンであったからでしょう。

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これで気持ちよい秋空の下で思う存分Giulia Sprintを堪能してもらうことができます。きっと、三角窓を開け、さらにリアのクォーターウインドを開けて走ると、気持ちよい風が室内を吹き抜けて行くことでしょう。

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さぁ、次はいよいよボディのリフレッシュですか・・・ねぇ(笑)

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ヤル気のないGiulia Sprint

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春になって友人のGiulia Sprintは大活躍で、カフェ・ド・ジュリアやALFAROMEO DAYなどイベントにも出かけているのですが、そろそろ梅雨も始まり蒸し暑くなってくるにつれ、エアコンがない・・・という軟弱な理由で「夏眠」に入ろうとしています(笑)

そもそもこの春に大活躍できるようになったのはリフレッシュメンテの成果で、そのリフレッシュの方針は彼の愛車である赤スパのリフレッシュメンテの経験に基づくものでした。
この個体は幸いなことにボディの状態が素晴らしかったので、まずは足回りのリフレッシュから部品集積を開始しました。そして、その部品集積は私の担当だったのですが(苦笑)、オーナーは丸投げをしてしまったために、主治医と私とで相談しながらどこを交換するか・・・という方針を決めて行きました。
その部品の殆どは海外手配で、115Spiderと共通の部品、Giulia Sprint特有の部品を含め、その殆どが北米で手配することが可能なのは本当に有難いことです。
以前にも書きましたが、北米で販売されたか、されていないかで部品手配の状況は一変します。アルファ・ロメオに限らず、北米で販売されたクルマはOEM部品や再生産品を含め、大半の部品を北米で調達することができるのです。

参考までに今回の足回りリフレッシュで調達した部品を部品番号と共にご紹介しましょう。

60547729 Bush
60516902 Bush
60516528 Bush
60516741 Wick
60516801 Wick
60517179 Cover
60516530 Bush
60516896 Swing Arm DS
60516894 Swing Arm SN
60515903 Swing Arm
60515902 Head
60519656 Link DS
60519657 Link SN
60515907 Wick
60521379 Bush
60515919 Silent Brock
60515929 Rubber Pad
60547729 Ring
60515930 Silent block-trailing arm-front
60516929 Silent Brock-trailing arm rear
60516936 Silent Brock
60516923 Rubber Pad
60516939 Sleeve
60516719 Silent Brock
60567412 Support
60518403 Support
2520170 Carb Mount-40mm
MISC. ANSA Exhaust (Front-Rear)
3800200 Gasket
3800210 Gasket
15511781 KONI Red- GTV(Front)

これらは全てノーマルの足回りを最適にすべくチョイスされたものでした。個人的な意見ですが、強化ウレタンブッシュなどはボディへの攻撃性と乗り心地を考えるとあまりオススメできません。
オーナーの強い意向で、エクゾーストは全交換することにしました。アフターパーツでステンレスマフラーなど数多くのチョイスがある中で、彼が拘ったのは純正品でしたが、それではあまりに面白くないので、最終的にはANSAの純正OEM品となりました。

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ただ、輸送梱包の問題から、再溶接を前提にアメリカで切断されて届いたので、またもや主治医には溶接の苦労をかけてしまいました。

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またダンパーはリアには最初から赤KONIが装着されていましたので、今回はフロントも同じ赤KONIに揃えることにしました。赤KONIの乗り心地は緑スパを始めとして彼の赤スパにも装着済みなので、安心してチョイスすることができました。

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リフレッシュ作業そのものは基本的には115Spiderのときと同様です。プロペラシャフトのカップリングやサポートベアリング、そしてユニバーサルジョイントをチェックして行き、フロント及びリアのサスペンスション関係のブッシュ類をチェックし、交換すべき部品を洗い出して行きます。

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本来ならばこれで乗り出すハズだったのですが、タイミングの悪いことに、ちょうどそのときに緑スパのエンジンOHが終了し、彼が試乗してしまったのです(笑)
その変わりように感激した彼は、GiuliaのエンジンもOHすることにしてしまいました。

Giuliaエンジン1

スラッジを全て落とし、バルブガイドを特注で真鍮をベースに作って、ヘッドを面研して再度組み上げられたエンジンは各部品の精度を揃えたために、滑らかに廻る素晴らしいエンジンになりました。
かくしてようやく乗り出せるようになったGiulia Sprintですが、撮影のために洗車に勤しむオーナーをご紹介しましょう。正直言って洗車をしている彼を初めて見ました(爆)

Giulia洗車2

当初の予定からは随分予算も期間もオーバーしてしまったのですが、何とか1期工事?は完了しました。さらにオーナーのコダワリからタイヤをサイズダウンさせ、ハイトの高いタイヤに交換して出来上がったGiulia Sprintはレーシーなモディファイもせず、強化部品も使わない、限りなくオリジナルに近い、「全くヤル気のない」Giulia Sprintになりました。

そして実際に乗ってみると、この「ヤル気のない」Giulia Sprintの乗り味は素晴らしいものでした。旧いクルマはバランスが命!と聞いたことがありますが、当にその通りで、どこも突出したところのない、全てにおいてバランスの取れたこのクルマは一度乗って見ると、その素晴らしさが良く分かります。
おそらく新車のGiulia Sprintはこの乗り味だったのでしょう。レーシーなモディファイが施されたヤンチャなGiulia Sprintも魅力的なのですが、オリジナルのGiulia Sprintは「オトナのGT」だったのではないでしょうか。
そしてその奥深い完成度の高さに魅了された当時の日本のユーザーと同様に、私自身もGiulia Sprintに対するイメージを一新させてくれるような仕上がりとなったのです。

さて、暫くはこの状態で楽しむことになるかと思いますが、2期工事は内外装のリフレッシュ?となることは必至だと思いますので、更なる試乗インプレッションとともにまたその模様はお知らせしたいと思います。

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掘り出し物

昔は中古車を探していると、思わぬ掘り出し物に出会えたものです。
それは現在のようにインターネットがない時代で、各々の中古車店が自身の判断で仕入れたり値段を付けていたからなのですが、現在のように売る側も買う側も、業販オークションで仕入れの相場が分かり、インターネットで全国の物件が検索できるようになってしまうと、それだけ情報量も多い代わりに、昔のような掘り出し物に出会うこともなくなってしまったのです。
インターネットにより情報量が豊富になることは決して悪いことだとは思いませんが、中古車に関しては、掘り出し物を見つけたり、自分の知識の無さからボッタクられたりするエキサイティングな買い物ができなくなってしまったことはちょっと寂しくもあります。

それでも掘り出し物が全く無くなったか?と言えばそんなことはなく、ひょんなことから「えっ?」と思うような出会いがあるものです。
前回のブログで記事にしたランチア・テーマワゴンを見に行った川崎にあるストリートライフで、お店に入るなりテーマより先に目に飛び込んできたのが、このGiulia Sprintでした。

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このお店はもともとラリー車に強いお店で、国産、外車に限らずラリーのホモロゲーションモデルやモディファイ、そしてさらに実際にラリー出場車の改造などがメインですので、今回見たランチア・テーマワゴンも中古車の品揃えからすると少し異端なのですが、更にこのGiulia Sprintは異端を通り越して場違いで、本来ならばご近所のデルオートに生息しているべきクルマです。

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それほど場違いでしたので、最初にこのクルマを見たときにはそれが売り物だとは思いませんでした。たまたま訪れたお客さんのクルマか、さもなければ「仕方なく」(苦笑)、整備に預けられたものだと思いこんでしまったのです。それも当然で、値札もつけずに周囲のデルタ軍団の中にぽつんと置いてあるのですから、私でなくても売り物だとは思わないでしょう。

115SpiderやGiulia Sprintに限らず、こういった旧いクルマは数を見てくると、ひと目みただけで、それ以上検分するに値するクルマかそうでないクルマかの見分けがついて来るものです。
私はひと目でその佇まいの良さに感激してしまいました。ですので、お店の方に「こんなクルマのお客さんもいるんですね」と思わず声をかけたのですが、返って来た答えが「どうです?売り物なんですが…」というもので、こうなると遠慮がなくなり、仔細を検分することにしました。

所謂、「段付き」と呼ばれるGiulia Sprintの中でもそのフェイスでは人気の高い1300GTJですが、後付のGTAグリルに交換されることなく、ノーマルのままであることに好感が持てます。
ボディカラーはライトブルーというこれまた微妙な色で、アイボリーと共に赤以外で考えれば、このGiulia Sprintに良く似合う色だと思います。もちろん再塗装されたものでしょうから、オーナーのセンスの良さが窺えます。

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佇まいを見ただけでその行き届いたメンテナンスが窺い知れたのですが、それもそのはずでリアウインドウには今は亡き、ガッタメラータの管理車であるステッカーが残されていました。
過去にも書きましたが、Giulia Sprintはボディの状態が全てです。そしてそのボディはサイドシルを始め、錆が出やすいところが決まっていますので、そこを順番にチェックして見たのですが、気になる錆は見当たりませんでした。ちょっとボディラインがボッテリしていることから再塗装の塗膜が厚いか、錆を適当に処理してパテ埋めテンコ盛りかと思ったのですが、どうやらそうでもなさそうです。
内装を全て張り替えたというシートも素晴らしいコンディションでした。

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ステアリングがノンオリジナルでNARDIのウッドが装着されていることと(オリジナルらしきステアリングも積んでありました)、お約束のダッシュボードのヒビ割れがあることを除けば室内も合格です。
しかし1300GTJのインパネは確かフラットメーターだったと記憶しているのですが、後期型はこのスピードメーターとタコメーターが独立した、所謂「おっぱいメーター」(失礼!)もあったのでしょうか?それともオリジナルから換装されたのでしょうか?ちょっと謎ですが、程度が良いのであまり気にしないことにしましょう(苦笑)

エンジンは換装されているのかどうか定かではありませんが、どうやら排気量は1300ccのようです。
Giulia Sprintの他のモデルに比べると非力であることは否めませんが、トルクピークを外さないように高回転を維持して走るのは、ちょっとした頭脳ゲームでドライビングそのものが楽しめるエンジンです。折角、1300GTJを買うのであればそれを楽しむべきで、1750ccエンジンや2000ccエンジンに換装してしまうのは勿体無いと思います。

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さすがに試乗はしませんでしたが、コールドスタートでチョークを引けばアイドリングはすぐに安定し、異音もないことからエンジンの調子も良好だと思いました。それにしても絶妙なキャブセッティングだな・・・と思い、キャブを見ると。

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それもそのはずで、SOLEXのシングルキャブに換装されていました。どうりでグズることなくアイドリングが安定しているはずです(苦笑)
聞けば、前のオーナーが街乗りを重視して換装したらしいのですが、ちゃんとノーマルのツインキャブも部品として付属しているそうですので、ここはやはりツインキャブに戻したいものです。

さて、気になるお値段ですが、委託販売であることもありびっくりする位の破格値でした。相場の半額と言って良いでしょう。詳しくはお店に問い合わせてみてください。

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新しい管理車

あれよあれよという間に身近に来ることになってしまったGiulia Sprint 2000GTVですが、オーナーの赴任の都合により見学から1週間で引き取ることになってしまいました。
勝手に乗っていけば・・・とも思うのですが、この友人の頼み方が絶妙で(苦笑)、仕方なく工具と牽引ロープを積んで伴走することとなりました。

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台風を避けて・・・と日程を変更したことが災いして引き取り当日は生憎の雨模様でした。折角のGiuliaを雨の中に廻送することは気が進みませんが、先方の都合もあるので仕方ありません。新しいオーナーである友人の運転で雨の環8を一路、主治医のもとに走り出したのですが、生憎の渋滞と雨でキャブレターの調子を崩しはしないか・・・と気が気ではありませんでした。
途中で運転を替わり、私も運転する機会があったのですが、確かに程度は抜群で、甘いブレーキを調整するだけで取り敢えずは乗れるのではと思うほどでした。ノンパワーのステアリングの感触は以前所有していた115Spider Sr.3と全く同じで、走り出してしまえばその重さは全く気になりませんでした。アクセルレスポンスは良く、踏み込むとエンジンは豪快に吹け上がりグイグイ加速していくのは、2000ccエンジンであることと、ATのギア比がマッチしているからでしょう。

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無事に主治医の許に到着して改めて観察して見ましたが、その佇まいはなかなかのものです。特にドアなどの各パネルのチリが合っているためにそう見えるのですが、Giulia Sprintに限らずドアが大きく重いクーペタイプの旧いクルマはドアが下がって来るために、それだけでボロく見えてしまうのです。もちろん、そんなものは修正すればすぐに治る部分ではあるのですが・・・(苦笑)

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Giulia Sprintの外観で重要なチャームポイントはフロントからリアにかけての2本のフェンダーラインだと思います。ボディサイドのプレスラインに加えて両脇に切り立ったエッジがあるのですが、事故でブツけたり、レストアでヘタな板金をしたりするとこのエッジが綺麗に再現されません。それは私のようなシロートでもじっくり観察すると分かるもので、この2本のラインがビシッと決まっていることが、その佇まいの重要なポイントだと思います。

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リアのトランク上部も同様で、このラインがGiuliaの微妙な曲面をシャープに見せるアクセントとなっていることが分かります。それにしても巨匠ジゥジアーロは天才です。

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雨足が強くなってきたので、ガレージに引き入れてさらにチェックをして行きます。全体的な外観は素晴らしいのですが、細かい部分には傷があります。これらはフツーに乗っていれば付いてしまう傷ですし、現代の鋼板と異なり当時の鋼板は粘性が弱く、ちょっとブツけただけですぐに傷がついてしまいます。

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一番目立つのが右リアのあて傷ですが、最近流行のデントリペアで十分対処できるレベルです。

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左後ろ上部にもドアのあて傷と思われる窪みがありました。115Spiderの場合も同様なのですが、このような曲面にドア傷をつけられると、本当にガッカリしてしまいます。ドアのエッジは鋼板が折り返されており、そこでブツけられるとちょうど鋭利なハンマーで叩かれたのと同じダメージを受けることになります。駐車場などで平気で隣のクルマにドアをブツけるヒトを見かけますが、特に隣が旧車の場合は気をつけたい行為です。

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右ドアにはタッチアップされた跡が残っていますが、色味が異なるために目立ってしまっています。

今後はまずはメカニカルな部分を重点的に初期化することになりますが、一段落したらこういった外観も手を付けたい部分です。

そして余談ですが、このGiulia Sprintの前オーナーの方のお母様が失礼を承知で言わせていただければタダ者ではありませんでした。ご自宅に最初にお伺いした際には115Spiderと916Spiderの2台でお邪魔し、引取りの際にはさらに見学者としてJunior-Zまで参加してお伺いしたのですが、一番目を輝かせて出て来られたのはお母様の方でした(笑)。
聞けば、以前はGiulia Sprint 1300Jに乗ってらっしゃったそうで、ご子息である前オーナーもそのGuliaで運転の練習をしたそうです。

そしてご自宅にある2台のクルマがこれまた驚愕の垂涎モノだったのです。

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アリかナシか・・・?

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日本だけでなく世界的に3ペダルのクルマは瀕死の状態だそうです。確かにクラッチペダルのついた新車は最近殆ど見かけなくなってしまいました。以前のヨーロッパではAT車は身体に障害を持つドライバーのためのものという認識があり、健常者は老若男女を問わず3ペダル車を運転するのが当たり前だったのですが、最近はセミオートマも含めて2ペダル車の普及速度は凄まじく、大型セダンのみならずコストにうるさいコンパクトカーにまで及んでいるのが現状です。
もちろん技術の進歩も大きな要因です。同じ2ペダルであっても昔のATと現在のATは雲泥の差で、シフトスケジュールは人間の感性をも数値化してプログラミングされていますし、理屈は複雑すぎて良く分かりませんが、多段ミッションのシフトスピードももはや熟練した人間のスピード以上です。
それでも、3ペダルが私たちのようなクルマ好きに根強い人気があるのは、私たちがクルマを運転していることを実感させてくれるからなのでしょう。

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今回ご紹介するGiulia Sprint2000GTVはなんと!オートマチックトランスミッションを装備しています。しかもそれは後から載せ替えられたものではなく、純正で200台のみ製造されたもので、おそらく日本では1台のみであろうと思われる個体です。

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ご存知のようにGiulia Sprintは今尚、アルファ・ロメオの代表作と言って良いモデルで、Bertone時代の巨匠ジゥジアーロデザインによるそのクーペボディは、後席にもちゃんとオトナが乗ることができる素晴らしい居住性を有しています。
1963年に発表されたGiulia Sprint GTはマイナーチェンジ毎に排気量をアップし、最終的には2000GTVとしてファイナルモデルとなります。
今回見ることができた1975年式の2000GTVは新車でオーストラリアにデリバリーされたもので、現地ではワンオーナーでずっと大切に乗られてきたものです。しかもオーナーはご婦人で、整備はディーラー任せであったことが幸いして、その殆どがオリジナルを保っている素晴らしい個体でした。

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この個体は現地駐在の日本人に購入され日本にやってきたのですが、オーストラリアの乾燥した空気のもとでは錆の心配がなかったボディも、高温多湿の日本のことを考え、下回りを重点的に錆対策を施したそうです。また弱っていたブレーキ周りを一新し、ATであることから日常のアシとして女性にでも運転できるように整備したとのことでしたが、その素性の良さは素晴らしいものがありました。と言うか、多かれ少なかれ何らかの改造を加えられた個体しか見たことがない私にとって、このオリジナル状態のGiuliaはATであることを除いても興味深いものがあり、私の従来からのGiuliaに対するイメージを一新させてくれるものがありました。

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エンジンルームは適度な使用感があり、個人的には磨き上げられたものより好感が持てました。プラグコードなど消耗品は交換されているようですが、おそらくオーバーホールなどの重整備はされていないと思われます。

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キャブレターは残念ながら不人気のデロルトでした。新車時は加えてWEBER、SOLEXの3種が装着されていたのですが、現在はオーバーホールキットのないデロルト製のキャブレターはその多くがWEBER製に換装されています。

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最大のポイントはこのATです。オリジナルのATですのでちゃんとコンソール部分も専用に改造されており、その処理には全く違和感がありません。どうやら2000BerlinaのATトランスミッションを流用しているようですが、そのZF製のATはシフトショックも少なく、中間トルクの太い2000ccエンジンのせいもあり、一旦慣れてしまえば全くフツーに運転することができるそうです。また、現代の電子制御のATと異なり、機械式であるため信頼性も高そうです。

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インパネ周りもオリジナル状態を保っています。ステアリングは純正装着のパーソナル製のウッドでリペアされた形跡もありませんでした。唯一といって良い改造箇所はライトスイッチでインパネ右下にスイッチを新設していました。メーターの走行距離は何と!たったの38,500kmしか指していませんでしたが、これまた実走行とのことでした。

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内装はアイボリーのビニールで素晴らしいコンディションでした。ヘッドレストのステーは木製!です。

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サイドミラーにはちゃんとアルファ・ロメオのマークがあるタイプです。後付のリプロダクト品にはこのマークのないものもありますが、こちらがオリジナルです。

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ホイールはスチール製ですが、センターキャップの欠品もなく、使用年数を考えれば素晴らしいコンディションでした。

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ボディサイドにはBertoneのバッジが付きます。これはどういうワケか右サイドにのみ付いていたのですが、それが正しいのかどうか分かりませんでした。

これからGiulia系を購入しようとする場合は、まずボディのコンディションが最優先です。メカニカルな部分はいくらでも交換することができますが、ボディが腐っているとその修復には膨大な時間とコストがかかってしまいます。一口にボディの腐りと言っても、その錆の進行具合はパッと見ではなかなか分からず、いざ購入して塗装を剥離してみると穴だらけ・・・というハナシを良く聞きます。
ボディの錆びる箇所はある程度特定することができます。タイヤハウスの裏側、サイドシルの継ぎ目、ジャッキポイントのフレーム、そしてトランクルームなどですが、これらの殆どは雨水が溜まりやすい箇所で、ここが錆びているとそれ以外の場所にも錆が進行している可能性が大・・・ということになります。
この個体の場合は日本に来てからこういった箇所を重点的に錆対策を施したということもあり、全く問題はありませんでした。特にトランクを開けてスペアタイヤを抜いて見ても大きな錆は見当たりませんでした。

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確かに現オーナーから頂戴した下回りの写真を見ても、特に大きな問題は見当たりませんでした。

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さて、ボディのコンディションが良好で、オリジナル状態をキープした個体ということになると、それだけで充分、「買い」と言えるのですが、唯一の問題がこのATです。確かに日本で唯一の稀少車ではあるのですが、Giulia Sprintというクルマに果たしてATはアリなのか・・・私自身は答えを出せないでいます。
ただ、実際に助手席と後席(私が背筋を伸ばして乗ることができました!)で試乗した感想は、オリジナル状態のGiuliaは街乗りのクルマとして見たときには良い意味でフツーでした。

おおよそGiulia Sprintが欲しいという方は、購入する際に段つきだ、バンパーレスだ、GTAルックだとどちらかと言うとレーシングモディファイに走りがちではないでしょうか。そしてさらに新車以上にピカピカに磨き上げてイベントの際のみにガレージから引っ張り出して乗る・・・といった使い方が多いのではと思います。このようにどうしてもGiuliaというと構えてしまうのですが、この個体はそんな気構えは全く不要でした。唯一現代のクルマと異なる点は、パワーステアリングとエアコンが装備されていないこと位で、ドライバーも同乗者も自然と笑みがこぼれるような、これほど乗り心地の良いGiuliaは初めてだったのです。
全くヤル気のないGiuliaをATで肩肘はらずに日常のアシとする生活はちょっと素敵だなとも思わせてくれたのがこの個体でしたし、一方でヤル気満々のレーシングモディファイに魅かれる自分がいることも確かなのです。

ところがどうやらこの答えはじっくりと考える時間があるようです。今回の取材?は購入を前提とした見学試乗だったのですが、以前からクルマの整備を私に丸投げする悪いクセのある友人が、このGiuliaを衝動買い(笑)してしまったのです。
どうやらこれから初期化を含めて、このGiuliaとも付き合わねばならないようです。愛車である916Spiderでいくら天国を味わっても、2台の115Spiderに加えてGiulia Sprintの面倒まで見ることになれば、地獄巡りが始まることは必至です(苦笑)

さてどーなることやら・・・。

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